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2011.02.10 Thu
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- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:45:55.51 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
某ファミレスにて
22:30
唯「…あっ」
澪「ん?…おぉ」
梓「すいませーん、遅くなりました」
「よっ…と。とりあえず唯先輩ピンポン押してもらえます?」
澪「フッ」
唯「ププッ」ポチッ ピンポーン
梓「…なんですか?二人して…あっアレですか、またなんかドッキリ系ですか?」
澪「いや、ちがくて…」
~ゴチュウモンオキマリデスカー
梓「ドリバとポテト」
~カシコマリマシター -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:47:52.32 ID:E3wNi3de0
-
梓「…で、なんなんですか?」
澪「コレのこと、ピンポンって…と思って」
唯「プププ」
梓「あー…いや、でもこれピンポンでしょ」
澪「いやいや、ピンポンっていうのは音であってコレの名前ではないだろー」
梓「じゃあ澪先輩はなんて呼ぶんですか、これ」
澪「え…ん…と…ボタン?」
梓「ボタンんん~?ピンポンのほうがわかりやすくないですか?」
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:48:51.49 ID:E3wNi3de0
-
澪「ん~…スイッチは?」
梓「えぇ~、スイッチはおかしいでしょ~」
澪「だなぁ…唯、唯はどう思う?」
唯「ピンポン」
澪「…」
梓「…えっじゃあなんでさっき笑ったんですか?」
唯「あぁあれ?思い出し笑い」
梓「…」
唯「ピンポン」
梓「…」
澪「…」
唯「ピンポン」
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:50:01.52 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
登場キャラ
澪 ● 秋山澪。ベース。
ときたま天井から聞こえる「ミシッ」という音が気になって眠れないことがよくある。
梓 ● 中野梓。ギター。
携帯の充電ランプが気になって眠れないことがよくある。
唯 ● 平沢唯。ギター。
暴走族や重低音を響かせるDQN車が家の前を通っても気付かず朝を迎える。
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:51:40.47 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
22:36
梓「今日のポテト、なんか味薄いなぁ…」モグモグ
澪「どれどれ」ヒョイパクッ
梓「あっちょっ…」
澪「…確かに薄いな」
梓「でしょ?澪先輩ちょっとお塩とってもらえます?」
澪「あぁ…ん、あれ」
梓「どうしました?」
澪「このテーブル、塩ないぞ。ブラックペッパーしかない」
梓「…おかしいですね。さっきまで確かにあったような…」
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:53:17.68 ID:E3wNi3de0
-
澪「まぁ、店員さんに持ってきてもらっ…あっ」
梓「え?…あっ」
唯「コノショクエンハ、テンネンノガンエンヲシヨウシテイマス。メイショウ、シオ、ゲンザイリョウ…」ブツブツ
梓「唯先輩が持ってたんですか。すいません、それ貸してもらえますか?」
唯「…」ブツブツ
梓「…ゆ、唯先輩?」
唯「ダメ」
梓「いや、あの…すぐ返しますから…」
唯「今コレ覚えてるから、ダメ」
梓「…あの…」
唯「オトイアワセ、オキャクサマセンター…」ブツブツ
澪「…他のテーブルから持ってこよう…」
梓「…はい」
唯「…」ブツブツ
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:54:36.09 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
登場キャラ
澪 ● 秋山澪。ベース。
どっちがおすぎでどっちがピーコかわからなくなる時がある。
梓 ● 中野梓。ギター。
どっちがしずるでどっちがフルーツポンチかとっさに言えない時がある。
唯 ● 平沢唯。ギター。
マナとカナの見分けがつく。
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:59:03.52 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
22:47
梓「あっ」
澪「ん?」
梓「5番テーブルの右側の人、aikoに似てません?」
澪「5番テーブルの…あー、確かに。似てるな」
梓「ねっねっ。どう思います唯先輩、あの人似てるでしょ?」
唯「アイコ…」
梓「はい」
唯「…何組の子?」
梓「あ、いやいや、歌手です歌手。歌手のaiko」
唯「あぁーそっち…」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 21:59:55.74 ID:T6r0TG5k0
-
てか律と紬は?
てかなんで22時にファミレス?
-
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:04:22.55 ID:E3wNi3de0
-
>>16
・特にかんがえてないです、もしかしたらあとで出るかも
・特に理由はないです、フリーターとかサボリ学生がファミレスでダベるノリとかんがえてもらえればいいかと
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:01:15.39 ID:E3wNi3de0
-
梓「…」
唯「aiko…」
梓「…」
唯「…アイス食べたくなってきたなぁ…」
梓「…ちょっ、えっ?」
唯「えっ?」
梓「いや、似てるとか似てないとか言ってくださいよ」
唯「あー…ごめんねあずにゃん、さっきちゃんと見てなかったんだ」
梓「じゃあ今見てくださいよ。あそこのテーブ…あれ…」
唯「…帰っちゃったね」
澪「…」
唯「どんまい、あずにゃん」
梓「…はぁ」
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:02:21.30 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
澪 ● 秋山澪。ベース。
固めが好きなので、インスタントラーメンはお湯を入れてから2分30秒で食し始める。
梓 ● 中野梓。ギター。
インスタントラーメンを食べる際はパッケージの写真と同じ盛り付けにすることに心血をそそぐ。
唯 ● 平沢唯。ギター。
インスタントラーメンはたまにお湯をかけずにそのままかじる。
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:08:47.37 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
23:01
澪「まったく…ちゃんと準備しとけよな…」
梓「仕方ないですよ、我慢しますから」
唯「ん…どうしたの?」
梓「あ、唯先輩起きてたんですか」
澪「ドリバのコーラ、切れてるんだよ…残念だったな、梓」
唯「あー…でもそれってたまにあるよね、この店」
澪「そうなのか?」
梓「はい、3日前も朝2時くらいからなくなってました」
澪「そうか…」
「あーっもう!…アンケートに苦情書こうかな、コーラがいつも切れてるって…」
梓「いえいえっ大丈夫です、他の飲みますから…ありがとうございます、私のために」 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:12:57.11 ID:E3wNi3de0
-
澪「いやここは言うべきだろ、梓はお客様なんだぞ」
梓「でもコ-ラは人気ありますから…本当、大丈夫なんで」
澪「あー本当に苦情書いてやろうかな、うん書こう」
梓「…いやー…でも…」
澪「コーラ飲みたいんだろ梓、待ってろよ今書くから」
「本っ当に頭にくる…」
梓「…じゃあ書いてくださいよ!そこまで言うんなら!」
澪「…ん」
澪「…その前にトイレ行ってくるよ…」スタスタ…
梓「…」
唯「…帰ってきて書き始めたらペンのインクが出ないって言って『これじゃあ書けない、仕方ないな~』とか言う、に200円」
梓「…じゃ私は1時間くらい帰ってこない、に100円です」
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:17:04.65 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
登場キャラ
澪 ● 秋山澪。ベース。
昨晩、竹内力に道を尋ねられる夢を見た。
梓 ● 中野梓。ギター。
昨晩、ホリエモンがブランコをこいでいる夢を見た。
唯 ● 平沢唯。ギター。
ついさっき、楽しんごの相方になる夢を見ていたが本人はもうそのことを忘れている。
~~~~~~~~~~~~~~~
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:26:08.90 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
23:44
澪「ハァ~…」
梓「…」
澪「~…だよなぁ~」ブツブツ…チラッ
唯「…」
澪「…やっぱりなぁ…」ブツブツ
唯(やっぱり今夜もきたね、あずにゃん)ボソボソ
梓(はい…澪先輩の『なにがあったか気になるだろ?早くつっこんでくれよ』タイムが…)ヒソヒソ
澪「…あの時やっぱりなぁ~…」チラッ…ブツブツ
唯(あずにゃん早く聞いてあげてよ、チラチラこっち見てるよ)ヒソヒソ
梓(いや、でも…あのいかにもつっこみ待ちな態度がむかつくんですよ…)ヒソヒソ -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:28:15.88 ID:E3wNi3de0
-
澪「ハァ~…でもなぁ…」ブツブツ
梓(今夜は唯先輩が聞いてあげ…ちょっと唯先輩、突っ伏して寝たフリしないでください!)ヒソヒソ
唯「…」
梓「くっ…」
澪「…いやぁ…~だなぁ~」チラッブツブツ
梓「…」イライラ
澪「~すればよかったよなぁ…」ブツブツチラチラ
梓「…なにかあったんですか!?」
澪「…ん…いやぁ…」
梓「言ってくださいよ!」
澪「………別に…」
梓「………」イラッ
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:33:07.24 ID:+7OWBNOn0
-
その場にいたらイラつくだろうけど、何があったか気になるなw
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:33:36.93 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
登場キャラ
澪 ● 秋山澪。ベース。
几帳面なタイプだが、みかんの白いスジはとらずに食べる。
梓 ● 中野梓。ギター。
冷静なタイプだが、会話の途中で噛んでしまうとそこからグダグダになってしまう。
唯 ● 平沢唯。ギター。
楽天的なタイプだが、予備のトイレットペ-パーがないトイレでは用が足せない。
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:39:51.48 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
23:56
澪「そういえばさ」
梓「はい」
澪「梓って、たばことか興味あるか?」
梓「…澪先輩まさか」
澪「違う違う違う!高校の時、そういう誰々がたばこ吸ってて不良、とかって話聞かなかったからさ」
梓「あぁ…私は興味ないですね、第一、体に悪いでしょうし」
澪「だよなぁー!」ホッ
梓「急に変なこと聞くから何かと思ったじゃないですか…ねっ唯先輩」
唯「…」プルプルプル…
梓「…ゆ、唯先輩?」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:45:56.75 ID:E3wNi3de0
-
唯「…」プルプルプル…
梓「どうかしたんですか?」
唯「…」プルプルプル…
澪「唯…お前まさか…」
梓「…たばこ吸ってるんですか!?」
唯「…ん…」プルプル…ピタッ…
澪「!」
梓「!」
唯「…ゲフッ…炭酸飲んだあとってなんでゲップ出るんだろうね」
澪「…」
梓「……あの、たばこ…」
唯「あー、吸ってるよ」
澪「うっ…ウソだろ!?」
唯「うん、ウソ」
梓「…」
澪「…」
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:51:26.81 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
登場キャラ
澪 ● 秋山澪。ベース。
実は最近までホーチミンを「放置民」だと思っていた。
梓 ● 中野梓。ギター。
実は最近までナスダックを料理の名前だと思っていた。
唯 ● 平沢唯。ギター。
今でもトリカブトを虫の名前だと思っている。
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 22:57:37.81 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
0:12
梓「じ、じ…ジミー・ペイ『ジ』」
澪「じ…ジェフベッ『ク』」
唯「く…クッキー!」
澪「いやいやちょっと待て。クッキーは『音楽に関係ある単語』じゃないだろ」
唯「え~、軽音部みんなで食べてたじゃん。軽音部は音楽を演奏する部活でしょ?」プクー
澪「それは無理があるだろ…梓もなんか言ってやれよ」
梓「いや、正直もうつっこみ疲れましたよ」
澪「梓ぁ…」
梓「だって唯先輩の番、結構毎回ひどいでしょ。『Tシャツ』とか『窓ガラス』とか。それを無理矢理音楽につなげるんですから」
唯「えへへ」
澪「褒めてないっつの。…飽きてきたなぁ、なんか」
梓「ていうか何でしりとりなんかしてたんですっけ?」
澪「えーっと…」 -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:02:41.64 ID:E3wNi3de0
-
唯「…」
澪「…忘れた。…ドリバ汲みに行ってくるよ」
梓「あっじゃあ私も…」
澪「あーいいって、ついでに入れてくるよ。唯も入れるか?」
唯「澪ちゃん、いいの?メロンソーダで」
梓「スプライト、お願いします」
澪「わかった~…」スタスタ
唯「…行っちゃったね」
梓「?はい」
唯「しりとり、負けた人が全員分のドリバ汲み1回っていうルールだったのに」
梓「あ…あー…」
澪「おまたせー…唯、何ニヤニヤしてるんだ?」
唯「ううん。ありがとー」ニヤニヤ
澪「?…うーん、なんでしりとりなんかしてたんだろな…」
梓「…」ゴクゴク
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:07:34.63 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
登場キャラ
澪 ● 秋山澪。ベース。
朝から「劇的ビフォーアフター」のテーマが頭から離れずイライラ。
梓 ● 中野梓。ギター。
朝からロッキーのテーマが頭から離れずイライラ。
唯 ● 平沢唯。ギター。
朝から何かのBGMが頭から離れないが、そもそもそれが何のBGMか思い出せずイライラ。
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:13:09.96 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
0:25
梓「…」ポチポチポチ
澪「…なぁ」
梓「…」ポチポチ
澪「…おいっ」
梓「あっすいません、何ですか?」
澪「いや…何?メール?携帯…」
梓「あぁ…Twitter始めたんですよ、最近」
澪「あー…アレおもしろいのか?」
梓「他人のつぶやき見てるとおもしろいですよ、意外と」
澪「ふーん…」
梓「澪先輩もやりましょうよTwitter」
澪「いや、私は…」
梓「?」 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:17:58.65 ID:E3wNi3de0
-
澪「…なんていうか、つぶやくより叫んでいたいんだよ」キリッ
梓「…はぁ。…唯先輩はどうですか?」
唯「えーめんどくさいよー」
梓「…そうですか」
澪「いや、いつでも誰かに自分を発信していたいってのはわかるんだよ?」
梓「…はぁ」
澪「でもさ、そういう形で誰かとつながっててもさ…」
梓「はい」ポチポチポチ
澪「その点私はそういう薄い付き合いっていうの?違うと思うから…」
梓「あー…」ポチポチポチ
― ― ― ― ― ― ― ― ― ―
azu-nyan なんか先輩が調子のりだした
約1分前
azu-nyan 今日もファミレスでだべり中
約4分前
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:24:07.85 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
登場キャラ
澪 ● 秋山澪。ベース。
「名古屋コーチン」と口に出すのが恥ずかしい。
梓 ● 中野梓。ギター。
「マンドリル」と口に出すのが恥ずかしい。
唯 ● 平沢唯。ギター。
「万華鏡」だろうが「ちんすこう」だろうがドンとこい。
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:31:02.84 ID:E3wNi3de0
-
~~~~~~~~~~~~~~~
0:41
唯「…zzZ」
澪「いや、でも実際自分の父親がオジー・オズボーンだったらさ…」
梓「実際って言われても想像しにくいですよ、それ…」
唯「…ぅわっ!!」ガタァン!!
梓「!」ビクッ
唯「…ぁー…夢か…」
澪「どっどうしたんだ唯」ドキドキ
唯「あー…最悪だ…あずにゃんごめん、ちょっとドリバ汲んでくるから…」
梓「あっはい、今どけます」ヨッ
唯「ありがと…あー…」スタスタ
澪「…びっくりしたな」
梓「はい…どんな夢見てたんでしょうね」
澪「なー…あ、帰ってきた」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:35:59.85 ID:E3wNi3de0
-
唯「…」スタスタ
梓「あ、唯先輩、さっきどんな夢見て…」
唯「…チッ…」ボリボリ
梓「えっ」
唯「あー今すごい…思い出し怒りがすごい…」ボリボリボリ
澪「な、なぁどんな夢だったんだよ」
唯「すっごいイヤな夢見た…」ガリガリガリ
梓「ちょっと唯先輩、頭かきすぎですよ…落ち着いてください」
唯「…チッ…私にばっかり福神漬け食べさせて…」ガリガリガリガリ
梓「…福神漬け…?」
唯「………もう一眠り…」
梓「…あ、はい。おやすみなさい」
唯「…zzZ」
澪「…」
梓「…」
~~~~~~~~~~~~~~~ -
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:40:22.15 ID:E3wNi3de0
-
50
今日はこのあたりで
読んでくれた方いたらありがとう
代行ありがとう ではでは
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:42:04.35 ID:vORh5HYO0
-
面白かったよ。乙!
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:44:24.02 ID:cnKIn/nC0
-
おつ! -
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| けいおん!!SS
| 18:00
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2011.02.09 Wed
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- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 01:53:32.22 ID:4LvY5CuwP
-
梓「せーんぱいっ」ぎゅっ
澪「ひいっ?!って何だ、梓か…」
梓「そんなに驚かなくても…」
澪「ち、ちがうって!びっくりしただけだよ!」
梓「えへへ。一緒に帰ろっ?」
澪「あぁ」
まだ少し寒さが残る春。
私と梓は桜舞い散る帰り道を歩いていた。
今日は4月14日。
私と梓が付き合って、2ヶ月となる日。
きっかけは、バレンタインデーだった。 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 01:58:00.30 ID:4LvY5CuwP
-
――――――
――――
―――
――
…
梓「あのっ、私…。ずっと澪先輩のことが―――」
放課後、一人音楽室に呼ばれた私は梓に告白された。
耳まで真っ赤にしてチョコを差し出す梓の顔は、今も鮮明に覚えている。
私も、梓のことが好きだった。
とはいえ私には告白する度胸なんてあるはずもなく、
その想いを胸の内に秘めたままの日々を過ごしていた。
だからあの時の梓の告白は本当にうれしかったし、その反面ずっとうじうじしていた自分が惨めでもあった。
澪「………私も」
澪「私も、梓のことが…好き」
私も自分の想いを伝えた。
後出しというちょっとずるい形ではあったけど。
そして私たちは付き合うこととなった。 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 02:03:44.55 ID:4LvY5CuwP
-
何日かして軽音部のみんなにそのことを報告した。
隠すようなことでもなかったし、言ったところで何か変化が起こるような仲ではないからだ。
唯「えっ」
律「なん…だと…?」
紬「いま、何て?」
澪「だ、だからっ!私と梓は付き合ったんだって」
紬「もう一回いいかしら?」
澪「あの、その…。だから…///」
紬「えっ?!なに?!!もっと大きな声で!!!」
唯「ム、ムギちゃん…?」
紬「さぁ、さぁ!エビバディセイッ!!」
澪「うぅぅ…」
梓(澪先輩かわいい…) -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 02:08:14.75 ID:4LvY5CuwP
-
紬「でもすごくいいと思うわ。お似合いよ2人とも」
律(さっきのはいったい…)
澪「そ、そうかな…えへへ」
唯「あずにゃんはみんなのものなんだぞー!澪ちゃんずるーい」ぶーぶー
梓「ちがいますよ、私は澪先輩のものですから♪」
澪「あ、あずさぁあぁぁああぁ////」
律「うわ、出た!いま惚気やしたぜ唯隊員!」
唯「バカップルってやつですねりっちゃん隊員!」
紬「………」
紬「………」つー
唯「ムギちゃん鼻血!」
リアクションはそれぞれだったけど、みんな純粋に祝福してくれた。 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 02:15:57.83 ID:4LvY5CuwP
-
それからというもの、交際は順調に進んでいった。
みんな(というより律)は恥ずかしがる私をおちょくるのが好きなようで、
ティータイムの時にはよく茶化されたものだった。
澪「私のケーキにいちごが乗ってない…。明らかに取られた跡があるんだが」
梓「私のには2個乗ってます…」
唯「わぁ!そりゃ大変だ!」
律「はーい!梓のいちごを1個澪にあげればいいと思いまーす!」
澪「お前ら…。謀ったな…!」
梓「まぁ、それもそうですね。はい、澪先輩」ひょい
澪「あ、あぁ…。ありがとう」
紬「梓ちゃん!何やってるの!!」
梓「えっ…?その、1個あげようかと…」
紬「あーんよ、あーん!」
梓「」
澪「」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 02:20:10.84 ID:4LvY5CuwP
-
最初の頃はこんな感じで何度も顔を真っ赤にされていたものの、
ひと月もすると慣れてしまい当たり前のようになってきた。
澪「梓のタルト、おいしそうだな」
梓「一口食べます?はいっ」
澪「あーん」ぱくっ
澪「あ、おいしい…。私のチーズケーキも一口あげるよ」
梓「ありがとうございます」ぱくっ
梓「ん~♪おいしいです」
律「………」
律「つまんなぁぁぁい!!!」
澪「なにがだ!」
随分と律は退屈してしまったようだ。
とまぁ、こんな感じで順調に交際をしていた。 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 02:26:04.69 ID:4LvY5CuwP
-
…
――
―――
――――
――――――
梓「どうしたの?」
澪「いや、なんでもないよ」
ぼーっとしていたようだ。
梓に声をかけられ我に帰る。
梓「手、痛い?」
澪「ん?あぁ、平気だよ。ありがとう」
梓は私の手に貼られている絆創膏を見つめる。
この傷は唯と律が部室に連れ込んだ野良猫によるものだった。
澪「はぁ、新学期早々ついてないなぁ…」
梓「私もびっくりしたよ。最初はあんなにごろごろしてたのに、いきなり先輩に襲いかかるんだもん」
猫の気まぐれの犠牲(といっても引っかかれただけだが)となった私は、自分の手から流れ出る血を見て気を失ってしまったらしい。
自分の血を見て気絶してしまうだなんて、先が危ぶまれるといったものだ。 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 02:34:10.40 ID:4LvY5CuwP
-
澪「…3年生、か」
新学期早々、という言葉を口にしてふと思った。
私たちは3年生。今年で卒業。
合宿を行ったり、文化祭でライブしたり、私の高校生活は軽音部とともにあった。
まだ1年ある、とは思えなかった。それくらい、毎日が充実していたから。
もう1年しかないんだ、そう思うと急に寂しくなった。
梓「先輩たちは、今年で卒業しちゃうんだよね…」
梓「………」
梓は遠い目をしていた。
私たちが卒業してしまったら、軽音部は梓だけになってしまう。
ずっと5人でやってきたのに、そんなの寂しすぎる。
私と同じように、梓にも軽音部と共にあった3年間であったと感じてほしい。
だから―――。
澪「私たちが卒業しても寂しくないように、新入部員を集めないとな」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 02:40:00.51 ID:4LvY5CuwP
-
梓「そうだね。もっと軽音部を盛り上げなきゃ!」
澪「そのためにも、まずは新歓ライブだ」
梓「うんっ!絶対成功させるんだから!」
梓「…でも」
澪「ん?」
梓「先輩が一年生に構ってるの見るのは、ちょっと妬けちゃうかも…」
澪「そんなことないって。私が人見知りなの知ってるだろ?」
梓「でもでもっ…先輩かわいいし、しかもかっこいいし…。誰かにとられちゃったらどうしよう…」ぎゅっ
つないでいる手がほんの少し強く握られる。
この期に及んでそんないらぬ心配をしている梓がたまらなく愛しかった。
澪「大丈夫。私は梓一筋だよ」
梓「…本当?」
澪「あぁ、本当だ」
梓「えへへ、そっか♪」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 02:45:17.47 ID:4LvY5CuwP
-
こんなにも私のことを想ってくれる人がいる私は幸せ者だった。
寂しい思いをさせたくない、いつまでも笑っていてほしい。
だから、今年の新歓は絶対に成功させるんだ。
いつも以上に私は意気込んでいた。
澪「それじゃあ、また明日な」
梓「あ、待って先輩」
それから私と梓はぶらぶらと寄り道をしながら他愛のない話をしていた。
そしていつもの交差点で別れを告げようとすると、梓が私を呼びとめた。
澪「ん?」
梓はごそごそとバッグの中を漁り始めた。
バッグから手を取り出した梓は、何かを握っている。
梓「…記念日、おめでとうございます」
梓はそう言って私の首にその握られていた何かをつけてくれた。
見てみると、小さなハートの形をしたかわいらしいネックレスだった。
澪「…えっ?あ、梓?!」 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 02:50:57.61 ID:4LvY5CuwP
-
梓「えへへ、びっくりした?」
梓のサプライズにももちろんびっくりしたが、それ以上に申し訳ないという気持ちがあった。
私の方はこれといって特に何かを用意しているわけではなかったからだ。
もちろん2ヶ月の記念を祝わないというわけではない。
けど、一方的にもらうにはあまりにも申し訳ないようなプレゼントだった。
澪「そ、そんな!悪いよこんな高そうなもの…」
梓「いいの。私があげたかっただけだから」
澪「で、でも…」
梓「祝・最上級生って意味もこめてね♪」
澪「今度私もプレゼント用意するから、その時に交換しないか?」
梓「…そんなにやだ?」
澪「……!」 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 02:57:49.17 ID:4LvY5CuwP
-
これ以上は梓に失礼だと思った。
こんなの梓の好意をないがしろにしているだけじゃないか。
澪「…ありがとう、本当にうれしい。必ずお返しするから」
梓「いいよ、そんなの。先輩のその顔が見れただけで私は十分だよ♪」
梓「それじゃ、またね!」
梓はそう言って歩いていった。
澪「梓、ありがとう!」
私は大きな声で叫んだ。
梓は振り向いて手を振ってくれた。
その顔は、暗い夜道にも映えるぐらいの笑顔だった。 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 03:03:28.65 ID:4LvY5CuwP
-
澪「さてと!」
私も踵を返し家に向かった。
いくら春とは言えまだ少し夜は寒い。
早く帰ろう。帰って梓にもう一回お礼言わなきゃ。
私の足は自然と早くなっていった。
・・・・・・
澪「…ん?」
家まであと5分といったところだろうか。
一際暗い道に差しかかる。
いつもなら早足で駆けていくところを、私は立ち止まった。
何かちがう、そう思ったからだ。
この暗さの原因でもある雑木林の奥から光が漏れていた。
電灯とかそういった人工的な光ではない、もっと優しい光。
なんだろう。
よくわからないけど、不思議な光だった。
無意識のうちに、私はその光に吸い寄せられるように雑木林の奥に入っていった。 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 03:09:47.06 ID:4LvY5CuwP
-
近づくにつれ、その光源が見えてくる。
澪「………」
月だ。月の光が差し込んで、そこを照らしているのだ。
澪「わぁ…」
足を踏み入れた私は思わず息を漏らした。
それほどまでに幻想的な場所だったからだ。
周りに比べ雑木の少ないこの場所は特別光が差し込み、まるで切り取られた別の世界のように神秘的だった。
澪「今度、梓も連れてきてあげようかな」
2人だけの秘密の場所、なんてのもいいかもしれない。
そんなこと思いながら空を見上げた。
見上げる先には、大きな月。その儚げな光が夜を照らしていた。
でも、私が普段見ているそれとは少し違う印象をうけた。
なんて言えばいいのかわからないけど、不安になる光だった。
すると突然、地面が大きく揺れた。
澪「じ、地震?!」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 03:13:38.13 ID:4LvY5CuwP
-
揺れの規模はかなり大きい。
立っているのもままならなかった。
澪「……うっ」
バランスを取ろうと足腰に力を入れようとした途端、頭痛が起こった。
ただの痛みじゃない、何かに締めつけられてるような痛みだった。
澪「な、なんだ…これっ…。き、気持ちわる…い…っ」
徐々に気分も悪くなってきた。
意識が遠のいていくのがわかる。
視界もぐるぐると回り、ぼやけていく。
澪「…うぁ―――」
そして、私の意識は深い暗闇に落ちていった。
――――――
――――
―――
――
… -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 03:18:20.85 ID:4LvY5CuwP
-
澪「…ん」
目が覚める。
まるで長い眠りから覚めたような感覚だった。
辺りを見渡す。ここは私の部屋だ。
澪「あれ…」
記憶の糸をたどる。
昨日の帰り梓からプレゼントをもらったことまでは覚えてる。
が、そこから先がおぼろげだった。
その帰りに何でかわからないけど雑木林に入って、それから………。
澪「…夢か」
普通に考えて私が寄り道なんかするはずがない。
ましてや雑木林。あんな暗くて怖いところ一目散に通り過ぎるはずだ。
少し落ち着きを取り戻し、時計を見る。
時刻はもう8時を回っていた。
澪「………」
澪「うわああああ!!ち、遅刻だぁぁあぁ!!」
ベッドから飛び起きた私は急いで制服に着替えた。
玄関を飛び出す。陽の光が眩しい。
4月のわりには、少し暑い感じがした。 -
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 03:23:18.58 ID:4LvY5CuwP
-
【学校】
澪「はぁ…はぁ…」
教室に入る。
全速力で来たので息が上がっていた。
さわ子先生が教室から出ようとしているところだった。
どうやらホームルームは終わってしまったようだ。
さわ子「秋山さん、どうしたのその格好?」
澪「……?」
どうしたもこうしたも制服じゃないか。
何を言っているんですか、先生。
そう言おうとした矢先だった。
澪「え…」
教室を見渡す。
先生の言っていることの意味がすぐにわかった。
見渡す限り視界に映る薄手のシャツ、ベージュのニットベスト、少しだけ丈の短いスカート。
みんな、夏服だったのだ。 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 03:32:28.69 ID:4LvY5CuwP
-
澪「は?えっ…?」
私だけがブレザーを羽織っていた。
確かに今日は暑いけど、そんな薄着をするような時期じゃ…。
さわ子「まぁいいわ、あとで職員室に来てね。最近遅刻多いわよあなた」
思考の整理が追いつかないまま、先生が教室から出ていく。
私は先生の影で隠れていた黒板の文字を見て愕然とした。
9月9日
真っ白なチョークで、9月9日と書いてあった。 -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 03:38:31.50 ID:4LvY5CuwP
-
澪「え……」
何かの冗談に決まってる。
そう思って携帯を取り出そうとポケットに手を入れたが、携帯はなかった。
急いで家を出たから忘れてきたのだろう。
みんなが物珍しい目で私を見る。
誰かに確認したかったが、出来なかった。
それほどまでに、みんなの目が冷たかったからだ。
澪「……!」
バンッ
私は教室を飛び出した。
向かったのは、2年生の教室。梓のクラスだ。 -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 03:44:15.69 ID:4LvY5CuwP
-
【2年1組】
ガラッ
澪「梓!!」
梓のクラスもちょうどホームルームが終わった頃のようだ。
勢いよくドアを開けたせいか、クラス中の視線を浴びてしまった。
しかしそんなことは気にも止めず、梓のもとに向かう。
梓「…!」
梓はどことなく元気がなかった。
私の存在に気づいた途端、目線を下に落としうつむいた。
澪「なぁ梓。携帯、見せてくれないか?」
梓「………」
澪「聞いてくれよ梓。教室に入ったらみんな夏服でさ…」
澪「しかも黒板みたら9月9日だって書いてあるんだよ」
澪「まったくひどいイタズラだよ、おおかた律が主犯だろうな」
梓「………」
梓は何も言わなかった。
口を閉ざし、私に目を合わせようとはしなかった。 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 03:50:05.88 ID:4LvY5CuwP
-
梓「…何を言ってるんですか」
澪「梓…?」
急に不安に駆られた。
梓だけじゃない、他の人もみんな夏服だった。
黒板には、やはり9月9日と書かれていた。
澪「何を言ってるって…。今日は4月15日だろ?昨日私にプレゼントをくれたじゃないか!」
澪「あっ、わかったぞ。梓も私を騙そうとしているんだな?」
澪「まったく、律のやつめ。あとで―――」
バチン
澪「えっ…?」
頬に走る鋭い痛み。
梓「………」
少し経ってからようやく自分の身に何が起きたのか理解した。
私は、梓にビンタをされたのだ。
梓「…何がしたいんですか」
梓「………最低」 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 03:56:34.69 ID:4LvY5CuwP
-
梓はそれだけ言い教室を去ってしまった。
教室のあちこちでどよめきが起こる。
私が梓を追って教室を出ようとすると、後ろから腕をつかまれた。
純「澪先輩」
純「もう、やめてあげてください」
純「梓のやつ、先輩と別れてからずっとつらい思いしてるんですよ?」
純「先輩も軽音部を辞めて色々あったのはわかりますけど、だからって―――」
澪「…は?」
私が軽音部を辞めた?!
今日は9月9日で、私は軽音部を辞めてて、梓とも別れてて…。
まったくもって意味がわからなかった。
今日は4月15日で、梓とも仲良しで、今日から新歓ライブに向けて練習するはずだろ?
純「…澪先輩?」
自分の身に何が起きているのかさっぱり理解出来なかった。
頭の整理も気持ちの整理もつかないまま、ふらふらと梓の教室を後にした。 -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 04:02:49.37 ID:4LvY5CuwP
-
澪「あっ…」
自分の教室に戻る途中、律と唯と目が合った。
この2人なら何か話しかけてくれるかも知れない。
もしかしたら、ドッキリだとかネタばらしだとかしてくれるのかと期待もした。
いや、そうであってほしかった。
律「いこーぜ、唯」
唯「う、うん…」
しかし2人とも視線を逸らし、私に話しかけようともしなかった。
ドッキリとか、イタズラとかそういう類のものではないと感じた。
澪「………」
自分の教室に戻った私はカバンを持ち、先生の呼び出しも無視して家に帰った。 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 04:14:20.01 ID:4LvY5CuwP
-
家に帰るなりすぐさま携帯を手にとった。
メール、着信、フォルダ、ありとあらゆるものをチェックした。
どれも身に覚えのないものばかりだった。
―――――――――――――――――――――
From 梓
Subject Re:
ねぇ、戻ってきてよ。みんな待ってるよ。
誰も怒ってなんかないし、気にしてないよ?
―――――――――――――――――――――
From 梓
Subject Re:
意地張らないでよ…。また一緒に練習しよう?
先輩のベースがないと、寂しいよ。
―――――――――――――――――――――
From 梓
Subject Re:
どうして…?
もう私のこと嫌い?
軽音部、好きじゃない?
―――――――――――――――――――――
From 梓
Subject Re:
なんで…。なんでそんなこと言うの…?
私、先輩が何考えてるのかわかんないよ…。
―――――――――――――――――――――
澪「………」
もう、目も当てられなかった。 -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 04:28:10.50 ID:4LvY5CuwP
-
ベースにもずっと触っていなかったようだ。
ケースから取り出すとの埃かぶっていた上に、弦も錆びていた。
澪「ウソだ…。こんなの、ウソに決まってる」
そうだ。これはきっと悪い夢だ。また目が覚めたら元に戻ってるさ。
疲れてるんだ。そうに違いない。そう思いながら眠りについた。
・・・・・・
翌朝。
ぼんやりと目が覚める。
夢であってほしい。
その期待を裏切るかのように携帯の液晶には「9月10日」と表示されていた。
「遅刻するわよ」
澪「うん…」
ママにけしかけられ、しぶしぶ夏服に着替える。
顔を洗いに向かうと鏡に頬が少し腫れている自分が映っていた。
今年は残暑が続くのだとか。朝ごはんを食べながら見ていた天気予報でそう言っていた。
まぎれもなく、これは現実だった。 -
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:33:23.63 ID:4LvY5CuwP
-
澪「あっ…」
紬「……!」
教室に向かう途中、ムギに会った。
ムギにも律たちと同様に目を逸らされてしまった。
気まずさに耐えられなかった。逃げ出したかった。
澪「………」
しかし諦めるわけにはいかなかった。
何か、何かを得なければ。この5ヶ月の間に何があったのか。
私は勇気を振りしぼってムギに話しかけた。
澪「あ、あのさ…ムギ」
紬「…なに?」
やはり気まずそうな様子だ。
澪「いや、その…どうしてるのかなって」
澪「軽音部のこと」 -
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:41:32.16 ID:4LvY5CuwP
-
紬「………」
ムギは数秒黙ったあと、口を開いた。
紬「りっちゃん悩んでるよ、文化祭どうするか。今は唯ちゃんと私と3人しかいないから」
紬「ジャズ研から合同で出ないかって話もきたんだけど、唯ちゃんがそれはやだって…」
紬「りっちゃんもあぁやって元気に振る舞ってはいるけど、内心すごくつらいと思う」
澪「…そっか」
どうやら梓も軽音部を辞めたらしい。
もしかしたら、梓が辞めたことも私と何か関係があったりして。
そう思った私は、無茶を承知でムギに尋ねた。
澪「あの…さ、私。なんで軽音部やめたのかな…?」 -
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:45:21.91 ID:4LvY5CuwP
-
紬「何言ってるの…?」
紬「澪ちゃんが自分で辞めるって言ったんじゃない」
澪「私?!私が辞めるって言ったのか?」
紬「…澪ちゃん。ふざけるのもいい加減にして」
紬「みんながどれだけつらい思いをしたと思ってるの…!」
ムギの言葉に静かな怒りを感じた。
初めて見るムギの表情に戸惑いを隠し切れなかった。
紬「私たちがいくら聞いても教えてくれなかったじゃない。それを今さら…」
澪「バカなことを言ってるのはわかってる。でも、知りたいんだ」
紬「澪ちゃん、大丈夫…?」
澪「…頼む」
紬「………」
はぁと一息ついたムギは、口を開いた。
紬「新歓ライブ」 -
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:51:00.14 ID:4LvY5CuwP
-
澪「?」
紬「新歓ライブの演奏中にね、ベースの弦が切れちゃったの」
紬「よくある事故だし、しょうがないことだと思う」
紬「それで動揺しちゃってぐだぐだなライブになっちゃったのはあれだけど…」
紬「でも梓ちゃんは大丈夫だって、5人のままでいいって言ってくれたじゃない」
紬「それなのに澪ちゃんは私のせいだ私のせいだって自分を責めて…」
紬「それで、澪ちゃんは勝手に軽音部を辞めて。梓ちゃんも辞めちゃって」
紬「何度も声をかけに行ったのに、澪ちゃんは―――」
澪「…ごめん。もういいや、ありがと」
これ以上聞きたくなかった。
私はムギの話を遮り、昇降口に戻った。
学校になんかいられるわけがなかった。 -
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 13:57:27.02 ID:4LvY5CuwP
-
梓「…!」
昇降口で梓に出会った。
ちょうど学校に来たところのようだ。隣には憂ちゃんもいた。
梓「………」
澪「………」
お互い立ち止まって目が合うも言葉はなかった。
梓は無言で私の横を通り過ぎようとした。
澪「…梓」
梓の腕を掴んだ。
梓「………」ぶんっ
しかし呆気なく振り払われた。
梓は何も言わず行ってしまった。
周りの目が痛い。私はそのまま昇降口に向かい学校を出た。 -
- 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:03:09.88 ID:4LvY5CuwP
-
【放課後】
ガチャ
和「入るわよ」
唯「あ、和ちゃん!」
律「おぉー、和。どうした?」
和「文化祭のことについて話に来たんだけど、いいかしら?」
紬「お茶淹れるね」
和「ありがとう」
和「それで、軽音部はどうするの?そろそろ参加申請書の締め切りだけど」
唯「………」
紬「………」
律「……あー…、うん。今年は無理かも」 -
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:08:22.92 ID:4LvY5CuwP
-
和「最後の文化祭なのよ、いいの?」
律「よくないけど…、現状が現状だしな」
和「…そう。一応ぎりぎりまで待つから、じっくり考えて」
律「なんか悪いな。気遣ってもらって」
和「いいのよ。それじゃ行くわね。ごちそうさま」
バタン
律「…ふぅ」
律「どうする?やっぱジャズ研と合同で出る?」
唯「やだ…。私は、放課後ティータイムで出たい」
律「んなこと言ったってなー…」
紬「………」
紬「…あのね。今日、澪ちゃんとお話ししたの」 -
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:13:53.30 ID:4LvY5CuwP
-
律「澪と?あいつ今日学校来てなくね?」
紬「ううん、朝は来てたの。私と話したあとそのまま帰っちゃったんだと思う」
律「それで、なんだって?」
紬「私が何で軽音部を辞めたのかって」
律「はぁ?なんだそりゃ」
紬「私にも何を考えてるのかさっぱり…」
律「…まぁ、あいつにも色々あるんだろ。私たちがあれだけ言っても聞かなかったんだし」
律「前から受験だなんだうるさかったしな」
律「もう私たちがどうこう出来るもんじゃないんだよ、あいつは」
唯「うっ…ぐすっ」
律「あーあー、またか唯。ほら泣くなって」
唯「だって…。みんなで文化祭出たいよ…。最後なんだよ…?」
律「ったく、泣きたいのはこっちだっつーの」 -
- 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:20:58.52 ID:4LvY5CuwP
-
【学校】
さらに翌日。
学校に来るなり、クラスメイトに怒られた。
ここ数日の早退と欠席で、クラスの出し物(どうやらロミオとジュリエットの寸劇らしい)の練習に参加していなかったからだ。
私はロミオ役らしい。何でよりにもよって主役なんだ…。
対するジュリエットは、いちごだった。
まぁ、ジュリエットのイメージとしては一番合ってるかも知れない。
いちご「澪、どうしたの?全然セリフ言えてないみたいだけど…」
澪「えっ…。あ、うん…」
そんなことを言われても困る。
“私”がこの台本に目を通すのは初めてなんだから。
それに加えて、劇の主役ときた。
ただでさえ目立つことが嫌なのに主役なんておいそれと務まるわけがなかった。
いちご「もう本番まで時間ないんだよ?」
澪「ご、ごめん…」
結局その日の練習はひどい有様だった。
終わったあと演出や脚本やの人に叱られた。
自分から立候補しておいて何事だ、真面目にやってくれ、って。
はは…。こっちの私は随分と積極的じゃないか。 -
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:25:32.51 ID:4LvY5CuwP
-
劇の練習が終わって帰ろうとすると、クラスメイトから知らないCDを返された。
どうやら私が貸していたものらしい。もはや気味が悪かった。
家に帰った私はひたすら泣きじゃくっていた。
澪「もう嫌だよ…。帰りたい…。元の場所に、戻りたいよ…」
こんなの、私の未来じゃない。
なんだよ、なんなんだよ…。
何でこんな目に遭わなきゃいけないんだ。
ピンポーン
苦悩に打ちひしがれていると、インターホンが鳴った。
プッ
澪「…はい」
いちご『若王子ですけど…』
意外なことにインターホンを鳴らしたのはジュリエット役のいちごだった。 -
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:31:09.43 ID:4LvY5CuwP
-
ガチャ
澪「どうしたんだ?」
いちご「どうしたって。前から約束してたじゃない」
澪「えっ?」
いちご「今日は澪の家で練習するって」
どうやら劇の練習をうちですることになっていたらしい。
そんなことするくらい私といちごは仲が良くなっていたのか。
澪「あ、あぁ…そうだった。上がってよ」
いちご「おじゃまします」
断る理由もないので、いちごを家に上げた。
律以外の人を家にあげるのなんて久しぶりな気がした。 -
- 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:37:17.38 ID:4LvY5CuwP
-
【澪の部屋】
いちご「…やっぱり変」
しばらく2人で劇の練習をしていると、いちごが口を開いた。
いちご「もっとセリフだって覚えてたはずだし、演技もちゃんと出来てたのに」
いちご「澪、どうかしたの?」
いちごがそう思うのは当然だ。
なんたってここにいる私は5ヶ月前から飛んできたんだから。
どうかしたのかなんて私が聞きたいぐらいだった。
澪「いや、なんでもないよ」
いちご「ならいいけど…。何かあるんならちゃんと言って」
素っ気ない印象が強かったが、もしかしたらそれは誤解だったのかも知れない。
いちごの何気ない心遣いが、今の私にはとてもうれしかった。
澪「…ありがとう」
いちご「…!ほ、ほら。練習するよ」
照れくさそうな仕草を見せたあと、ふたたび練習に戻った。
思えば、こっちに来てからまともに誰かと会話をするのは初めてだった。 -
- 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:42:15.76 ID:4LvY5CuwP
-
いちご「私、そろそろ帰る」
澪「あ、あぁ」
そう言うといちごはすっと立ち上がり身なりを整えた。
その仕草に育ちの良さというか、どことなく気品を感じた。
澪「いちご」
いちご「なに?」
澪「ありがとう」
私はいちごにお礼を言った。
いちごといたおかげで、ほんの少しだけ気が楽になったから。
いちご「何、いきなり。変な澪」
いちご「ちゃんと覚えてよ。時間あんまりないんだからね」
いちご「それじゃ」
澪「うん」
いちごはあまり多くをしゃべらず、私の家を出て行った。 -
- 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:49:56.77 ID:4LvY5CuwP
-
【学校】
キーンコーンカーンコーン
澪「…はぁ」
放課後のチャイムが鳴った。
私がこっちに来て一週間が経とうとしていた。
劇の練習もあるし、学校を休むわけには行かない。
学校が次第に文化祭ムードで賑わっている中、私は一人沈んでいた。
授業中はほとんど机に突っ伏して寝ていた。
5ヶ月も先に来てるのだ、授業についていけるわけもなかった。
怠惰な授業を受け、放課後には劇の練習。そんな毎日の繰り返しだった。
澪「また明日」
何人かのクラスメイトに上辺の別れを告げ、教室を出た。
澪「………」
もう、このままでいいのかも知れない。そう思い始めた。
妥協というよりは、諦めの方に近かった。
戻る方法もわからない、そもそもどうしてどうやってここに来たかもわからない。
もしかしたら、一生このまま戻れずに過ごすのかも知れない。
そう考えているうちに、元に戻ることよりもこっちでどう生きていくかに意識が傾きかけていた。 -
- 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 14:56:09.99 ID:4LvY5CuwP
-
いちご「みお」
澪「ん?」
いちご「一緒に帰ろう」
澪「あぁ」
あれからいちごといる時間が増えた。
互いの家で練習したり、お昼を共にしたりと。
文化祭の劇がなかったら、ここまで仲良くなることもなかっただろう。
結局いちごには事情を話さなかった。
梓とも軽音部とも無関係のいちごを巻き込むわけにはいかなかったからだ。
いちごは元気のない私をいつも気にかけてくれた。
いつしかそれは私の支えにもなっていたし、その優しさに甘えたくもなった。
このままいちごと一緒にいるのも、悪くないのかも知れない…。
そう思うようになっていった。 -
- 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:01:36.42 ID:4LvY5CuwP
-
いちごと階段を下りようとすると、上の階から音が聞こえた。
ギターだった。
唯だろうか。ギター以外の音はしなかった。
ムギと律はまだ教室にいたから、おそらく一人で弾いているのだろう。
―――みーおせーんぱい!―――
―――手、つなごっ?―――
聞き覚えのあるフレーズとともに、梓の顔が浮かぶ。
私の横を幸せそうに歩く梓。
くしゃっとした顔で笑う梓。
―――………最低―――
そして、冷たい目をした梓。
澪「………」
……いったい何をやっているんだ私は。 -
- 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 15:06:32.42 ID:4LvY5CuwP
-
その場に立ち止まった私は、
諦めていいわけがない。受け入れていいわけがない。
いちご「どうかしたの?」
澪「ごめん、いちご。用を思い出したから先に帰ってくれないか?」
いちご「?いいけど…」
唯のギターで目が覚めた。
戻らなきゃ、元の世界に。
軽音部じゃない私なんて、私じゃない。
梓の隣にいない私なんて、私じゃない。
澪「このままじゃ、ダメだ…!」
そうつぶやいた私は、あるところに向かった。 -
- 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:44:20.18 ID:4LvY5CuwP
-
【生徒会室】
向かった場所は生徒会室。
コンコン
私は生徒会室の扉を叩いた。
「はい」
ガチャ
澪「…失礼します」
和「あら、澪じゃない。どうしたのこんなところに」
憂「あ。澪さん、こんにちは」
生徒会室には和だけでなく憂ちゃんもいた。
クラスでの出し物に関する書類を提出しに来ていたようだ。
文化祭が近いからか、机には書類やらがたくさん積まれていた。
和「今ね、憂とちょうど澪の話をしていたところだったのよ」 -
- 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:49:40.23 ID:4LvY5CuwP
-
澪「私の話?」
和「最近の澪、ちょっと様子が変というか…ぼーっとしてる時が多いような感じがしてたから」
憂「この前も昇降口で腕を掴んだりしてたじゃないですか」
憂「別れてから梓ちゃんのことをずっと避けてたのに、急に梓ちゃんのところに来るようになったから…」
憂「それで、どうかしたのかなって2人で話していたところだったんです」
澪「………」
なるほど。
梓とは別れてから一切関わりを持っていなかったようだ。
それが急に関わりを持とうものなら、誰だって変に感じるだろう。
和も最近の私に違和感を覚えていたらしい。
澪「…梓は、最近どんな感じなのかな?」 -
- 96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:53:15.62 ID:4LvY5CuwP
-
憂「梓ちゃん、ですか?」
澪「うん…」
とりあえず、今の梓のことが気になった。
憂「相変わらず…ですね。ぼーっとしてて、上の空って感じで」
憂「ここ最近は澪さんとのこともあってか特に元気がなくって」
憂「澪先輩が何考えてるかわかんない、って泣いてました」
澪「…そっか」
想像していた通りだった。
私が梓にどんなことをしたのかは、怖くて聞けなかった。
でも少なくとも梓の心に大きな傷を負わせてしまったのは確かなようだ。
憂「あの…。何か、あったんですか?」 -
- 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 16:58:16.03 ID:4LvY5CuwP
-
澪「………」
和「…澪?」
ほんの少し、打ち明けるのが怖くなった。
軽音部を去り、梓とも別れ、どうしようもない日々を送っているこの世界の私に対しても、2人は変わらぬ態度で接してくれている。
事情を話したら、もしかしたらそれすら失ってしまうのかも知れないという不安にかられたからだ。
憂「言えないようなら、無理に言わなくても大丈夫ですよ?」
憂ちゃんは気を遣ってそう言ってくれた。
…ちがう。一番怖いのは、この未来を受け入れてしまうことだ。
失うものなんてもう何もないじゃないか。
私は揺らいでいた決心を固め直し、そして…。
澪「実は…」
2人に事情を説明した。 -
- 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:06:37.61 ID:4LvY5CuwP
-
和「5ヶ月前から来た?」
澪「うん…」
和「疑うわけではないけど、いくらなんでもそれは…」
憂「記憶喪失とか、そういうのではないんですか?」
2人の反応はもっともだった。
いきなり5ヶ月前からやってきただなんて話、誰が信じるだろうか。
当然といえば当然のその反応に挫けそうになる。しかし私は話を続けた。
澪「…これを見てくれ」
私は手に貼られている絆創膏を剥がす。
澪「4月14日に、猫に引っかかれて出来た傷だ」
澪「5ヶ月も経ってるなら、とっくに治ってるはず」
澪「それに、この髪も」
そう言って私は携帯を開いて2人に見せた。
8月終わりの頃に撮った写真(もちろん覚えはない)を見ると、私の髪は今に比べだいぶ短くなっていた。
和「…確かに、言われてみれば澪の髪が急に伸びた感じはしたけど」
澪「こんなの、5ヶ月前の私がそのまま来なきゃありえないことなんだ」
澪「今2人の前にいる私は、私じゃないんだ」 -
- 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:10:41.94 ID:4LvY5CuwP
-
自分でも何を言っているんだろうと思う。
私は私じゃないなんて。
憂「…ですけど」
憂「仮にここにいる澪さんが5ヶ月前から来た澪さんだとして、“今”の澪さんはどこに…」
澪「そんなの、こっちが聞きたいぐらいだよ…」
確かに言われてみれば不明した点はいくつかある。
なぜ目が覚めたら雑木林ではなくベッドにいたのか。
“今”の私はどこにいるのか。
だけど、そんなこといちいち考えてはいられなかった。
澪「私、このままなんて嫌だ」
澪「梓もいない、軽音部も辞めてる。こんな未来、私は認めない…」
澪「元の場所に…帰りたいっ…」
藁をもすがる思いだった。
顔は涙でぐしゃぐしゃ、情けない姿を見せてしまっていた。 -
- 102 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 17:14:48.97 ID:4LvY5CuwP
-
澪「……っく、えぐ…」
憂「澪さん」
泣きじゃくっている私に、憂ちゃんは声をかけた。
スッ
憂「涙、拭いてください」
そういって憂ちゃんはハンカチを渡してくれた。
澪「…?」
和「事情はわかったわ。戻れるのかはわからないけど、出来る限りやってみましょ」
澪「……!」
憂「私も手伝います」
澪「……ありがとう。本当に、ありがとう…」
やっと味方が出来た。
戻るんだ、元の場所に。 -
- 124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:41:28.13 ID:4LvY5CuwP
-
それからは3人で生徒会室に集まって話し合うことになった。
和「それで、どんな状況でこっちに来たの?」
澪「家の帰り道にさ、雑木林があるんだ」
澪「その雑木林から不思議な光が出てて…。よくわからないんだけど、それに惹かれるように足を踏み入れたんだ」
澪「そこからはあまり覚えてない、目が覚めたらベッドにいて…」
和「何か変わったことはなかった?」
澪「…特に何も」
憂「うーん…。タイムスリップみたいな感じですかね」
和「まさかそんなことが現実に起こるとはね…」
三人寄れば文殊の知恵、などとはよく言ったものだ。
こんな現実離れした現象、そう簡単に原因がわかるわけもない。
あぁでもないこうでもないと試行錯誤する日々が続いた。 -
- 125 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:46:27.48 ID:4LvY5CuwP
-
何日かして和が興味深い話を持ち出した。
和「ねぇ、澪。時震って知ってる?」
澪「時震?『地震』じゃなくて?」
和「少し4月14日について調べてみたんだけど…」
和「その日の夜、ちょうど澪が意識を失ったあたりの時間帯に大きな地震が起きてるの」
憂「それと澪さんにどんな関連性があるんですか?」
和「これよ」
そう言うと和は雑誌を出した。
見出しには『神かくし?超常現象?』と書かれていた。
記事によると、その地震の発生後例の雑木林から動物が一匹もいなくなっていたらしい。
もともと近隣の住民はその雑木林に住む野良猫やらネズミやらに手を焼いていたのだが、
その地震以降ぱったりと被害がなくなったようだ。
原因は不明。時震?神かくし?などと言ったオカルト的な内容で話が締められていた。
澪「これは…?」
和「ちょっと前の雑誌の記事よ、図書館にバックナンバーがあったから持ってきたの」 -
- 126 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/08(火) 23:52:54.23 ID:4LvY5CuwP
-
和「読んでみるとわかるけど、その地震以降雑木林から動物が消失したらしいの」
和「こんな紛い物の記事、信用に値するかはわからないけど…」
和「もしかしたら澪はその時震に巻き込まれたのかも知れない」
耳を疑うような話だった。
これが本当なのだとしたら、私はタイムトラベルをしたことになる。
それこそSFの世界での話、にわかに信じられることではなかった。
しかし現に自分の身にそれが起きてるわけで、今はオカルトだろうと何だろうとそれにすがる他なかった。
澪「じゃ、じゃあ…その時震?が来たら元に戻れるってことなのか?」
和「もしかしたらね。けどそんなに言うほど簡単なことじゃないわ」
澪「?」
和「地震は言ってしまえば災害。正確な予知なんて出来ないもの」
和の言うとおりだった。
地震が起こったとして、それが時震である確証はない。
それに、もし時震だったとして元の時間に戻れるとも限らないのだ。 -
- 127 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:00:47.46 ID:fKec/+yAP
-
憂ちゃんとは、何度も雑木林に足を運んだ。
懸命に手がかりを掴もうとしたが、何も得られなかった。
学校では着々と文化祭に向けて準備が進められている。
無責任なことも言っていられない。劇の練習も必死にした。
クラスメイトとも徐々に打ち解けられるようになっていった。
というか元々こっちの“私”は割と広い交友関係を持っているようで、
お昼なんかも色々な人と食べるようになっていた。
軽音部のみんなとは相変わらず気まずいままだったが。
いちご「ほら、澪。やるよ」
澪「うん」
劇の練習もいよいよ本格的なものとなっていた。
文化祭は、着実に迫っていた。 -
- 128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:06:12.79 ID:fKec/+yAP
-
澪「ありがとう、憂ちゃん。また明日」
憂「はい、おやすみなさい」
夜も更けてきた頃、憂ちゃんと別れ帰路についた。
今日も日課のように雑木林に足を踏み入れる。
私なりにも色々と調べてはいるが、ちっとも解決の糸口にはつながらなかった。
果たして本当に帰れるのだろうか…そんな不安が日々押し寄せてくる。
憂ちゃんには梓の話もよく聞いた。
別れたばかりの頃は学校を休みがちだったとか。
唯も、めっきり元気がないらしい。
よくも私はそんな中で平然と過ごせていたものだ。
澪「……梓」
梓は、今なにをしているのだろう。
そんなことばかり考えていた。 -
- 129 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:13:02.59 ID:fKec/+yAP
-
【澪の家】
ガチャ
澪「ただいま…」
パソコンに電源をつける。
これもこっちに来てからは日課となっていた。
何か手がかりを、そう思っての行為だ。
カチ、カチ、カチ…
無機質なクリック音だけが部屋に響く。
カチッ
澪「ん?」
思わず手を止めた。
視線の先に映るのは何気ないニュースのページ。
『今年2度目の月食、観測か』 -
- 132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:21:37.32 ID:fKec/+yAP
-
興味本位でページを開く。
目を引いたのは、赤銅色をした月の画像。
澪「これって…確か」
この画には、見覚えがあった。
そう、あの時の夜見たものと同じ。
おぼろげだった記憶が紐解かれる。
澪「そうだ…。私、この月の光に誘われて…」
あの時私は雑木林から漏れる不思議な光に誘われるかのように足を踏み入れたんだ。
そして、この赤銅色の月を見た途端に揺れに襲われて…。
記事を読み進める。
前回の月食は4月14日の夜。(画像の月もその日のものだった)
月食の観測後、特定の地域で大きな揺れを確認。
月の潮汐力によって地震が引き起こされる可能性もあるのでは?
などと小難しいことも書いてあった
そして、私の中で一つの仮説が生まれた。
もし、この月をあの場所で見ることが出来たのなら…。
保証はない。あくまで仮説に過ぎないのだから。
でも、信じるしかなかった。
私は慌てて2人に電話をかけた。
もしかしたら、帰れるかも知れない―――! -
- 135 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:32:44.25 ID:fKec/+yAP
-
澪「………」
もう夜も遅いというのに私は電気もつけず部屋で物思いに耽っていた。
2人に電話をすると、それぞれよろこびの声が返ってきた。
やっと帰れる可能性が見つかった。こんな狂った未来ともおさらばだ。(まだわからないけど)
だけど、私の心は晴れなかった。もやもやとした何かが引っかかっていた。
帰りたくないということではない。
そう思う原因は例の月食の観測日にあった。
次の月食が観測出来るのは9月27日の夜。
文化祭の日だった。
こんな間違った未来で何をしたって無駄だと言うことはわかってる。
わかってる、けど…。
私は軽音部を、取り戻したかった。
文化祭のステージで、みんなと演奏がしたかった。
このまま文化祭が終わるまでだらだら待っているだけなんて、嫌だった。
澪「……よし」
私は固く決心した。
迷っていても仕方がない。
やれるだけ、やってやる。 -
- 136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:38:24.35 ID:fKec/+yAP
-
【音楽室】
バンッ
翌日の放課後、私は音楽室の扉を開けた。
迷いはもうなかった。
どれくらい振りだろう、この部屋に足を踏み入れたのは。
そこには唯、律、ムギが座っていた。
律「澪…?」
唯「え…」
紬「澪ちゃん?!」
3人は目を丸くして驚いている。
私は間髪を入れずに深く頭を下げた。
澪「お願いしますっ!!!」
澪「私を、もう一度、放課後ティータイムに入れてくださいっ…!」 -
- 137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:43:03.33 ID:fKec/+yAP
-
全身全霊を込めて懇願した。
私には、これしかないんだ。ここしかないんだ。
もう一度、みんなで演奏したい。
このまま何もせずにいるだなんて、嫌だ。
澪「………」
しばらくの沈黙が続いたあと、律が口を開いた。
律「…あのな」
律「まずみんなに謝んなさい。そんで、ちゃんと話をしなさい」
律「それから、私たちはお前が放課後ティータイムを抜けただなんて思ってないからな」
澪「…はい」
3人からしたら、なぜ急に手のひらを返したかのように音楽室に戻ってきたのか不思議でしょうがないはずだ。
だけど律も唯もムギも耳を傾けてくれている。あとは、私次第…。
私は、自分の身に何が起こったのかを一切の偽りなく話した。 -
- 139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:51:58.19 ID:fKec/+yAP
-
律「………」
唯「………」
紬「………」
3人ともきょとんとしていた。
それもそうだろう。いきなり5ヶ月前からやってきたなんて話、誰が信じるだろうか。
追い返されても仕方がない。笑われても、怒られてもしょうがない、そう思っていた。
もっとも、こっちも引き下がるつもりもないのだが。
律「…ムギ!お茶!」
紬「はいはい♪」
澪「?」
沈黙を破ったのは、律だった。
その一言で、ムギはお茶の準備を始めた。
律「何してんだよ、早く座れって」
澪「え…?」 -
- 140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 00:56:41.25 ID:fKec/+yAP
-
何かの冗談なのか?
何事も無かったかのような反応で、逆に不安になった。
律「ったく、遅いんだよ言うのが!このアホ澪」
紬「あの時そんなことを聞いたのは、そういうことだったのね」
澪「…ごめんなさい。本当に」
律「だぁぁもう!しんみりすんなって!」
澪「だ、だってぇ…」
泣きそうになった。
久々に触れた温もり。いつもの音楽室。
何で私は、こんなあったかい場所を手放したのだろうか。
唯「…澪ちゃんっ!!」
突然唯が抱きついてきた。
唯は私の胸の中で泣いていた。
唯「わだじ、寂しかったんだよ…?澪ちゃんもいないじ、あずにゃんもいなぐなっぢゃって…えぐっ」
唯「せっかぐ…みんなでここまでやっできだのに…うぐっ、うわあああああん」
澪「…ごめんな」
聞くと私と梓がいなくなってから毎日のように涙を流していたようだった。
私にとっても、唯にとっても、ここは大切な居場所なのだ。 -
- 143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 01:05:48.28 ID:fKec/+yAP
-
しばらくすると、ムギがお茶を淹れてくれた。
仮にも一度軽音部を去ったというのに、私のティーカップは未だに置いてあったようだ。
唯「4人でお茶するの、久しぶりだね」
紬「1年生の時を思い出すわ」
澪「…あぁ」
ぽっかりと空いた隣の席を見つめる。
でも、4人じゃダメなんだ。
放課後ティータイムは、5人揃ってこそなんだ。
律「文化祭に出るのはいいとして、梓はどうするんだ?」
律「お前は知らないかもしれないけど、梓は―――」
澪「…わかってる。梓は、私が必ず連れ戻す」
澪「絶対5人で文化祭に出よう」 -
- 145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 01:10:37.87 ID:fKec/+yAP
-
そして4人で生徒会室に向かった。
和に文化祭に参加する旨を伝えるためだ。
和「あら、みんなしてめずらしいわね。どうしたの?」
律「実はさ…。文化祭、やっぱ出ようってことになって」
和「………」
和「…なるほどね」
和と目が合った。
私がいる理由を察したのか、小さくニコッと笑った。
和「大丈夫よ、軽音部の分の時間はとってあるわ」
律「マジ?!よかったぁ~」
唯「ありがとう和ちゃん!」
紬「こっ、これ!つまらないものですが、いただいてくださいっ!」
和「別にいいのよ、頑張ってね」 -
- 146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 01:15:59.04 ID:fKec/+yAP
-
生徒会室を後にし、久しぶりに4人で帰った。
別れ際に律が「明日から練習だかんな!」って言ったのには驚いた。
もしかしたら、一番文化祭に出たかったのは律だったのかも知れない。
家に帰った私は、和に電話をかけた。
お礼が言いたかったのと、聞きたかったことがあったからだ。
prrrr prrrr
ガチャ
和『もしもし』
澪「和か?」
和『どうしたの?』
澪「あの、その…。さっきはありがとう」
和『あぁ、いいのよ。澪がそれを選んだんでしょ?』
和『澪は軽音部にいるときが一番楽しそうよ』
本当にすべてお見通しだった。
澪「それでさ、その…聞きたいことがあるんだけど」
和『なに?』
澪「その、軽音部の時間って本当にとってあったのか…?」 -
- 147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 01:21:45.43 ID:fKec/+yAP
-
和『………』
数秒の間が空いて、和は言葉を発した。
和『実を言うとね、当日のタイムテーブルに軽音部は入ってないのよ。もう期限は過ぎてるからね』
澪「えっ、それじゃあ…」
和『まぁ2、30分ぐらいはどうにでも出来るから平気よ』
澪「…!」
澪「ありがとう。頑張るから」
和『応援してるわ』
ピッ
こっちに来てからというもの、本当にお世話になりっぱなしだった。
まったくもって頭が上がらなかった。
なんとなく、唯が頼りたくなるのもわかる気がした。 -
- 148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 01:25:51.74 ID:fKec/+yAP
-
brrrr brrrr
和との電話が終わったのを狙ったかのように、電話がかかってきた。
ピッ
澪「もしもし」
憂『澪さん!文化祭に出るって本当ですか?!』
憂ちゃんだった。
興奮しているのか、らしからぬ大きな声を上げていた。
澪「唯から聞いたのか?」
憂『はいっ!お姉ちゃんがうれしそうに言ってました』
澪「うん、このまま待ってるなんて嫌だから」
憂『よかった、よかったぁ…』
なぜだか憂ちゃんが泣きそうになっていた。
久しぶりの元気な唯を見て安心しているのだろう。 -
- 150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 01:31:31.67 ID:fKec/+yAP
-
澪「梓も、何とかして連れ戻すよ」
憂『私も協力します』
澪「いや、これは私が一人でやらなきゃ意味がないんだ」
澪「だから大丈夫」
憂『そうですか…。私、応援してます。頑張ってくださいね!』
澪「うん、ありがとう」
ピッ
澪「…ふぅ」
どっと疲れた。
けど、一歩は踏み出せた。
これからだ。
今日はこっちに来てから初めて寝付きがよかった気がした。 -
- 151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 01:36:03.93 ID:fKec/+yAP
-
週末。
私は一人楽器屋に向かった。
ホコリまみれだったベースのメンテナンスをするためだ。
ついでに弦も変えてしまおうと、メンテナンスをしている間店内をぷらぷらしていた。
澪「あっ、このバンド。新譜出したのか!」
5ヶ月も経っていれば随分と変化があるものだ。
弦を見るつもりが新譜コーナーに居座ってしまっていた。
澪「…はっ!」
我に帰り弦のコーナーに向かおうと立ち上がると、
後ろを通ろうとしていた人にぶつかってしまった。
どんっ
「あっ」
澪「す、すいません。大丈夫ですか―――って梓?!」
梓「えっ…澪先輩?」 -
- 152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 01:41:14.20 ID:fKec/+yAP
-
梓だった。
私服だったから、一瞬気がつかなかった。
梓「…どうしたんですか、こんなところで」
澪「ベースのメンテナンスに来たんだ。梓は?」
梓「私は、CDを探しに…」
澪「そっか」
梓「………」
澪「………」
会話が続かなかった。
重苦しい空気が流れる。
梓「それじゃあ、私。あっちに用があるんで」
澪「…待ってくれ」
私は梓を呼び止めた。
今しかないと思った。すべてを知りたかった。
たまたま会った偶然、私はこの偶然に賭けた。
澪「私…さ。梓に何をしたのかな?」 -
- 153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 01:46:52.18 ID:fKec/+yAP
-
梓「…は?」
澪「いや、だからその…どうして梓と別れたのかなって」
梓「なんですか…それ…」
梓は震えていた。
梓「ふざけないでください!あれだけのことをして…」
梓「あんなに説得したのに!みんなも大丈夫だって言ってたのに!!」
梓「結局私なんて、先輩からしたらどうでもいいんでしょ?!軽音部も、その程度のものだったんでしょ?!!」
澪「…それって、いつ?夏の前?」
梓「先輩…さっきから何を言ってるんですか…?」
声を荒らげていた。
ずっと溜めていたものが爆発した、そんな感じだった。
こんな梓は初めてだった。
しかし私はあくまで冷静に、話を続けた。
澪「私がさ」
梓「?」
澪「5ヶ月前から来たって言ったら、信じる?」 -
- 155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 01:51:47.69 ID:fKec/+yAP
-
梓「5ヶ月前…?」
私は事の顛末を話した。
話している間、梓はうんともすんとも言わなかった。ただ黙って私の話を聞いていた。
一通り話し終えると、梓は口を開いた。
梓「…じゃあ」
梓「じゃあ、今私の目の前にいる先輩は、あの時の先輩なんですか」
澪「うん」
梓「私の大好きだった、あの澪先輩ってことなんですか?」
澪「…うん」
梓「………」
しばしの沈黙が流れる。
梓は複雑そうな顔をしていた。
納得がいかないのだろう。けど別にそれでよかった。
澪「…まぁ、そう簡単に信じてもらえるわけ―――」
梓「信じますよ」
澪「えっ?」 -
- 157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 02:07:13.59 ID:fKec/+yAP
-
しかし、梓の反応は意外なものだった。
梓「私、わかっちゃうんですよね。先輩がウソついてるかどうか」
梓「その目は、ウソをついてる目じゃないから」
たぶん梓が納得いかなかったのは、私が5ヶ月前から来たとかいうことではない。
こんな突拍子も無い話なのに、それがウソじゃないとわかってしまう自分に納得がいかないのだ。
澪「梓。私たちと文化祭に出よう」
澪「唯たちとも仲直りしたんだ。あとは、梓が戻ってきてくれれば全員揃うんだ」
澪「もう一回、放課後ティータイムで演奏しよう」
悔いを残したくない、ただそれだけ。
今さらこんなことしたって無駄だってこともわかってる。
でもこの未来と決別する前に、もう一度みんなで演奏がしたかった。
放課後ティータイムを取り戻したかった。
梓「………」
梓「…嫌です」 -
- 158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 02:12:05.80 ID:fKec/+yAP
-
澪「えっ…?」
梓は、私の誘いを断った。
梓「…今の先輩には関係のないことでしょうけど」
梓「私は、先輩が憎いです」
梓「もしここで軽音部に戻ったら、私…ただの間抜けじゃないですか」
梓「あんなにひどいことされて、たくさん泣いて…、想いも届かなくて」
梓「なのにそれを全部無かったことにするなんて、そんなの…悔しくて私には出来ません」
梓「だから、嫌です」
澪「梓…」
「秋山さーん。メンテナンス終わりましたよー!」
梓「…失礼します」
澪「………」 -
- 159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 02:16:06.56 ID:fKec/+yAP
-
【梓の家】
梓「ただいまー」
部屋に入り、そのまま私はベッドに横たわった。
今日、楽器屋で澪先輩に会った。
でもその澪先輩は、5ヶ月前から来た澪先輩で、これまでのことなんか全然知らなくて…。
―――これ、返すよ。今の私には持てない―――
―――もう私は、梓の隣にいる資格なんてないから―――
―――さよなら、梓―――
嫌な記憶が甦る。
どれだけ泣いたかわからない。
どれだけ眠れぬ日が続いたかわからない。
だけど今日会った先輩は、あの時のままの先輩で。
幸せだった日々がどんどん頭の中を駆け巡っていた。
誘いを断ったとき、心からそう思ったのかと聞かれればウソになる。
本当は澪先輩と。いや、5人でまたやりたかったのかも知れない。
でも、心のどこかでそれを許せない自分がいた。
梓「先輩の…ばか」
よくわからないもやもやを抱えながら、私は買ったCDを聞いていた。
梓「…ハズレだな、これ」 -
- 160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 02:20:53.97 ID:fKec/+yAP
-
【澪の家】
澪「はぁ…」
梓はイヤと言った。
よくよく考えて見れば、そんな都合よく行くわけもない。
もう一回誘ったところで同じだろう。
唯たちが誘ったところできっと結果は同じだ。
じゃあ、今の私には何が出来る…?
澪「…そうだ」
しばらくベッドに寝そべり考えていると、あることをひらめいた。
私はベッドから起き上がり、椅子に座った。
手にしたのはペンと紙ペラ一枚。
その日は、朝まで机に向かっていた。 -
- 163 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 02:25:26.23 ID:fKec/+yAP
-
【音楽室】
澪「ふぁ…」
放課後。劇の練習を終え、眠い目をこすりながら音楽室に向かった。
律「おそいぞロミオー」
澪「うるさいっ」
ムギのお茶を飲み一息ついた後、週末あったことを話した。
唯「…そっか」
律「まぁ、そう都合よくいくわけもないか」
紬「どうするの?澪ちゃん」
澪「たぶん、何度言ったって同じだと思う」
澪「だからせめて、梓に最高の演奏を聞かせてやりたい」
澪「梓を連れ戻すのは、その後でもいいと思うんだ」
文化祭が終わったら私はこの世界とさよならだ。
それなのに、その後でもいいだなんて自分勝手なことを言った。
わかってる。キレイごとだってことも、身勝手だってことも。
それでも、この3人は大きく頷いてくれた。
唯も、律も、ムギも、誰一人不満を漏らさなかった。 -
- 164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 02:31:29.49 ID:fKec/+yAP
-
澪「…私さ、歌詞を書いてきたんだ」
律がげっ、という顔をした。
澪「そ、そんな顔しなくてもいいだろ!」
律「だ、誰かー!毛布を、鳥肌に備えて毛布の準備をー!」
澪「ぬぬ…」
小馬鹿にされた感じが悔しかった。
せっかく徹夜して書いたというのに。
唯とムギは我関せずといった様子だ。
この世界でもこれに関しては薄情なのか!
澪「いいから見なさい!」
律「はいはい…」
しぶしぶ律は紙ペラを受け取る。
唯とムギも、覗き込むように目を通した。 -
- 165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 02:34:39.45 ID:fKec/+yAP
-
律「………」
しばらくして律が口を開く
律「…これ本当にお前が書いたの?」
澪「そ、そうだけど…」
律「ふわふわ時間の歌詞を書いた人とは思えないんだけど」
唯「澪ちゃんっぽくな~い」
澪「ど、どういう意味だよっ!」
紬「いいじゃない、素敵よこの歌詞」
律「最初からこんな感じの歌詞を書けていたら…」
そんなに今までの私の歌詞はひどかったのか…。
少し落胆しながらも、その歌詞で曲を作り、練習を始めた。
みんなでこうして演奏するのは久しぶりだったし、何より楽しかった。 -
- 167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 02:42:14.70 ID:fKec/+yAP
-
【文化祭】
律「似合ってるぞー」
澪「う、うるさい//」
さわ子先生が衣装を見にまとい、寸劇の発表に向かった。
劇は大成功に終わった。死に物狂いで練習した結果だ。
いちご「おつかれ、澪。よかったよ」
澪「ありがとう。いちごもすごくよかった」
律「お、なんだなんだ?本当にロミオとジュリエットみたいな関係になっちゃったのかー?」
紬「あらあら」
いちご「ば、バカ言わないで…!」
本当に感謝しているよ、ありがとう。 -
- 168 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 02:46:00.04 ID:fKec/+yAP
-
そしてやってきた軽音部のステージ。
律「いよいよだな」
唯「ひ、人がいっぱいだよ…!」
紬「大丈夫よ、笑顔笑顔♪」
澪「よしっ、いこう!」
梓、見てくれているかな?
「次は軽音部による演奏です」
ステージにライトが照らされる。
私たち4人は顔を合わせ、うんと頷いた。
律「ワン、ツー、ワンツー」
そして律のカウントと共に演奏が始まった。 -
- 170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 02:51:10.82 ID:fKec/+yAP
-
【教室】
憂「梓ちゃん、見に行かないの?」
梓「………」
憂「梓ちゃん?」
梓「ごめん、私いいや。憂一人で行ってきなよ。唯先輩出るんでしょ?」
もう演奏が始まる時間だった。
私は憂の誘いに素直に乗れなかった。
憂「…ダメだよ。行こう?」
梓「でも…」
憂「見ないと、きっと後悔するよ」
梓「……!」
憂「ほら、いこっ?」ぐいっ
梓「ちょ、ちょっと引っ張らないでよっ」
私の腕をつかみ憂は走り出した。
気のせいかな?さっきの憂の言葉に、何か大きなものを感じた。
- 172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 03:00:51.68 ID:fKec/+yAP
-
体育館に近づくにつれて、音が聞こえてくる。
私も、軽音部にいたら今頃あのステージで演奏していたのかな…。
梓「………!」ぶんぶん
私は首を横に振った。
ちがう!ちがう!未練なんかないはずだ。
澪先輩のことなんて大嫌いだ。
軽音部だって、もう私には関係のないことだ。
ガラララ
梓「………」
憂「わぁ…!」
体育館に入るとものすごい熱気が身体を包んだ。
ステージは大いに盛り上がっているようだった。
先輩たちのクラスメイトはもちろん、他の学年やお客さんも、ノっていた。
憂「梓ちゃん!早く早く!」
梓「あっ、憂…」
憂はそのまステージに向かっていった。
おいで。と手招きしてくれたが、私は行かなかった。
私は体育館の隅で一人、演奏を聞いていた。 -
- 173 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 03:03:31.15 ID:fKec/+yAP
-
梓「………」
ひどい演奏。
ドラムは相変わらず走ってるし、唯先輩は歌詞間違えてるし…。
澪先輩もムギ先輩も、どことなく動きが固い。
ていうか、演奏なんて久しぶりじゃないの?ちゃんと練習した?
先輩たちのことだから、またお茶ばっかり飲んでたんじゃないの?
澪「―――♪」
でも…。
あの顔は、紛れもなくあの時の澪先輩。
かっこよくて、やさしくて、大好きなだった先輩の顔だ。
唯先輩も、律先輩も、ムギ先輩も、みんな楽しそうに演奏していた。
私も、一緒にあんな顔していたのかな…?
梓「…ていうか」
梓「何、思いだしてるんだ。私…」
後悔なんてしてないはずなのに。
澪先輩も、軽音部も、だいっきらいなはずなのに。
でも、なんでだろう…。涙が止まらなかった。 -
- 174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 03:08:43.57 ID:fKec/+yAP
-
唯「次が最後の曲でーす」
「えぇーっ!!!」
唯「おぉっ、みんなありがとーっ!」
唯「それじゃあ最後の曲を前に作詞者の澪ちゃんから一言どうぞ!」
澪「え、えぇっ?!…私?!」
澪「………」
唯からの突然のパスに戸惑った。
律やムギだけじゃない、体育館の全員の視線が私に向けられている。
恥ずかしさで顔から火が出そうだ。
澪「えっと、その…」
澪「た、大切な人のために、書きました」
澪「き…きき、聞いてくださいっ!」
自分でも何を言ってるのかわからなかった。
早くこの視線を回避したくて私は律に合図を出した。
かなり私は焦っていたのだろうか。
律はやれやれと言った顔をしながら、カウントを出した。 -
- 175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 03:12:51.90 ID:fKec/+yAP
-
――――――
――――
―――
――
…
澪「………」
放課後、私たち4人は音楽室で放心状態だった。
律「…楽しかったな」
唯「うん…」
紬「…あっという間だったね」
ステージは大成功だった。
終わったあとの拍手とみんなの歓声が、今でも耳に残っている。
唯「あずにゃん、戻ってきてくれるかなぁ」
律「大丈夫っしょ、私らかなり頑張ったぜ?」
紬「またケーキの数増やさないとね」
澪「…みんな」
澪「みんな…。ごめんなさい…」
涙が出た。理由はわからない。止まらなかった。 -
- 177 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 03:17:05.76 ID:fKec/+yAP
-
律「なーに泣いてんだよ」
紬「そうよ澪ちゃん、最高の演奏だったじゃない」
唯「うん!楽しかったよ♪」
澪「……ありがとう」
3人に励まされながら、私はずっと泣いていた。
軽音部でよかった。心からそう思った。
・・・・・・
唯「またねー!」
紬「ばいばい♪」
夕方、私たち4人はいつもの場所で別れた。
打ち上げは梓が戻ってきてからにしよう、そう決まった。
みんなには申し訳ないけど、それには参加出来そうにはないかな。
たぶん、この世界での唯とムギとはこれでさよならだ。
ありがとう。心の中でそう言って別れた。 -
- 178 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 03:20:52.37 ID:fKec/+yAP
-
唯とムギと別れ、律と2人きりで歩いていた。
律「なぁ、澪」
澪「ん?」
律「お前、もう元の世界に帰んのか?」
澪「えっ?!な、なんで…?」
律「んー?なんとなく」
3人にはいつ私が元の(になるかわからないが)世界に帰るかを伝えなかった。
余計な気を遣われるのは嫌だし、情で軽音部に再び受け入れてほしくなかったからだ。
澪「…うん。今日の夜」
律「やっぱな」
こんな世界でも、律は変わっていなかった。
妙に勘がよくて、隠し事が通用しない。
どこにいても、お前は相変わらずなんだな。 -
- 180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 03:23:29.64 ID:fKec/+yAP
-
律「んまっ、元気でやってくれ」
律「あ、そうだ!」
澪「?」
律「もし帰れなかったとしても、とりあえず私たちには声をかけなさいよ」
律「私たちはどこの世界でもお前の味方だから」
澪「…うん」
律「そんじゃな。無事に帰れるといいな。そん時はまたよろしく!」
澪「…あぁ!」
そう言って律はそそくさと帰っていった。
最後の最後まで、私を支えてくれた。 -
- 181 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 03:28:46.44 ID:fKec/+yAP
-
brrrr brrrr
澪「…ん?」
律とも別れ一人帰り道を歩いていると、携帯が鳴った。
一通のメール。
差出人は、梓だった。
―――――――――――――――――――――
From 梓
Subject こんばんは
先輩。お時間ありますか?
少し…お話がしたいです。
―――――――――――――――――――――
まさか梓から連絡が来るとは思ってなかった。
何だろう。私は期待と不安を抱えつつ返信した。
―――――――――――――――――――――
To 梓
Subject Re:
大丈夫だよ。
いつもの交差点でいいかな?
――――――――――――――――――――― -
- 182 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 03:33:17.19 ID:fKec/+yAP
-
澪「………」
ここに来るのも久しぶりだ。
梓にだけ通じる「いつもの場所」。
日はもう落ちている。月食の見える時間まで、あと少し。
5分ほど経った頃だろうか。
向こうから見覚えのある影が近づいてきた。
澪「梓…」
梓「…こんばんは」
梓だった。
家から来たのだろうか、私服だった。
澪「演奏、見てくれたかな?」
梓「…はい」
どこにいたのかはわからなかったけど、見ていてくれたらしい。
それがわかっただけで十分だった。 -
- 183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 03:38:37.35 ID:fKec/+yAP
-
梓「先輩」
澪「?」
梓は手から何かを取り出した。
見覚えのあるものだった。
そう、梓が4月14日にくれたネックレスだった。
どんなに部屋の中を探しても見つからないと思っていたら、梓が持っていたのか。
梓「これ、先輩が捨てたんです。私の目の前で」
梓「それだけじゃない。散々ひどいことされたし、傷つくこともたくさん言われた」
梓「もう絶対許さないって思った、一生恨んでやるって思った」
梓「でも、これ…。なぜか捨てられなくて。バカみたいにずっと持ってて」
梓「だけど先輩は、そんなの関係ないんですよね」
梓「何もなかったかのように、何も知らなかったかのように、自分は正しい世界に帰るんですね」
梓の言う通りだった。
私の身勝手で、この間違った世界にさよならを告げるのだから。 -
- 186 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:00:26.44 ID:fKec/+yAP
-
澪「…関係なくなんか、ないよ」
澪「梓のことはずっと好きだし。今も大切に想ってる」
澪「だから―――」
バチィ…ン
覚えのある痛みが走る。
頬を叩かれたのは、これで2回目だった。
梓は、泣いていた。
梓「ずるいですよ、先輩」
梓「不器用なくせに…。メルヘンな甘い歌詞しか書けないくせに…」
梓「あの曲…、さよならの曲でしょ?」
そう。私が書いた詞は、さよならの詞だった。
間違った未来に、さよなら。
何もかも失っていた私に、さよなら。
隣にいない梓に、さよなら。
そう意味を込めて書いた詞だった。 -
- 187 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:03:53.04 ID:fKec/+yAP
-
梓「ずるいよ…。自分だけいい格好して、いなくなろうとしてさ」
梓「人の気も知らないで。…バカ……最低」
澪「…ごめん」
梓「もう先輩の顔なんて見たくない。そのネックレス持ってとっとといなくなってください」
梓「戻った世界で私のこと泣かせたら、許しませんから…」
梓はそう言うと私に背を向け歩きだした。
5ヶ月前のあの時と同じように。
いや、あの時とはちがう。
だって今の君は泣いているから。
私は大声で叫んだ。
澪「――梓!」
澪「聞いてくれて、ありがとう!」
梓「……ふざけんな、バカ…」
梓は振り返りもせずそれだけを言い放ち、夜の街に溶けていった。 -
- 189 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:09:23.60 ID:fKec/+yAP
-
・・・・・・
雑木林の前には私と憂ちゃん、そして和の3人がいた。
私は冬服のブレザーを羽織り、こっちに来たときの格好をしていた。
澪「…戻れるかなぁ」
憂「きっと大丈夫ですよ」
和「まぁ、ダメだったらまた私たちのところに来ればいいわ」
澪「…それもそうだな」
気持ちは穏やかだった。
頬が少し痛むけど、心は晴れやかだった。
和「あ、そうだ」
和「もし戻れたら、律に言っておいてほしいことがあるんだけど」
澪「?」
和「体育館の使用申請書。さっさと出せって」
和「新歓の時ギリギリだったんだから…」
澪「…ふふ、わかった。伝えておくよ」
和は最後の最後まで気を配ってくれた。
戻ったら、またお礼を言わなきゃな。何のことだって思うだろうけど。 -
- 190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:12:24.54 ID:fKec/+yAP
-
憂「あ、澪さんそれ…」
澪「あぁ、これか。さっき梓に返されたんだ」
憂「似合ってますよ♪」
澪「ありがとう」
きっと私の見えないところで梓を支えていてくれていたのだろう。
憂ちゃんは何も言わなかったけど、私は知っているよ。
澪「あの…さ」
澪「梓のこと、また泣かしちゃったんだ」
澪「だから、その…励ましてくれるかな?」
憂「はい、もちろんです!」
憂「梓ちゃん。軽音部の演奏聞いて泣いてたんですよ」
澪「…そっか」
うれしかった。ただ純粋に。
想いが伝わったのかはわからないけど、きっと届いたはずだ。 -
- 192 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:15:56.70 ID:fKec/+yAP
-
澪「それじゃあ」
和「うん、またね」
憂「気をつけて」
澪「本当にありがとう」
2人に別れとお礼を告げ、私は雑木林に入っていった。
一箇所だけ光が特に集まる場所。
その場所に足を踏み入れる。
澪「………」
空を見上げた。
きれいな月だ。あの時見たのと同じ。
地面が揺れる。頭が絞めつけられる。
あっ、この感覚は…。
―――――梓…。
――――――
――――
―――
――
… -
- 194 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:19:09.00 ID:fKec/+yAP
-
――……輩。
――――…先輩!
―――――――……澪先輩!
澪「へっ?」
梓「んもぉーっ、話聞いてなかったでしょ!?」
澪「…?」
梓「新歓ライブ!絶対成功させようねって!」
澪「え、あ…」
梓「あっ、もう交差点だね」
梓「ねぇ。私先輩に渡したいものがあるんだ」 -
- 196 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:22:52.51 ID:fKec/+yAP
-
夢…?
でもこの場面、覚えがある。
…そうだ。このあと、梓はカバンからプレゼントを出して―――。
梓「はいっ。2ヶ月おめでとう」
梓「2ヶ月って中途半端なんだけどさ、進級祝いも兼ねてってことで」
梓「かわいいでしょ?先輩に似合うかなと思ってサプライズで、って…えっ?」
梓「嘘…?ごめん、先輩同じの持ってたんだ…」
自分の首に手をかける。
梓が持っているものと同じネックレスが、私の首にかかっていた。
そっか…。これは、夢じゃないんだな。
元の世界に、戻ってこれたんだな。
落ち込んだ顔をした梓の顔が目に映る。
そうだ。これは、私の知ってる梓だ。
私の恋人。私の大好きな、梓だった。
澪「―――梓っ!!!」ぎゅっ -
- 197 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:26:06.70 ID:fKec/+yAP
-
私は梓を思い切り抱きしめた。
人の目なんか気にならなかった。
やっと会えた。ずっとこうしたかった。
梓「えっ、ちょっ…。み、澪先輩///」
澪「梓、あずさぁっ…」
私は何度も梓の名前を呼んだ。
離したくなかった。
このあたたかさを、いつまでも感じていたかった。
梓「…澪先輩?」
澪「………」
梓「………」 -
- 199 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:29:23.70 ID:fKec/+yAP
-
いきなりの出来事に体を強張らせていた梓だったが、
しばらくすると緊張も解けたようで、そっと私を抱き返した。
梓「私、先輩のこと好きだよ?」
澪「…うんっ」
梓「ずっとずっと、大切だよ?」
澪「うんっ、うんっ」
梓「どこにも行かないでね。ずっと一緒だからね」
澪「あぁ、約束する。ずっと一緒だ」
梓「ねぇ、先輩」
梓「……キスして」 -
- 201 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:32:19.62 ID:fKec/+yAP
-
――――――
――――
―――
――
…
それからのことを少し話そうと思う。
律をけしかけ体育館の使用申請書を出させたあと、5人で新歓に向けてめいっぱい練習した。
その結果が実ったのか、新歓ライブは大成功に終わった。大きなトラブルもなかった。
…結局部員は来なかったけど。
でも周りが言うには、他の人が入れないぐらい5人の仲が良さそうだから入りづらかったんじゃないかって。
だから別に後悔とかはなかった。梓も、5人のままがいいって言ってくれた。
それからは、毎日があっという間だった。
修学旅行も行った。合宿もやった。野外フェスにも行った。
空白だった5ヶ月を凄い早さで過ごしていた。
軽音部のみんなと。そして、梓と。
片時も離れることはなかった。
そして、今日は9月27日。
文化祭だ。 -
- 205 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 04:58:14.27 ID:fKec/+yAP
-
律「いよいよだな」
唯「ひ、人がいっぱいだよ…!」
紬「大丈夫よ、笑顔笑顔♪」
聞いた覚えのある言葉。
梓「頑張りましょう!」
そこに加わるもう一つの声。
澪「よしっ、行こう」
「次は軽音部による演奏です」
ステージにライトが照らされる。
“5人”は顔を合わせ、うんと頷く。
あの時経験した未来。
何もかもが違った未来。
その未来は今、軽音部と。
そして、梓と共にあった。
おわり -
- 207 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 05:00:22.64 ID:1smFgtpdO
-
イイハナシダナー
ハッピーエンドで何より
>>1乙!
- 210 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 05:07:45.94 ID:bjqxSd8yO
-
乙カレー。
素晴らしい作品をありがとう。
- 219 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 07:19:46.11 ID:d8SmDokm0
-
今読み終わった
良かった乙 -
-
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| けいおん!!SS
| 21:00
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≫ EDIT
2011.02.05 Sat
≫ 続きを読む
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:09:54.36 ID:63ArxJvS0
-
唯「みんなは昨日恵方巻き食べた?」
梓「そう言えば昨日って節分でしたね」
律「あー、家は毎年食べないわ」
唯「そうなんだ?」
律「だって恵方巻きって黙って食べなきゃいけないんだろ?」
紬「そうねぇ」
律「やっぱ食卓ってのは賑やかじゃないと面白くないよ」 -
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:10:37.73 ID:63ArxJvS0
-
唯「澪ちゃんの家は食べた?」
澪「私も食べなかったよ」
唯「澪ちゃんの家もかー」
澪「うん。豆まきはしたけどね」
律「鬼の役は勿論澪だよなぁ!?」
澪「黙れ!」 -
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:11:19.43 ID:63ArxJvS0
-
唯「ムギちゃんは?」
紬「私は食べたよ!」
唯「おぉー。流石ムギちゃんだね」
梓「唯先輩は食べたんですか?」
唯「憂が作ってくれたよ~」 -
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:12:02.09 ID:63ArxJvS0
-
唯「で、昨日憂と恵方巻き食べてたんだけどね」
唯「エホーってどっちかなぁって話になったんだ」
律「そういえばどっちなんだろうな」
梓「年によってちょっとずつ違うらしいですよ」
唯「ムギちゃんは恵方を向いて食べた?」
紬「ううん。特に気にしないで頂いたわ」
澪「今年の恵方は確か……あっちの方じゃないの?」 ユビサシ
ガラッ
恵「澪たん!」
唯澪律紬梓「」 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:14:45.26 ID:63ArxJvS0
-
恵「ねえ澪たん今私の方を指差したでしょ!?」
澪「いや…えっちょっ……」
恵「ねえ澪たん澪たん!澪たんに呼ばれた気がして飛んできたんだよ!」
澪「恵方を指したんですけど……」
恵「だから恵の方をを指差したんでしょ!?澪たん!みおたん!みおたんたん!!」
澪「だから……」
唯律紬梓「」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:15:52.62 ID:63ArxJvS0
-
律「え~っと、まずどうして曽我部さんがここにいるんですか?」
恵「だって澪たんが……」
澪「ひぃっ」
律「真面目に…お願いします」
恵「本当はお世話になった先生たちに会いに来たのよ」
恵「そしたら真鍋さんにばったり会っちゃって」
唯「和ちゃん最近学校に残って勉強してるもんね~」
恵「「軽音部の部室に行けばみんな居ますよ」なんて言うもんだからついつい来ちゃった」
澪(和ーっ!) -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:16:39.17 ID:63ArxJvS0
-
恵「そしたら澪たんが私を呼んでるんだもん」
澪「呼んでません!恵方巻きの話をしてただけです!」
恵「じゃあ私が澪たんに恵方巻き食べさせてあげる!」
澪「食べません!」
恵「澪たんは私の事好きじゃないの?」
澪「うっ」
唯「私は曽我部先輩好きー!」
紬「私もーっ」
律「私も!」
梓「私は殆ど関わりが無かったけど……」
恵「澪たんは?」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:19:34.15 ID:63ArxJvS0
-
澪「私も……好きですけど……」
恵「キャーッ!!澪たんかわいいぃぃぃっ!澪たんこれから家においで!」 ギュッ
澪「いや、勉強するんで……」
恵「私が手取り足取り教えてあげるから」
律「どうぞ持ってってください」
澪「律ゥー!」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:20:36.27 ID:63ArxJvS0
-
澪「お、お邪魔しまーす(本当に来てしまった……)」
恵「あ、今日家誰もいないの」
澪「は、はぁ。そうですか」
恵「あー。憧れの澪たんが我が家にやってくるなんて……」
澪「先輩が無理矢理連れてきたんですけどね」
恵「澪たん……。絶対N女子大合格してね」
澪「そのために勉強してたんですけどね」 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:21:28.67 ID:63ArxJvS0
-
恵「みーおたん!」 だきっ
澪「ひゃうっ!?」
恵「澪たんに抱き着いちゃったー!」
澪「はーなーしーてー」
恵「やだやだ!離れない。澪たん大好きなんだもん!」
澪「我がままを言わないでください」
恵「好きなんだもん!」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:22:31.18 ID:63ArxJvS0
-
恵「好き……」
澪「やめっ」
恵「私の何が駄目なの!?」
澪「澪たんって呼ばないでください」
恵「じゃあみおみおって呼ぶ」
澪「普通に呼んでください」
恵「澪ちゃん」
澪「はいっ」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:23:55.38 ID:63ArxJvS0
-
恵「プクク……『はいっ』だって……かわいい……」
澪「あ~~!もうっ!」
恵「私の彼女になって」
澪「無理です」
恵「嫌です。とは言わないのね」
澪「……」
恵「澪ちゃん大好き」 ぎゅっ -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:25:34.76 ID:63ArxJvS0
-
澪「ん……せんぱっホントに!」
恵「いい子いい子」 ナデナデ
澪「くっつきすぎですよぉ」
恵「澪ちゃん、あったかいんだもの」
澪「ううぅ……」
恵「ホントにかわいいなぁ」
ちゅっ
澪「んむっ!」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:26:25.13 ID:63ArxJvS0
-
澪「あ……あ……」
恵「澪ちゃんに私のファーストキスあげちゃった」
澪「わっ私だって初めてだったのに!」
恵「お互いに初めてだったのね」
澪「先輩…いい加減やめましょうって」
恵「やだ。私澪ちゃん大好きだから」 -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:27:07.09 ID:63ArxJvS0
-
恵「私のお嫁さんになって」
澪「さっきは彼女って言ってたのに……」
恵「彼女にならなってくれるのかしら?」
澪「なりませんよ……」
恵「酷いっ!」 すんすん
澪「あーっ泣かないでください!」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:29:06.33 ID:63ArxJvS0
-
恵「」 すんすん
澪「彼女になりますから!なりますから泣き止んでください!」
恵「やったっ!」 けろっ
澪「う、嘘泣き……」
恵「これからよろしくね澪ちゃん」
澪「はぁ」
恵「澪ちゃん。好き」
澪「あ、ありがとう…ございます」
恵「澪ちゃんも私の事好きって言って」
澪「す、好きです……」 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:29:53.55 ID:63ArxJvS0
-
恵「誰の事が?」
澪「そ、曽我部先輩のことが」
恵「恵って呼んでくれないとやだ!」
澪「めっめぐみ先輩」
恵「『秋山澪は恵先輩のことが好きです』って言って」
澪「恥ずかしいです!」
恵「言ってくれなきゃ死ぬ!」
澪「ちょっ早まらないでください!言うから!言いますから!」
恵「はいどうぞ~」
澪「あ、ああ秋山澪はめ…恵先輩のことが……すすす好きです(こっちが恥ずかしくて死にたくなるよぉ!)」
恵「み~お~ちゃ~ん!」 ガバッ
澪「んんー」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:30:57.96 ID:63ArxJvS0
-
澪「何するんですかっ!?」
恵「澪ちゃんとえっちなこと、したいな」
澪「駄目ですー!」
恵「えいっ」
ぷにっ
澪「だからそんなとこ……」
もみもみ
恵「やっぱり大きいのね~」
もみもみ
澪「先輩…!やめっ!」
恵「やわらか」
澪「ふああぁ……」 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:32:56.44 ID:63ArxJvS0
-
恵「暑くなってきちゃったわ、ね」
澪「は…はい」
恵「脱いじゃおっかな」
澪「ええぇ?それはちょっと!」
恵「いいじゃない。脱いじゃお?」
澪「はい……」
ぬぎぬぎ ぬぎぬぎ
澪「ってどこまで脱ぐ気ですか?」
恵「どこまで脱いでほしい?」
澪「またそんなことを……」 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:34:27.23 ID:63ArxJvS0
-
恵「澪ちゃん、私の胸見たい?」
澪「別に見たくないですよ」
恵「そう」 ションボリ
澪「あ、嘘です!見たいです!」
恵「しょうがないなぁ澪ちゃんは!」
ぬぎぬぎ
ぽろん
澪「わ……」
恵「ほらほら」
澪(意外と小さいんだな……) -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:35:40.94 ID:63ArxJvS0
-
恵「小さいって思った?」
澪「えぇーっ!?思ってないですっ」
恵「本当は?」
澪「ちょっとだけ……」
恵「小さい胸は嫌い?」
澪「そんなことないですよ」
恵「じゃあ、触って」
澪「だからそれはちょっと」
恵「お願い!」
澪「……分かりました」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:36:38.49 ID:63ArxJvS0
-
澪「……触ります」
ぺたん
恵「もっと強く触っていいのよ?」
澪「強く…ですか」
恵「ほら、こう掌でがしっと」
澪「こ、こう?ですか」
ぎゅむっ
恵「ん……気持ちいい」
澪「…そうですか」
恵「あら、もうやめちゃうの?」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:37:44.95 ID:63ArxJvS0
-
恵「もっと続けて」
澪「はい」
むぎゅ むぎゅ むぎゅ
恵「あっ。澪ちゃん……もっと!」
澪「恵先輩……」
恵「こっちの胸も、お願い」
澪「はい。気持ちいいですか?」
恵「きもちぃ。気持ちいいっ」 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:38:42.78 ID:63ArxJvS0
-
澪「私も…先輩の胸柔らかくて、気持ちいいです」
恵「はぁ…はぁ……澪ちゃん……」
澪「えーと、次はどうすれば」
恵「澪ちゃんの好きにして」
澪「好きにって、そんなこと言われても」
恵「お願い。澪ちゃんのやりたいように、ね」
澪「分かりました」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:39:43.35 ID:63ArxJvS0
-
澪「ここ触っても…いいですよね?」
恵「ここって……」
澪「ここです」 ツン
恵「んっ!いい、乳首…いい!」
澪「先輩…かわいい…」
恵「摘まんで!引っ張って!くりくりして!」
澪「凄い…触るたびに先輩の体、ビクンってなる……」
恵「やっぱりベーシストって指がプニプニしてて…はぁ……気持ち、いいっ」
澪「先輩の、食べたい」
恵「うん。食べて」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:40:55.53 ID:63ArxJvS0
-
澪「いただきます」 チュッ
恵「はぅっ」
澪「美味しい…先輩の乳首、ぷっくりしてて美味しい」 ちうーっ
恵「あ!吸っちゃっ!」
澪「ん…はぁ」 かぷっ
恵「あぁ…澪ちゃん……澪ちゃん!」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:43:04.55 ID:63ArxJvS0
-
恵「はぁ……はぁ………」
澪「艶々光って、いやらしい……」
恵「も、もう!澪ちゃんの唾液じゃない?」
澪「そうでしたね」 チュパッ
恵「あ、またっ!?」
澪「先輩、好きです!」
恵「私も!好き!」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:43:56.69 ID:63ArxJvS0
-
恵「澪ちゃん…私、いっぱい濡れちゃったわ」
澪「えっ。濡れちゃったって……」
恵「あそこが…」
澪「は、はあ」
恵「だから、お願い。最後まで、いい?」
澪「…分かりました」
恵「下も脱ぐから…澪ちゃんも、服脱いで」
澪「はい」
ぬぎぬぎ…… -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:44:40.63 ID:63ArxJvS0
-
恵「澪ちゃんの裸とっても綺麗ね」
澪「恥ずかしいですよ」
恵「じゃ、いいかしら?」
澪「はい……上手くできるかどうか分かりませんが」
恵「ううん。私もよくわからないから……」
澪「じゃあ…行きますよ」
恵「んっ」 -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:45:25.12 ID:63ArxJvS0
-
ぬぷっ
恵「痛っ!」
澪「あ、ごめんなさい!」
恵「あ、その、ごめんなさい。びっくりしちゃっただけなの……」
澪「そうですか……」
恵「もう、大丈夫だから」
澪「はい」
恵「ごめんね、もう一度お願い」 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:47:13.63 ID:63ArxJvS0
-
ぬぷっ
澪「もうちょっと、奥まで入れてもいいですか?」
恵「うん、お願い」
澪「はい」 ヌプ
恵「あっ!澪ちゃんの指ぃ……」
澪(先輩の中、あっつい…) -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:48:43.27 ID:63ArxJvS0
-
恵「澪ちゃん。指、動かしてみてくれる?」
澪「あっ、はい!こんな感じ……ですか?」
恵「あぅん」
澪「先輩?」
恵「はぅ…」
澪(気持ち良くなってくれてるのかな?だったらこのまま……)
ぬぷぬぷ
恵「あっ!あっ!あっ!」
澪「もっと気持ち良くなってくださいね」
恵「んんっ!」 -
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:49:49.87 ID:63ArxJvS0
-
恵「……澪ちゃん」
ぬぷぬぷ
澪「はい?」
ぬぷぬぷ
恵「好き」
ぬぷぬぷ
澪「私もです。恵先輩」
ぬぷぬぷ
恵「澪……ちゃ、あっ!何か!来る!」
澪「えっ」
恵「そのままっ!続けて!んっ」
恵「ぁぁぁああああ゛あ゛あ゛ーー!!」 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:50:58.25 ID:63ArxJvS0
-
澪「先輩、大丈夫ですか?」
恵「あっ」
澪「先輩…あの後気絶しちゃうからびっくりしましたよ」
恵「あ……」
恵「服、着せてくれたのね」
澪「はい。あの、下着はその…汚れたから……」
恵「…なんかスースーするわ」
澪「先輩、何か飲みます?」
恵「あ、じゃあ冷蔵庫にあるもの適当に出してくれる?」
澪「はい」
恵「澪ちゃん?」
澪「なんですか?」
恵「好きよ」
澪「私もですよ」 -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:51:40.21 ID:63ArxJvS0
-
澪「はい、どうぞ」
恵「ありがとう」
恵「ねえ澪ちゃん、これ、覚えてる?」
澪「え?色紙……?」
『めぐみへ みおたんより』
澪「うっ……」
恵「あのとき澪ちゃんに貰ったサイン」
澪「まだ取ってあったんですか……」
恵「ずっと取っておくわよ。澪たんがくれたんだもん」
澪「また澪たんって言った……」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:52:31.43 ID:63ArxJvS0
-
恵「こうなったのも私が澪ちゃんにストーキング行為してたからなのよね」
澪「あの時は本当に怖かったんですよ!危ない人に狙われてるのかと思って……」
澪(本当に危ない人だったけど)
恵「ごめんね」
澪「もういいですけど」
恵「澪ちゃん?」
澪「はい?」 -
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 03:55:07.20 ID:63ArxJvS0
-
恵「好き」
澪「何度目ですか?」
恵「何度でも言うわ」
澪「じゃあ私も何度でも言います」
澪恵「好き」
唯「澪ちゃん今頃何してるかな?」
梓「曽我部先輩と一生懸命お勉強してるんじゃないですか?」
紬「私たちも澪ちゃんに負けないように頑張らないと!」
律「おわり」 -
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 04:32:54.90 ID:z+FGzeh/O
-
恵が誰なのか本気で分からん
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 04:33:37.64 ID:bvV6fOk/0
-
>>57
澪ファンクラブの第一号だろ
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 04:37:23.62 ID:z+FGzeh/O
-
そうなのか
けいおん飛び飛びで見てたから知らなかった
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/05(土) 04:01:08.28 ID:xNkDa2NB0
-
澪恵は至高
▲ Close
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2011.02.04 Fri
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- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/03(木) 23:28:00.56 ID:D5njuIfW0
-
唯「いやー、遅くなっちゃったね!」
澪「あぁ、律と梓はちゃんとしてるかな・・・」
紬「りっちゃんったら、梓ちゃんに怒られてるかも」クスクス
唯「可能性高いね!」
澪「全く、あいつは部長としての自覚が・・・」
紬「まぁまぁまぁまぁまぁ」ガチャ
「んぅ・・・」
「梓、うるさい」
「やぁ・・・!あぁ・・・!」
紬「はい、ストップ。ちょっとここで休憩しましょう」バタンッ
唯「部室の前なのに!?」
紬「二人の邪魔をしちゃ駄目」
澪「邪魔って・・・恵方巻き食べてるだけじゃ・・・」チラッ -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/03(木) 23:33:09.33 ID:D5njuIfW0
-
梓「せんぱ・・・やぁ・・・!」
律「だーから喋るなって」
梓「こ、こんなに・・・入らな・・・!」
律「大丈夫大丈夫」
澪「・・・何やってるんだあいつら」
唯「ムギちゃん、やっぱり恵方巻k」
紬「静かに。これは性的な何かをしているに違いないわ」シッ!
澪「違うけどな」
梓「んぅ・・・!」
律「声、出すなよ」
紬「やっぱりそうだわ、性的なアレだわ」
澪「思いっきり恵方巻き頬張ってるけどな」
紬「聞こえない」キリッ -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/03(木) 23:37:53.12 ID:D5njuIfW0
-
唯「そろそろ部室入ろう?」
澪「あぁ、覗き見なんて気分悪いしな」
紬「待って」ガシッ
唯澪「え?」
紬「二人とも、目を瞑ってみて?」
唯澪「・・・?」
紬「少しの間でいいの、目を瞑って。そして二人の会話を聞いて」
澪「うーん・・・少しだけだぞ?」
紬「ありがとう」ニッコリ
梓「せ、せんぱい・・・も、無理・・・です・・・」
律「馬鹿、まだまだこれからだろ」
梓「やぁ・・・!」
唯澪「あ、エロい」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/03(木) 23:44:20.70 ID:D5njuIfW0
-
紬「でしょう!?」
唯「うん、これはえっちぃね」
澪「私もビックリした」
紬「濡れた?」
唯澪「うん」
紬「よかったー、私だけかと思ったー」ホッ
澪「これは濡れてもしょうがないな」
唯「もうちょっと聞いていこうよ?」
澪「あぁ!もちろんだ!」
紬「うふふ」
梓「むぐぅ・・・うぅ・・・」
律「ほら、もう少しで全部入るからな」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/03(木) 23:49:49.18 ID:D5njuIfW0
-
澪「うわぁ・・・会話だけ聞くとホントそれっぽいな」
唯「うん、すごいね」
紬「恵方巻きなのにおかずになっちゃうわね」
澪「そういう下ネタ禁止な」
紬「ごめんなさい」シュン
唯「でも部室に入るタイミングなくなっちゃったね」
澪「二人が食べ終わってから入ればいいな」
唯「それもそうだね」
律「無理矢理は痛いだろ?」
梓「んー・・・!んー・・・!!」
律「でも我慢しろ。私はお前にされたことそのままやり返してるだけなんだからな」
澪「律ってあまり先輩扱いされてないよな」
唯「うん、わかる」 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/03(木) 23:53:17.10 ID:D5njuIfW0
-
梓「やぁ・・・!」
律「そんなに嫌なのか・・・?」
唯「そこまで嫌じゃないでしょ、あずにゃん恵方巻き嫌いなのかな?」
澪「どうだろなぁ」
紬「妄想力を絶やしちゃ駄目よ?」
唯「あっ、そうだったそうだった。二人は今えっちしてるんだよね」
澪「あぁ、そうだ」
純「どもー」
唯「その声は・・・純ちゃん!?」
純「当たりです、よくわかりましたね」
唯「えへへー」
純「なんでみんな目瞑ってるんですか?」
澪「え、えっと・・・」
純「部室、入らないんですか??」 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/03(木) 23:59:03.04 ID:D5njuIfW0
-
紬「今はちょっと・・・」
純「・・・?あ、そうそう。梓って来てます?」
澪「梓ならおとりこみ中だよ」
純「え?」
梓「いや、じゃ・・・ないですけど・・・」
律「へへ、じゃあ・・・いいよな?」
唯「見ての通り、りっちゃんと部室で恵方巻き食べてるよ」
純「恵方巻き!?」
澪「何びっくりしてるんだよ、今日はそういう日だろ?」
純「いやいやいやいや」
唯「純ちゃんはどうしたの?」
純「梓にノート返しに来たんです・・・って、あれ止めなくていいんですか!?」
唯「ちょっと、純ちゃん。静かにしよう?せっかくあずにゃんが頑張ってるのに邪魔しちゃうよー」
純「あ、はい・・・すみません・・・?」 -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/04(金) 00:06:18.06 ID:iTm2Z+Dg0
-
梓「んん・・・!あぁ・・・りつ、せんぱ・・・!」
律「んー?」
澪「それにしてもすごいよな。本当にそれっぽく聞こえて・・・///」
唯「っていうかそうとしか聞こえなくなってきちゃった・・・///純ちゃんも目瞑ってみてよ、いやらしく聞こえるんだよ?」
純「いや、先輩達こそ目開けてくださいよ!『っぽい』っていうかいやらしいことしてますよ!?」
紬「うふふ、純ちゃんは想像力豊かなのね」
純「想像じゃなくて!」
澪「ほら、喋ったらバレちゃうから。静かにしよう、な?」
純「え、えー・・・?」
梓「ぁん・・・!」
純「ほら今『ぁん・・・!』って言ったぁ!」
唯澪紬「純ちゃん、うるさい」
純「ごめんなさい・・・」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/04(金) 00:11:50.88 ID:iTm2Z+Dg0
-
梓「こん、なところ、で・・・先輩達が、来ちゃったら・・・ぁぁ・・・!」
律「大丈夫だって。澪達、今日は遅いはずだから」
梓「れ、れもぉ・・・!」
律「呂律回ってないぞー?」アハハ
純「ほらぁ!思いっきり営んでますけどぉ!?」ボソッ
紬「情事の真っ最中の会話・・・///」
唯「まぁ実際は、食べかす散らかしちゃったってところだよねーきっと」
澪「あぁ、そうだな」
純「ムギ先輩正解ですから!大正解ですから!目開けて確認してくださいよ!」
唯「純ちゃんはハッスルしてるねー」
澪「声だけでここまでテンション上がるなんて、若いなー」アハハ
紬「学年ひとつしか違わないのに・・・これが若さね」
純「若さの違いじゃないんです、見えてるか見えてないかの違いなんです。マジで」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/04(金) 00:23:10.12 ID:iTm2Z+Dg0
-
梓「あぁ・・・!あああぁぁぁあ!!」
純「見ちゃった。友達が果てるところ見ちゃった」
唯「純ちゃんは面白いなー」アハハ
澪「二人とも、もう食べ終わったのか?」
純「食べ終わったというか・・・一方的に梓が食べられたというか・・・」
紬「二人ともなかなか迫真の演技だったわね」
純「演技じゃないんですけどね」
律「おーい、梓。・・・あずさぁー?」
律「・・・くっそ。仕方がない、とりあえず服着せるか・・・」
律「ったく・・・後始末は私一人かよ・・・」モゾモゾ
律「梓はいっつもこうなんだよなー・・・」ゴソゴソ
ガチャ・・・キィィ・・・
律「お、来たか(あぶねーあぶねー)」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/04(金) 00:27:54.72 ID:iTm2Z+Dg0
-
唯「やぁ!」
律「よぉ!」
澪「悪いな。遅くなって」バタン
律「いいっていいってー」
唯「あれ・・・あずにゃん、寝てるの?」
律「んー?うん、なんか眠かったんだってさ」
紬「りっちゃん、なかなかだったわよ」ニコッ
律「なかなか・・・?」
唯「えへへ、実は・・・りっちゃん達が恵方巻き食べてるの見ちゃってねー」エヘヘ
律「え」
澪「ムギが目瞑って聞いてみろなんていうか、その・・・悪いな盗み聞きしちゃって」
律「えっ、えっと・・・(つまりそのあとのエッチはバレてないってこと・・・?)」
唯「声だけ聞いたらすっごいえっちかったです!」フンスッ
律「あ、あぁー、なるほどなー。そっかー確かにそうかもなー(こいつらが馬鹿でよかった)」アハハ -
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/04(金) 00:35:14.78 ID:iTm2Z+Dg0
-
純「先輩達、エッチしてましたよね?」
律「」
梓「・・・?ふあ・・・あ、あれ・・・?純・・・?」ムニャムニャ・・・
純「おはよう、梓。さっき律先輩とエッチしてたよね?」
梓「」パッチリ
純「律先輩と梓、セックスしてたよね?」
梓「・・・してないよ」
純「えっ」
律「ったく、そんなことするわけないだろ?」シレッ
純「いや、でも・・・何しれっとしてるんですか、律先輩」
梓「だって純が変なこというから・・・」
純「変なことって・・・ほ、ほら!律先輩と梓のリボン!逆だし!」
律「」ギクッ
純「きっと服着せるときに間違えたんだ!」 -
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/04(金) 00:38:46.86 ID:iTm2Z+Dg0
-
唯「もー、それは私達の想像の話でしょ?駄目だよ、妄想と現実を一緒にしたら」
純「えっ、なんで私そんな可哀想な子だと思われてるの?」
紬「もう・・・めっ、よ?」
純「あ、はい・・・ごめんなさい・・・」
梓「で、純は何しにきたわけ?」
純「え、えっと・・・ノートを・・・」
梓「ノート持ってないじゃん」
純「教室に忘れてきた」
律「お前もう帰れよ」
おわり(?) -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/04(金) 00:41:50.21 ID:8WnYo0cBO
-
報われねえwww
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/04(金) 00:42:19.30 ID:iTm2Z+Dg0
-
純「いいもん、帰るもん」
梓「あ、純」
純「え?」クルッ
梓「はい」スッ
純「・・・なにこれ」
梓「恵方巻き」
純「いや、わかるけど・・・」
梓「純の家、ちょうどいい方角だから」
純「帰り道に食べろと?」
梓「うん、無言の帰宅しなよ」
純「縁起でもねぇ」
ほんとにおわり -
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/04(金) 01:24:42.55 ID:urUnXi/M0
-
おつおつ
-
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/02/04(金) 01:30:24.82 ID:ErsuDdxp0
-
乙
面白かった
-
▲ Close
| けいおん!!SS
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2011.02.04 Fri
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- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:55:34.70 ID:hTiUGgOY0
-
唯「あ、あずにゃ~ん!」
梓「あ、唯先輩」
唯「そんなところにねっころがって何してるの? 日向ぼっこ?」
梓「ああ、空を見てるんですよ」
唯「空?」
梓「はい。見てください、綺麗ですよ」 -
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:59:37.99 ID:hTiUGgOY0
-
唯「おおおー、雲ひとつない青空だー」
梓「散歩に出たら、あまりに綺麗だったんでちょっと眺めたくなって」
唯「じゃあ、私もちょっとご一緒させて貰おうかなー」
梓「いいですけど、面白いものでもないですよ?」
唯「丁度暇してたとこだし、私こういうのんびりしたの好きなんだ」
梓「ああ確かに、こういうのは唯先輩らしいですね」
唯「む~、何か人に言われると失礼な感じがするなぁ」 -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:03:57.73 ID:hTiUGgOY0
-
唯「へへ、じゃあちょっと隣失礼しますよー」
梓「と、言いつつ何で私の膝の上に寝ようとしてるんですか!」
唯「えへへ、やっぱり駄目?」
梓「当たり前です!」
唯「ちぇー」 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:08:37.28 ID:hTiUGgOY0
-
梓「大学生になっても、唯先輩は全然変わりませんね」
唯「え~、これでも結構バイトとかして人生経験つんでるんだよー」
梓「人生経験、ですか」クスッ
唯「何さ?」
梓「いえ、唯先輩らしくない言葉がでたなぁと思って」
唯「あずにゃんしどい!」
梓「冗談ですよ。でもやっぱり、唯先輩は唯先輩ですよ。変わってません」
唯「褒められてるのかそうじゃないのか良く分からないなぁ」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:13:00.64 ID:hTiUGgOY0
-
梓「夏休みはいつまでなんですか?」
唯「九月の終わりまでだよ~」
梓「随分長いんですね」
唯「大人ですからっ!」
梓「良く分かりません」
唯「えへへ。夏休み中にまた合宿行きたいね」
梓「私の夏休みが終わる前にしてくださいよ。あ、でも軽音部の方でも合宿しないと。どうしよう」
唯「じゃあ、新生軽音部と放課後ティータイムで一緒に合宿しようよ!」
梓「あ、それいいかもです」
唯「でしょでしょ? 後で皆に聞いてみよっと」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:20:22.07 ID:hTiUGgOY0
-
唯「へへへ、あずにゃんが先輩として後輩を指導してるところが見られるのか~」
梓「別に大して新鮮なものでもないと思いますよ」
唯「え? 何で?」
梓「唯先輩への対応とほとんど変わりませんし。敬語か敬語じゃないかの違いくらいです」
唯「酷いよあずにゃん!」
梓「むしろ唯先輩より手がかからなくてやんわりしてるかもしれません」
唯「追い討ち!?」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:27:24.02 ID:hTiUGgOY0
-
梓「あ、でも、新入部員の中に、唯先輩に憧れてるって子がいるんですよ」
唯「うん。憂から聞いたよ」
梓「ああ、憂ったら大喜びしてましたからね」
唯「私はいい妹を持ったよ。いい後輩も持ったけどねっ!」ギュー
梓「もう/// ……だから、もし一緒に合宿できたら大喜びすると思いますよ」
唯「何だか照れちゃうなぁ」
梓「サインの練習でもしたらどうですか?」
唯「おおっそれは名案だねっ」
梓「冗談なんですけど」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:34:40.00 ID:hTiUGgOY0
-
唯「ていうか、サインならもうできてたっけ」
梓「え……あ、あれはちょっと」
唯「何さ?」
梓「ちょっと個性的過ぎるというか、その子の中の唯先輩のイメージが一気に崩れかねないというか」
唯「結構自信作だったのに」クスン
梓「まぁでも、唯先輩と接すればイメージなんて一時間くらいで崩れ去るんであんまり関係ないかもしれませんね」
唯「今日のあずにゃん厳しくない!?」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:40:57.41 ID:hTiUGgOY0
-
唯「はぁぁ~青いね~」
梓「青いですね~」
唯「あ、カラスが飛んでる。青色に黒が混じっちゃったよ」
梓「カラスって可愛いですよね」
唯「えーそう?」
梓「鳴き声が可愛いじゃないですか。カァカァって」
唯「私はツクツクボーシの鳴き声の方が好きだなぁ」
梓「でもカラスがツクツクボーシって鳴いたら困るじゃないですか」
唯「カラスの名前がツクツクボーシになるね」
梓「だからカァカァが一番なんですよ」
唯「なるほど」
梓「カラスって可愛いですよね」
唯「そんな気がしてきたよ」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:47:16.63 ID:hTiUGgOY0
-
唯「じゃああずにゃんはカラス飼いたいの?」
梓「え? 飼いたいわけないじゃないですか。怖いし」
唯「そっか」
梓「私は鳥ならインコが飼いたいなぁ」
唯「あー面白そうだよねー」
梓「調教して『オウムー』って言わせたいです」
唯「あずにゃんは可愛いこと考えるねぇ」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 20:56:21.60 ID:hTiUGgOY0
-
唯「こうやって空を見て、のんびりするのも悪くないね~」
梓「あの青空に吸い込まれて、飛んで行きたい気分です」
唯「あー私も、飛びたい気分」
梓「……唯先輩は、もう飛んでますよ」
唯「え?」 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:03:35.13 ID:hTiUGgOY0
-
梓「前に言ったじゃないですか。私は、新歓ライブの演奏に感動して入部したって」
唯「うん。あれは嬉しかったなぁ」
梓「あの時私は、こんなに凄い演奏をするってことは凄い練習をしてるに違いないって思ってたんです。それこそ、私の想像もつかないくらい」
唯「ふむふむ」
梓「でも、実際はまるでお茶部ってくらい練習してなかったじゃないですか」
唯「う……。で、でも、それなりには練習もしてたもん!」
梓「それでも、小学生の頃からギターに触ってた私を感動させたにしてはどう考えても少なすぎる練習量でした。だから最初は納得行かなかったんです。
どうしてこんなだらけてばっかりの人に、あんなに素晴らしい演奏ができるんだろうって」
唯「あずにゃん厳しい……」
梓「でも、今なら分かります。きっと、唯先輩が飛んでるからなんですよ」
唯「飛んでる?」 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:13:41.70 ID:hTiUGgOY0
-
梓「私は、練習すればする程いい演奏ができるようになるはずってずっと思ってましたけど、唯先輩はそういうのを超越した場所にいるんですよ。
どこまでも自由で一生懸命で楽しそうに、まるで大空をはばたいているように演奏してるんです。多分、だから私は感動したんだと思います」
唯「うーん、良く分かんないけど、あずにゃんだって楽しそうに演奏するじゃん。あずにゃんだって飛んでるよ!」
梓「いえ……私は駄目ですよ。軽音部の皆と一緒に過ごして、私も飛べるようになったかなぁと思いましたけど、やっぱり私には無理みたいです。
今だって新入部員は私の技術は褒めてくれますけど、私の演奏に心を動かされたって言ってくれる人はいません。
唯先輩と、皆と演奏して飛べた気になってましたけど、やっぱり私には翼はなかったみたいです」
唯「そんなことないよ! あずにゃんにだって翼はあるよ! だって」
梓「?」
唯「だってあずにゃんは、天使だもん!」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:23:14.47 ID:hTiUGgOY0
-
梓「……あの歌、ですか?」クスッ
唯「そうだよ。あずにゃんは天使だもん。翼がないなんてことないよ」
梓「駄目ですよ。どうしたって私は唯先輩にはなれません」
唯「別に私みたいにならなくったっていいじゃん。ううん、むしろなっちゃだめだよ。私あずにゃんの真面目なとこ、大好きだもん!」
梓「えっ///」
唯「他の皆だってきっとそうだよ。ティータイムを叱られるのはちょっと辛かったけど、
そういう真面目なところもあずにゃんのいい所なんだから、私の真似なんかして失くしちゃ駄目だよ」
梓「唯先輩……」
唯「きっとあずにゃんが飛べないって言うんなら、それは無理して私みたいになろうとしてるからだよ。
上手くいえないけど、皆に違う飛び方があって……あずにゃんには、あずにゃんの飛び方があるんだよ」
梓「私の、飛び方……」
唯「うん!」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:30:40.32 ID:hTiUGgOY0
-
梓「……」クスッ
唯「ど、どうしたのあずにゃん!?」
梓「いえ。……ありがとうございます、唯先輩。本当を言うと、ちょっと自信なくしてたんです。私に後輩のことまとめていけるのかなって。
放課後ティータイムみたいな楽しい軽音部を作っていけるのかなって」
唯「大丈夫だよあずにゃんなら。きっと皆から尊敬されるいい先輩になるよ」
梓「少し自信つきました。ありがとうございます」
唯「うん、自信持って良いよ。あずにゃんは可愛い天使さんなんだからねっ!」ギュー
梓「も、もうそれはいいですっ///」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:36:36.22 ID:hTiUGgOY0
-
梓「……」
唯「あずにゃん?」
梓「また、唯先輩に助けられちゃいましたね」
唯「えへへ。これからも悩みがあったら、いつでも相談していいんだよ」
梓「……そうします」
唯「だから、合宿の時ちょっと遊んでも、大目に見てね?」
梓「それとこれとは話が違います!」
唯「やっぱりだめー!?」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:43:34.68 ID:hTiUGgOY0
-
憂「あ、おねーちゃーん! あ、梓ちゃんも一緒だったんだ」
唯「あ、ういー」
梓「憂」
憂「散歩に出たっきり帰ってこないから、お昼ご飯に呼びに来たんだけど」
唯「おおもうそんな時間かー。あ、あずにゃんも一緒に食べてきなよ!」
梓「え? いいんですか?」
唯「勿論だよ! そうだ、食べたら皆で遊ぼうよ! 新生軽音部の人たちも呼んでさ!」
憂「あ、それいいね」
梓「え、ええ!? そんな急に……」
唯「よーし、そうと決まれば行くよ、あずにゃん!」タッ
憂「行こ? 梓ちゃん」タッ
梓「……」クスッ
梓「はい!」タッ
おしまい -
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:49:00.38 ID:Z0ItCaYh0
-
乙乙よ
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:08:01.82 ID:QvLYK3wa0
-
乙
ゆいあずはやっぱ最高だ
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 22:12:49.52 ID:mm0ynIAxO
-
これはいいと思った -
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| けいおん!!SS
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2011.02.04 Fri
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- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 17:52:04.00 ID:I5/oXkrO0
-
N市 とあるスーパーマーケット
唯「ねぇー憂」
憂「ん? どうしたのお姉ちゃん……あ」
唯「にへへ。一本買っていってもいいですかね?」
憂「またお酒? お姉ちゃんすごく弱いんだからだめだよ」
唯「一杯だけだからさ。ね?」
憂「んー……約束だよ? あと勝手に飲まないこと」
唯「うん約束! えへへっ、ありがとう!」コトン
憂「わっと……えーっと、これで後は福豆だけかな?」
唯「しいたけは?」
憂「もうあるよ。きゅうりにかんぴょうに……あれっ、たまご家にあったかな?」 -
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 17:54:57.68 ID:I5/oXkrO0
-
唯「あっ、タマゴならないよ。昨日の夜わたしが食べちゃったから」
憂「……そういうのはちゃんと報告してくれないかな?」
唯「えへへっ、ごめんね」
憂「お姉ちゃん。去年と違って今は二人暮らしなんだから、そういうの気をつけなきゃだめだよ?」
唯「そっかぁ、わたし憂と同棲してるんだもんね」
憂「ぅ……もうっ、真面目に聞かないんだから……」
唯「憂てれてるー」
憂「……とにかく、タマゴとあと福豆だね」
唯「あ、わたしタマゴ取ってくるよ」
憂「ううん、お姉ちゃんは豆探してきて? レジのあたりにあると思うから」
唯「そう? じゃわかった、行ってくるね」
憂「いってらっしゃーい」
憂(……さて、タマゴタマゴ) -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 17:58:02.84 ID:I5/oXkrO0
-
――――
憂「あ、いたいたお姉ちゃん……って!?」
唯「おういー、豆ってどれくらい買ったらいいのー?」ガサガサ
憂「一袋でいいってば。私たちの家そんな広くないんだから」
唯「そっかー。実家は広かったからなぁ……何袋も買ってたよねぇ」
憂「ほら、棚に戻して」
唯「……んー。お家の話、憂はきらい?」ガサガサ
憂「……お姉ちゃんのせいでしょ。1年も家に置いてけぼりにされたら嫌にもなるよ」
唯「私だって、憂が生まれてくるまで1年ひとりぼっちだったけどなー」
憂「それは……そうだけど」
婆「すまんの、豆とらせてくれんか」
唯「あっはいっ、ごめんなさい」ササッ
婆「仲いいの」
憂「あはは……」 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:01:02.47 ID:I5/oXkrO0
-
憂「……」
唯「ま、いいよね」
憂「うん?」
唯「これからはいつだってどこだって、憂と一緒だよ」
唯「だからお家のことも、あんまり嫌わないでほしいな……」
憂「……わかってる。わかってるんだけど、ね」
唯「……買うものみんな揃ったっけ?」
憂「うん、そのはず。会計して帰ろっか」
唯「ん。あそこのレジ空いてる」
憂「よっし、行こう」カラカラ -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:04:02.39 ID:I5/oXkrO0
-
唯「いよっと」ボスン
店員「いらっしゃいませー」
ピッ ピッ
唯「……」じーっ
憂(また見てる……)
憂「そんなにぴっぴが好きならスーパーでバイトしたらいいのに」
唯「ぴっぴ……?」
店員「ふぷっ」
憂「っ……」カアッ
憂「だって……あれなんて言うのかわかんないもん……」
唯「かわいいなぁーういういー」うりうり -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:07:15.64 ID:I5/oXkrO0
-
店員「ふ……あ、えっと、こちらお酒なんですが」
唯「あ、わたしこれでもハタチなんですよ」
店員「身分確認できるものはお持ちですか?」
唯「学生証で大丈夫ですか?」
店員「はい、大丈夫です」
唯「んと……」ゴソゴソ
唯「はい」
店員「どうも」
唯「……ぴっぴ」ボソッ
店員「グフッ! げふん、はぁ、はい、お返しいたします」
唯「どもども」
憂「……お姉ちゃん、店員さん困らせちゃだめだよ?」
唯「うふふ、ごめんねぴっぴちゃん」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:10:00.32 ID:I5/oXkrO0
-
店員「ふぅっ。お会計4,286円です」
憂「んっと。……はい」
店員「えー、4,536円お預かりします……」
店員「250円のお返しです。ありがとうございましたー」ペコリ
憂「行くよっ、お姉ちゃん」
唯「ほいほーい」
憂「はぁっ……まだ顔熱いよ」ペタペタ
唯「……」ガサガサ
憂「お姉ちゃん?」
唯「うい、早く袋に入れて帰ろう。あの店員さん、ときどき憂のほうチラ見してる」
憂「……いや、女の人だよ? それに見られるのもしょうがないような」
唯「いいから早く行こうって」
憂「……はーい♪」 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:13:17.73 ID:I5/oXkrO0
-
――――
小さなアパート 202号室
憂「よいしょ、ただいまー」
唯「うあー、重かった」
憂「お酒の瓶があったもんね。お姉ちゃん大丈夫?」
唯「大丈夫じゃないからこたつであったまるー」スタスタ
憂「そっか。休んでていいよ、わたし恵方巻きの準備するから」
唯「おーう、よろしう頼みます……」
憂「……さてと。がんばるぞっ!」
憂(お姉ちゃんの健康と幸福を願うお料理、手は抜けない!) -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:16:36.45 ID:I5/oXkrO0
-
憂「……」モクモク
憂「……」モクモク
憂「ふっふーふーふーん」カチャカチャ
憂「すっきすっきーだーいすっきー……」
唯「うい?」
憂「わっ! お姉ちゃんどうかした?」
唯「ねぇねぇ、豆まきしなーい?」すりんっ
憂「ふあ……えっと、ちょっと待って。タマゴ焼いちゃったら、一旦冷ますから……」
唯「うい……」ゴソッ
憂「へ……ちょっと、どこに手入れて……」
唯「……ん。お豆さん探し」
憂「あのね……いたっ!?」ビク -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:19:55.27 ID:I5/oXkrO0
-
唯「あっ、ごめ……」
憂「もうっ、あっち行ってて!」
唯「ごめんね……」
憂「……いいよ。待たせちゃってる私がいけないんだし」
唯「ごめんなさい……」ショボン
トボトボ…
憂「……」
憂(ちゅーは良いけど……やっぱりHはまだ)ジュー…
憂(……タマゴ焦げちゃうって)カチャッ -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:23:25.24 ID:I5/oXkrO0
-
――――
憂(よし。これで下準備はできたし、具材は冷蔵庫に入れておいて)
憂「お姉ちゃーん?」
唯「……うい?」
憂「準備終わったから、豆まきしよ? ……変な意味じゃないけど」
唯「ん……よーし、鬼を追いだすぞっ!」
憂「おー!」
唯「さて、じゃあ豆の袋を……」ガサッ
憂「……お姉ちゃん。なんか少なくない、それ?」
憂「というか……なんでもう開いてるの?」
唯「だっておいしくって……」
憂「これじゃちょっとしか撒けないよ。どうする?」
唯「うぅむ」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:26:37.67 ID:I5/oXkrO0
-
唯「大事なとこだけにしよう。両手に5粒ずつ持って。憂も」ガササ
憂「う、うん」
唯「わたしと憂の両手で4ヶ所だけ、大事なところの鬼をはらおう」
憂「なるほど。じゃあまずは……玄関かな」パタパタ
憂「鬼はー外!」パララッ
唯「ほー、憂はそうきましたか。私はまず~」トタトタ
憂「まず?」
唯「憂がいつもいる台所っ! 鬼はー外!」パララッ
憂「わぁ。……えへへっ」
唯「大事な憂には一匹たりとも鬼は近づけないよ!」フンス -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:30:03.01 ID:I5/oXkrO0
-
憂「じゃあ私は……」パタパタ
唯「ういはー?」
憂「お姉ちゃんがいつもいるおこたの中!」バサッ
憂「鬼は外ー!」パララッ
唯「ほほう、んじゃー私はっ」
憂「うん、うんっ?」
唯「憂と愛をはぐくむベッド!」パララッ
憂「ウフッ! ゲフ、お姉ちゃん!?」
唯「えぇー、何で笑うの憂ー?」
唯「いつもベッドでいっぱいちゅーちゅーするじゃん! 愛の営みだよ!」
憂「だ、でもだって、キスとエッチは……」
唯「違う?」
憂「……と、思うよ?」 -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:33:20.28 ID:I5/oXkrO0
-
唯「わたしは一緒だと思うなぁ」
唯「なんか、少なくともステップで別れてるようなものじゃないかなって」
唯「どっちも憂を愛してるから、したいって思うんだよ?」
憂「……」
憂「なんか、ちょっと勇気出たかも」ニコッ
唯「では」
憂「でもまだ待って!」
憂(……あ)
唯「えへへ、冗談だよぅ。じゃ憂、年の数だけ豆を食べよう」
憂「38個も残ってるかな?」
唯「足りなかったら豆を半分に割って、2個ぶんに数えたらいいんだよ!」
憂「節分をつくったご先祖さまたちが泣くだろうなあ……」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:46:08.36 ID:F6pYP7W4O
-
ちょっと待てwww
憂ちゃん38歳?www
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:47:52.28 ID:u2hAQ+2l0
-
>>36
唯20歳、憂18歳
合計38粒
32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:36:32.57 ID:I5/oXkrO0-
ポリポリ…
唯「んふふ、おいしぃ~」
憂「だねー。ぜんぜん残ってないけど」
唯「ふふっ、まあ食べたかったらまた明日買いに行けばいいんだよ」
憂「節分に食べるのが大事なのに……」ポリポリ
唯「憂は慣習にうるさいよねー」
憂「う、うるさいかな……」
唯「もうちょっとゆるくてもいいじゃない、ねぇ?」
憂「お姉ちゃんはゆるすぎ。先輩のお酒を断り続けて怒られて泣いたんじゃなかったっけ」
唯「だって、私酔ったら危ないもん! 憂以外の前じゃ絶対飲めないって」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:39:58.61 ID:I5/oXkrO0
-
唯「憂だって分かってるでしょ? それは」
憂「そうだけど、……んん、やっぱり嬉しいや」
唯「でしょでしょ~」ごろんっ
唯「もう私って、けなげで最高の彼女だよね」
憂「うん。最高のお姉ちゃん」
唯「ぷふー」ポリポリ
憂「……」パキッ
ポリポリ
唯「いま何個たべたっけ……」
憂「お姉ちゃんはもう20個以上食べてるから気にしなくて大丈夫だよ」
唯「憂がいま16個だから私は18個ぐらいかな……」
憂「あくまで食べるんだね」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:43:22.15 ID:I5/oXkrO0
-
――――
憂「お姉ちゃん、お姉ちゃん」ユサユサ
唯「んあぁ……だめぇん憂ぃ~……」
憂「変な声だしてないで。起きて。恵方巻き食べようよ」
唯「ハッ! 恵方巻き!」ガバッ
憂「いちおうお酒も持ってきたからね」
憂「食べ終わったら、1杯だけ飲んでいいよ」
唯「わかった、いっぱい、ね?」
唯「ほれ、私の横おいでー、うい」
憂「じゃあ失礼して、よいしょっと」
唯「ういー、いらっしゃーい!」ナデナデナデ
憂「ん、えへへ」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:46:44.57 ID:I5/oXkrO0
-
憂「材料ちょっと多かったから3本作ったけど、多かったかな?」
唯「3本……1本あまるよ、憂?」
憂「それはお姉ちゃんが食べていいよ」
唯「えーっ、やだよ半分ずっこがいい!」
唯「ん、半分ずつ……そうか、ほぉう」
憂「どうしたのお姉ちゃん?」
唯「ちょっとね。まぁいいから食べようよ!」
憂「あっ、待ってお姉ちゃん」
唯「ほえ?」
憂「こほん。恵方巻きを食べる時はね、目を閉じて、何も喋っちゃいけないんだよ」
憂「口を開けると、せっかく食べた幸せが逃げちゃうんだって」 -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:50:10.15 ID:I5/oXkrO0
-
唯「へー、なおさらだね」
憂「なおさら?」
唯「あぁいや、こっちの話で。じゃあ改めて……」
憂「お姉ちゃん、恵方巻きなんだから恵方を向かないと」
唯「あ、そっか。んーと、南南東だったよね」
憂「うちの窓が真南だから、こっからちょっとだけ左を向いて」
唯「このくらい?」
憂「うん、ちょうどいいと思うよ」
唯「よしっ! では目を閉じて……いただきます」
憂「いただきまーす」 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:53:20.06 ID:I5/oXkrO0
-
唯憂「……」モソモソ
モソモソ…
唯憂「……」ごくんっ
憂(うん、おいしい)
唯憂「……」モソモソ…
唯憂「……」モソモソ
唯憂「……」ごくんっ
唯「……ふぅー」
憂「思いのほか、なかなか疲れるね」 -
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 18:56:33.37 ID:I5/oXkrO0
-
唯「ういっ、まだ喋っちゃだめだよ!」
憂「へっ?」
唯「まだ恵方巻きを食べ終わってないよ?」
唯「憂は今からわたしと、この余った恵方巻きを食べるんだから!」
憂「……お、お姉ちゃん。なんか言い方がお芝居みたいだけど」
唯「あぁー、喋って幸せが逃げちゃった!」
唯「でも残ってる恵方巻きは1本! となると、倍の量の幸せを食べる手段を考えないと!」
憂「……」
唯「そうだ憂!」
憂「なぁに、お姉ちゃん?」
唯「この恵方巻きで、ポッキーゲームならぬ恵方巻きゲームをすればいいんだよ!」
憂「えほっ?」 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:00:07.40 ID:I5/oXkrO0
-
唯「はい、憂はこっち側くわえて」ぐいっ
憂「むぐっ、ほ、ほっとぉ」
唯「ほら、しゃべったらめっ、だよ。目閉じて」
憂(もう……ほんとに変なことばっかり思いつく)
憂「ふん」コクッ
唯「はじめるよー、あーん……」
唯「ふたーと!」
モソモソ…
憂(わわわ、お姉ちゃんが食べてるのが分かる……)
憂(私も食べなきゃ……ちゅ、ちゅーくらい別に……)
フー、フー
憂(お、お姉ちゃんの鼻息……)モソモソ -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:03:16.12 ID:I5/oXkrO0
-
ごくんっ
憂(わっ、今飲みこんだ……すごい音)
憂(普段のちゅーでお姉ちゃんがツバ飲みこむことはよくあるけど……)モソモソ
憂(やっぱり唾液だけとはぜんぜん音が違うんだ)モソモソ
唯「ん……」
憂(! す、すっごい近くまで来てる!)
憂(あと一口食べたら、ちゅうだ……)ごくんっ
憂(ん、んんっ)ハムッ
むにっ
唯「むっ……ふふっ、ういーっ」ちゅうっ
憂「ん、ぅ……」モグモグ
唯「んれーっ」ニュル
憂「ちょっ、舌まっへ……まあ飲みこんれないっ」 -
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:06:32.19 ID:I5/oXkrO0
-
唯「はぅ、ふっ……んりゅっ」
ピチャピチャッ ズジュッ
唯「んっ……」ごくっ
唯「ふふ、憂の幸せちょっともらっちゃった」
憂「は、はふぁっ……ん、んっ」ごくんっ
唯「んーっ」チュー
憂「むぅーっ!」
唯「口開けちゃめーだよ、んべっ」
ペロ、ピチュ…
憂「っ、ぅ!!」ゾクゾクッ
唯「んっ、んっ……」チュチュッ
唯「ん、よし! これで憂の幸せは憂の中にばっちり封印されたよ!」
憂「ぅ、……はぁっ」くたっ
唯「よしよし、おつかれさま」ナデナデ -
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:09:58.63 ID:I5/oXkrO0
-
憂「んぅーっ……」ぎゅうっ
唯「あれぇ? まだしたいのかな?」
憂「……っ。そういうんじゃないもん」
唯「そっか? まぁいっか。うーいっ」ユサユサ
憂「なあに?」
唯「お酒。一杯酌んで?」
憂「ん、わかった……」
キュポン
唯「~♪」トクトク…
憂「よっと」チャポン
唯「どもども」 -
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:13:19.52 ID:I5/oXkrO0
-
唯「すぅー……こくっ。ういも早く大人になるといいね~」
憂「そうだね、私もお姉ちゃんと飲みたいかな」
唯「酒はいいぞー、やなことみんな忘れられる……」
憂「だめ人間のせりふ……」
唯「うえへへ……ごくっ。はやく憂が大人にならんかねぇ?」
憂「視線がいやらしいよ? ……っていうか体だったらお姉ちゃんのほうが」
唯「んぁ?」
憂「あっ」
唯「おーいおい、ういうい? いまなーに言おうとしたの? ん?」
憂「お姉ちゃん、酔いのまわり早すぎでしょ……」
唯「ふーむ……?」 -
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:16:40.60 ID:I5/oXkrO0
-
唯「んー」グビッ
ガシッ
憂「ちょっ、ま」
唯「んいーっ」ブチュ
憂「ん、っ!!」
とろっ……
憂(お、お酒がっ……!)
チャパ ピシャッ
憂(ぁ……舌にかかって)ブルッ
憂「……ぅ」ゴクン
唯「どーだ、姉にさからうものは、こう、ねぇ、大変なのだー!」 -
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:20:04.64 ID:I5/oXkrO0
-
唯「ってのはぁ、どうでもよくて。ういー、初めてのお酒の感想はどーお?」
憂「おいしかった……すごく」
唯「れしょれしょ、もっと飲ましたげるよぉ」クイッ
唯「んー……」チュウ
憂「んぁ、は」
しゃああぁ……
憂「っ……」ゴク、ゴクッ
憂(……あぁ、なんだろ。手足の先が冷たいような……)
憂(? ううん、違うかな、ほっこりしてる……?)ゴクンッ
唯「ぷはー。あひゃ、ういったら顔まっか!」
憂「えへへ、そーかなぁ?」
唯「まっかっかだよー。リンゴみたいでかわいーっ!」ぎゅうっ
憂「えへー、かわいい憂ちゃんでーす!」 -
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:23:25.10 ID:I5/oXkrO0
-
唯「そんなかわいい憂にはー……さらにお酒を、あらぁ?」
唯「す、すっからかんだ!」
憂「あはは、私がほとんど飲んじゃったねー」
唯「くそーっ、返せ返せー!」
むちゅっ
憂「んー、やーら!」
唯「かえふんらー、わあひのおさけー!」
ピチャッ ピチャパチャッチュチュレロッジュウッ
憂「んぁー、きもひぃ……」
唯「おぉ?」チュパッ
唯「へへー、うい! ごはん粒いっこ取り返したよ!」
憂「……うりゃっ」ハムッ
唯「うわー! ご、ご飯の一粒さえも!?」
唯「お、鬼だ! 鬼がここにいるぅ!」 -
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:26:36.71 ID:I5/oXkrO0
-
唯「くっ!」スック
憂「あぁー、おれえひゃんどこいくのぉ……」ヒタヒタ
唯「おふとーん! たすけてー!」
ガバッ ゴロゴロ
唯「防御だ、防御! 鬼にはかなわん!」
憂「あはっ、おねえひゃん、お布団に巻かれて恵方巻きみたいになってるよぉ」
唯「ほんとー? たべていいよー、幸せになれるよー!」ゴロゴロ
憂「わーい、いただきまーす!!」
ボフッ
唯「うひゃっ、鬼の攻撃が容赦ない!」
憂「わー、やわらかーいあったかーい♪」ぎゅっぎゅぅ -
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:29:56.39 ID:I5/oXkrO0
-
唯「鬼さんは恵方巻き食べないのー? 食べてよー、んーっ」ちゅー
憂「鬼じゃないもん、憂だもん!」
唯「んっ。じゃあ憂さん、ゆい恵方巻きを食べて!」
憂「いいよー! いただきまーす!」
ちゅうっ
唯「んー、ぁー」
憂「ほれぇ、舌を出すのだ!」
唯「はい、ろーぞ憂さぁん」ベー
憂「んぁむ……んちゅーっ」
れろれろっ ちゅうぅ
憂「はっ、は、ぁ……」
唯「んくぅ……ぅあ、れぇ憂、これ、あれだね」
憂「んむ?」 -
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:33:17.79 ID:I5/oXkrO0
-
唯「ふとんにくるまってね、上から憂がぎゅーって抱いてるから」
唯「わたし全然身動きとれないんだぁ」
憂「ほんとだ。お姉ちゃんまさに恵方巻きだよ!」
唯「わたし恵方巻き?」
憂「うんっ、おいしいし動かないし、幸せになるもん! 恵方巻きだよ!」
唯「やったー、恵方巻き合格だよー!!」モゾモゾ
憂「あーこら、動かないのー」ぎゅうっ
唯「ひゃっ、ごめんなさーい!」
憂「ゆるさーん! お仕置きだっ、ちゅっちゅしてやる!」
ちゅっ、ちゅっ -
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:36:41.66 ID:I5/oXkrO0
-
唯「んーっ♪ ういのちゅっちゅだー、これ好きっ!」
憂「お仕置きなのに喜んじゃうんだね、お姉ちゃんはほんとドエムなんだから!」
ちゅちゅ……ちゅううぅ
唯「はんんぅ……ぷはっ。だって憂のちゅー気持ちいもん!」
憂「むーっ、じゃあ気持ちよくなるお仕置きだー!」
ちゅ… レロッ、ニュチ
唯「は、ぁ……ベロだぁ、おいひぃ」
憂「ん……んぁ、ふ……」ジュ、チュ…
ピチャ、レロレロチュッ…シュ、スッコスッ
唯「はふぁ……んんっあ」ビクッ
憂「ん、おれえちゃん……」チュパチュ -
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:39:58.44 ID:I5/oXkrO0
-
憂「ねぇ、おねえひゃん、きもひよくなってるれしょ」
唯「うふふぅ、はーい。とってもきもちくなってまーっす」
唯「なんかねぇ、動けないからかわかんないけど、すぐイキそうになるんだよぉ」
憂「ん。じゃあこのまま、舌なめなめでイカせてあげるね?」
唯「わーい、いかひていかひてー!」
憂「んー、ちゅちゅ……」
れろ、れろぉっ
プチュッ チュク、レロチュ…チュチュチュ
唯「んはああっ、むぅふうううっ!!」ビクビクッ
憂「はぁっはふ……ちゅるるる」
唯「んあっああっ……!! ういっ、く、いふぅっ!!」
憂「……んんっ」ちゅうっ
唯「くむっ……んんんんんんうぅーっ!!」ガクンッ -
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:43:18.31 ID:I5/oXkrO0
-
唯「ぅあ……はぁっ」くたっ
憂「こぁー、休むなー!」
唯「はふぁ? ……ん、んんっ」チュチュッ
唯「やっ、待っ……ふへぁっ」
憂「んー、んふ。おれえひゃんちゅーちゅー♪」
唯「ぁうっ、んっ! やぁっ、あめっ、無理ぃっ!!」ビクビクビク
憂「んーんー、動けないでしょー? 今日はいっぱいちゅーしたげるねぇ」
チュッチュ、チュク…ペロッツプレロレロ ピチャクチャッ
唯「ふぁ、ふぁああっ、まああああっ!!」ブシュッ -
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:46:40.66 ID:I5/oXkrO0
-
――――
よくあさ
唯「ふあ……」
憂「すぅ、すぅ……」
唯「きもちよさそうに寝ちゃってぇ……」ナデナデ
唯「っくぅ、何回イかされたんだろ。まだアソコが痛い……」
唯「しかし……うい。あんたも酒乱だったとは」
唯「てことは、守ってあげないとね。ま、安心めされよ」
唯「恋人として頑張るから……だから、そろそろ……」ナデナデ
ナデ…
唯「……ううん。待ってるよ、憂」 -
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:50:12.29 ID:I5/oXkrO0
-
せつ-ぶん【節分】
1 季節の変わり目。立春・立夏・立秋・立冬の前日。せちぶん。
2 立春の前日。2月3日ごろ。この夜、鬼打ちの豆をまいたり、柊の枝に鰯の頭をさしたものを戸口にはさんだりして、邪気を払う習慣がある。翌日は立春であるが、実際の春の訪れはまだ遠い。
せっ-ぷん【接吻】
[名](スル)相手の唇やほおなどに自分の唇をつけ、愛情や尊敬の気持ちなどを表すこと。くちづけ。キス。この一線を越えても、想いが通じ合っているとは言い難い。「妹に―する」
おわり -
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:56:16.48 ID:+wfhQkeN0
-
おつ!!
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 19:57:48.00 ID:pLXftZcw0
-
接吻の用例がおかし…いやおかしくないか
- 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/03(木) 21:26:03.45 ID:I6FRzJkA0
-
乙々
えほうまきってすごい -
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2011.02.03 Thu
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- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 19:46:08.74 ID:E3sG4KtP0
-
唯「あぎゃあああぁああ!!」
憂「めっ!だよ。おねぇちゃん!」
唯「わかったよ!わかったからめっ!って言うのやめてぇ!!」
憂「わかってくれたんだね!おねぇちゃんありがとう!」
唯「はぁ・・・はぁ」ゼェゼェ
憂「うふふ。おねぇちゃんはずっと私と一緒にいればいいの」 -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:18:30.63 ID:E3sG4KtP0
-
おねぇちゃんはいつだって私の言うことをきいてくれます。
多少の意見の食い違いがあっても私がめっ!と言うだけで素直になるんです。
それもこの本に出会えたおかげ。
憂「催眠入門・・・?」
ブックオフの105円コーナー。そこにその本はありました。
私は吸い寄せられるようにその本を手にし、レジへ向かいました。 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:07:51.05 ID:E3sG4KtP0
-
家へ帰って、パラパラとページをめくっていると見慣れない単語がたくさん目に付きました。
その中でひときわ目を惹いたフレーズ
憂「ソンゴクウの輪・・・」
術者が特定のフレーズを口にすると、術をかけられた者が苦しみだす。
あの有名なお猿さんの輪っかのように。
憂「無意識下に暗示を刷り込んで・・・」
私はそれを、おねぇちゃんで試してしまったんです。
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:15:36.45 ID:E3sG4KtP0
-
効果はてきめん。
そしてそれからは、おねぇちゃんは私のペットになりました。
私はいけない子です。
催眠術を、自分の欲望のために使ってしまうなんて・・・
憂「ユメウツツの催眠術」
寝ているおねぇちゃんを操り人形のように弄んだのです。 -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:17:43.72 ID:E3sG4KtP0
-
はじめはおっかなびっくりでした。
手を上げさせてみたり、口を開けさせてみたり。
それが上手くいくことがわかると、私は・・・
憂「おねぇちゃん、お洋服を脱ぎましょうね」
私は、本当にいけない子です。 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:23:27.26 ID:E3sG4KtP0
-
おねぇちゃんの体は、ふかふかで、とっても温かいんです。
私はその体温を何度も、何度もじかに味わいました。
憂「あったかあったかだね。おねぇちゃん」
微笑みの先に、すぅすぅと寝息を立てる、やわらかそうな唇がありました。
私は・・・いけない子です。
無我夢中で、かぶりつくようにその弾力を堪能したのです。 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:30:50.04 ID:E3sG4KtP0
-
何度も、何度も。
それからも、操り人形ごっこは続きました。
次に私が目をつけたのは、その控えめな乳房でした。
毎日、毎日。
揉みしだき、舌でねぶり、時には吸い付き・・・
欲望の赴くまま、おねぇちゃんのやわらかなふくらみを弄びました。
憂「おねぇちゃんごめんね」
はじめに感じた胸を締め付けるような罪悪感も、だんだん薄れていきました。 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:46:30.80 ID:E3sG4KtP0
-
誰か、私を止めてください。
私はもうそれにすら飽きたらず、一線を越えようとしています。
憂「おねぇちゃん、舐めて・・・」
股を大きく広げて、おねぇちゃんの口にあてがうと
ピチャピチャ
音を立てながら私の股間を舐めてくれます。
憂「あ・・・あ・・・おねぇちゃん・・・!!」
今日もおねぇちゃんの顔をビショビショに濡らしてしまいました。 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:52:06.76 ID:E3sG4KtP0
-
憂「そしてその夜・・・っと」カタカタ
唯「うい、何を書いてるの?」ソーッ
憂「ひゃっ!お、おねぇちゃん!」
唯「なになに?催眠術で・・・」
憂「見ちゃだめぇええ!!」
唯「ういってこんなの書いてたんだ・・・」
憂「ごめんなさい・・・」
唯「うい?」
憂「私のこと、嫌いになったよね?」ウルウル
唯「・・・!!」キュン -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:55:02.98 ID:E3sG4KtP0
-
唯「うい、おねぇちゃんはういのこと、嫌いになったりしないよ?」
憂「でも・・・グスッ」
唯「そうだね・・・悪い子だね」
憂「ごめんなさぁい!」グスグス
唯「悪い子にはお仕置きしなきゃね」
憂「えっ?」
唯「ほら、お洋服脱いで?」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:58:55.42 ID:E3sG4KtP0
-
唯「ういってば私よりムネ大きいよね。ちょっとなまいきだぞ~」
憂「おねぇちゃん恥ずかしいよぅ」
唯「えいっ!」ムニュッ
憂「ひあんっ!」
唯「今日一日、ういは私のオモチャだよっ」モミモミ
憂「んっ・・・はぁ・・・おねぇちゃぁん・・・」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:05:36.37 ID:E3sG4KtP0
-
紬「うい、すっごくかわいいよ」
紬「もう、おねぇちゃんのエッチ・・・」
紬「エッチなのはお互い様でしょ?ほら、左手がお留守になってるよ」
紬「あぁ・・・おねぇちゃん、おねぇちゃん!」
ガチャッ
斉藤「紬お嬢様、なんだか淫らな声が聞こえてくるのですが・・・」
紬「・・・!斉藤、部屋に入るときはノックするようにと言っておいたでしょう?」
斉藤「失礼いたしました。しかしお嬢様もご学友のお人形で淫らな妄想をされるのはいかがなものかと・・・」
紬「欲求不満なんだから仕方ないでしょ?それともあなたが相手になってくれるの?」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:19:44.19 ID:E3sG4KtP0
-
「はっ。お望みとあらば」
「・・・そう。殊勝な心がけね。じゃぁまずは私の足を舐めてもらおうかしら」
紬はそう言うと、斉藤を見下ろすようにしてベッドへ腰掛けた。
「失礼いたします」
ピチャピチャと音を立てながら、足の裏、つま先から指の間のすみずみまで舐め上げていく。
それを受けながら、紬は気持ちが高ぶっていくのを感じていた。
「斉藤、足はもういいわ。ここをお願い」
スカートをたくし上げ、レースのついた純白のパンツを露にしてみせる。 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:20:30.62 ID:E3sG4KtP0
-
「失礼いたします」
執事はその薄布に手をかけて、そっと膝まで下ろした。
立ち込めるメスの臭いに、年甲斐もなく胸が躍った。
執事は、お嬢様をベッドへ押し倒す。
紬に抵抗する様子はなかった。
唇を重ね、舌を絡ませる。
歯列をなぞりながら、執事が露になった秘部へと手を伸ばした。
体が、脳が、久々の興奮に打ち震えているのを感じた。 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:25:25.91 ID:E3sG4KtP0
-
梓「とかだったりして・・・ふふふふ」
唯「あずにゃん、どうしたの?」
梓「へっ?い、いえ、なんでもないんです(ムギ先輩の妄想してたなんて言えない・・・)」
唯「そう?なんかすごく楽しそうだったよ?」
梓「本当になんでもないんです!私急いで体洗っちゃいますから!」
唯「待って、あずにゃん」
梓「はい?」
唯「私が背中流してあげるよ!」
梓「えっ?(きたぁあああ!!)」 -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:33:07.39 ID:E3sG4KtP0
-
唯「えへへ、あずにゃんの背中キレイだね~」
梓「そ、そんなことないです!(唯先輩のおっぱいもキレイですよぐへへへ)」
唯「おかゆいところはございませんか~?」
梓「はい!股間がむずがゆいです!(いえ、大丈夫です)」
唯「あずにゃん・・・?」
梓(・・・しまったぁあああ!!) -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:37:16.26 ID:E3sG4KtP0
-
唯「ちゃんと洗えてる?見せてもらってもいいかな?」
梓「えっ?(真剣に心配されてる・・・?)」
唯「デリケートゾーンは気をつけなきゃダメだよ!どれどれ?」
梓「く、くぱぁした方が見やすいですかね・・・?」
唯「くぱぁって何?」
梓「はい、こんな風に・・・」クパァ
唯「うわ、あずにゃんってばすごくエッチ・・・」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:47:14.68 ID:E3sG4KtP0
-
唯「ここはね・・・こうやって皮をむいて・・・」
梓「は、はい・・・(オマメの国からこんにちはぁああ!!)」
唯「内モモもかぶれやすいから要注意だよ!」
梓「ひ・・・ひゃい・・・(コマネチ!コマネチ!)」
唯「後は炎症しないように石鹸を少しだけつけてから入り口を・・・」
梓「ひ!(やば・・・もうダメ・・・)」
唯「ひ?」
梓「ひゃぁあああいぃ!!!」プシャァアアア
唯「わぁ!あずにゃんのスプラッシュマウンテン!!」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:55:39.60 ID:E3sG4KtP0
-
そんな妄想をしながら悶々としていると、田井中律がやってきた。
彼女は私の幼馴染でクラスメイト。
時々ケンカもするけれど、私の一番の理解者だ。
今日はその律の誕生日・・・の前日。
二人きりで密やかな誕生日の前夜祭を行うつもりなのだ。
帰りのホームルーム、早く終わらないかなぁ。
頬杖をつきながら、退屈そうに座っている幼馴染を眺めていた。 -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:14:07.56 ID:E3sG4KtP0
-
ようやく授業が終わり、ぞろぞろと教室を出て行くクラスメイトたち。
今日は軽音部はお休み。
私と律も、彼女たちに交じって下校することにした。
二人、並んで歩く。
どちらからともなく、歩調をあわせて。
誕生日プレゼントは何がいい?そう聞いても、律は答えない。
ケーキの一つも買っておくべきだったか。
そんなことを考えているうちに律の家まで着いてしまった。 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:22:12.88 ID:E3sG4KtP0
-
スタスタと階段を上がっていく律。
そういえば今日はやけに口数が少ないな。
何か気に触ることでもしただろうか。
そう考えている間にも幼馴染はどんどん先へ行ってしまう。
慌てて入った彼女の部屋で、律はベッドに腰掛けていた。
ポンポンと叩いて、隣に着席を促す。
律らしくない、かわいい仕草だ。
らしくないといえば、今日はやけに顔が赤い。
風邪でもひいたのだろうか。 -
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:27:50.81 ID:E3sG4KtP0
-
心配になって顔を覗き込もうとした時だった。
私は幼馴染に押し倒され、ベッドの上に横になっていた。
荒い鼻息が耳をくすぐる。
律のことは好きだ。それでもいきなりこんなこと・・・
戸惑う私の唇は、律の唇にふさがれた。
頭がぼうっとしてくる。
いっそこのまま身を委ねてしまおうか。
半ば諦めの気持ちが頭をもたげてくる。
諦める・・・?
私はずっとこの瞬間待ち望んでいたのではなかったか。
幼馴染の手は、私の胸にまで伸びていた。 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:33:42.84 ID:E3sG4KtP0
-
純「とかなっちゃってたりして!!」
梓「いや、ないから」
純「と、興味のない風を装いながらも梓は股間をもぞもぞとまさぐって・・・」
梓「いや、ないから」
純「・・・」
おしまい -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:40:56.09 ID:E3sG4KtP0
-
お粗末さまでした
いろいろ書いてみたが、唯梓のカオスエロが一番書いてて楽しかった
オール地の文は難しいな・・・
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:45:39.14 ID:LuKxD2iG0
-
乙
何と言う実験作
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 23:52:16.14 ID:Ma9ohVdz0
-
テンポ良くてよかった
乙
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2011.02.03 Thu
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- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:02:50.71 ID:XvKyIdKiO
-
唯「だから澪ちゃんの方が好きだもんねー」ぎゅう
澪「お、おいおい。あんまりくっつくなよ……」どきどき
唯「澪ちゃんだーい好き」すりすり
澪「わ、私も唯は好きだけど、そういうのは……」
梓「むー!」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:09:40.94 ID:XvKyIdKiO
-
律「ムギ、今日は少し遅れてくるって」
唯「じゃあそれまでお茶は待とうか」
澪「いや、こういう時こそ練しゅ」
梓「じゃあ今日は私がお茶淹れます!」どーん
澪「あれー?」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:13:37.92 ID:XvKyIdKiO
-
唯「いーよ、絶対ムギちゃんが淹れたお茶のがおいしいし」
梓「そんなのやってみないとわからないじゃないですか!」
唯「それに最初にお茶淹れてくれたのはムギちゃんだしね、二番煎じだよ」
梓「む、むー!」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:16:26.54 ID:XvKyIdKiO
-
律「なるほど、これがホントの二番煎じか!お茶だけに!」
唯「あはは、りっちゃんおもしろーい!」けらけら
律「唯を最初に軽音部に誘ったのは、私だったよな?」
唯「そうだよねー、りっちゃん本当にありがとね!」
律「いやいやー」てれてれ
梓「……む、むぅ……」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:21:16.83 ID:XvKyIdKiO
-
律「おっと、もう帰りの時間だ」
紬「今日は時が流れるのが早いわねぇ」
澪「まだ練習してないのにー」とほほ
唯「今日のばんごはんはなーにかなー?」わくわく
梓(……そうだ!) -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:24:37.06 ID:XvKyIdKiO
-
梓「唯先輩!今度私がごはんごちそうします!」
唯「えー?いいよ。憂のごはんがあるもん」
梓「なんなら憂と二人で食べにきて下さい!」
唯「そもそもあずにゃん料理なんてできたっけ?」
梓「うっ」 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:30:02.37 ID:XvKyIdKiO
-
唯「バレンタインのチョコ、憂にだいぶ手伝ってもらったらしいじゃん」
梓「そ、それは……」
唯「だいたいあずにゃんが料理しても、憂のマネっこじゃーん」
梓「……」
唯「結局あずにゃんって、なにで一番なのかな?」
梓「……む」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:33:27.81 ID:XvKyIdKiO
-
唯「ん?」
梓「むー!むー!」じだんだ
澪「梓?」
梓「いいもん!いいもん!今に唯先輩を見返してやるもん!」とたとたとた
澪「……」
紬「……」
律「……何事?」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:37:50.54 ID:XvKyIdKiO
-
ガチャバタン!
梓ママ「お帰りなさい。あら、どうしたの?」
梓「……」
梓ママ「何かあったの?」
梓「……うして」じわー
梓ママ「?」
梓「どうして私を一年早く産んでくれなかったの!?おかーさん!」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:40:38.74 ID:XvKyIdKiO
-
梓ママ「え?」
梓「そーすりゃ!私が誘って!私がお茶淹れて!私がギター教えたのに!」ポロポロ
梓ママ「何が言いたいのかわからない」
梓「二番煎じなんていやだもん!絶対にやだもん!」だっ
梓ママ「……若いって大変ねぇ」 -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:43:50.20 ID:XvKyIdKiO
-
梓のお部屋!
梓「……っく、ひっく……」ぐじゅ
梓「……どうしたらいいんだろ?」
梓「勉強は無理だし、スタイルは……認めたくないけど論外だし」
梓「何をしたら、唯先輩の一番になれるんだろ?」
梓「……そうだ!」
梓「運動だ!」 -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:47:36.54 ID:XvKyIdKiO
-
梓「運動だったら一番になれるよ!」ふんす
梓「そしたら……」
♪
唯「あずにゃん!あーずにゃーん!」
梓「ユイドリアン!ユイドリアーン!」
唯「あはははは」
梓「あはははは」
♪
梓「……えへへ」にこー -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:49:11.54 ID:XvKyIdKiO
-
【翌朝 AM5:00】
ぴぴぴぴ ぴぴぴぴ
カチッ
梓「……よし」
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:51:43.61 ID:XvKyIdKiO
-
梓「一個、二個……」
梓「……うん、六個くらいあればいいよね」
梓「うー、やっぱりなんか気持ち悪いー」
梓「……えいっ!」がぶっ
梓「生卵ってキくはずだよね……うぇ」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:55:11.03 ID:XvKyIdKiO
-
梓「出発!」
梓「えっほ、えっほ」
梓「朝の空気って、冷たくておいしいな」
梓「……もっと早くに、ジョギング始めてりゃ、よかった」ぜえ
梓「♪ごなーふらーい……」ぜえぜえ -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 20:58:41.12 ID:XvKyIdKiO
-
【AM7:00】
梓ママ「……ふあぁーあ」のびー
梓ママ「……ん?」
梓「ていてい」ぺちぺち
梓ママ「……何してるの?」
梓「運動だよ!」ぺちぺち
梓ママ「……それ、今晩の豚カツ用なんだけど……」
梓「おかまいなく!」ぺちぺち -
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:02:12.01 ID:XvKyIdKiO
-
三十分後!
梓ママ「行ってらっしゃーい」
梓「……行ってきまーす」よろ
梓「……眠いし足痛いし手も痛い……」
梓「おまけになんか頭も痛いよー」よろよろ
梓「……っくち」 -
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:04:54.64 ID:XvKyIdKiO
-
憂「おはよー梓ちゃん」
梓「ふんっ」
憂「あ、梓ちゃん?」
梓「……憂もライバルなんだからね」
憂「意味わからないよぅ」うるうる
梓「……今に唯先輩を、見返してやるんだから」よろよろ -
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:10:09.39 ID:XvKyIdKiO
-
授業中!
先生「えー、であるからしてー、つまり」
ぎゅるりるりるー
先生「……」
クラス一同「……」
純「……何今の?」
梓「……」カアァ -
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:13:33.20 ID:XvKyIdKiO
-
梓(やばいよ、めちゃくちゃお腹痛いよ……)
梓(朝飲んだ生卵が痛んでたのかな?)
梓(トイレ行きたい……けど恥ずかし)
ぎゅるりるー
ガタッ
梓「先生!トイレ行ってきます!」
梓(うわああぁーん!) -
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:18:29.99 ID:XvKyIdKiO
-
一方……
唯「♪おトイレおトイレ……ありゃ」
唯「珍しいね、この時間に使われてるなんて」
唯「授業中におトイレなんて、精神がたるんどるよ!まったく!」ぷんぷん
ギイィ……
唯「……あ」
梓「……あ」
唯「あずにゃん?」 -
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:21:20.75 ID:XvKyIdKiO
-
梓「……ゆ、ゆいせんぱ……」
唯「どうしちゃったのさ、こんなにげっそりしちゃって」
梓「……ほっといてください、今に唯先輩のこと、みかえ……して……」
がくっ
唯「あずにゃん!?しっかりして、あずにゃああああん!」
…… -
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:26:51.10 ID:XvKyIdKiO
-
梓「……ん」ぱちっ
梓「あれ、ここは……」
唯「目、覚めた?」
梓「唯先輩!?どうして!……っていうか、ここは?」
唯「保健室だよ。あずにゃん、熱あったよ。風邪かな?」 -
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:33:29.63 ID:XvKyIdKiO
-
梓「そっか、私、トイレで倒れて……」
唯「あずにゃんのお母さんには、もう連絡行ってるから大丈夫」にこっ
梓「……どうしてですか」
唯「んー?」
梓「どうして私なんかのために……授業までサボって」
唯「私“なんか”?」
梓「だって!私なんて何やっても唯先輩の一番になれなくて!今日もこんな失敗して!」 -
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:37:36.14 ID:XvKyIdKiO
-
梓「私なんて、いつも、唯先輩に偉そうにしてても!本当は何にも、なんにも……できなくて……」ポロ
唯「あずにゃん……」
梓「私なんか……わたしなんか……うっ、うっ……」ポロポロ
唯「……」
梓「……うっ……ひっく……」ポロポロ
ぎゅ
梓「……唯先輩」ぐす -
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:41:06.63 ID:XvKyIdKiO
-
唯「おバカだなー、あずにゃんは」なでなで
梓「……そうですよね、バカですよね……」ぐじゅ
唯「ちがうよー。私はあずにゃんが間違ってるって言いたいんだよ」
梓「え?」
唯「あずにゃんもね、私にとっては大切な一番だよ」 -
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:46:51.22 ID:XvKyIdKiO
-
梓「え、だって私……ギターもお茶も一番じゃないもん」
唯「そんなの関係ないよ」
唯「あずにゃんはね、私にとって一番かわいい子なんだ。抱きつくとあったかい子なんだ」
梓「……そんなのうれしくないです!」ぐすっ
唯「それじゃあ、ダメなのかな?」
唯「私はうれしいんだけどなー?」
梓「……」 -
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:50:34.67 ID:XvKyIdKiO
-
唯「昨日はね、これが言いたくて意地悪しちゃったんだ。でもあずにゃんたら、さっさと帰っちゃうから」
梓「……なんですか、それ」
唯「あずにゃん、ごめんね。ホントにホントにごめんね」
梓「もう、絶対に許してあげません!」ぷいっ
唯「えぇー!?許してつかぁさぁい!」めそ
梓「……くすっ」 -
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:56:43.10 ID:XvKyIdKiO
-
ガチャッ
律「おいーっす!梓無事かー!?」
澪「こら、保健室では静かにしろ!」ぺしっ
唯「あ~。みんな来てくれたんだ~」
律「あったり前よ!後輩のピンチだからな!」
紬「迎えがくるまで、お茶にしましょう」にこにこ -
- 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 21:57:49.85 ID:XvKyIdKiO
-
澪「梓、体の調子はどう?」
梓「ええ、もう大丈夫です!」にこー
律「お、なんか嬉しそうだな?」
梓「♪」
唯「?」
めでたしめでたし -
- 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:02:14.90 ID:7ew8aGaW0
-
良いねー乙
- 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/02(水) 22:06:17.36 ID:iwAG1BCF0
-
おっつーん -
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2011.02.02 Wed
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- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:51:07.20 ID:HBh9wtSb0
-
秋の風が、おだやかに唯たちのそばを流れる。
ペダルをキコキコと踏む音が、たえず憂の耳に届いている。
ゆらゆら揺れる自転車の後輪の上、憂は姉を抱いていた。
交差点に差し掛かり、ブレーキの悲鳴が響く。
見えない力がはたらいて、憂は唯の背中になお強く押しつけられる。
必要以上の安心感が、かえって憂の胸を潰していった。 -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:53:06.94 ID:HBh9wtSb0
-
唯がペダルを逆回りに踏みつける。
空転し、頂点にやってきた右のペダルに足をのせる。
やがて信号が青色を灯して、再び自転車が進み出す。
きぃこ、きぃこ、きこ、きこ。
重たげな歩調から、徐々に駆けるように。
姉と引き離されるような感覚がして、憂は姉の腹に回した腕に力を込めた。 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:55:59.98 ID:HBh9wtSb0
-
走り出せば離れゆく。
止まれば胸が潰れる。
憂は、姉をきつく抱きしめ続けた。
姉がブレーキレバーを握った時、どれほど苦しむことになろうと覚悟はできていたのだ。
スピードに乗った自転車が、坂道を下っていく。
冷たい風がつよく吹きつけた。
目を閉じて必死に姉を抱く憂とは対照に、
唯はひゅう、とわざとらしい口笛を鳴らした。 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 19:59:01.71 ID:HBh9wtSb0
-
烈風となった秋夕の空気が二人を打とうとする。
自転車を縦に揺らしながら、唯は風を裂き、気持ちよさそうに叫んだ。
どれほど風が冷たくとも、自転車が不安定に揺れようとも、
唯は風の音を楽しみ、揺籃で安らいでいる。
だからこそ、憂は姉を離せない。
姉の後ろにいれば、何も恐ろしくはないのだから。
憂は再び、昨夜姉に言われた言葉を頭の中でそらんじた。 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:02:06.94 ID:HBh9wtSb0
-
――――
唯「ねえ、憂」
憂「なあに、お姉ちゃん?」
唯「大事な話なの。ちょっとここに座って、聞いてくれない?」
憂「うん……どうかしたの?」
唯「んー。そうかも。どうかしちゃった」
憂「……?」
唯「驚かないで、怒らないで……それから、真剣に聞いてね?」 -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:05:45.11 ID:HBh9wtSb0
-
唯「わたし、憂のこと好きになっちゃった」
憂「へ……」
唯「ごめんね、急に。でも、冗談では言ってないよ」
憂「それはわかるよ……お姉ちゃんの目を見たら」
唯「ありがと。……それでね、憂の気持ちを聞きたいなって」
憂「……私は」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:08:12.33 ID:HBh9wtSb0
-
憂「えっと、う……んっと」
唯「すぐじゃなくていいよ、憂」
憂「わかった……ごめん。ひと晩だけ、考えさせて」
唯「うん。待ってる」
憂「ごめんね……思ってもみなかったんだ」
唯「それは私も同じだよ。びっくりしたんだから」
憂「……あははっ」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:11:13.26 ID:HBh9wtSb0
-
――――
やがて坂道が終わり、平坦な道に戻る。
轍の残るあぜ道が脇に伸びるようになった。
風の逆巻く中、遠くに川の走っている音が聞こえる。
憂が鼻を鳴らすと、姉の髪の匂いにまじり、かすかに潮の香りがした。
ペダルをこぐ音はしない。
代わりに自転車のスピードは、だんだん落ちていく。
それでも憂は抱きしめた腕をゆるめない。
必ず大丈夫だと信じているのだ。
-
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:13:50.27 ID:HBh9wtSb0
-
憂の姉に対する信用は、盲信とも言えた。
常識外の速度で走る自転車に乗せられて恐怖を感じたとしても、
ブレーキをかけずに口笛を吹く姉を強く信じ、抱きしめていた。
ただ、憂は自分のそれが些か盲目的であることも、多少なり自覚している。
それは裏を返せば、結果として不幸が訪れようとも、
姉を信じたゆえならば後悔しないという強固な意志の顕れでもある。
そして、だからこそ憂は決意したのだ。 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:16:08.43 ID:HBh9wtSb0
-
海面が夕陽を乱反射し、眩しく輝いていた。
徐々にホイールが回る音がからからと虚しいように聞こえ始め、
風がおだやかに、静かにおさまりだした。
潮の匂いだけでなく、砂の匂いも分かるようになる。
とろとろ進む自転車がぐらりと揺れ、二人は同時に地に足をついた。
振り向いた唯に憂は笑顔をみせて、自転車を降りた。 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:18:30.82 ID:HBh9wtSb0
-
――――
憂「お姉ちゃん」
唯「憂。答えは出た?」
憂「……あのさ」
唯「?」
憂「今からすこし、お出かけしない?」
唯「お出かけ? どこ?」
憂「坂を降りた先の海岸に行きたいんだ」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:21:03.76 ID:HBh9wtSb0
-
唯「坂ってあの坂かな……けっこう遠くない?」
憂「うん。だから自転車で行こう。お姉ちゃんが連れていって?」
唯「ん……うむ、いいでしょう! お姉ちゃんに任せなさい!」
憂「ありがと。じゃあ、早速行こっか」
唯「だね。あ、海行くんだから、もうちょっとあったかい格好にしないとね」
憂「あ、そっか。じゃあ上着……」
唯「私が取ってくるよ。あったかそうなの選んでくるからね」
憂「ありがとう、お姉ちゃん……」 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:23:30.94 ID:HBh9wtSb0
-
――――
憂はやわ砂を踏み、姉の腕に抱きついた。
かちかち歯を鳴らす唯は、それでも微笑みをみせて妹の頬を撫でる。
太陽はほとんど海にひそんでしまっている。
既に背後は夜であった。
細かな砂が舞い上がっては吹きつけたが、
唯と憂は上着のフードを垂らしたまま、しぱしぱと海を見つめていた。 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:26:03.90 ID:HBh9wtSb0
-
そうしているうち、やがて凪が訪れた。
二人の見ている海も黒い夜に染まり、さざなみの音がしじまによく響いていた。
憂「お姉ちゃん。」
姉の腕を抱いたまま、憂は言った。
憂「答えは出たよ。……けっこう悩んだ」
唯「……うん」
唯は夜空と海の境界を、見えるはずもないのに確かに見つめて頷いた。 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:28:59.89 ID:HBh9wtSb0
-
憂「わたしはお姉ちゃんのこと、そういうつもりで見たことはなかった」
唯「そうだね。昨日もちょろっと言ってたっけ」
憂はそっと瞼を下ろす。
わずかに頷いたふうにも見えた。
憂「自分でよく考えてみて、気持ちをたくさん掘り返してみたけど」
憂「お姉ちゃんに恋したことは、やっぱりなかったと思う」
唯「そう……」 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:32:01.32 ID:HBh9wtSb0
-
憂「でもね?」
抱きついていた腕から離れ、
憂は唯の目前に立った。
黒と黒を画す、黒色の境界線を見つめていた唯の視界に、
憂の瞳の色をした光がさした。
憂「私は、お姉ちゃんについていきたいって思う」
唯「憂?」 -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:34:54.13 ID:HBh9wtSb0
-
憂「お姉ちゃんが前に行くなら、私も一緒に前に連れていってほしい」
憂「お姉ちゃんが止まるなら、私も一緒に止めてほしい」
憂「お姉ちゃんが私のこと好きなら、私もお姉ちゃんのこと、好きになるようにしてほしい」
そこまで言って、憂ははにかんだ。
憂「……こんなこと望んじゃう程度には、私はお姉ちゃんのこと愛してるって思うんだ」
憂「だから決めたよ。私の気持ち……お姉ちゃんと付き合いたいって」
だらりと下がっていた唯の両手を握り、憂は小さく微笑んだ。
唯「う……い……」 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:37:52.03 ID:HBh9wtSb0
-
唯の視界に映っていた光がにじんだ。
にじんで広がり、包み込むようになった。
頬をあたたかい滴が流れていき、くちびるに塩辛い味を感じた。
唯「憂ぃっ!」
唯は妹の両手をふりほどいて、憂の体に抱きついた。
憂「お姉ちゃん鼻水……」
苦笑して厭う憂の言葉にも唯はうまく反応をできずに、
喉を震わしながら憂をつよくつよく抱きしめ続けていた。
おしまい -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:39:05.50 ID:DpHNJ0Et0
-
おつうぅぅぅぅう
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 20:39:58.42 ID:SE1Eh52R0
-
よかったよ
おつ!!
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/01(火) 21:29:54.16 ID:dlLXVzwz0
-
おつおつ
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2011.01.31 Mon
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- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 14:03:37.29 ID:g9tOw6Kh0
-
きっさてん!
律「さわちゃんの誕生日が、一週間後にせまっているらしい」
唯「りっちゃん隊員、それは確かな筋からの情報なの?」
律「ああ、唯隊員、これは前に本人から聞いたから、確かな情報だ」
唯「……!」
律「今日諸君に集まっていただいたのは、さわちゃんお祝いサプライズどっきりの会議のためである!」
澪「普通に進めろ」
律「えー? だって面白いじゃーん」
澪「いつまでたっても話が進まないだろ」
唯「まぁまぁ、時間はたっぷりあるんだしー」
紬「お茶が来てからにしましょ」
律「あ、来た来た」 -
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 14:08:57.18 ID:g9tOw6Kh0
-
店員「ご注文の品はおそろいでしょうか?」
梓「はい、だいじょうぶです」
店員「では、ごゆっくり」ペコリ
和「……それで、サプライズって……いいと思うけど、具体的に何をするのよ?」
律「えーっ、と、それはだなー……さわちゃんに、日ごろの感謝の気持ちを込めて、だなー……」
澪「考えてなかったんだろ……」
律「あっ、澪しゃんが一日さわちゃんの着せ替え人形になる! とかどうよ?」
澪「ぜったいいやだ!」
紬「それはそれで楽しそうよね!」
梓「普通に、色紙とか贈るのはどうでしょうか? みなさんクラス一緒ですし……」
律「いーや、それは卒業式のときとかにとっておきたい!」
唯「うーん……」 -
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 14:18:21.68 ID:g9tOw6Kh0
-
和「別にサプライズじゃなくてもいいんじゃない?」
唯「ちっちっち……、和ちゃん、さわちゃん先生みたいな人はサプライズのほうが喜んでくれるよ!」
律「素直じゃないしなー、さわちゃん。HRに突然"誕生日おめでとう"なんて言われてもどんな顔したらいいかわかんなくなるんじゃね?」
唯「もう直接さわちゃん先生に聞けばいいんじゃないかな?」
梓「それだと意味がないじゃないですか……」
紬「あ、そうだ! 誕生日はお菓子、ケーキもって来るね!」
律「おっ、そういうアイデア待ってたんだよ! ムギナイス!」
和「……もうそれで十分じゃないかしら?」
律「いや、このままじゃ普通すぎる……、なぁ唯!」
唯「うんうん……! わたしたちはもっとあんやくしたいんだよ!」
和「暗躍……ねぇ」 -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 14:33:35.02 ID:g9tOw6Kh0
-
律「ということで、地味なものから派手なものまで、いろんなサプライズを仕掛けたいと思う!」
唯「燃えるね! りっちゃん!」
律「おう! 唯!」
澪「それで、具体的になにするんだ?」
律「だからー、その、澪がさわちゃんのー……」
澪「りーつー……? ぶたれないとわからないのかー……?」
律「て、店内での暴力はおやめください澪しゃん!」
和「やれやれ……前途多難ね」
紬「当日までまだ時間があるんだし、いろいろ考えてみましょ」 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 14:51:12.66 ID:g9tOw6Kh0
-
とうじつ!
さわ子「みんな、おはよう」
律「おはようございます山中先生」
唯「おはようございます! さわ……山中先生!」
さわ子「何よあなたたち気持ち悪い……、早く席に座りなさい」
律唯「はい! 山中先生!」
和「(あんな変な態度取ったら勘ぐられるじゃないのよ……)」ヒソヒソ
唯「(今日はさわちゃん先生にけーいをしめそうって話だったじゃん)」ヒソヒソ
和「(あんなあからさまじゃなくていいのよ……)」
唯「(……和ちゃん、号令しなくていいの?)」
和「あ、き、起立!」
さわ子「……?」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 15:01:32.90 ID:g9tOw6Kh0
-
さわ子「で、今日の連絡だけど……、田井中さん? 何となりとひそひそ話してるの?」
律「いや、今日の山中先生、一段とお美しいなあ、と」
さわ子「……何言ってるのよ」
律「いえ、本心ですし」
さわ子「……で、今日の連絡だけど……、最近制服の着方がだらしない生徒が目立っています。服ぐらいちゃんと着なさいね、田井中さん」
律「はい!」ビシッ
さわ子「……熱があるなら帰ってもいいのよ?」
律「いえいえそんなぁ」
さわ子「……以上、今日も一日頑張ってね、みんな」
「「「はーい」」」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 15:11:22.45 ID:g9tOw6Kh0
-
澪「……律、今のはさすがにやりすぎだろ……」
律「だって今日はさわちゃんを敬う日だぜ?」
澪「だからってな……一応、プレゼントも用意してあるんだし」
律「悪かったって、放課後、な。だけどそれまでに実行すべき作戦がいくつかある」
唯「忙しいねりっちゃん!」
律「おう! 部室のほうもいろいろ準備しなきゃだしな!」
紬「喜んでくれるかな……」
和「……微妙すぎる作戦ばっかりよね……」 -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 15:17:12.90 ID:g9tOw6Kh0
-
さわ子「はぁ、全くなんだったのかしら」ツカツカ
生徒A「あ、山中先生、誕生日おめでとうございます!」
さわ子「えっ、ああ、ありがとう……」
さわ子「……」
さわ子「……誕生日なんていつ教えたかしら……?」ツカツカ
生徒B「さわちゃん誕生日おめでとー!」
さわ子「あ、ありがと……」
さわ子「……」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 15:27:10.73 ID:g9tOw6Kh0
-
しょくいんしつ!
さわ子「嬉しい、嬉しいけど……朝からすれ違う生徒全員からお祝いされる……」
同僚「あ、山中先生、誕生日おめでとうございます」
さわ子「あ、どうもありがとうございます」
さわ子「(職員室でまで……)」
さわ子「まぁ、気分がいいからいっか」 -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 15:30:33.81 ID:g9tOw6Kh0
-
~~~~~
律「名づけて! さわちゃん全校から祝われる作戦!」
唯「ばばーん!」
澪「そのネーミングはもっと何とかならなかったのか……」
律「この一週間で学校中でさわちゃんの誕生日の日を教えて回ったかいがあったな!」
唯「まさにあんやく!」
紬「この作戦はきっと喜んでくれるわよね!」
律「ちょっと恥ずかしいかもしれないけどなー、にしし」 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 15:39:56.66 ID:g9tOw6Kh0
-
さわ子「……」
さわ子「(何かがおかしい……)」
さわ子「(授業のために教室にいけば号令の代わりに誕生日を祝われ)」
さわ子「(メイド服をきた校長が頬を染めながらプレゼントと手紙を渡してきたり)」
さわ子「……りっちゃんの仕業である可能性が高いわね……、あとで問いただすべきかしら」
さわ子「……昼休みにでも呼びつけてみましょう」
同僚「全校集会、始まりますよー」
さわ子「あ、はい。今行きます」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 15:50:39.33 ID:g9tOw6Kh0
-
ぜんこうしゅうかい!
司会「では、各委員会からの報告です」
和「えー、今月は……」
和「……でした。最後に……」チラッ
律「(いえ! 和!)」
和「(やれやれ……)……山中さわ子先生、お誕生日おめでとうございます」
さわ子「!? ちょ……」
風紀「風紀委員会です、今月は~~でした。それと、山中先生、お誕生日おめでとうございます」
保健「(略)。山中先生誕生日(ry」
放送「(ry -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 15:53:29.76 ID:g9tOw6Kh0
-
司会「次に、校長先生のお話」
校長「さわ子先生……誕生日おめでとう……」パチパチ…
生徒C「おめでとう」パチパチ…
生徒D「おめでとう」パチパチ…
生徒E「おめでとさん」パチパチ…
生徒F「めでたいな」パチパチ…
校長「クエッ」
生徒G「おめでとう」
さわ子「なんなのよおおおおお!!」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 16:06:19.71 ID:g9tOw6Kh0
-
ひるやすみ!
さわ子「ちょっとりっちゃん!?」
律「あ、さわちゃん、誕生日おめでとう!」
さわ子「それはもう散々いわれたわよ……、全校集会の件も、あなたが一枚かんでたんでしょ?」
律「違うって、あれは和が言い出したんじゃ? それに他の委員会長ものっただけじゃん?」
さわ子「本当なの? 変ないたずら考えてるんじゃないでしょうね……」
律「さわちゃんは人気者で羨ましいぜー」
さわ子「悪い気はしないけどね……、和ちゃんも粋なことしてくれるじゃない。ロックだわ」 -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 16:12:59.33 ID:g9tOw6Kh0
-
さわ子「じゃあ私、ご飯食べてくるから……」
律「おっとまったさわちゃん、いつも購買のパンっていってたでしょ?」
さわ子「そうだけど……、なにかしら?」
唯「待ってましたりっちゃん!」
律「憂ちゃんがさわちゃんのお弁当作ってきてくれたんだってさ、一緒に食べようぜー」
さわ子「ほんとうなの?!」
唯「わたしもちょっと手伝いました!」ふんすっ
さわ子「……今日いちばん嬉しいわ……!」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 16:25:05.30 ID:g9tOw6Kh0
-
さわ子「どれどれ……」
ぱかっ
さわ子「……ハートのでんぶ……! 憂ちゃん……!」うるっ
唯「ういは自慢の妹!」ドヤッ
さわ子「おいしい! おいしいわ!!」ヒョイパクヒョイパク
律「……さわちゃんもそろそろ、美味しい弁当作ってくれるお嫁さん探しなよ」
さわ子「ええ……りっちゃん……わたしがんば……」
さわ子「あん?」
律「あっ、いい間違えました! お嫁さんになりなよって言いたかったんです!」
さわ子「どっちでも相手が見つからないのよー!!!」キーッ -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 16:34:40.29 ID:g9tOw6Kh0
-
にねんきょうしつ!
梓「へえ、じゃあさわ子先生にお弁当作ってあげたんだ」
憂「うん、いつもお姉ちゃんがお世話になってるし」
純「ちなみにどんなお弁当作ったの?」
憂「おかずはお姉ちゃんと一緒だけど……、桜でんぶで"おめでとう"って書いたんだ」
純「おー、こってるねー」
梓「さわ子先生もきっと喜ぶよ」
憂「えへへー、ありがと、二人とも」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 16:45:54.92 ID:g9tOw6Kh0
-
~~~~~
唯「よーし、じゃあわたしもお弁当食べよーっと……」
ぱかっ
唯「……!!?」(絶句)
唯「お、"おめでとう"……? うい、ういのハートのでんぶが、ない……?!」
さわ子「あら? 弁当箱間違えちゃったのかしら……、悪いことしちゃったわね……」
唯「ういの愛があ……毎朝お姉ちゃん大好きって歌いながら敷きつめてくれてるハートのでんぶがさわちゃんに食べられちゃったよぉお……!!」ビエエ
紬「唯ちゃんよーしよし……」
唯「びええむぎちゃあああん……!」
さわ子「何この罪悪感」
律「さわちゃん、気にすんな……」 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 17:02:57.01 ID:g9tOw6Kh0
-
ほうかご! ぶしつ!
唯「ぐす……ういに合わせる顔がないよぉ……」
律「まだ引きずってるのかよ……、憂ちゃんなら笑って許してくれるって」
唯「うぅ、でもぉ……」グスッ
紬「もう少しでさわ子先生も来るし、はやく準備しましょう!」
澪「……ほんとにこんな格好しなくちゃいけないのか……?」
梓「勘弁してください……」
律「おう、さわちゃんの作品がよく似合ってるぞふたりともー!」
唯「おぉお……! あずにゃんがぎゅってさせてくれたら泣きやみます!」
梓「もう泣き止んでるじゃないですか!」 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 17:14:36.56 ID:g9tOw6Kh0
-
ツカツカツカ…
律「お、さわちゃんのヒール……、みんな、準備はいいかー?」
唯「おっけーだよ!」
梓「はい、だいじょうぶです」
ガチャ
さわ子「はぁ、今日はつかれたわー……」
デケドン!
さわ子「!」
唯「さわちゃん!」
さわ子「何よあなたたちその格好……」
唯「さわちゃん、誕生日おめでとうございます!」 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 17:28:16.50 ID:g9tOw6Kh0
-
澪「きょ、今日はさわ子先生のために、演奏したいと思います」
唯「さわちゃん、聞いてください! せーの!」
「はっぴーばーすでーいとぅーさわちゃん!」
~~~~~
♪ジャジャーン…
唯「さわちゃん先生!誕生日おめでとー!」
律「おめでとうさわちゃん!」
紬「おめでとうございます♪」
澪「おめでとうございます」
トンちゃん「チャプチャプ」
梓「おめでとうございます」
さわ子「ありがとう」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 17:30:09.65 ID:g9tOw6Kh0
-
けいおん部に、ありがとう 校長に、さようなら そして、全てのさわちゃんに おめでとう
Fin. -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 17:55:12.03 ID:xMTQ9MuHO
-
乙
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/31(月) 18:00:57.00 ID:H2csoppA0
-
乙
で、結局いくつになったのさわちゃん
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| けいおん!!SS
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2011.01.31 Mon
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- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:56:22.55 ID:ClFiHn7t0
-
梓「え? なんていいました?」
唯「!てっだんたっなくなれ喋かしにさ逆ーらかだ」
梓「??」
唯「んゃにずあよてけすた」
梓「も、もしかして……」
唯「!よだんなさ逆 !うそ」
梓「……中国語でもおぼえたんですか?」
唯「ーよてっかわ、んーえう」 -
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:58:21.15 ID:ClFiHn7t0
-
梓「何言ってるかわからないけどすごいです!」
唯「!あ……」
梓「?」
唯「とまと」
梓「とまと?」
唯「しんぶんし」
梓「しんぶんし……?」
唯「たけやぶやけた」
梓「回文……?」
唯「!んゃじいいばけ書に紙もてくなし事なんこ、あ」
梓「……What?」 -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 19:59:53.70 ID:ClFiHn7t0
-
唯「ねてっ待とっょち」
梓「さっきのトマトと新聞紙と回文は何なんですか」
唯「……もめもめ、とっえ」キカキカ
梓「???」
唯「あああああわうてっ…… !らほ」
【!てけすたらかたっなくなれ喋かしにさ逆。んゃんずあ】
梓「てけすたら……あっ!」
唯「!んうんう」
梓「ちょ……ちょっとマジで言ってるんですか?」
唯「!よだも時く書もかし !てっだうそらかだ」
梓「言葉だと全然わかりません」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:03:20.31 ID:ClFiHn7t0
-
唯「ぅむ……」
梓「とか言って実は私に対するどっきりでしょ? カメラどこだー」
唯「ぉようがち」
梓「んーと……あ、今のはわかりました! 違うよぉですね」
唯「!スエイ」
梓「にしてもちょっと手が込みすぎな気が……そんだけスラスラ言うのにどんだけ練習したんですか」
唯「!てっだんいなゃじかとりきっどーらかだ」
梓「長くなると全くわかりませんね」
唯「……」キカキカ
【!てっだんいなゃじかとリキッドーらかだ】
梓「……読みづらい」
唯「ねんめご」
梓「ね、んめ、ご……あー謝らなくてもいですよ」 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:05:22.46 ID:ClFiHn7t0
-
唯「?るれくてじ信」
梓「……るれくて……んし……えっと……逆だから」
唯「ぇねんめご」
梓「信じてくれる?ですね。はい、一応信じます」
唯「ーたっかよ」
梓「そんな感じでなるべく短くしゃべってほしいです」
唯「うろだんる治らたしうど」
梓「……その長さだともう日本語にまったく聞こえません」
唯「んーえ」クシクシ -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:08:32.66 ID:ClFiHn7t0
-
梓「そうだ! 録音して逆再生とか!」
唯「ーいい頭んゃにずあどほるな」
梓「カセットあるんでなんかしゃべってください」
ポチ
唯「とがりあ、をき好大」
梓「はい、では逆から再生してみます」
『おたぎらおうぃくしあd』
梓「……」
唯「れこにな」
梓「そっか……うわぁめんどくさ」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:11:13.95 ID:ClFiHn7t0
-
唯「?とこういうどーえ」
梓「とこうい……あ、どういうこと、か。えっとですね……ハァ」
唯「んうんう」
梓「たぶんさっき唯先輩は大好きをありがとって言ったんだと思いますけど」
唯「よたっ言うそ」
梓「日本語の発音は母音に強く依存しますのでそのまま逆再生しても元の形にはならないんですよ」
唯「?」
梓「だからー例えば。おはようの逆さ、うよはおを録音して逆再生すると」
ポチッ
梓「うよはお」
『おあほゆ』
唯「!!」
梓「ね、わかりました? つまりローマ字表記に一度置き換えた上で逆再生になるんですよ」
唯「!んゃじめだあゃじ」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:13:46.94 ID:ClFiHn7t0
-
梓「困りましたね」
唯「……」キカキカ
【らたっ思とうお言で生再逆てっうよはおあゃじ】
梓「……えっと、ohayouの逆だからuoyaho、うおやほですね」
ポチッ
唯「!ほやおう」
『うおあよh!』
梓「……そっか、うおやほも逆になるから……うわぁ、もうヤダ」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:16:52.10 ID:ClFiHn7t0
-
唯「いたいまたあ……」
梓「……私のほうが痛いです」
唯「……」キカキカ
【?のるえ言てっうよはおらたっやうど】
梓「ハァ、それくらい分かりましょうよ……」
唯「んせまいすてく悪が来出の頭」
梓「うおやほの逆である、ほやおうって素直に言おうとすればいいと思います」
ポチ
唯「!うおやほ」
『ぉはよう!』
梓「ちょっとアクセントは微妙ですけどこれで言えましたね」
唯「ーたっやいぁわ」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:20:56.16 ID:ClFiHn7t0
-
梓「でも少し長い文章になるともう完全にわけがわからないので結局効率悪くて意味ないです」
唯「ーなんそ」
梓「もう筆談しましょ? ね?」
唯「ーよいさくどんめ」
梓「…………えっと……んー、あ! め、めんどくさいのは私のほうです!!」
唯「でいならこお」
梓「頭が痛いです……いろんな意味で……」
唯「も私」
梓「ギリギリ言葉が通じる外国人と喋ってる見たいです」
唯「Hey,pretty girl! I'm Yui Hirasawa! Hahaha!!」
梓「なんで英語は普通にしゃべれるんですか!!」
唯「よいなら知」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:24:36.97 ID:ClFiHn7t0
-
梓「てかそもそも唯先輩が口にだす前に一度逆さ言葉にしたらいいだけじゃないですか?」
梓「おはようというのを踏みとどまって、うよはおと言ってみるんです」
唯「どほるな」
梓「今のそれも一度口に出すのを我慢してください」
唯「わっかた……うん」
梓「微妙にまちがえてますけどまぁ言いでしょう」
唯「あずにやん」
梓「あ、できそうですか?」
唯「うん」 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:29:19.77 ID:ClFiHn7t0
-
梓「しかしこれから先のことを考えなきゃいけませんね……むむむ」
梓「なにか打開策はないでしょうか。そもそもの原因はなんでしょう」
梓「心当たりないんですか? どこかで頭ぶつけたとか、誰かになぐられたとか」
梓「も、もしかして道端で変な物たべちゃったり……はたまた変な人に変な薬のまされちゃったり!」
梓「ゆゆゆ唯先輩! ほんと大丈夫なんですか!? ほかに怪我とかありませんか!?」
梓「私、いまの唯先輩のことがあまりに不憫で……うぅ」
梓「これからの生活のことを考えると……悲しくなってきます」
唯「ふふ…………」
唯「ぁない愛可てれくてっなに命懸生一に為の私はんゃにずあ……」 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:34:08.43 ID:ClFiHn7t0
-
唯「?ねよいどひ。よたっだールスに全完てんなんゃち和」
梓「はい? なに言ってるかわかりません」
唯「!うおゃちっ言ろいろい、際のこに事いいをのいならかわあゃじ。ーへへえ」
梓「わからないのでなるべく短くしゃべってくださいってば!」
唯「い愛可に高最もんゃにずあるてっ怒」
梓「もぉー! 聞いてるんですか!」
唯「へへえ……ぁさてっゃちせらがんと唇」
梓「笑ってる場合じゃないんですよ!!」
唯「事のんゃにずあ、ーないたいゃちべ食ぐすまい」
梓「わかりません……唯先輩……わかりませんよぉ」 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:37:36.98 ID:ClFiHn7t0
-
唯「?ねよいいらないらくとっょち」タニタニ
梓「なんですかその顔?」
唯「?いいてしこっ抱ぇね」
梓「……ん? いまの聞き取れそうだったのでもっかい言ってくれません?」
唯「!用無答問は合場いなが答解」
梓「??」
唯「!!えゃちめしき抱、いーえ」
ッュギ
梓「にゃあ!? なんですかいきなり!」
唯「ーりすりすんゃにずあ。ーよいなゃじりなきい、ーへえ」
リスリス
梓「ちょ……っと、やめてくださいよ」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:41:28.26 ID:ClFiHn7t0
-
唯「ー赤っ真顔」
リスリス
梓「あ、いまのはわかりました顔真っ赤ですね。って真っ赤じゃないです!!」
唯「ーおおおよいい愛可んゃにずあ」
梓「なんで急にこんなことするんですか! いままで真剣だったのに!」
唯「よだんるえ言も事いなえ言は段普くなとんな、らな葉言さ逆ーねかんな」
梓「もっと短くしゃべって!」
唯「ねはりまつ、んう…………」
梓「……で、なんなんですか」
唯「……きす」
梓「えっ!? キス!? いや違う……逆だ……好き……好きぃ!!?」
唯「ーきすきす」リスリスリスリス
梓「にゃあああ!? だめですよおおお!」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:46:00.78 ID:ClFiHn7t0
-
唯「ーきすきすんゃにずあ」
梓「キスしませんって、あ違う、好きとか簡単に言わないでください!!」
唯「ーよだ匂いい毛の髪のんゃにずあ」ンクンク
梓「なんかよくわからないけど嗅がないでください!」
唯「!んせまれきえ抑うもはち持気なき好のこ」
梓「あー! 短くしゃべりなさーい!!」
唯「きすきす」
梓「そうじゃない部分!!」
唯「んゃにずあ。きすいだ。ゅちっゅち」
梓「えっと……あずにゃん。だいすき。ちゅ、ちゅっちゅ~!?」 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:51:41.06 ID:ClFiHn7t0
-
唯「~ゅちゅちむ」
梓「ノー! お断りします! めっ! だめ! こらっ!」
唯「~でんな」
梓「なんで~って! それはあまりにムードがないからです!!」
唯「~よだりありあ~~ええ」
梓「えっと……ありありじゃないです!! 一方的すぎます!」
梓「もっと私の気持ちを考えて、って何言ってるんだろう」
梓「とにかくダメです!!」
唯「?るれくてしーゅちらたっ治ーがれこさあゃじ」
梓「もう何言ってるかわけわかりませんから!」
唯「んーう」
梓「書いて! ここに書いて!」
唯「ーけっお」-ツツ
梓「ひゃうん!? 私に書くんじゃないですアホですか!!?」
唯「ごんめごんめ」 -
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 20:57:37.04 ID:ClFiHn7t0
-
梓「はい。書きましょう。で、唯先輩はさっきなんて言ったんですか」
唯「……」キカキカ
【すましい願お。いさだくてしーゅちらたっ治事無がれこ】
唯「……」スンフ
梓「…………そ、それは……」
唯「?めだ」
梓「…………だ、だめ……」
唯「?ね……」
梓「そ、そんな顔でお願いされても」
唯「すき」
梓「す!? …………うぅ、ずるい」
唯「ないたし」
梓「……泣いてませんし……あ、ちがう、したいな、って」
梓「え! そ、そんなに……キス、したいんですか……?」 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:02:00.64 ID:ClFiHn7t0
-
唯「んもい愛可てっだ」
梓「……可愛いだなんて」
唯「ねたきてっなにうよるかわに々徐」
梓「……えっと、えっと……いまのは……わかりませんでした」
唯「ーはのまい」キカキカ
【ねたきてっなにうよるかわに々徐】
唯「!よだ」
梓「あー……そっか。あの、それはたぶん……」
唯「!技るせ成の愛」
梓「……愛……なのかな」
唯「だんるかわ !ぉお」
梓「ゆ、唯先輩の思考パターンなんて読め読めなんですから……!」 -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:07:45.39 ID:ClFiHn7t0
-
唯「ーねいごす」
梓「すごくなんてないですよ全然」
唯「るえあじ通で心もてくなが葉言、すんふ」
梓「……?」
唯「いたみ婦夫年熟」
梓「ふ、夫婦……?」
唯「?ね」
梓「な、なにが、ね?なんですか」
唯「?ね ?いがねお」
梓「…………むぅ」
唯「すき。きす。すき。きす」
梓「……うぅ……じゃ、じゃあ治ったら……」
唯「?!にとんほ」
梓「もし、それが治ったら……あ、治って良かったですね!っことで軽く一回だけ」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:13:05.87 ID:ClFiHn7t0
-
唯「!よだ対絶 ?!よだ束約 !おおおふ」
梓「絶対……約束……うぅぅ。いやほんとに深い意味なんてなくて、あくまで祝福の意味で……ゴニョゴニョ」
唯「?よしり切指」
梓「指切り……はい」
唯「!!たっ切指 !すまー飲本千針らたいつ嘘 !んまんげり切指」
梓「……」
唯「わーい。お、治ってる! あずにゃんありがとう治ったから早速ちゅーして!」
梓「 」
唯「あずにゃん約束だよー!?」
梓「いさだくてしにき好うも……」
唯「!?」
梓「っあ」
お し ま い -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:19:32.06 ID:xD5MAJ/80
-
乙ずあいゆ
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 21:30:27.74 ID:ypFXveTA0
-
すで高最 たっだ梓唯いしら晴素に実、やい
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 22:27:33.36 ID:ZP3+Nzdh0
-
和んだ
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2011.01.31 Mon
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- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 14:40:29.30 ID:nH1Khkt6O
-
唯「……」
憂「……」スヤスヤ
唯「……」ナデナデ
憂「お姉ちゃん、お姉ちゃん……」
唯「だいじょうぶだよ、ここにいるよ」
憂「お姉ちゃん……」スヤスヤ
唯「……」
唯「ふふ」 -
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 14:42:23.84 ID:nH1Khkt6O
-
──
────
ガチャ
唯「……憂ー?」
唯「あ」
憂「お姉ちゃん、おかえりなさいっ」
唯「えへへ、ひさしぶりだね」
ギュッ
唯「わっ」
憂「……おかえり!」
唯「……うん、よしよし」ナデナデ
憂「……」
唯「……うい」
憂「なあに?」
唯「とりあえず、リビングいこ?」
憂「あ、ごめんね」パッ -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 14:47:00.98 ID:nH1Khkt6O
-
・・・
憂「あつくない?」
唯「んー、平気だよー」
唯「だから抱きついてていいよ」
憂「えへ……」
唯「……」ナデナデ
憂「?どうかした?」
唯「憂ったら、こんなに甘えん坊さんになっちゃって」
唯「しっかりものの憂ちゃんはどこ行ったのかなーって」
憂「……だって……」
唯「んー?」
憂「久しぶりのお姉ちゃんだもん」
唯「あ、開き直ったな~」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 14:52:58.53 ID:nH1Khkt6O
-
憂「ふふー」ニコ
唯「ふふ、もっともっと甘えなさい!」
憂「うん!」ギュー
唯「うぷっ……」
憂「あっ、ごめんね!苦しかった?」
唯「へへ、大丈夫だよ」
憂「……」
唯「……」
唯「……憂、あんまり帰ってこれなくてごめんね?」
憂「……むー」プクー
唯「怒ってる……?」
憂「えへへ、冗談だよ。お姉ちゃん、毎日連絡してくれるもん」
憂「それに、帰ってくるのたいへんだもんね」
唯「……ありがとね」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 14:58:15.71 ID:nH1Khkt6O
-
憂「でもその代わり」
唯「?」
憂「2ヶ月ぶりだから、2ヶ月ぶんのお姉ちゃんを補給します!」ギュウ
唯「なにぃー?じゃあ私も憂補給する!」ギュギュウ
憂「お姉ちゃーん!」
唯「憂ー!」
憂「えへへ」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:00:28.13 ID:nH1Khkt6O
-
唯「……それにしても」
憂「?」
唯「憂、ほんとに甘えん坊さんになったね」
憂「……ごめんなさい」
唯「あ、嫌なわけじゃないよ」
唯「憂に抱きついてもらうの、うれしいしねー」
憂「よかったぁ」
唯「……それで、憂」ジー
憂「は、はい?」
唯「なにかあったの?」
憂「へっ?べ、別に何も……」
唯「ほんと?」
憂「ほ、ほんとだよ?」
唯「憂~?」ジリジリ
憂「うぅ……」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:03:12.34 ID:nH1Khkt6O
-
唯「ほーら、何でもいいから言いなさい」
憂「……あの、ね」
唯「うん」
憂「その、久しぶりに会ったら」
憂「お姉ちゃん、前よりずっと大人っぽくなってたから」
唯「……」
憂「ちょっぴり、不安で……」
唯「なにが?」
憂「えっと、その……」
憂「か、彼氏さんでもできたんじゃないかって」
唯「へ?」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:10:47.94 ID:nH1Khkt6O
-
憂「だ、大学生だから、別におかしくないよね!」
憂「お姉ちゃんはかわいいしかっこいいもんね!」
唯「えっと……?」
憂「べ、別に、嫌なわけじゃなくて……」
唯「……」
憂「その……」
憂「……」
唯「……」
憂「変なこといってごめん、なさい」
憂「でも……」
ギュッ
憂「わっ」
唯「うーい」
憂「は、はい」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:14:25.27 ID:nH1Khkt6O
-
唯「彼氏さんなんていないよ?」
憂「えっ?」
唯「彼氏なんてつくるわけないでしょ」
憂「で、でも……」
唯「でもじゃないの」
憂「……」
唯「……憂、大人っぽくなったって言ってくれたね、嬉しかったよ」
憂「?」
唯「私ね、頑張って、おしゃれとか気をつかってみたんだ」
憂「……どうして?」
唯「決まってるでしょ?」
唯「憂にかっこいいって、言ってほしいからだよ」
憂「へっ?」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:20:21.25 ID:nH1Khkt6O
-
唯「憂がいるんだもん、彼氏なんていらないよ」
憂「……へ……」
唯「憂は、ほんとに私に彼氏いてもいいの?」
憂「えと……」
唯「ん?」
憂「……やだ」
唯「あはは、うりうりー!」グイグイ
憂「お、お姉ちゃんくすぐったいよぉ」
唯「ありがとーういー」ギュウ
憂「……えへへ」
唯「ほら、私も憂と同じ気持ちだよ」
憂「……」
唯「だからそんなに心配しなくていいの」
憂「……うん」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:23:52.88 ID:nH1Khkt6O
-
唯「憂、ちょっといい?」
憂「え?うん」パッ
唯「よいしょ……」パッパッ
ストン
唯「よし」
憂「?」
唯「憂、ひざまくらしてあげる。おいで」
憂「!う、うん!」
唯「素直でよろしい!」
憂「えへへ……」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:27:53.77 ID:nH1Khkt6O
-
憂「じゃあ、失礼します……」
唯「いいよー」
コテン
唯「なでなで」
憂「は、恥ずかしいよ……」
唯「こーら!文句言わないの!」
憂「うぅ……」
唯「いーこいーこ」ナデナデ
憂「……」
唯「……」ナデナデ
憂「ん……」
唯「うい、寝ちゃってもいいよ」
憂「うん……」
……
………… -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:32:36.11 ID:nH1Khkt6O
-
憂「ん……」ムク
憂「あっ、ごめんねお姉ちゃ……」
憂「あれ?」
憂「……」キョロキョロ
憂「どこいったのかな」
憂「……」
憂「お姉ちゃん……」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:38:00.50 ID:nH1Khkt6O
-
・・・
ガチャ
唯「ただいまー」
唯「憂ー?」
「お姉ちゃーん……」
唯「待ってー!いまいくよー!」
「お姉ちゃん、お姉ちゃん……」
唯「まって……よいしょ」ヌギヌギ
ドタドタ
憂「お姉ちゃん……どこぉ」
唯「憂?平気?」
憂「あ……お姉ちゃんっ!」
ギュッ
唯「わわ、どうしたのー?」
憂「……」ギュウ -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:46:17.97 ID:nH1Khkt6O
-
唯「うーいー?」
憂「お姉ちゃん……」
唯「私はここにいるよ」ナデナデ
憂「うん、うん……」
唯「……ごめんね、勝手にお出かけ行っちゃって」
唯「寂しかった?」
憂「うん……」
唯「ごめんね、憂が起きてから一緒に行けばよかったね」
憂「……ううん、わたしもごめんなさい」
憂「お姉ちゃんがいてくれるの、久しぶりだから……」
憂「ちょっぴりわがままになっちゃった」
唯「憂は謝らなくていいの」
唯「お昼にお弁当買ってきたから、一緒に食べよう」
憂「うん……」 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:51:19.36 ID:nH1Khkt6O
-
・・・
唯「いただきまーす」
憂「……」
唯「憂?」
憂「これ、お姉ちゃんがアルバイトしたお金で買ったんだよね?」
唯「そうだよ?」
憂「ほんとに、食べていいのかな……」
唯「憂のために買ってきたんだぞー」
憂「えへへ……じゃあ、いただきます」
唯「召し上がれ~」
憂「んっ」パク
憂「……おいしいよ、お姉ちゃんありがとう」ニコ
唯「ふふー」
唯「ういー?あーん」
憂「えっ?」 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:55:45.63 ID:nH1Khkt6O
-
唯「まだー?」
憂「え、えっと」
唯「あーん」
憂「じゃ、じゃあ……えいっ」
唯「んむ」パク
唯「憂に食べさせてもらったほうがおいしい!」
憂「変わらないよー」
唯「はい、憂も」
憂「へ?」
唯「あーん」
憂「……」
憂「あ、あーんっ」パク -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 15:59:22.15 ID:nH1Khkt6O
-
唯「おいしい?」
憂「うん、おいしいよ」
唯「よかったぁ」
憂「ふふ……」ニコニコ
唯「あ、ちょっとトイレ行ってくるね」ガタ
憂「うん」
テクテク
ガチャ
唯「よいしょ」
バタン
唯「……」
「お、お姉ちゃーん!」
唯「ん?なあにー?」
「わたし、リビングだよー!」
唯「?しってるよー!」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:04:35.79 ID:nH1Khkt6O
-
憂「お姉ちゃん、まだー?」
唯「憂もおトイレ?」
憂「えっと、そうじゃなくて……」
唯「ちょっと待ってね」
ジャー
ガチャ
憂「!お姉ちゃんっ」
唯「んー?どうしたの?」
憂「な、なんか不安になっちゃって……」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:10:15.79 ID:nH1Khkt6O
-
唯「もー、おトイレくらい平気だよー」
憂「そうじゃなくて……」
唯「?」
憂「お姉ちゃんがどっかに行っちゃったらやだなって……」
唯「どこにも行かないよ?」
憂「そうだよね、そうだよね……」
憂「ごめんね、迷惑かけて」
唯「そんなこと言わないの」
唯「もっと甘えていいんだからね?」
憂「ふふ……うん、わかった」 -
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:15:22.53 ID:nH1Khkt6O
-
・・・
憂「お姉ちゃーん!」
唯「いるってばー」
憂「あっ、よかった……」
唯「憂、ちょっとこっち来て」
憂「?うん」
唯「私の上に座って」
憂「え、えっと、こう?」ポス
唯「よし」ギュ
憂「?」
唯「ちょっとお話しよう」
憂「うん……?」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:23:08.12 ID:nH1Khkt6O
-
唯「憂、私はすぐ近くにいるよ?」
憂「……」
唯「そんなに心配しなくても大丈夫」
憂「……あのね」
唯「ん」
憂「その、お姉ちゃんが見えないと、落ち着かなくて」
憂「怖くて、泣きたくなってきちゃって……」
憂「それで、お姉ちゃんがいるか確認しちゃうんだ」
唯「我慢できないかな?」
憂「できない……と思う」 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:28:36.52 ID:nH1Khkt6O
-
唯「むぅ」
憂「ごめんなさい。別に気にしなくて平気だよ」
唯「だーめ」
唯「ね、憂。ちょっと実験してみよう」
憂「え?」
唯「憂、ここにいてね」
憂「えっ、お姉ちゃ……」
ガチャ バタン
憂「お、お姉ちゃん!」ガタ
ガチャ
憂「お姉ちゃぁん!」ヒシッ
唯「……早すぎるよー」
憂「あ……ごめんなさい……」 -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:34:05.41 ID:nH1Khkt6O
-
憂「も、もう一回やろう!我慢できるから!」
唯「わかった」
憂「わたしが部屋を出るから、お姉ちゃんはここにいてね」
唯「いいよー」
憂「よ、よし」
ガチャ
憂「……ま、待ってね。いま閉めるから……」
唯「うん」
憂「くく、閉まれ~……」
ギギギ バタン
ガチャ
憂「お姉ちゃんっ!」
唯「……」 -
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:39:13.63 ID:nH1Khkt6O
-
唯「……ダメみたいだね」
憂「うぅ……」
唯「平気だよ、憂。ずっと一緒にいればいいんでしょ?」
憂「でも」
唯「私は平気だよ」
憂「うん……」
唯「じゃあ、憂」
憂「?」
唯「お風呂、入ろっか」
憂「へっ?」 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:43:31.63 ID:nH1Khkt6O
-
・・・
憂「……」
唯「ういー、髪拭き終わったよー?」
憂「えっ、あ、うん、ありがと!」
唯「大丈夫?」
憂「う、うん」
唯「じゃあお部屋行こ?」
憂「は、はい!」
唯「?変な憂」
憂「へ、平気だよ」
唯「そっか」 -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:49:49.77 ID:nH1Khkt6O
-
・・・
モゾ
憂「……やっぱり、このままじゃいけないよ」
唯「どうして?」
憂「だって、明後日にはお姉ちゃん行っちゃうし」
憂「我慢できるようにならないと……」
唯「……」
憂「わ、わたしやっぱり自分の部屋で寝るね!」
モゾモゾ
唯「憂、大丈夫だったら」
憂「ううん、ダメだよ」
憂「……よし」
憂「お姉ちゃん、おやすみなさい!」
バタン
唯「……」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 16:56:05.55 ID:nH1Khkt6O
-
バタン
「お、お姉ちゃ……もがもが」
唯「もう」
「おね、お姉ちゃーん!」
スタスタ
ガチャ
憂「わっ、来ちゃダメだよ!」
唯「いいの」
憂「だって……んむっ」
ギュー
唯「じゃないと眠れないよ?」
憂「……ごめんなさい……」
唯「いいから、もう寝ようね」
憂「うん、おやすみ……」 -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:01:03.00 ID:nH1Khkt6O
-
・・・
「お姉ちゃーん!」
唯「わわ、待ってー!」
ガチャ
憂「!お姉ちゃん!」タタタ
唯「いま朝食作ってたんだ、ごめんね」
憂「お姉ちゃん……」フルフル
唯「もうできたから、一緒に食べよう」
憂「お姉ちゃん!」
唯「大丈夫だよー」ナデナデ
憂「お姉ちゃん!」ギュッ
唯「……憂?」
憂「お姉ちゃん……」ウルウル -
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:05:53.12 ID:nH1Khkt6O
-
唯「……憂、おはよう」
憂「お……姉ちゃん」
唯「……」
唯「私の名前は?」
憂「お姉ちゃん」
唯「……」
唯「『お姉ちゃん』以外の言葉喋ってくれる?」
憂「お、お姉ちゃん……」
唯「……言えないの?」
憂「お姉ちゃん!」コクコク
唯「ほんとに?」
憂「お、お姉ちゃん!」 -
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:07:26.19 ID:nH1Khkt6O
-
唯「……悪化しちゃったね」
憂「お姉ちゃん……」
唯「あ、憂は謝らなくていいんだよ」
憂「お姉ちゃん……」
憂「……!お姉ちゃん!」
唯「ん?なあに?」
タタタ
憂「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」
唯「ノート?」
憂「お、姉ちゃん……」カキカキ
憂『これ使えば話せるよ!』
唯「おお!」 - 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:12:11.63 ID:nH1Khkt6O
-
憂「……」カキカキ
憂『お姉ちゃんしか喋れなくなっちゃった』
唯「どうしてなったか分かる?」
憂「……」フルフル
唯「そっか……」
憂『ごめんなさい』
唯「ううん」
唯「でもこれは治す方法見つけないとだね」
憂「お姉ちゃん……」
唯「……とりあえず、ごはん食べよっか?」
憂「……お姉、ちゃん」コクリ -
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:18:45.37 ID:nH1Khkt6O
-
・・・
憂『お姉ちゃん、料理とっても上手だね』
唯「えへへ、まだ憂にはかなわないよー」
憂『そんなことないよ』
唯「ありがと」
憂「……」カキカキ
憂『また試してみるね』
唯「だいじょうぶ?」
憂『わからないけど、やらなくちゃ』
唯「……そうだね、がんばろ」
唯「憂、ちょっとおいで」
憂「お姉ちゃん?」
ギュー
唯「これでよし!」
憂「お姉ちゃん……」 -
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:23:53.29 ID:nH1Khkt6O
-
・・・
憂「お姉ちゃん……」グス
唯「……ごめんね、憂。無理させちゃったね」
憂「お姉ちゃん……」フルフル
ギュウ
唯「憂、そんなに心配しないで」
唯「私はいつだって憂の……」
憂「……」
唯「憂の……」
憂「……お姉、ちゃん?」
唯「……」
憂「?」 -
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:29:46.72 ID:nH1Khkt6O
-
唯「……ねぇ、憂」
憂「お姉ちゃん?」
唯「憂は私のこと、好き?」
憂「……お姉ちゃん」コク
唯「そっか……」
憂「……」
唯「私、憂のこと好き」
憂「……」カキカキ
憂『わたしもだよ?』
唯「ううん、そういう意味じゃない」
唯「憂のこと、愛してる」
憂「へっ?」 -
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:35:20.55 ID:nH1Khkt6O
-
憂「お、おね……!」
唯「ちょっと喋れたね」
憂「お、おねえちゃ……」
唯「憂……」ギュー
憂「ひゃ……」
唯「憂、ごめんね。わかっちゃった」
憂「!」
唯「たぶんね、全部わかったよ」 -
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:41:52.70 ID:nH1Khkt6O
-
憂「お姉ちゃん?」
唯「……憂は、私を迎えてくれたとき、何て言ったか覚えてる?」
憂「……お姉ちゃん」フルフル
唯「憂はね、『おかえり』って言ったんだよ」
憂「……」
唯「私の家はもうここじゃないのにね」
憂「おね……えちゃん」ギュ
唯「憂、私のこと、好き?」
憂「……」
唯「……」
憂「……す、き」 -
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:48:38.69 ID:nH1Khkt6O
-
唯「……よかった」
憂「……」
唯「ごめんね、憂だって、不安になっちゃうよね」
唯「ずっと近くにいるなんて、口だけじゃどうとでも言えるもんね」
憂「……」
唯「憂、好きだよ」
唯「遠くにいても、憂のことがずっと好き」 -
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:51:22.75 ID:nH1Khkt6O
-
憂「お、おね……」
唯「2ヶ月向こうにいたって、憂のことばっかり考えてた」
憂「お姉ちゃん……」
唯「不安にさせてごめんね」
唯「はっきり言わないと、わかんないよね」
唯「私は憂から離れていったりしないよ」
唯「私も、憂と一緒にいたい」
憂「おっ、お姉ちゃんっ!」ギュ- -
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 17:53:03.08 ID:nH1Khkt6O
-
唯「……喋れる?」
憂「……ん、んむ」
唯「……」
憂『ごめんね!わたし……』ポチポチ
唯「憂、いいよ」
唯「まだ不安にさせちゃってるのかな?」
憂「う、うぅ」 -
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 18:00:00.63 ID:nH1Khkt6O
-
唯「うい」
憂「?」
唯「キスすれば、伝わるかな」
憂「へっ?」
唯「嫌?」
憂「……ううん」
唯「じゃあ、こっち見て」
憂「ん……」
唯「でも、これは憂が好きだからするキス、だからね?」
憂「お、お姉ちゃん、わたし……んむっ」
おわり。 -
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 18:02:20.30 ID:ChNyAoS/0
-
おつ! 唯憂は至高!最高だった!
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 18:08:09.15 ID:XwqDlG2v0
-
おつー
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/30(日) 18:24:12.01 ID:etQxEgjy0
-
凄く良かったです
おつ~ -
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2011.01.29 Sat
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- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 21:43:24.52 ID:2Q/KWdoB0
-
澪「ゆ~い~♪」ナデナデ
唯「ちょ、ちょっと、みんな、早くなんとかしてぇ///」ジタバタ
梓「あ、あの唯先輩が恥ずかしがってる……」
律「最初は唯も嬉しがってたんだけど」
紬「朝からずっとあの調子だから……」
梓「どうしてあんなことに……」 -
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 21:47:44.54 ID:2Q/KWdoB0
-
澪「唯は可愛いなぁ」ナデナデ
唯「澪ちゃん、嬉しいんだけどその、そろそろ恥ずかしい///」
澪「唯が可愛いのがいけないんだぞ」ナデナデ
唯「っ///」
梓「と、とりあえず何とかしないと……。多少強引ですけど、引き剥がすとか」
紬「無駄よ……梓ちゃん」
律「引き剥がしたくらいで何とかなるなら、既に私達がなんとかしてるよ……」
梓「ど、どういうことですか」 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 21:52:38.01 ID:2Q/KWdoB0
-
回想!
澪「唯の可愛さはね、頭撫でたくなる可愛さなんだよ。だから唯は頭を撫でられてるのが正しい姿なの」ナデコナデコ
唯「み、澪ちゃん/// でも、そろそろ授業だから///」
澪「関係ないよ。私のこの想いは学校の勉強なんかに引き裂かれやしないさ」グレートナデナデ
律「おーい澪、そろそろいい加減にしとけ」
澪「唯の髪からいい匂いがする」ハイビスカスナデナデ
唯「み、澪ちゃぁん///」
律「おい澪、いい加減にしろって」グイッ
澪「あっ」ジワッ
律「えっ」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 21:58:11.55 ID:2Q/KWdoB0
-
澪「」プルプル
律「お、おい、澪?」
澪「やだやだー! 唯の、唯の頭が撫でたいー! 撫でられないなら死んでやる死んでやる死んでやるー!」ジタバタ
ガラッ
律「な、何やってんだ馬鹿! 死ぬぞ!」
紬「み、澪ちゃん落ち着いて!」グイグイ
澪「唯の頭が撫でられないくらいなら死んだほうがマシだ!」
ザワザワ
律「わ、分かった。撫でていい、撫でていいから窓から身を乗り出すのをやめろ!!」
澪「」ピタッ
澪「ほんとに撫でていいの?」
律「あ、ああ! いいぞいいぞ、どんどん撫でろ!」
唯「ええ!? ちょっとりっちゃん!?」
澪「えへへ~」スプラッシュナデナデ
唯「うう///」
律「駄目だこりゃ……」 -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:06:02.91 ID:2Q/KWdoB0
-
律「と、いうわけなんだ」
紬「その後勝手に唯ちゃんの隣に席を移動した澪ちゃんは先生に呼び出されたんだけど、その間も唯ちゃんを隣に抱えることはやめなかったわ……」
梓「そ、それは何かもういろいろと酷いですね」
澪「後頭部からおでこ近くまで頭全体をカバーする縦のナデナデ!
あわよくば耳まで触れちゃう横のナデナデ!
もういっそ髪の毛をクシャクシャにしちゃうクロスナデナデ!」ワーシャワシャワシャ
唯「澪ちゃん、ちょっと痛い痛い!!」
律「なんか技開発し始めたぞ」
紬「これはもう末期ね」
澪「でもやっぱり普通に優しく撫でるのが一番気持ちいいね」ナデナデ
唯「う、うん、気持ちいいんだけど///」
律「あれを見てると、そこまで無理してやめさせなくてもいいんじゃないかとも思うけど……」
梓「駄目ですよ! 断固やめさせるべきです!」イライラ
紬(梓ちゃん焼きもちやいてるのかしら) -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:14:36.14 ID:2Q/KWdoB0
-
梓「何か澪先輩がああなった原因に心当たりはないんですか!?」
律「全然思いつかん」
紬「朝来た時から既にあの状態だったもんね……」
律「ああ、教室に入ってくるやいきなり唯の席に歩いてって……」
梓「それじゃあ、昨日、昨日何かあったんじゃないですか?」
律「昨日ったって、昨日は普通に授業受けて部活して……っあ!」
紬「どうしたの!?」
梓「何か心辺りですか!?」
律「そういえば……」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:21:57.39 ID:2Q/KWdoB0
-
また回想!
きのうのかえりみち!
澪「はぁ……。今日もほとんど練習できなかった……」
律「まぁいいじゃん。ムギのお茶美味しかったし」
澪「そうだけど、やっぱあっ」ツルッ
律「うおっ!」
ゴツン!
律「だ、大丈夫か……電柱に頭ぶつけるなんて、澪らしくないなー。あっでも足滑らせちゃうのは澪らしいかっ」ハハハ
澪「……」
律「み、澪?」
澪「」ブツブツ -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:28:12.16 ID:2Q/KWdoB0
-
律「あの時は、頭ぶつけて不機嫌になってただけかと思ったけど今思えばあれが」
梓「思いっきりそれが原因じゃないですか!」
律「で、でもだからどうだって言うんだよ! 原因が分かってもどうしようも……」
紬「頭をぶつけたことで変わった人格は、同程度の衝撃をもう一度与えることで元に戻ると言うわ!」
律「え?」ジー
紬「」コクコク
律「」チラッ
梓「」コクコク
律「……殴れってか!? 澪を!?」
紬「それしかないわりっちゃん!」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:37:14.43 ID:2Q/KWdoB0
-
律「ええ~で、でも」
紬「大丈夫よりっちゃん、がつんと一発!」
梓「いっつもどつき漫才やってるじゃないですか!」
律「い、いやでも、私だって別に節操なく殴ってるわけじゃないし、理由もなく澪を殴るのはちょっと……」
梓「でも、このままじゃ練習になりません!」
律「う、でも、もし殴って元に戻らなかったら?」
紬「その時は私が澪ちゃんに叩かれるわっ」キラキラ
律「う……くそっ、分かったよ!」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:44:34.84 ID:2Q/KWdoB0
-
澪「左手で撫で終えたかと思えばすぐさま右手に移行するハイブリットナデナデ!」ナーデナデナデナデ
唯(澪ちゃん、だんだん撫でるのが上手になってる///)
唯(ツボが///)
律「み、み~お~」
澪「撫でられる側のツボを的確に刺激するハートキャッチナデナデ!」キュアキュア
律(聞いちゃいねぇ……)
律「くっ、ええいままよ!」
唯「えっ」
ゴツーン! -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:55:34.76 ID:2Q/KWdoB0
-
律(こ、これで元に戻ってなかったら……)
唯「り、りっちゃん、いきなりなんで!?」
律「まぁ待て唯、これも澪を元に戻すためなんだ!」
唯「え……?」
澪「……」
律「み、み~お~?」
澪「痛いじゃないか!! いきなり何するんだよ!!」グイッ
律「あ、お、落ち着け澪! お前、元に戻ったのか!?」
澪「へ? 何のことだ? あれ……私なんで唯のこと抱っこして……え、あ、あれれ!?」
澪「~~~~!!」ボンッ
澪「」プシュー
律「あ、気絶した」 -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 23:07:49.62 ID:2Q/KWdoB0
-
紬「どうやら、正気に戻った澪ちゃんは今まで自分がしてきたことの恥ずかしさに耐えられなかったようね」
唯「やっと澪ちゃんが元に戻ってくれたんだね」
律「まったく、人騒がせな奴だ」
梓「唯先輩も大変でしたね」
唯「うん。初めて可愛がられ過ぎる側の気持ちが分かったよ。あずにゃん、いままでごめんね?」
梓「え、い、いや、私は別に///」
紬「あら?」
律「お、何だ何だ?」
梓「い、いえ今のは別に変な意味は」チラッ
唯「」キラキラ
唯「あっずにゃ~ん!!」
梓「ああーもうっ///」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 23:11:55.70 ID:2Q/KWdoB0
-
ゆいたくっ
唯(ふぅ……あの後目を覚ました澪ちゃんに一杯謝られちゃった)
唯(今日は色々疲れたなぁ……)
唯(でも、澪ちゃんに撫でられるの、気持ちよかったな///)
唯(これからも、ちょっとくらいなら///)
憂「おねーちゃーん! これから買い物に行くんだけど、一緒に行く?」
唯「あー憂ーっ行く行くっ」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 23:17:08.57 ID:2Q/KWdoB0
-
唯「へへへーアイス買おうね! アイス!」
憂「こんなに寒いのに?」
唯「寒い日に食べるアイスがまた美味しいんだよ」
憂「あっお姉ちゃん足元!」
唯「えっ!? あっ!?」ツルッ
ゴツン!
憂「お、お姉ちゃん、大丈夫?」
唯「」ブツブツ
憂「お、お姉ちゃん?」 -
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 23:17:31.29 ID:2Q/KWdoB0
-
よくじつ!
梓「ええ!? 唯先輩が澪先輩のおっぱいモミモミしたい病に罹った!?」
紬「そうなの……」
おしまい -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 23:18:08.02 ID:UwsRsOGrP
-
お・・・おしまいか
乙
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 23:38:34.34 ID:gjHMU4kG0
-
乙
いいオチだね
よかった
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/28(金) 03:30:37.65 ID:Jky3C73zP
-
おつおつ
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2011.01.29 Sat
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- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 21:58:34.42 ID:uWLeAua60
-
紬「梓ちゃん?ティータイムよ?何してるの?」
梓「え」
唯「ねぇねぇあずにゃん、なんで勃ってるの?」
梓「な、失敬な。私は勃ってなんかいませんよ!」
唯「ええー、勃ってるよ~」
梓「そんなことないです」 -
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:02:45.43 ID:uWLeAua60
-
律「おーいあずさー?勃ってるぞー?」
梓「どこがですか!」
律「いや、どこからどう見ても…」
紬「梓ちゃん、私何か気に障るようなことしちゃった?」
梓「だって皆さんが…」
澪「なぁ梓?さっきからずっと勃ってるのには何か理由があるんじゃないのか?」 -
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:05:04.11 ID:uWLeAua60
-
梓「澪先輩まで!」
澪「だってさっきから梓、着席してないじゃないか。違うのか?」
梓「(あ、“たつ”ってそっちか)すみません、違いません。私が立っているのには理由があるんですよ」
唯「あ、分かったよ!あずにゃんが立ってるの、足に毛があるんでしょ!それが痛いから立ってるんだよね?」
梓「(すね毛?)誰の足にですか」
唯「あずにゃん」 -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:06:06.43 ID:uWLeAua60
-
梓「そんなひどい。失礼ですよ違いますって…」
律「じゃあ何なんだよ。つーかなんで失礼なんだよ」
唯「毛がないんだったら、あずにゃん吸われるじゃん!」
梓「えっ何に吸われるんですか」
唯「えっイスでしょ?」
梓「なにそれこわい」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:07:00.65 ID:uWLeAua60
-
澪「私は今の梓の方がこわいけど…?」
梓「つまり、足に毛があれば吸われないんですね」
律「まあ唯の言い分はそうだな」
梓「じゃあ私は足に毛がないのでイスに吸われてしまいますよね」
律「分かってるなら立ってないで早く着席しろって」
梓「えっひどいです!律先輩がそんな薄情な人だとは思いませんでした!私なんかイスに吸われればいいんだって常日頃から思ってたんですね!」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:08:30.70 ID:uWLeAua60
-
律「いや常日頃は思ってねぇよ。ただ今日はさっさと吸われないのかと思ってるよ。吸われることの何がダメなんだ?」
梓「私にはまだやり残したことがあるので全体的にダメです!」
唯「なに?」
梓「とにかく私は今、吸われてしまうわけには行かないんです」
律「……本当に失礼なこと言うけどごめんな。梓は足じゃなくて頭に毛があるんじゃないかと思うぞ?」
澪「同意せざるを得ないよ」 -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:09:20.53 ID:uWLeAua60
-
唯「かわいそうだね~あとかわいいね~あ~ずにゃん」
梓「えっ頭に毛があることを伝えるのって失礼ですかね。寧ろ足の時よりも普通な気がしますけど」
紬「梓ちゃん、それは普通じゃないわ~。以上よ」
梓「いや、そんな言い切らなくても。でもそうですか…少し考え方を改める必要がありそうです」
律「ああ、はっきり言って今日の梓は以上だよ」
梓「はい?今日の私は以上って。私だけ皆さんと違う時間軸にいるかのような。皆さんは以上じゃないんですか」 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:10:30.51 ID:uWLeAua60
-
澪「そのつもりだけど…」
唯「確かに今日のあずにゃんは私たちと違う時空にいたよ。でもそんなあずにゃんもかわいいよ!」
梓「あ、ありがとうございます……じゃなくて!今日の私は、もう終わってしまったんですか?」
律「終わってしまった感はあるな」
梓「なんですか“感”って…。じゃあ何ですか、今日の私は皆さんからみて、“明日の私”って訳ですね…」
澪「寧ろ“明後日の梓”かな。おい律。私上手いこと言えたよ」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:11:49.82 ID:uWLeAua60
-
律「そっか、山田くん澪埋めといて」
唯「はい」
澪「や~め~ろ~」
唯「ムギちゃん澪ちゃん押さえるの手伝ってー」
紬「どんとこいでーす」
澪「まさかほんとうに埋められるとは」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:12:38.51 ID:uWLeAua60
-
梓「そういえば、あの…」
律「それにしても、なんつーか今の梓は“明日の梓”ってよりかはアレだな」
梓「……」
紬「なに?」
律「…“明後日の梓”かな」フッ
澪「あっそれ私のネタ」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:14:10.48 ID:uWLeAua60
-
唯「うまい!座布団二枚!」
紬「もう一声~♪」
唯「座布団十枚!」バサ
律「馬鹿やろうそんなに雑巾乗せんな」
澪「唯は山田くんなのかどうかはっきりしような」
梓「そういえば、あの…楽しそうなところすみませんけど、先輩方は足に毛がなさそうなのに吸われないんですか?」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:15:22.88 ID:uWLeAua60
-
律「わー、なに言ってんだ梓、私たちは毛がないし見ての通り吸われてるって」
梓「ええっ?先輩方今までずっとイスに吸われてたんですか!?」
律「だから吸われてるだろ」
澪「私は床に埋まってるけどな」
唯「イスに吸われるのってそんな驚かれることかなー?」
紬「ううん。普通なんじゃない?」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:17:40.03 ID:zkUpwLsa0
-
毛って何のことかと思ったらケガか
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:19:18.37 ID:uWLeAua60
-
梓「皆さん…すごい耐久力ですね」
律「寧ろ立ってる方が憑かれないか?」
梓「ウソ!?」バン
澪「おい机……叩くなよ……心臓止まるかと思っただろ…あまりふざけるんもんじゃないよ……」
梓「吸われなければ憑かれてしまうだなんて…世の中は不条理が多すぎますよ。もうこうなったら私は憑かれて死ぬしかないんですね……」
律「死ぬな。死ぬくらいならイスに身を任せろ」 -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:21:52.35 ID:uWLeAua60
-
唯「そうだよ。吸われるんだったら、イスに全てを託しちゃう方がいいよ?」
梓「あ、わかりました。もしかして、皆さんが耐えられるくらいなんだから、大した吸引力じゃないってことですか」
律「吸…?」
紬「淫…?」
唯「力…?」
澪「……」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:26:52.64 ID:uWLeAua60
-
律「ま、まあ大したことないけど…いや、ないけどさ」
梓「そうでしたか。てっきり私、ブラックホールに吸われてしまうくらいなのかと…えへへ…勘違いしてました」
律「おい澪。梓…なんかもの凄い変換ミスしてるよな」ボソボソ
澪「だな」ボソボソ
梓「先輩方がその様子ならきっと掃除機の弱くらいの吸われ具合なんでしょうね」
律「うん……まあ梓、憑かれるよりはイスに吸わったほうがいいだろ?」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:28:36.66 ID:uWLeAua60
-
梓「まあそれは…へ?…イスに吸わった?…イスに座った?あ!」
律「気付いたか?」
梓「すいません私ったら冬の日の律先輩くらいとんでもない勘違いを」
律「お前は本当にとんでもないヤツだよ」
梓「どうもご迷惑をおかけしました……」
唯「いいんだよ~あずにゃ~ん。よ~しよしよしよし」むちゅ~ -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:30:47.30 ID:uWLeAua60
-
梓「あ!!やめてください!」
唯「“あ!!”って……」
澪「梓はお茶目だな」うんうん
梓「ですが今日の私変でしたよね…」
紬「全然良いのよ!とにかく梓ちゃんが正気だったなら良かったぁ」
梓「ムギ先輩…………」 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:33:04.21 ID:uWLeAua60
-
紬「あ、よもやこの雰囲気は……もしかして告白?告白?来るかしら?」
澪「おちつけよムギ」
律「つーか澪もいつまで律儀に床に埋まってるんだよ。疲れるぞ」
澪「ひぃぃ憑かれるッッ…!」バキィ!
律「おい床割るな?」
紬「それで、どうして私の梓ちゃんは今日中々座らなかったの?」 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:35:04.92 ID:uWLeAua60
-
梓「はい、実は今日登校するときすごくいい野良猫を見つけて……」
唯「ふむ」
梓「すごくよかったので、ババッって」
唯「ふむふむ」
梓「そしたら猫がシュッって」
唯「おぉ」 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:36:46.50 ID:uWLeAua60
-
律「猫がシュッって火でも点いたのか」
梓「なんで私もっとババッっていって、猫をシュッてやったんですよ」
唯「なるほど。どうだったの?」
梓「そしたら猫が私をシュッってやり返して来た上に突如としてジャーンッってやって来たものですので正直すごく驚きましたよ私の説明力のなさに」
唯「そっか。猫に引っかかれちゃったんだね……。痛そうなあずにゃん……」
澪「唯ってやっぱ天才なんだな……」 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:38:08.65 ID:uWLeAua60
-
梓「はい、一応保健室で手当てはしてもらったんですけど、座ると染みるので……あっあと私ムギ先輩のじゃないです」
紬「あ、そうなの」
澪「仕方ないね」
唯「あ、そういえば」
梓「総入れ歯?」
唯「りっちゃん!私正解したよ?」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:39:55.54 ID:uWLeAua60
-
律「おめでとう。賞金の120円は平沢唯さんの財布から贈呈されます」チャリン
唯「わーい!このお金を使ってジュース買ってこよっと」
紬「でもまだティータイムの前よ」
唯「ムギちゃんのティータイムはベツバラだよ~」
澪「そうか~なら心配ないな~」
唯「本当だね~」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:41:11.79 ID:uWLeAua60
-
紬「知らないわよ~?」
唯「うん、分かったよ~!というわけで行って参ります!」
律「んじゃ私も行くかな」
梓「あ、私はカルピス」
律「…ん?私お前にカルピス買ってきてやるなんて一言も言ってないんだけど」
梓「じゃあ買ってきて下さい。奢りで」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:43:08.64 ID:uWLeAua60
-
律「あ?中野shine?」
梓「輝いてるのはサンプラザ田井中先輩です。先輩今最高に輝いてますよ!まぶしいんで早く行って下さい」
律「帰って来たら覚えてろよお前」
梓「きゃー」
唯「いいからそんなとこに突っ立ってないでさっさとドア開けてよぉ~」
律「あぁそうだった」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:43:58.96 ID:uWLeAua60
-
ドア「ガチャ」
和「うわ」ドサ
唯「和ちゃん!」
律「なんだ!?」
和「ゆ…唯、律…」
律「どうしたんだよ…ドアにへばりついたりしてお前…」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:44:56.19 ID:uWLeAua60
-
和「ああ、講堂の使用届的なものの提出がまだなのよ」
律「えっ」
澪「りつー?」
律「いやぁ~」
梓「田井中さん悲惨」
律「韻踏むな」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/27(木) 22:48:06.23 ID:uWLeAua60
-
唯「でも和ちゃん、どうしてドアにくっついたまま部室に入ってこなかったのか、まだわかんないよ?」
和「だって入りづらいじゃない」
梓「なんでですか?」
和「いえ……立つとか」
澪紬梓「……?」
和「吸われるとか…なんか、エロい会話してるから…」
唯律澪紬梓「……………えっ」
和「エロい会話してるから……」
唯律澪紬梓「……えっ」
おわり -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/01/28(金) 00:54:13.26 ID:oOMn08NZ0
-
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2011.01.29 Sat
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- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 12:58:34.02 ID:8GLTt4XH0
-
こんにちは。中野梓です。
いきなりですが、今、私にはとある重大な計画があります。
ガチャ
紬「あら、梓ちゃん一人?」
梓「は、はい。今日は皆さんまだ来ないみたいで」
紬「そういえばみんな用事があるとか言ってたような…」
そうでしょう。他の先輩がたに用事があるのを確認した上で
二人っきりになれるタイミングを計りましたので。 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:00:36.95 ID:8GLTt4XH0
-
紬「せっかくだからお茶飲んでいく?」
梓「はい!いただきます!」
紬「ふふ。じゃあちょっと待っててね~」
琴吹紬先輩。通称ムギ先輩。
軽音部のキーボード担当。作曲もできちゃいます。
おっとりぽわぽわで、優しくてとっても綺麗で
しっかりしてるのに、すごく子供っぽいところもあって。
いつも抱きついてくる唯先輩と並んで、軽音部のマスコット的な人、とでも言いましょうか。
とても皆に愛されています。当然私もその中の一人。 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:04:11.79 ID:8GLTt4XH0
-
紬「はい。おまたせ。熱いから気をつけてね」
梓「ありがとうございます!」
紬「あらあら。なんだか今日の梓ちゃんは元気いっぱいね」
梓「へ!? そ、そうでしょうか?」
多分緊張してるだけだと思います。
そう、これからしようとしてることを考えれば緊張しないわけがありません。
こんなこと、今までなかったし……ましてや相手が先輩で、……女の子なんだもん。
いや、これはそう言うのじゃなくって、うん。
もっと単純な、普通の女子高生がするようなこと。
憂や純とだって、よくしていること。何も緊張することないよ。 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:05:45.22 ID:8GLTt4XH0
-
そう言い聞かせないと、心臓が破裂しそう。
それはきっと、その行為に特別な気持ちがこもってるから。…だと思う。
それを、はっきりさせなきゃいけないから。だから。
梓「あ、あの!ムギ先輩!」
紬「はい?なにかしら?」
梓「え~と、あの、その~」
紬「??」
梓(ええい。もう! やれるよ私!今言わないでどうするの!?)
梓(そのためにこうやって二人っきりになったのに!)
紬「梓ちゃん?」 -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:07:41.43 ID:8GLTt4XH0
-
梓「あのですね!!」
紬「は、はい!」
梓「今度の休みの日、お暇ですか!?」
紬「え?……うん。特に予定はないわよ」
梓「じ、じゃあ……」
梓「その、もしよかったら……二人で、遊びに行きませんか?」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:10:39.56 ID:8GLTt4XH0
-
―――― すうじつまえ ――――
梓「はぁ~……」
純「どうしたの、梓。朝からため息なんかついちゃって」
梓「ん~……。なんでもない~」
憂「なんか最近元気ないように見えるけど……ほんとに大丈夫?」
梓「うん。体調悪いとかじゃないから……ありがとね」
純「ハイテンションでいろとは言わないけどさ~」
純「なんかそんな風にしてるのも、梓らしくないよ」
梓「私らしいって何さ~…」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:12:36.14 ID:8GLTt4XH0
-
純「ああ!もう!なんか調子狂うなぁ」
憂「純ちゃんたら…」
朝っぱらからダウナーな私を心配してくれる仲良し二人組。
純粋に嬉しい。こんな友達を持った私は幸せものだろう。
人付き合いが上手い方ではないのは分かってる。
そんな私ともここまで仲良くしてくれるんだ。ほんと、二人には感謝してる。
恥ずかしいから面と向かっては言えないけど……
でも、そんな二人にさえ、今の私が沈んでいるその理由を明かすのはためらわれる。
純「あー!分かったかもー!」
梓「なによもう。いきなり大声出して……」
純「梓さー」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:14:42.28 ID:8GLTt4XH0
-
純「好きな人でもできたんでしょ!?」
なんでこのモップはこう変なところで妙に鋭いのか……
純「…今心のなかで私のこと馬鹿にしたでしょ!?」
梓「……してないよ」(嘘だけど)
憂「まあまあ純ちゃん落ち着いて」
憂「でもでも、そうなの?梓ちゃん!?」
梓「なんで憂はちょっと嬉しそうなのよ……」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:16:41.71 ID:8GLTt4XH0
-
憂「いや~、なんか今までそういう話したことなかったな~って思って」
梓「憂がそういう話に興味あるのも…ちょっと意外かも」
憂「え~そうかな~?」
純「お姉ちゃん一筋って感じだもんねー」
憂「それはそうなんだけど」
梓・純(否定はしないんだ)
憂「でも、やっぱり恋のお話は興味あるよ」
憂「他ならぬ梓ちゃんのだし。ね?」
純「たしかに!あの梓がね~。ニヤニヤ」
梓「ニヤニヤ言うな。それにそんなんじゃ……」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:18:56.97 ID:8GLTt4XH0
-
……でも、はっきりと否定もできなくて。
ここ数日、寝ても覚めても思い浮かぶのはムギ先輩のことばかりで。
ムギ先輩のことばっかり考えてる。
キッカケはなんだったのか、なんて考えてたのも随分前のことのような気がする。
要するに分からなかったわけだけど。
この気持がなんなのか、今の私ははっきりとした答えを出せていない。
だけど、たぶん。そうなんじゃないかって、思っていることはある。
でも、勘違いかもしれない。いや、はっきり認められないだけなのかな。
考えれば考えるほどわからなくなってきて
はじめはちょっと浮き足立ってた私も、今はこんな風に沈んでばっかりだ。 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:21:33.28 ID:8GLTt4XH0
-
だから……ひょっとしたら、何か分かるんじゃないかと思って。
変わるんじゃないかと思って。
梓「……もし、そうだって言ったら?どうする?」
純「うゎお!ホントに!?」
憂「梓ちゃんおめでと~!」
梓「何がおめでたいのよー。…付き合ったりしたわけじゃないっって」
純「でもさ!好きな人できたのはホントなんでしょ?」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:23:01.42 ID:8GLTt4XH0
-
梓「よく分かんないんだよ。実際」
純「はい?どゆこと?」
梓「……その人のこと、すっごい気になるんだけど」
梓「ず~っと考えてるんだけど。でも、それが好きって気持ちなのかどうか」
梓「ハッキリとしなくて、さ」
梓「はぁ~……」
純(こんな物憂げな表情でそんなこと言われてもな~…)
憂(これはどう見ても恋だと思うんだけど…) -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:24:55.52 ID:8GLTt4XH0
-
純(あ、やっぱり憂もそう思う?)
憂(うんうん。きっとそうだよ!)
純(ほんと、思ったよりも食いつきがいいね…)
純「……よし!じゃあ私がいい案を授けてあげよう!」
梓「なんか純が自信満々だと逆に不安なのはなんで…」
純「今日の梓さりげにひどいよね。私泣くよ?」
梓「はいはいごめんねー」
純「ひどいよね!?」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:26:44.76 ID:8GLTt4XH0
-
梓「それで……どうしたらいいの?」
純「ふっふっふ。聞いて驚くなかれ」
梓「大丈夫。多分驚かないから」
純「あー、なんかイラつくわ」
憂「もう、梓ちゃん!」
梓「ごめんごめん。ちゃんと聞くから」
純「もう!……じゃあ、気をとりなおして。ズバリ言うけど」
純「デートしなさい!」 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:28:30.51 ID:8GLTt4XH0
-
…………
梓「は、はいいいぃ!?」
純「あ、驚いた」
憂「驚いたね。すっごく」
梓「え!なんで!?どっからデート出てきたの!?」
純「まあまあ落ち着きなよ梓」
梓「これが落ち着いていられるか~!」
憂「まあまあまあまあまあまあ」
純(6回…) -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:30:35.34 ID:8GLTt4XH0
-
純「ただ思いつきで言ってるわけじゃないって」
梓「…ほんとに?」
純「ほんとほんと。まあ聞きなさいよ」
純「要するに二人っきりで遊びにでも行きなさいってこと」
純「梓、多分その人と二人っきりになったこととかほとんど無いんじゃない?」
梓「まあ、たしかに。全くないわけじゃないけど…‥」
純「でしょ? で、たぶんお互いのことについてしっかり話したこととかもないでしょ?」
梓「…なんかこうも当てられると悔しいけど、おっしゃるとおりです」 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:33:34.62 ID:8GLTt4XH0
-
純「だからデート。ふたりだけでいろんなとこ行って。いろんなことして。いろんな話して」
純「相手のことがもっとよくわかるし。自分をもっと知ってもらえるし」
純「そのおかげで分かる新しい一面とかも、きっとあると思うんだ」
純「なにより相手と一緒にいるときの自分の気持ちともしっかり向き合えるし」
純「そうすればきっと、分かるんじゃないかな?梓自身の気持ちがさ」
純「要はさ、もっとお互いのこと知るのが必要なんじゃないかな」
純「そこまで思ってるのに気持ちが固まらないってのは、それが足りないからかなー、と」
純「そこで手っ取り早いのがデートってわけ」 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:35:59.01 ID:8GLTt4XH0
-
梓「……」
憂「……」
純「え、なに?どうしたの?ふたりとも黙っちゃって…?」
梓「純すごい」
憂「純ちゃんすごいね」
純「へ?」
梓「なんかすごい真面目なこと言ってる。色々考えてるんだね」
憂「すごいよ~。私ちょっと感動しちゃった」
純「え?あれ?そう/// なんか照れるな~」 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:38:05.07 ID:8GLTt4XH0
-
梓「モップなんて思ってごめんなさい」
純「いまさらかい。もうアドバイスしないぞあずにゃん」
梓「だからごめんって。…でさ、物は相談なんだけど」
純「はいはい。もうここまで言ったしなんでも聞きますよ」
梓「当然ながら、私、デートとかしたことないんだけど」
純「そこかー。まあ無さそうだもんね」
梓「それ怒っていいとこ?」
純「さっきの仕返しだ。まあそれは置いといて」
純「普段私たちと遊んでんじゃん。あんな感じでいいんだよ」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:40:01.42 ID:8GLTt4XH0
-
梓「実はさ…」
純「ん?なんだい子猫ちゃん?」
梓「ごめん。イラッとする。謝るからやめて」
純「あははは!いやいや、こっちこそごめんね。 それで?」
梓「私たちが遊びにいく時ってさ…」
梓「私から何かしたいって言ったことあんまりないんだよね」
憂「えーそうかなー?」
純「こないだ憂の家に泊まった時とかいろいろ言ってたじゃん」
梓「あの時は…ちょっと、まあ色々あってね」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:42:49.29 ID:8GLTt4XH0
-
純「うーん。でもそう言われてみるとたしかにそんな気もする」
梓「というわけで、デートともなると尚更なんだけど」
梓「プランなんて分かんないわけですよ」
憂「今まで私たちと行ったことある所とかは?」
梓「うーん。それでいいのかなー?」
純「もう、それじゃあもう一つ私が助け舟を出してあげよう!」
梓「なんか純がすごい頼もしく見える」
純「いつもそれくらいの眼差しを向けてくれてもいいのよ!」
梓「そういう所が良くないんだって…」 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:44:36.36 ID:8GLTt4XH0
-
純「梓パソコン持ってたよね。はいこれ」
梓「アドレス?どっかのホームページの?」
純「そ。ここに行って、自分の名前と相手の名前を入れるとね」
純「なんと驚き!デートプランを自動で考えてくれるって寸法よ!」
梓「うわ、胡散臭」
純「えー。でも結構しっかりとしたプラン出してくれるって最近評判なんだよ」
梓「ほんとかな~…」
純「ありきたりなとこだけじゃなくて、意外なコースも出てきたりして」
純「そこがまた刺激があるとか、マンネリ打破!とかで人気なんだ」
梓「普通のところがいいんだけどな」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:48:01.39 ID:8GLTt4XH0
-
梓「まあ…自分じゃ決められそうもないし、やってみようかな」
純「でしょでしょ!やってみなって」
梓「…なんか遊んでない?私で」
純「何をおっしゃる。これも梓を思ってだよ」
憂「そういえばさ」
梓・純「?」
憂「いつの間にかデートしてみようって話で進んでたけど、大丈夫なの」
梓「……うん。まあ」
梓「私一人で考えてても、どうにもなりそうにないし」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:49:55.16 ID:8GLTt4XH0
-
梓「思い切ってやってみるよ」
純「おっ!なんか吹っ切れたみたいだね。よかったよかった」
憂「よかったね~!」
梓「ありがとね。二人とも」
憂「私は何もしてないから」
梓「いや、話聞いてもらっただけでも気が晴れたからさ」
純「まあ何かあったらこの純様に任せておきなさいって!」
梓「このモップには憂の爪の垢でも飲ませたい」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:51:29.70 ID:8GLTt4XH0
-
純「なんだとー!!」
梓「冗談冗談。純にも感謝してるって」
純「もうちょっと敬意を表してほしいなぁ!」
純「…ま、あれだ。元気になったみたいで何より」
梓「…ほんと。ありがとね」
純「いいっていいって」
憂「梓ちゃんが元気ないと、私たちも寂しいし」 -
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:53:07.70 ID:8GLTt4XH0
-
純「ところでさー」
梓「?」
純「その相手ってどんな人なの!?」
梓「え!?いやーそれはー…」
純「ここまできて誤魔化さないでよー」
憂「私も聞きたいな~」
梓「憂まで!?」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:54:21.23 ID:8GLTt4XH0
-
梓「それは…ごめん。ちょっと今は」
憂「うん。梓ちゃんが言いたくないなら、無理には聞かないよ」
梓「ありがと憂」
純「ま、そこまで突っ込むのも野暮ってもんか」
梓「ごめんね純」
梓「話せる時が来たら、ちゃんと話すから」
純「期待しないで待ってるよー」
憂「うまくいくといいね~」
梓「……うん。頑張ってみる」 -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:56:26.22 ID:8GLTt4XH0
-
―――― ある夜の中野邸 ――――
梓「さて……純の教えてくれたサイトでも見てみよっか」
こんな大事なことを人(ですらないのかもしれないけど)に頼るってのも
われながら情けないと思いつつも、やっぱり一人で思いつくこともないわけで
梓「このサイトだよね」
梓「デートメーカー? ベタな名前…」
梓「まあいいや。さっそくやってみよう」
梓「どっちの名前先にしたらいいのかな?」
梓「…いやいや、ここは先輩をお先にしなければ」
梓「えっと…琴吹紬…中野梓…っと」 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 13:58:15.45 ID:8GLTt4XH0
-
『デートメーカーの結果』
10:00 倉庫街で待ち合わせ
12:00 ステーキ屋で食事
15:00 バトミントンで二人の仲が急接近
19:00 中野梓が策におぼれ始める
LA:ST そして…三本締めをしてさようなら
梓「……なにこれ?」
意味分かんない。特に最後のほうが。
梓「内容もかなりハチャメチャだけど」
梓「こんだけ計画立てといて最終的に策に溺れてどうすんのよ……」
梓「しかも三本締めって」
ほんとにこれで行けと? -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:00:03.11 ID:fNNKZ0qc0
-
バドミントン何時間やってるんだよw
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:00:52.27 ID:8GLTt4XH0
-
梓「うーん。でも…」
よくよく考えてみると、前半は悪くないかもしれない
ムギ先輩は2時間サスペンスとかが好きみたいだ。
となれば倉庫街とか興味ありそう。絶対行ったことないだろうし。
私?当然行ったこと無い。正直不安です。
でも、ふと。いつも自分の知らないものに目を輝かせる先輩を思い出した。
……まず間違い無く未知の領域であるここなら、外さない気がする。
ステーキは……琴吹家の食事と比べたら私の行けるところなんて
比べるのもおこがましいんだろう。
でも、普通に憧れてる先輩なら、庶民が行くようなお店でも喜んでくれそうだ。
念の為、決してムギ先輩を悪く言っているわけではないので。
ふと、合宿のバーベキューではしゃぐ先輩の姿を思い出した。
…存外いいのかもしれない。 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:03:30.79 ID:8GLTt4XH0
-
バトミントン。これは普通に喜んでもらえそう。
このプランで一番マトモだと言ってもいいかもしれない。
またまた、ふと。私が入部したばかりの時に歓迎会と称してピクニックに行った時を思い出す。
はしゃぐ先輩がそこにいます。
これは喜んでもらえそうだ!
梓「あれ?案外行けるんじゃないの?これ」
梓「…そうだよ!いけるいける!」
梓「よーし!これでいこう!」
すっかりやる気になってしまった。
深夜のテンションって怖いです。 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:05:27.62 ID:8GLTt4XH0
-
―――― 時間は戻りまして ――――
紬「梓ちゃんと二人で?」
梓「は、はい!」
確認するってことは、やっぱり……二人は嫌なのかな?
他の先輩方と一緒じゃなきゃ、ダメなのかな……
紬「まあまあまあまあまあまあ!」
紬「いいわね!行きましょ!」
梓「え?い、いいんですか!?」
紬「あら、誘ってきたのは梓ちゃんよ?」
梓「そ、そうですね。ありがとうございます!」
なんか、変に緊張してたのが馬鹿みたいだ。 -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:08:58.09 ID:8GLTt4XH0
-
紬「ふふ。梓ちゃんとデートなんて。楽しみね~!」
梓「で、ででデートなんて、そんな」
紬「あれ?二人っきりで遊びにいくんだもん。デートでしょ?」
そんな簡単に言わないでください。私、すっごい緊張したんですよ。
……まあでも、こんなところもこの人らしい。
きっと、もっと軽い気持ちで言ってるんだろうけど。それでも今はいい。
なんだかこっちも気が楽になったかも。
梓「…はい!デートですね」
紬「うん!」
ここまで来たら、私も腹をくくらないと。 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:10:25.24 ID:8GLTt4XH0
-
紬「それで、どこに行くのかしら?」
梓「それなんですけど、私にエスコートさせてもらえませんか?」
紬「まあまあ!」
梓「どうでしょうか?」
紬「ぜひお願いするわ! 楽しみ~!」
こんなに喜んでもらえるなんて。それだけで、私も嬉しい。
梓「それじゃ、10時にここに来てもらえますか」
紬「ここって…」 -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:11:49.40 ID:8GLTt4XH0
-
梓「いわゆる倉庫街です。大丈夫です。周囲の治安はいいらしいので」
紬「まあまあまあまあ…」
神妙な顔つきだ。
…やっぱりまずかったの!!?
よくよく考えればやっぱりおかしいもん!私おかしいよ!?
紬「サスペンスドラマでよく出てくるようなあの倉庫街よね!?」
紬「一度行ってみたかったの~!!」
すいません大丈夫みたいでした -
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:13:44.85 ID:8GLTt4XH0
-
―――― とうじつ! ――――
梓「あっ…ムギ先輩!」
紬「あら梓ちゃん。おはよう。早いわね」
梓「おはようございます! …まだ時間前なのに」
紬「楽しみでつい早く来ちゃった♪」
そう言ってもらえるのはすごく嬉しいけど。
でも、私だって結構早く来たのに、待たせちゃったな……
梓「ごめんなさい。お待たせしてしまって」
紬「いいのいいの。私がしたくてしたことだし」
紬「それに梓ちゃんだって遅れたわけじゃないのよ?」
梓「それはそうですけど……」 -
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:15:23.38 ID:8GLTt4XH0
-
紬「ほら!そんな顔しないの」
梓「わっ…」
優しく頭を撫でてくれる。あったかい手。すごく気持ちいい
紬「いいじゃない。それだけ一緒にいられる時間が増えたんだし」
紬「ね?だから気にしないで。せっかくのデートが台なしよ」
梓「は、はい!」
梓「あの…ありがとうございます」
そう言うと、先輩は優しく微笑んでくれた。 -
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:17:26.35 ID:8GLTt4XH0
-
改めてムギ先輩と向き合う。
柔らかなイメージにぴったりな、清楚で落ち着いた衣装がとても良く似合っている。
オーラがあるとても言えばいいのか、どこから見ても良家のお嬢様だ。
実際そうなんだけど。
……この少し寂れた倉庫街にはかなり不釣合いのような気がする。
さっきから、少しばかり道行く人達の奇異の視線が痛い。
紬「さぁ梓ちゃん?今日はどこへ連れていってくれるのかしら?」
梓「えっと……」
梓(やばい!そういえばお昼までの予定が白紙だよ!)
梓(あの大雑把な予定だけでいける気になってたー!)
梓(わたしのバカー―!!) -
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:18:58.64 ID:8GLTt4XH0
-
紬「…ねぇ、もしお昼まで予定がないなら、少しここらへんを散歩しない?」
梓「え、はい! …実は昼食まで具体的な予定がなかったので」
梓「先輩がそうしたいなら、私はぜひ」
紬「やった! 一回こういう所をゆっくり歩いてみたかったの」
気を使ってくれたのかな? きっとそうなんだろう。
早速へましてしまった自分が情けない。
でも、当の先輩はそんなことを微塵も感じさせないくらいはしゃいでいる。
ううん。実際気になどしていないんだ。
きっと。それくらいおおらかな人だから。 -
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:20:31.14 ID:8GLTt4XH0
-
この人はいつもそう。
さりげなく。けれども決して間違わず。
魔法のように場を取り持ってしまう。
それに私たち軽音部がどれだけ支えられてきたか。
言ったところで、きっとこの人はさらっとかわしてしまうのだろうけど。
紬「梓ちゃーん!おいてっちゃうよー!」
梓「…はーい。今行きますー!」 -
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:22:08.37 ID:8GLTt4XH0
-
―――― おひるです ――――
紬「あら、おいしい!」
梓「そうですか? ムギ先輩の口にあうか心配だったんですけど」
紬「高級料理じゃないと口に合わない人間に見えたかしら?」
梓「あ!いえ!そういう意味じゃないんです!ごめんなさい!!」
紬「冗談よ。そんなに謝らないで。こっちこそごめんなさい」
紬「緊張しちゃって。変にかっこつけようとするもんじゃないね」
梓「いえ。 ……緊張、ですか?」
紬「こんな可愛い子と一緒にお食事ですもの」
梓「か、かわいいって…私、ですか?」
紬「? 他に誰が?」 -
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:24:51.24 ID:8GLTt4XH0
-
真顔で返さないでください。顔が熱いです。特に耳とか。
紬「素敵なカップルに見られてるかしらね~」
せいぜい仲の良い兄弟でしょう。私じゃ、あなたには釣合いませんよ。
なんて言おうとしたけど、さらに顔が火照ったのでやめておいた。
ムギ先輩も何だか嬉しそうだし。
紬「でもね。美味しいものは美味しいのよ」
紬「高級フルコースでも、マックスバーガーのセットでも、駄菓子屋さんのお菓子でも」
紬「私はみんな大好きよ?」
この人が言うと全く嫌味に聞こえないのは本当に凄いと思う。
きっと、本当にそう思っているって、ちゃんと分かるからなんだろう。
人徳ってやつなのかな? -
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:26:31.01 ID:8GLTt4XH0
-
紬「それに……」
紬「食事ってね、誰かと一緒に取るだけでも、ずっと美味しくなるものなのよ」
そう言った先輩は、ほんの少しだけだけど、悲しそうで。
お嬢様だと、両親が忙しくて一緒に食事をすることがない。
私たちが考えるような、お決まりの展開が頭を過ぎる。
やっぱり、そういう事もあるのかな。
紬「……梓ちゃんは優しいね」
梓「…どうしたんですか、いきなり」 -
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:28:12.92 ID:8GLTt4XH0
-
紬「ずっと一人ってわけじゃないから。本当に、少ない機会だけど」
紬「それでも両親は、私と一緒にいる時間をすっごく大事にしてくれるから」
紬「これは、子供のわがままなの」
すぐに顔に出してしまうのは私の悪い癖だ。
この先輩は、そう言うのにとっても敏感なのに。
それなのに、こんなふうに気丈に振舞うんだもん。
梓「これからも」
紬「?」
梓「これからも、たまに二人で食事に来ましょう」
梓「ムギ先輩が行ったことないようなお店、たくさん紹介します!」 -
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:29:44.87 ID:8GLTt4XH0
-
紬「…うん!約束ね!」
わたしでも、その寂しさを。
すこしでも、感じさせないようにできるかな?
そうできたなら、素敵だな。
梓「…それにしても、ムギ先輩」
紬「なにかしら~」
梓「結構食べますね。お腹すいてたんですか?」
紬「」
あ、これやばい。やばいやばいやばい!
紬「…これが、ふつうなの…」 -
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:31:03.68 ID:8GLTt4XH0
-
梓「あ、えと、高校生は成長期真っ只中ですから!」
梓「それくらい食べるの普通ですよ!」
紬「梓ちゃんは私の半分くらいしか食べてない……」
梓「ほら、私こんなちびっこだし!貧相な身体ですから!」
梓「ムギ先輩スタイルいいし! 維持するにはそれくらいじゃないと!」
紬「澪ちゃんのほうが身長高いし、スタイルもいいのに…」
紬「体重ほとんど変わらないのよ…!?」
梓「え、えと、それは…」 -
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:34:12.43 ID:8GLTt4XH0
-
ちなみに、ムギ先輩のキーボードは重さ約17キロです。
ほぼ毎日それを持って通学してます。筋肉は脂肪より重いです。
どう考えてもこのせいですね。筋肉質なんでしょう。
筋肉ついてる人は新陳代謝も高いですから。
でもそれを言ったらさらにドツボにはまりそうなので、黙ってました。
筋肉付いてるんだね!なんて言われて嬉しい女の子なんてそうそういません。
それに誰がどう言おうと、ムギ先輩がスタイルいいのは事実ですし。
私から見れば羨ましいことこの上ありません。
まあ。その後しばらくの間、体重の悩みを延々と聞かされましたが。
でも、私は全然苦じゃなかったし。
ムギ先輩も、心なしか、どこか嬉しそうに見えました。 -
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:36:30.97 ID:8GLTt4XH0
-
―――― こうえん ――――
梓「いきますよー!」
紬「どんとこいでーす!」
ぽーん!
紬「…っっと、それ!」
ぽーん!
梓「なんの。それ!」
ぽーん!
紬「…!!そこね!」
ビュン!
梓「あっ!! …やられました」
紬「ふふ。また勝ちね!」 -
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:38:59.21 ID:8GLTt4XH0
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ムギ先輩はちょっと運動苦手って言うイメージがあったんですが以外にも強いです。
いや、私が弱いだけなんでしょうか?
はい。今公園でバトミントンしてます。
適度に広くて小奇麗にしてあるのに、休日でもあんまり人もいなくて。いいところです。
私たちがちょっとはしゃいじゃっても、全然大丈夫。
梓「もう一回行きましょう!」
紬「いいわよ~!」
そういえば、予定ではここで二人の仲が急接近するらしいです。
でも、バトミントンでどうやって急接近?よくわからない。
……まあ、こうやって小さい子供みたいにはしゃいでるだけでも。
十分ふたりの距離は縮まったような。そんな気がする。 -
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:40:58.55 ID:8GLTt4XH0
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私なんかは特に、あまり親しくない人の前でこんなにはしゃぐこともない。
ムギ先輩もなんというか、しっかりと場をわきまえる人だけど。
でもはしゃぐときはこんな感じで。自然と相手に気を遣わさないようにできる人なんだ。
すごいなぁ。私には真似できそうにない。
本当に無邪気にはしゃいでる先輩は、とっても輝いてて、可愛らしかった。
梓「あっ…」
やばっ!ぼーっとしてたら真上に上げちゃった。
紬「おおおお!」
梓「…って!えええ!」 -
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:43:13.56 ID:8GLTt4XH0
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ムギ先輩シャトルしか見てない。
つまりすごい勢いで私に突っ込んできてます。
あー。交通事故とかの時、景色が流れるのがゆっくりに見える。
って言うけど、きっとこんな感じなんだろうなー。
『どん』っていうより『むにゅ』っとか『もふっ』って感じでした。
なにがって、そりゃ……ぶつかった時ですよ。ええ。
当然そのままの勢いで、押し倒される形になったわけで。
梓「いったた……」
紬「ごめんなさい!大丈夫!?」
梓「はい、なんとか……」
その、押し倒されてること以外は。
おもに理性的な意味で。 -
- 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:45:38.93 ID:8GLTt4XH0
-
紬「でも、顔真っ赤よ。どこか打ったんじゃ…!?」
梓「いえ、ほんとに大丈夫ですから!」
ドキドキしてるだけですから。
ああ!近い!近いです。いい匂いします!これはやばいです!
梓「ほら!大丈夫ですから!」
勢い良く立ち上がります。なんとか無事をアピールしてこの状況を脱しないと!
紬「そう…?」
梓「はい。もうそれは!むしろ元気でてきました!」
紬「?? ふふっ。変な梓ちゃん」
この急接近は予想外でした。 -
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:47:40.28 ID:8GLTt4XH0
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――――――――
紬「今日は楽しかったわね~!」
梓「そう言っていただけると、私も嬉しいです」
あの後は、ゆっくりお喋りでも、というお互いの希望で休憩がてら喫茶店に。
お茶してお喋り、なんて。言葉にするといつもの部活と変わらないけれど。
それも今日は二人っきりっていう、ちょっとした特別。
普段は話さないようなお互いのことも、色々知れました。
好きなこと。嫌いなこと。今までのこと。これからのこと。
思ってた以上に、私たちはお互いのことを知らなくて。
でも、こうやって知っていくことができる。
それからもっと。知りたいと思う。
お互いのことを知るっていうのは、とっても大切な事だよね。
……あとで純にちゃんとお礼を言っておこう。
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:49:01.54 ID:8GLTt4XH0
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紬「梓ちゃんはとってもエスコート上手だったし」
梓「そんなことないです。初めっからムギ先輩に助けられましたし」
紬「なんのことかしらね~」
梓「……ふふ。ほんと、なんのことでしょうかね」
紬「でもほんとに楽しかったから」
紬「ありがとう。ね」
梓「いえ、こちらこそ。今日は付き合ってもらってありがとうございました」
紬「私が一緒に遊びたいから来たのよ?」
紬「だから梓ちゃんががお礼を言うことなんて無いの」 -
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:52:15.95 ID:8GLTt4XH0
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なんか今日はこんなのばっかりだなぁ。
はしゃいでる時はすっごく子供みたいなのに
こういう時はどうあってもかなわないくらいお姉さんだ。
ほんとに不思議な人。
梓「はい。わかりました」
梓「でも。言わせてください。ありがとうございます、って」
梓「私は、そういう風に出来てるので」
梓「そしたら。ムギ先輩は今みたいに、いいのよ。って言ってください」
梓「そういうの、駄目ですか?」 -
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:53:37.34 ID:8GLTt4XH0
-
紬「何だか大人ね~」
梓「先輩にはかないません」
紬「そういうのも、素敵ね」
紬「じゃあ、そうしよっか。これからも」
梓「はい。そうしましょう。これからも」
そういえば、『策に溺れる』なんていうのがあったけど
結局それだけ分かんなかったな。
まあそんなのは無いほうがいいんだけど。
何でもかんでもその通りになるわけじゃないしね。
そう考えれば、なんだかんだでデタラメに見えたプランも
終わってみれば十分な成功だ。 -
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:55:27.41 ID:8GLTt4XH0
-
…だったら、最後までやってやるです。
いろんな偶然や、巡り合わせに、感謝を込めて。
梓「ねえムギ先輩。三本締めしましょう!」
紬「…唐突ね。ここで?」
梓「はい!いまここで!」
紬「……ふふっ。今日の梓ちゃんは本当に面白いね」
紬「いいよ。やろっか!」
梓「ありがとうございます!」
ぱんぱんぱん。と乾いた音が響く。
街灯も灯りきった街中で三本締めなんてしてる私たちは
さぞかし奇妙なんだろう。でも、そんなことは気にならなかった。
どちらからでもなく、私たちは笑いあった。
こんなことも、この人と一緒なら、こんなに楽しい。
一緒に笑うあなたも、同じ気持だと。思ってもいいですよね? -
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:57:53.81 ID:8GLTt4XH0
-
紬「さて。じゃあ今日はこのへんでお開きかしら」
お腹もすいてきちゃったしね。なんて可愛らしく言う先輩。
そう、事前に話していた予定では、今日のデートはこれでおしまい。
用意されていたレールはここまで。
あとは、私が自分で何とかしなきゃ。
梓「まってください」
紬「?」
梓「最後に少しだけ。お話があるんです」
紬「……大事なお話ね」
梓「…もう。本当に先輩には頭が上がりませんね」
紬「いっつも見てるもの。それくらいは分かるわ」
梓「すごいですよ。きっと私には無理です」 -
- 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 14:59:23.86 ID:8GLTt4XH0
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不思議なくらい、落ち着いてた。
だって、もう気持ちははっきりしてるから。
勘違いじゃなかったよ。この気持ち。
ううん。きっとはじめから分かってたんだ。認められなかっただけで。
それはきっと、どうしたらいいか、分からなかったから。
でももう大丈夫、ちゃんと受け止められるよ。
お姉ちゃんみたいで、それなのに妹みたいで。
甘えさせてくれるのに、自分もどこか甘えたがりで。
すごく大人っぽい一面を見せた途端に、子供みたいにはしゃいだりする。
ほんとに、不思議な人だ。
そんなこの先輩が。好きなんだ。私。
だからね。どうすればいいのかも。もう分かるんだ。
ゆっくり息を、すって。はいて。…うん。大丈夫。
でも。何から話せばいいのかな?
……そうだ。
こんな時にぴったりな歌を、私は知ってるんだ。
その歌ではね。この言葉から始めるんだ…… -
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 15:00:29.35 ID:8GLTt4XH0
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―――― またまたある日 ――――
梓「おっはよー」
憂「おはよ~梓ちゃん」
純「お~っす」
純「おー。その様子だと、上手く行ったみたいだね」
梓「……私ってそんなに分かりやすいのかな?」
純「うん。だいぶね!」
梓「気をつけよう…」
憂「でも梓ちゃんが元気になってよかったよ~」
梓「ありがとー憂」 -
- 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 15:01:45.94 ID:8GLTt4XH0
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純「私の言ったとおりだったでしょー!」
梓「うん」
純「…はれ?」
梓「ほんとに今回は純にお世話になった」
梓「ちゃんとお礼言わなきゃと思って」
梓「ありがとう」
純「そ、そう?…えへへ」 -
- 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 15:02:47.38 ID:8GLTt4XH0
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憂「あ~純ちゃん照れてる~」
純「なんか梓に素直にお礼言われるとねー。くすぐったい」
梓「もう、どーゆー意味よ?」
純「まあ、これからもなんかあったらこの純様に任せなさい」
梓「このボンバーはすぐにこうやって調子にのる…」
純「だれがボンバーだって!?」
憂「まあまあ…」 -
- 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 15:03:56.36 ID:8GLTt4XH0
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梓・純「……あははっ!」
憂「ふふっ」
純「まああれだ。元気になってなにより」
憂「ほんとだね。私も嬉しいよ」
梓「…ありがと。二人とも」
純「いいっていいって」
純「それよりさー!」 -
- 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 15:05:15.02 ID:8GLTt4XH0
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純「ねぇねぇ!相手の人、教えてよ!どんな人か」
梓「どーしようかなー?」
純「あーなによ。余裕こいちゃってー!」
純「私たち三人の協定を破って抜け駆けしたんだからいいじゃない!」
梓「いつそんな協定を結んだかわかりませーん」
純「まあ無いんだけどね!そんなの! でも聞きたいじゃん!」
梓「ほんとにこの子は……」
純「あ、今子供扱いしたよね。ねぇ?」 -
- 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 15:06:06.36 ID:8GLTt4XH0
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憂「私も聞きたいな~。もちろん、ムリならいいよ」
憂「話せる時で、ね」
梓「ほんとに憂は素晴らしい人だ」
純「無視した上にさりげなく非難しないでくださーい。泣きそうでーす」
そうだね。いつまでも黙っているつもりもなかったし
ここで話してしまおっか?
――「梓ちゃーん。なんか軽音部の先輩が来てるよー」 -
- 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 15:07:35.36 ID:8GLTt4XH0
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そうだ。約束してたっけ。お弁当、作ってきてくれるって。
朝来るのは予想外だったけど
恋人にお弁当作っていくの、夢だったの~。なんて。
すごく嬉しそうに言ってた。
それを思い出して、私も自然とにやけてしまう。
憂「あれ?紬さん」
純「紬先輩?」
紬「おはよう。二人とも」
紬「はい。梓ちゃん。お弁当」
梓「ありがとうございます。お昼に持ってきてくれても良かったのに…」
紬「いいのよ。梓ちゃんの顔見たかったし」 -
- 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 15:09:39.15 ID:8GLTt4XH0
-
その言葉ひとつで、私の顔はふっと熱を帯びる。
こういう所では、やっぱりこの人にはかないそうもありません。
純「あのさー…聞いてもいい?」
梓「だめって言ったら?」
純「もう言ってるようなもんだけどねー」
そうなんだけどね。
あらあら、なんていってこの先輩はお姉さんの笑を浮かべてるし。
憂はわかってるよー。って言いたげに優しく微笑んでいて。
純は純で、ようやくかって感じで。
ちょっと呆れたように。それでも優しく笑ってて。
梓「うん。でも。ちゃんと言っておくね」
梓「私、ムギ先輩と付き合うことになりました!」
おしまい -
- 91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 15:11:02.07 ID:fNNKZ0qc0
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乙!
ムギの可愛さが全面に出ていてよかった
梓もいいな
- 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 15:15:46.41 ID:8GLTt4XH0
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読んでくださった人どうもありがとうございます。
ネタになったデートメーカーって言うのは実際にあります。もちろんお遊びのやつですけど。
もともと別のスレでこの二人の結果が貼られてまして
そのまま書いてみたいなーって思って好き勝手書いてたら予想以上に長くなってしまって…
なんでこっちに投下させてもらいました。
そのスレにいた人がもし読んでくれてたりしたら嬉しいです。
- 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 16:01:16.45 ID:00J5QA3+0
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綺麗に始まって綺麗に終わって良かった乙
ムギも梓も可愛い!
- 106 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01/28(金) 16:40:12.21 ID:4odrbgrC0
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しっかり梓の心情を掘り下げてるのがいいね
面白かった
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| けいおん!!SS
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