≫ EDIT
--.--.-- --
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
| スポンサー広告
| --:--
| comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑
≫ EDIT
2011.05.21 Sat
≫ 続きを読む
- 1 :代理 :2011/05/18(水) 01:45:13.71 ID:kGdn3qSw0
-
和「ふう……久しぶりね、唯の家の近くに来るのも」スタスタ
和「……」
和「……唯、元気かしら?」
唯「お~い、和ちゃ~んっ」タタッ
和「あっ、唯」 -
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 01:47:26.73 ID:6oLSaSVYO
-
唯「わあ、帰って来てるって本当だったんだね!」
和「ええ。大学も慣れてきたし、せっかくの長期休暇だから」
唯「えへへ……え~いっ」ギュウッ
和「あ……」
唯「和ちゃん分補給~♪」ギュー
和「……」
唯「あ、あれ……和ちゃん、もしかして抱きつかれるの嫌?」アセアセ -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 01:50:43.98 ID:6oLSaSVYO
-
和「……どうして?」
唯「だって私が抱きついた途端に黙っちゃったし……ご、ごめんね。昔からの癖でつい……」
和「もう……勘違いしないで、唯」
唯「え?」
和「唯に抱きつかれるのが嫌なわけないでしょ?さっきのはその……久しぶりに唯と触れ合えて、う、嬉しくて……」テレッ
唯「の、和ちゃああああああんっ!」ギュー
和「こ、こらっ///」 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 01:54:35.26 ID:6oLSaSVYO
-
……
唯「それじゃあ私の家に行こっか!」
和「唯も実家に戻ってるんだっけ?」
唯「うん!憂が美味しい料理を作って待ってるよ~」
和「ふふ、楽しみね」
唯「和ちゃんは大学どう?楽しい?」
和「ええ、勉強は大変だけどね。唯はどう?」
唯「私もすっごく楽しんでるよ!軽音部は相変わらず楽しいし、新しい友達も出来たし!」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 01:58:12.34 ID:6oLSaSVYO
-
和「よかったわね」ナデナデ
唯「えへへ……ギターも前より上手になったから、後で私の演奏聞いてね」
和「もちろん。期待してるわ」
唯「期待してて下さい!」
和「勉強は頑張ってる?」
唯「…………が、頑張ってるよ?」
和「……あんまりやってないのね。ダメじゃない、ちゃんとやらないと」
唯「ごめんなさい」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:02:32.85 ID:6oLSaSVYO
-
和「もう……」
唯「あはは、私って昔からいっつも和ちゃんに勉強しなさいって怒られてたよね~」
和「そうね。大学に入ってまで言う羽目になるとは思わなかったけど」
唯「面目ないっす」
和「ふふ、何よそれ」
唯「……ねえ、和ちゃん」
和「……何?」
唯「私ね、大学生活ってすっごく楽しいんだけど、ちょっとだけ不満なこともあるんだ」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:05:16.23 ID:6oLSaSVYO
-
和「一コマの授業が長過ぎる、とか?」
唯「あー、それもあるけど。私の一番の不満は和ちゃんに会えないこと……かな」
和「……勉強見てもらえなくなったから、とかじゃないでしょうね?」
唯「えっ?あ、あははっ、ばれちゃった?」
和「勉強は一人でも頑張らないとダメよ」
唯「う、うん……そうだね」
和「……」
唯「……」 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:08:13.05 ID:6oLSaSVYO
-
和「本当は……」
唯「……」
和「……私も、ね」
唯「え?」
和「唯と会えないのは寂しいし……ちょっと不満……かな?」テレッ
唯「っ!!の、和ちゃああああああんっ!」ギュー
和「……///」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:12:09.69 ID:6oLSaSVYO
-
……
唯「でねでね、澪ちゃんがニコニコ笑っててね……」テクテク
和「へえ……」スタスタ
唯「りっちゃんはそんな澪ちゃんを見ながら呆れつつも嬉しそうでね……」トテトテ
和「そうなんだ」スタスタ
唯「ムギちゃんもね、二人を見ているうちに我慢できなくなっちゃって……」パタパタ
和「ふうん」スタスタ
唯「…………」ピタ -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:16:25.58 ID:6oLSaSVYO
-
和「唯?どうしたの?」
唯「ねえ和ちゃん、さっきから私の話聞いてくれてる?生返事ばっかりだけど……」
和「……ごめんなさい、よく聞いていなかったわ」
唯「あ……あはは、そうだよね。私の話なんて面白くもないし……」
和「……だって、唯とこうやって話ながら帰るの久しぶりだし、何だか意識しちゃって……」
唯「えっ?そ、そうなんだあ。よかった~」ホッ
和「だから……ね?唯のお話、もっと聞かせてほしいな……?」テレッ
唯「の、和ちゃああああああんっ!」ギュー -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:18:23.84 ID:6oLSaSVYO
-
……
唯「とうちゃ~く♪」
和「唯の家に来るのも久しぶりね」
唯「今日はお父さんもお母さんもいないし、着替えなくくつろいでよっ」
和「気兼ねなく、でしょ」
唯「てへっ、そうでした。それじゃあ入ろう」
ガチャッ
唯「うい~、ただいま~」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:20:29.00 ID:6oLSaSVYO
-
憂「お姉ちゃん、お帰り~」
和「お邪魔するわね、憂」
憂「あっ、和さんも!お帰りなさい!」
和「ええ、ただいま」
唯「えへへ……ただいま、だって」
和「……何よ?」
唯「何だか和ちゃんも家族になったみたいだなあって……」 -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:23:00.60 ID:6oLSaSVYO
-
和「な、何言ってるのよ……」
唯「あっ、和ちゃん照れてる~♪」
憂「和さん、ご飯にしますか?先にお風呂にしますか?」
和「もう、憂までからかわないの!」
憂「えへへ、つい」
和「……でも、嬉しいわ。その、ただいま……唯、憂」テレッ
唯「の、和ちゃああああああんっ!」ギュー -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:29:43.39 ID:6oLSaSVYO
-
憂「お姉ちゃんだけずるい!私も~っ!」ギュー
和「わっぷ、憂まで……」
憂「えへへ、和ちゃ~ん♪」
和「呼び名も戻っちゃってるし……もう」ナデナデ
唯「……おかえり、和ちゃん♪」
憂「私ももう一度言うね……おかえり♪」
和「ええ、ただいま」ニコッ -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:32:06.66 ID:6oLSaSVYO
-
……
唯「いっただっきま~すっ」
憂「召し上がれ~♪」
和「……これはまたいっぱい作ったわね、憂」
憂「和ちゃんが帰ってくるって聞いたから張り切っちゃったんだ。いっぱい食べてね?」
和「ええ、ありがと。いただきます」
唯「はむはむ……やっぱり憂の料理は美味しいね~」
和「んっ……そうね。久しぶりに食べたけど、すごく美味しいわ」
憂「えへへ、喜んでもらえてよかった♪」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:33:44.52 ID:6oLSaSVYO
-
和「そういえば唯は寮生活なのよね?食事はどうしてるの?」
唯「むぐっ?うちの寮は食堂があるから気にしなくて大丈夫だよ~」モグモグ
和「食べながら喋らないの。ソースが口についてるわよ」フキフキ
唯「ん……てへへ」
憂「和ちゃんは自炊とかしてるの?」
和「ええ、一応ね」
唯「和ちゃんも料理上手だよね~」
憂「うんうん。久しぶりに和ちゃんの作ったお料理も食べたいなあ」 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:35:43.09 ID:6oLSaSVYO
-
和「ふふ、憂のリクエストなら受けるしかないわね」
憂「本当!?わあ、楽しみっ!」
和「まあ憂ほど上手じゃないけど……楽しみにしててね」
憂「うんっ!」
唯「はいはい、私も私もっ」
和「ええ、分かってるわよ。でも私と憂だけじゃ不公平だから、唯も何か作りなさいよ?」
唯「えっ!?私も!?」 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 02:38:44.61 ID:6oLSaSVYO
-
和「何驚いてるのよ……当り前じゃない」
憂「お姉ちゃんと和ちゃんの手料理……楽しみだなあ♪」
唯「う~、私があまり料理得意じゃないの知ってるくせに~……」
和「もう……馬鹿ね」
唯「えっ?」
和「……唯が私と憂のために一生懸命作ってくれる、それが一番嬉しいのよ?」テレッ
唯「の、和ちゃああああああんっ!」ギュー -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:00:45.30 ID:6oLSaSVYO
-
……
憂「和ちゃん、あ~ん♪」
和「ど、どうしたの憂?いきなりそんなことを言い出すなんて」
憂「だってさっきから、お姉ちゃんばっかり和ちゃんと仲良くしてるんだもん」
唯「ふっふっふ、憂も私と和ちゃんのラブラブオーラに当てられちゃったんだね!」
和「何言ってるのよ」
憂「ダメ、かな……?」ウルウル -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:06:18.52 ID:6oLSaSVYO
-
和「だ、ダメなんて言ってないでしょ?泣かないの、もう……あ、あ~ん……///」
憂「はい、あ~ん♪」
和「んっ」パクッ
憂「美味しい?」
和「ええ、もちろん」
唯「憂が食べさせてくれたからもっと美味しくなったんだよね?」
和「は、恥ずかしいこと言わないの!」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:09:10.80 ID:6oLSaSVYO
-
憂「じゃあ和ちゃん、私もあ~ん♪」
和「……へ?」
唯「いやいや和ちゃん、あ~んしてもらったらやり返すのが礼儀ってもんだよ?」
和「そんな礼儀聞いたこともないんだけど……」
憂「……」ジワッ
和「ああっ!?ほら憂、あ……あ~ん///」
憂「あむっ。美味しい~♪」
和「ま、まったくもう……」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:10:51.55 ID:6oLSaSVYO
-
唯「和ちゃん和ちゃん、私にもあーんして!」
和「唯まで!?」
憂「和ちゃん、もう一回もう一回!」
和「ちょ……もうダメ!終了!」
唯「え~?」
憂「残念……」
和「何でそんなに残念がってるのよ……」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:13:18.78 ID:6oLSaSVYO
-
唯「じゃあ今度、和ちゃんが料理した時にやってね?」
憂「あ、それいいね!」
和「また勝手に決める……。分かったわよ、今度ね」
唯「やった♪」
憂「えへへ~♪」
和「もう……こ、こんな恥ずかしいことをするのはあなたたちだけだからね?」テレッ
唯「和ちゃん可愛いいいいっ!」ギュー
憂「和ちゃああああああんっ!」ギュー -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:17:39.57 ID:6oLSaSVYO
-
……
和「ふわ……ちょっと眠くなって来たわね」
憂「あ、もうこんな時間なんだ……そろそろ寝ようか?」
唯「え~、もっとお話しようよ~」
和「また明日ね、しばらくこっちにいるから」
唯「ちぇ~……」
和「それに唯、あなたも眠いんでしょ?さっきからずっと目を擦ってるじゃない」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:20:23.93 ID:6oLSaSVYO
-
唯「眠いけど……久しぶりに和ちゃんに会えたんだし……」ゴシゴシ
和「ほら、あんまり目を擦っちゃダメよ」
唯「うん……」ウトウト
憂「お布団敷けたよ~」
和「あ、ごめんね手伝えなくて……って」
憂「どうかしたの?」
和「……何でここに3組の布団が用意されたのかしら?」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:23:09.15 ID:6oLSaSVYO
-
憂「えっ?一緒に寝るんじゃないの?」
和「私一人でいいから、唯と憂は自分の部屋で……」
憂「一緒に……寝てくれないの?」ウルウル
和「う……」
唯「和ちゃ~ん、一緒に寝ようよ~」ギュウッ
和「はあ……分かったわよ。三人で寝ましょう」
憂「わ~い♪」
唯「和ちゃんと一緒に寝るのも久しぶりだねえ」 -
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:25:32.62 ID:6oLSaSVYO
-
和「……あんまり抱きついて来ないでよ?」
唯「えへへ、善処します!」
憂「前向きに検討します!」
和「政治家答弁はやめなさい……しょっと」モゾモゾ
唯「和ちゃ~ん♪」ギュウ
憂「和ちゃん♪」ギュー
和「……結局布団に入った途端に抱きついて来てるし」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:27:29.35 ID:6oLSaSVYO
-
唯「和ちゃんは抱きつかれるの嫌?」ニヤニヤ
憂「え?嫌……なの?」ウルウル
和「……唯、私が何て答えるのか分かってて言ってるでしょう?」
唯「憂は分かってないよ~?」
和「もう……唯と憂に抱きつかれて、悪い気分がするわけないじゃない。あったかいし……う、嬉しいわよ。すごく、ね」テレッ
唯・憂「の、和ちゃああああああんっ!」ギュウウッ!
和「こら、寝られないでしょっ///」 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:31:08.58 ID:6oLSaSVYO
-
……
唯「和ちゃん、もう帰っちゃうんだね……」
憂「寂しいなあ……」
和「もうすぐ大学始まっちゃうからね。楽しかったわ、唯、憂」ナデナデ
唯「ん……次こっちに帰ってくるのっていつ?」
和「う~ん……今回みたいに帰省できるのはやっぱり長期休暇の時だけだから……」
憂「そうなんだ……」 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:35:35.02 ID:6oLSaSVYO
-
唯「……」
和「……」
憂「……」
唯「ね、ねえ和ちゃん!今度は私が和ちゃんのとこに遊びに行っても……」
和「ねえ唯、憂」
憂「和ちゃん、どうかしたの?」
和「ちょうどここと今私が一人暮らししてるとこの真ん中くらいに遊園地が出来たの知ってる?」 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:37:14.31 ID:6oLSaSVYO
-
唯「ふぇ?う、うん、一応……」
憂「すごく大きいとこらしいね」
和「実はね、そこのチケットを持ってるんだけど……来週の日曜は空いてるかしら?」
唯・憂「!!!」
和「よかったら一緒に行かない?その……三人で///」テレッ
唯・憂「の、和ちゃああああああんっ!」ギュー!
おしまい -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:38:06.02 ID:6oLSaSVYO
-
短いけど終わり
和ちゃんが原作に再び登場するのを心待ちにしてる
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:40:33.27 ID:9rEu9HLm0
-
乙馴染
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 03:42:02.76 ID:6oBgfW+m0
-
おつ
これで明日も生きられる
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/18(水) 04:03:36.55 ID:ezbIeAP1O
-
乙
この三人の絡みをもっと原作でも見たいです -
▲ Close
| けいおん!!SS
| 10:00
| comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.05.21 Sat
≫ 続きを読む
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 13:40:35.84 ID:b4Q3svx00
-
駅前の喫茶店
唯「私はケーキ!チーズケーキをあるだけください!」
梓「なに言ってるんですか唯先輩!買えませんよそんなに!」
律「じゃあわたしはモンブランをあるだけ全部ください!」
澪「調子に乗るな!」パチコン
律「痛い!酷いよ澪しゃん!」
梓「ムギ先輩はなにを注文しますか?」
紬「私はミルクティーで」
澪「……」
唯「ムギちゃんはいつもミルクティーだよね」
紬「ここのミルクティーが好きなの~」
澪(ムギはいつもミルクティー……)
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 13:45:47.94 ID:b4Q3svx00
-
数分後
唯「ハムッハフハフ!」
梓「汚いですよ唯先輩!もっとお上品に食べましょうよ」
唯「ほへ?」
梓「もう鼻にクリームがついてますよ」スイッペロッ
唯「あずにゃ~ん」ダキッ
梓「ちょ恥ずかしいから抱きつかないでくださいよぉ!」
紬「ニコニコ」
澪「……」
律「澪、お~い澪」
澪「……」
律「澪しゃ~ん寝てるんでしゅか~、起きてくださいよ~」
澪「うるさい!」パチコン!
律「痛い!なんで殴るの!?」 -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 13:55:05.65 ID:b4Q3svx00
-
澪「寝てるわけないだろ!見れば分かるだろ見れば!」
律「へいへいそうですね。ところで今度の旅行についてなんだけどさ!」
澪「旅行じゃなくて合宿だろ、遊びに行くわけじゃないんだぞ」
律「はいはい合宿ね、で今年は一体どうするよ」
澪「どうするって言われてもな、部長なんだからお前が考えろよ」チラッ
唯「ムギちゃ~ん」ダキッ
紬「なあに唯ちゃん?」
唯「今日のムギちゃん良い匂いがするよ!すごいよあずにゃん嗅いでごらん!」
梓「くんくん。うわぁホント良い匂いですね!ぽわ~ってしますよ!」
紬「シャンプーとリンスを新しくしてみたの~。好評で良かったぁ」
澪(わたしも嗅ぎたい……)
律「おい澪」
-
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 14:04:50.60 ID:b4Q3svx00
-
澪「なんだよ」
律「今日のお前はなんかおかしいな、なんか上の空って感じだし、ずっとムギのほうを見てるしよ」
澪「(う、やばい!)そ、それはだな……」
律「わかったぞ!さてはお前ムギのことを……」
澪「違う違う違うよ!あれだ!今年の合宿もムギの別荘を使わしてほしいなぁって思ってただけだよ!」
紬「私の別荘?もちろん使っていいわよ!去年みたいにみんなでゆったり過ごしたいしね」
唯「やったぁムギちゃん太っ腹~」
澪「そ、そういうことだよわかったか律。これで合宿については一件落着だ!」
律「はぁ(なに必死になってんだよ……)」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/17(火) 14:13:45.87 ID:b4Q3svx00
-
律「あずさ~、ほら猫じゃらしだぞ~、ほれほれー」
梓「わたしは猫じゃありません!それよりなんで猫じゃらし持ってるんですか!」
律「梓をあやすために常備携帯してるのです!」
梓「意味わかんないですよ!」
紬「ニコニコ」
澪「……」
澪(ハァ……ムギは可愛いなぁ、なんでこんなに可愛いんだろ)
紬「ゴクゴク」
澪(ミルクティーを飲む姿さえ絵になるなぁ、まるで魔法だよこの可愛さは……)
紬「ニコニコ」
澪(話をしたいけれど何の話をすればいいんだ?よく考えたらムギとあまり話をしたことないな……)
澪「ハァ……」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 14:22:02.06 ID:b4Q3svx00
-
律「あずさ~」
梓「もうやめてくださいよぉ!」
紬「ニコニコ」
澪(わたしは人見知りで口下手だし、ムギを楽しませることはできないかもしれない)
澪(でもここで一歩を踏み出さなければムギと仲良くなんか一生なれないぞ!)
紬「ニコニコ」
澪(野暮な性格がバレちゃうかもしれないけど、ここは頑張って話をしてみよう!)
澪「あ、あのさムギ……」
紬「ん?なに澪ちゃん」
澪「(行け!澪!)実は今度……」
唯「ムギちゃああああん!!!ムギちゃんムギちゃん!」ムギュウウウウ!
紬「あらどうしたの唯ちゃん」
澪(唯いいいいいぃぃぃぃぃぃ!!!) -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 14:29:21.66 ID:b4Q3svx00
-
唯「ムギちゃんの匂いを嗅いでるとすごい落ち着くよ~」
紬「唯ちゃん///なら今度わたしが使ってるシャンプー貸してあげるね」
唯「ありがとありがとムギちゃん!これでまた一歩ムギちゃんに近付けたよ!」
澪(なんでわたしが話しかけようしてるのに邪魔するんだよ唯ぃぃぃ!いつも梓に絡んでるのに!)
唯「ム~ギちゃん」
紬「ゆ~いちゃん」
澪(なんでこんなときに妙に仲が良いんだよ!くやしい!)
澪(ハッ、まさかわざとわたしとムギが会話できないように邪魔してるんじゃ……これが女の連帯感なのか……)
澪(困るね先生とても……)
梓「あの澪先輩」 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 14:37:21.10 ID:b4Q3svx00
-
澪「あ、なんだ梓、なんの用だ」
梓「実はですね……」
律「梓は合宿初めてだろ、だから色々と訊きたいんだってよ」
澪「そうか……(律に訊けばいいだろそんなこと!わたしは今ムギに集中してるのに……)
唯「ムギちゃん、あ~ん」
紬「あ~ん、モグモグ、うんすごく美味しい!」
唯「えへへ~」
澪(ああイチャイチャしやがってえええええええ!!!)
梓「合宿ってどんなことするんですか?」
澪「あ、ああ合宿ね、まぁムギが保有する別荘を借りてそこで練習するんだよ」
梓「ふむふむ」
澪(ハァ……ムギと話をしたいのになぁ……) -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 14:39:48.28 ID:b4Q3svx00
-
数十分後
唯「ケーキ美味しかったね!」
紬「また行きたいね~」
澪「……」
梓「ではわたしはこれで」
唯ノシ「バイバイあずにゃ~ん」
紬ノシ「また明日ね~」
律ノシ「また来世~」
澪ノシ「……」 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 14:49:36.19 ID:b4Q3svx00
-
唯ノシ「バイバイりっちゃん澪ちゃん!」
紬ノシ「また明日~」
律ノシ「じゃあな~」
澪ノシ「……」
澪(ハァ……ムギ行っちゃうのか、もっと一緒に居たいのに……)
紬「澪ちゃん」
澪「え!?な、なんだムギ!?」
紬「じゃあね」ニコッ
澪(ムギイイイイイイイイイイイイイイイイ!ムギがこのわたしのためだけに笑顔をくれた!なんという幸せ……)
澪「ぽわ~ん」
律「おい澪どうした~、また寝たのか~……」
澪「うるさい!」パチコン
律「痛ェ!だからなんで殴るんだよ!」
澪(ハァ……ムギは可愛いなぁ!!!) -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 14:58:51.82 ID:b4Q3svx00
-
次の日 放課後
澪「愛のバクダンもっとたくさん落っことしてくれ~♪」
澪(昨日のムギは良かったなぁ……いやまぁいつも良いけど昨日は特別)
澪「飛び交う人たちのポケットに~♪ WOW~♪」
澪(もしかしてわたしのことが好きなのか?だからあんな飛びきりの笑顔をわたしに……」
澪「……」
澪(いやまさか、そんなのはありえない、だってムギは……)
澪「考えるのはもうやめよう……早く部室行かなきゃ……」スタタタタタッ
部室前
澪「あれ?扉の前に居るのは……」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 15:07:51.69 ID:b4Q3svx00
-
和「……」
澪「なにしてるんだ和?」
和「え!?あ、澪か……」
澪「どうした?また律がなにかやらかしたのか?」
和「いや、そういうわけでは無いんだけど……」
澪「じゃあ唯に用事か?なにか忘れ物を渡しにきたとか……」
和「そうなんだ!じゃあ私生徒会行くね!!」スタタタタタッ!
澪「おい和!どうしたんだまったく……」
ガチャン
紬「……」
澪「あれムギしか来てな……」
紬「ぐす……ううう……」ヒッグ
澪「え……」 -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 15:14:19.95 ID:b4Q3svx00
-
紬「あ……澪ちゃん……」ヒグ
澪「……」
澪「なぁム……」
紬「ご、ごめんなさい!わたし今日はもう帰るね!」スタタタタタッ!
澪「あ、ムギ!」
澪「……行っちゃった」
澪(何で泣いてたんだろう……和となにかあったのかな……)
澪「……」
澪(なにかな?なんなんだろうな……心配だな、でも……)
澪「泣いてるムギも可愛いなぁ!!!付き合いたい!!!」 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 15:21:35.25 ID:b4Q3svx00
-
澪の部屋
澪「……」カキカキ
澪「ハァ……ムギのことが気になって勉強が進まない……」
澪「ベースの練習もなんかやる気が出ないし……どうしよう……」
澪「……」
澪「律に相談しようか……でも」
▽▼▽▼▽▼
律「えぇぇ澪しゅんムギのことが好きなんでしゅかぁぁ!」
唯「りっちゃん♪」
律「澪って女の子が好きだったんですねぇ!キマシタワー!」
唯「りっちゃん♪」
律「じゃあわたしのこともそういう目で見てのか!ひゃっほー!」
▽▼▽▼▽▼
澪「多分冷やかされるからやめとこう」 -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 15:28:21.23 ID:b4Q3svx00
-
澪「ハァ……とにかく勉強に集中だ勉強に!」
澪「……」カキカキ
澪「……」
紬『ぐす……ううう……』
澪「ダメだ!ムギの泣き顔が頭から離れない……」
澪「どうしよう……授業の内容はこんな時は全然使えないよ……」
澪「厳しいね人生というのは……先生とても……」グスッ
澪「……もう寝よ」
2時間後
澪「zzz……」 -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 15:33:38.82 ID:b4Q3svx00
-
日本武道館
唯『どうも~放課後ティータイムです!!」
ウオオオオオオオオ!!!!!
律『わたしたちのライブにようこそーーーー!!』
ウオオオオオオオオ!!!!!
梓『もう立てなくなるぐらいまで思いっきり楽しんでいってください!」
ウオオオオオオオオ!!!!!
澪『……』ドキドキ
紬『澪ちゃん!』
澪『ム、ムギ!な、なんだ!』 -
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 15:45:54.51 ID:b4Q3svx00
-
紬『そんな緊張しないで、もっと肩の力抜いて』
澪『こ、こうか?』
紬『そうそう!もっとリラ~ックスしてね、そうじゃなきゃせっかくのステージを楽しめないわよ』
澪『そうだな』
紬『夢に見てた武道館のステージよ!悔いの無いように楽しみましょ!』
澪(ムギの言う通りだ、せっかくのステージ、楽しまなきゃ損だ!)
ウオオオオオオオ!!!!!!
澪(大丈夫!わたしには律たちが居るし、それに……)
紬『ニコニコ』
澪(愛するムギが見てる!ムギの前で無様な姿なんか見せられない!)
澪『イエーイ!みんなノッてるかい!それじゃあ行くぞ!1,2,3……』ジャガジャン
ウオオオオオオオオ……
澪「ハッ!夢か!」 -
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 15:53:32.22 ID:b4Q3svx00
-
澪「ああ良い夢だったなぁ……ムギと一緒のステージに立ってさ……」
澪「……」
澪「これが現実だったらなぁ……」グスン
澪「出来れば一緒のステージで演奏したいよ、キラキラと光を浴びて二人……」
澪「それでいて恋人同士だったら最高だなぁ……」
澪「……」
澪「ホントは誰か好きな人が居ること知ってる……けれど……」
澪「……」
澪「寝よ……」 -
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 15:59:41.72 ID:b4Q3svx00
-
次の日 部室
梓「早く練習しましょうよ!」
律「まぁ落ち着きなさい梓よ、まずはこの紅茶を嗜んでからだ」ズズズッ
梓「さっきから何杯飲んでるんですか!さすがに飲み過ぎですよ!」
紬「いいのよ梓ちゃん、まだまだたくさんあるから!」フンス
梓「そういう問題じゃありません!」
唯「あずにゃ~ん!!」ダキッ
梓「離してくださいよ先輩!時間を無駄に消費してるだけですよこれじゃ!」
さわ子「いいじゃない梓ちゃん、そう生き急いだってなんにも良いことないわよぉ」
梓「そんなぁ先生……」
紬「ニコニコ」
澪「……」 -
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 16:07:42.61 ID:b4Q3svx00
-
澪(いつも通りのムギだな……あの涙はなんだったんだ……)
唯「ムギちゃんおかわり!」
紬「はいは~い」コポコポ
澪(ムリしてるのかなやっぱり……)
梓「良いんですかムギ先輩?この紅茶けっこう高そうですし……」
紬「大丈夫よ~全部もらいものだから」
澪(ムリしてる感じには見えないけど……)
澪(ああもうどうしよう!この上手くいかない恋!)
さわ子「なかなか高級な紅茶ねこれは」フフン
澪(こんなとき……もっと大人になりたいよ……) -
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 16:16:25.50 ID:b4Q3svx00
-
澪(誰もが悩んだことなのかなこういうのは……)
唯「あずにゃ~ん!」
梓「やめてくださいよぉ~!」
律「お前らは相変わらずラブラブだなぁ」
梓「そんなこと無いです!」
澪(唯や律も梓も恋をしてるのだろうか……)
さわ子「この時間が一番落ち着くわぁ」
澪(先生なんかはたくさん恋してそうだな……そのたびに失恋してそうだけど……)
澪「……」
澪「せんせーーーー!!!!」
さわ子「は、はいぃ!?」
澪「いえなんでも」 -
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 16:29:26.66 ID:b4Q3svx00
-
律「ど、どうしたんだよ急に叫び声なんか出して……」
唯「ひょっとして具合でも悪いの!?」
澪「いやなんでもない、気にしないでくれ」
律「そうか……」
澪(よく考えたら卒業まであと1年半……そしたらみんなとも離れ離れになってしまう……)
紬「ニコニコ」
澪(当然ムギとも離れてしまう……今みたいな楽しいひと時は二度とは戻ってこない……)
唯「あずにゃん、あ~ん」
梓「自分で食べれますよぉ!」
澪(だからこの二度とは戻らない時間を笑って歌って……) -
-
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 16:44:15.87 ID:b4Q3svx00
-
律「おでこフラッシュ!」
梓「まぶしいですよ律先輩!」
澪(ずっと忘れないいつまでもこの恋……)
さわ子「良いわねェ唯ちゃんは、そんなにお肌がつやつやで……」
唯「えへへ~」
澪(この痛みを忘れない……わたしがムギに恋した証拠だから……)
澪「忘れない~恋心~♪」
紬「ん?どうしたの澪ちゃん?」
澪「みんな!新しい歌詞を考えたぞ!」
澪「彼女はいつもミルクティー」 完 -
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 16:45:51.17 ID:2xgg0Ci40
-
え?
ムギの涙の訳は?
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 16:47:25.00 ID:b4Q3svx00
-
歌が終わったので話も終わり
>>73
和ちゃんに振られてので涙を流してましたお
- 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 16:48:53.08 ID:2xgg0Ci40
-
分かった
ここで終わるのは惜しいけど乙と言わせてもらおう
- 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2011/05/17(火) 16:55:15.22 ID:yU96zW0l0
-
面白くなりそうだったから色々残念だけどここで終わりにするというのも分からなくはない
乙
▲ Close
| けいおん!!SS
| 09:30
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.04.20 Wed
≫ 続きを読む
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 05:20:26.26 ID:9Yov2kTA0
-
律「右手がグー。左手がチョキ」
澪「うん」
律「かたつむりー、かたつむりー」
澪「そうか」
律「……これはまぁわかる」
澪「うん?」
律「これはまだかたつむりだよな」
澪「かたつむりだね」 -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 05:24:18.21 ID:9Yov2kTA0
-
律「右手がパーで左手がチョキで」
律「クージャークー、クージャークー」
律「馬鹿にしてんのかぁっ!」
ブォンッ!
澪「ねぇ今投げたの私のウサちゃんだぞ」
律「なんでチョキの頭でクジャクなんだよ!奇形か!ケロベロスか!」
澪「どっちかと言うとドル・ドラじゃないか?」
律「は?」
澪「何でもない」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 05:29:13.52 ID:9Yov2kTA0
-
律「……ごめん」
澪「何が?」
律「ぬいぐるみ投げて、ごめんな」
澪「いや……別にいいけど」
律「代わりに私が澪のぬいぐるみになる」
澪「それはどうも」
律「はい!好きにしてください!」
澪「ちょうどいいサンドバッグができた」
律「!……」
澪「嘘だよ」
律「……そっか」
澪「なんでちょっと残念そうな顔をする」 -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 05:33:19.91 ID:9Yov2kTA0
-
律「私、澪に殴られるの嫌いじゃない……かも」
澪「……」
ススス
律「引かないでよ澪しゃぁん!」
澪「いや、無理。ごめん」
律「澪しゃぁぁぁん!」
グリグリ
澪「顔をうずめるな!ぶつぞ!いやだめだ!」
律「うひひひひ、どうぞ!」
澪「いやぁ!どうしよう!」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 05:37:26.50 ID:9Yov2kTA0
-
ガチャ
梓「お楽しみのところすいませんが梓です」
律「あれ?なんで梓が?」
梓「澪先輩がDSを貸してくれるそうなので」
澪「そう言えば呼んだな」
梓「で、何してるんですか?」
律「梓ちゃんにはちょっと早いことだよ」
梓「きゃー」
澪「こらこら」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 05:44:12.41 ID:9Yov2kTA0
-
澪「えーと、DSDS……どこにやったっけ」
律「梓はどんなゲームやるんだ?」
梓「そうですね……怒首領蜂やアーマードコア、最近はFPS物にもハマってます」
律「ひとつもわかんないや」
澪「DSDS……あ、あった。はい、梓」
梓「ありがとうございます」
律「初期のかよ」
梓「私が初期のを貸してくださいって言ったんです」
律「なんで?」
梓「マリカーでドリフトしやすいですからね」
律「ふぅん……」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 05:48:37.31 ID:9Yov2kTA0
-
梓「借してくれたお礼はどうしましょうか……」
澪「いいよそんなの」
律「じゃあ何かおもしろいダジャレ言って!」
澪「おいっ」
梓「ダ、ダジャレですか……」
澪「梓、こんなマゾヒストの言うこと聞かなくていいんだぞ」
梓「マゾヒスト?なんですかそれ」
律「梓ちゃんにはちょっと早いことだよ」
梓「きゃー」
律「いいからダジャレ言ってくれ」
梓「ああはい……えーと」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 05:52:50.24 ID:9Yov2kTA0
-
梓「……猫が、きゃっと驚いた」
律「……」
澪「……」
梓「キャット……猫だから」
梓「……です」
律「梓にはちょっと早かったな」
澪「梓、おいで」
梓「み……澪せんぱうぃぃぃ!」
ガバッ
澪「泣いていい。梓は泣いていいんだよ」
律「私もー!」
澪「お前は半径50cm近づくな」
律「oh……」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 06:02:30.56 ID:9Yov2kTA0
-
梓「はぁ……泣き疲れました」
律「澪の服が梓の体液だらけになったな」
澪「別にいいよ」
梓「……マーキングです」
澪律「え?」
梓「いえ何も」
律「あ、そういえば澪に見せたい物があったんだ」
澪「どれ?」
律「知恵の輪。解けた」
澪「そうか」
律「でも澪と私の知恵の輪は、どんなに知恵がある奴にも解けないよな……」
梓「ひゅーひゅー」
澪「意味わからん」 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 06:09:56.61 ID:9Yov2kTA0
-
律「だから私と澪はこの知恵の輪とは違ってどんなに器用な人でも」
澪「いい、いい。説明しなくていい」
律「つまり私と澪ちゃんラブラブゲッチュー!」
澪「うっとうしい……」
梓「なんかうらやましいですね。律先輩と澪先輩の関係って」
澪「どこが?」
梓「お互いどんなことも遠慮なく言えて……お互いにお互いを信じあってるみたいな」
梓「私はそういう人がいないから……」
澪「……」
律「……」
澪(律のせいで変な空気になったじゃないか……)
律(私のせい!?) -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 06:18:51.03 ID:9Yov2kTA0
-
澪(なんか言ってあげろよ……)
律(いいこと思い付いた!澪、耳かして)
澪(うん?)
律「ふぅっ」
澪「あひゃん//」
梓「え」
澪「律、ちょっと部屋の外に出ような」
律「優しくしてね……」
梓「え?何しにいくんですか?」
澪「梓にはまだ早いことだよ」
梓「きゃー」
純「おわり」
憂「何これ?」
純「知らない」 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 06:20:19.83 ID:frrDHog1O
-
完全に徹夜のテンションで書いてただろ
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/04/20(水) 06:24:08.29 ID:ZmrZ8cfe0
-
何これ
乙
▲ Close
| けいおん!!SS
| 15:00
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.21 Mon
≫ 続きを読む
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 14:36:39.50 ID:HpVh9/C50
-
律「何やってんだ澪」
澪「雪だるまってる」
律「何でだよ」
澪「分からない、どうしてだろう」
律「私もわからん」 -
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 14:42:53.33 ID:HpVh9/C50
-
律「寒くないか?」
澪「いや、大して寒くない」
律「そうか」
澪「むしろ顔だけ野ざらしだから寒い」
律「じゃあ顔も雪で覆えばいいじゃん」
澪「そうしたらそれはもはや私じゃない」
律「そうか」 -
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 14:54:43.63 ID:HpVh9/C50
-
律「で、いつまでそうしてるんだ?」
澪「春になるまで……かな?」
律「長いな」
澪「と言っても立春は超えてるんだけどな」
律「じゃあもういいだろ」
澪「いや、もうちょっと……雪解けまで我慢してくれ」
律「我慢するのはお前じゃないのか?」 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 15:11:23.64 ID:HpVh9/C50
-
律「で」
澪「?」ゾゾゾ
律「移動できるんかい!」ボスッ
澪「雪バリアー」ポフッ
律「ぎゃあ! 冷たい!」
澪「へへーん」
律「……ったく、移動できるんなら室内に行こうぜ、寒いだろ」
澪「室内に行くと融けちゃうからダメなんだ」
律「いや、融かそうぜ」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 15:25:18.98 ID:HpVh9/C50
-
澪「律は酷い事を言う」
律「どれだよ」
澪「律は私が融けても何も感じないって言うのか」
律「いや、融けたら元の澪に戻るだろ?」
澪「……」
律「え……?」
澪「……ソ、ソウダヨ!」ニコォ
律「嘘だ、嘘をついてる顔だ」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 15:35:44.00 ID:HpVh9/C50
-
澪「つまり」
律「澪は雪だるまになったから、融けたら死んでしまう」
澪「と言うわけだ」
律「何か不服だ」
澪「だから融かさないでね」
律「どこまでが本当なのかさっぱり」
澪「全部本当だよ」 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 15:49:41.61 ID:HpVh9/C50
-
唯「あ、りっちゃんと……澪ちゃん!?」
律「おっす唯」
澪「唯、実は私……」
唯「大変! 澪ちゃん、今助けるよ!」ザクザク
律「おいやめろ!」
澪「あ、ゆ、唯……そこは……ダメ……」
律「お前もエロい声出すな」ボスッ
澪「雪バリアー」ポフッ
律「冷たっ!」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 16:00:57.83 ID:HpVh9/C50
-
唯「ど、どういうこと……?」
律「見事に開通したな」
澪「エロいこと言うな」
律「いや、現状を正確に表現しただけだぞ」
唯「これってマジックだよね!? タネも仕掛けもあるんだよね!?」
澪「ないんだな、それが」
唯「そんな……そんな……」
律「埋めとくぞ」ウメウメ
澪「すまんな」 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 16:14:04.88 ID:HpVh9/C50
-
律「じゃあな澪、また明日」
澪「明日は吹雪くといいな」
律「私は嫌だよ」
律「ほら唯も」
唯「うっ……ぐすっ……」
澪「唯、大丈夫だ、私が雪だるまっただけじゃないか」
唯「……」
澪「ほらほら、いつまでも泣いてないで」ナデナデ
唯「……冷たい」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 16:27:38.50 ID:HpVh9/C50
-
澪「ヒマだなぁ」
澪「ベース置いて来ちゃったし」
澪「ぶぶんぶんぶんぶん♪」
澪「ヒマだなぁ」
梓「澪先輩!」
澪「あ、梓」
梓「本当に雪だるまなんですね」
澪「ああ、律に聞いたのか?」
梓「はい、今さっき」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 16:39:35.29 ID:HpVh9/C50
-
律「どうだ、見事な雪だるまだろ」
梓「はい、交じりっけない真っ白な雪でできてます」
澪「恥ずかしい」
梓「あ、ごめんなさい」
澪「恥ずかしさでちょっと融けちゃった」
律「今日は暑いしな」
梓「大丈夫ですか?」
澪「ヤバくなったら転がってそこら中の雪をかき集めるさ」
律「シュールだな」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 17:02:45.72 ID:HpVh9/C50
-
律「そういえば」
澪「なんだ? お腹でも壊したか?」
律「何でだよ……ムギがな、卒業旅行しないかって言っててさ」
澪「卒業旅行?」
梓「私はぼっちですか?」
律「いや、梓もついてこいよ」
律「……で、どこ行こうかって話してたんだけど」
澪「ハワイが良い」
律「融けるだろ」
澪「ふふ、冗談だよ」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 17:15:03.01 ID:HpVh9/C50
-
律「で、澪のためにスキーか何かへ行こうかなって」
澪「寒そう」
律「お前は大丈夫だろ」
梓「私寒いの苦手です」
律「お前のことは聞いてない」
澪「でもタイミングを間違ったら大変だったな」
律「?」
澪「受験生に滑るはご法度だろ」
律「ああ、そう言う意味か」 -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 17:29:44.33 ID:HpVh9/C50
-
律「じゃあまたな」
澪「……ありがとう」
律「ん?」
澪「いや、こ、こんぺいとうみたいな雪だなって!」
律「そうかなぁ」
梓「さようなら」
澪「あ、ちょっと待って」
律「何だ?」
澪「次来る時はベース持ってきて、一人だとヒマなんだ」
律「なるほど、じゃあ持ってくるよ」
澪「ありがとうな」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 17:45:35.06 ID:HpVh9/C50
-
澪「ぶぶんぶんぶんぶん♪」
紬「澪ちゃんいる?」
澪「おおムギ久しぶり」
紬「りっちゃんから聞いてるわよ、大変そうね」
澪「いや、慣れれば大したことないよ」
紬「それよりさっき口ずさんでたのはベース?」
澪「聞いてたのか」
紬「うふふ♪」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 18:04:09.97 ID:HpVh9/C50
-
紬「はい、ベースよ」
澪「あ、ありがとう」
紬「りっちゃんがこれ持ってけって」
澪「あ、その……律は?」
紬「風邪引いちゃったらしいわ」
澪「……」
紬「澪ちゃんのせいじゃないわよ」
澪「ごめんな、気を遣わせて」 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 18:17:11.58 ID:HpVh9/C50
-
紬「……卒業旅行だけど」
澪「ああ、スキーだっけ」
紬「うん、別荘の手配もできたし、そこまで澪ちゃんを運んであげるわよ」
澪「ありがとう、ムギには世話になってばっかりだ」
紬「いいのよ、世話を焼くのも私の趣味だから」
澪「変わってるよな」
紬「そうかしら?」
澪「ああ、ムギはすごく優しくて素敵だ」
紬「うふふ、そんなこと言ってりっちゃんが嫉妬しないかしら♪」
澪「それはないない」
紬「あらそう?」
澪(あいつは鈍感だからなぁ……) -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 18:34:03.04 ID:HpVh9/C50
-
紬「じゃあ私はこれで」
澪「うん、またな」
紬「あ、忘れるところだった!」
澪「?」
紬「はい、イチゴショート」
澪「真っ白で赤いのがぽつんとしてて……雪だるまみたいだな」
紬「食べられる?」
澪「うん、ありがとう、後で食べるよ」
紬「じゃあね」
澪「……」 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 18:45:33.81 ID:HpVh9/C50
-
澪「今日は吹雪か」
澪「寒くて気持ちいいな」
澪「でもヒマだなぁ」
澪「ベース弾こうか」
澪「……」
澪「ケーキ」
澪「……」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 18:55:50.52 ID:HpVh9/C50
-
澪「ポツリ心コロリ恋ぬけがら~♪」
律「おう澪、久しぶり!」
澪「おお律、風邪治ったのか」
律「ああ、おかげさまでな」
澪「何がおかげさまなのやら」
律「それより、ベースは?」
澪「ああ、ベースは……弾けなかった」
律「?」
澪「弦で指が裂けちゃうんだよな」
律「そうかー……」 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 19:08:46.49 ID:HpVh9/C50
-
澪「ところで、私は今日実に機嫌が良い」
律「昨日吹雪だったからか」
澪「うん、それと……」
律「それと?」
澪「いや、何も考えてなかった」
律「おいおい」
澪(本当は律が来てくれたからなんだけどね)
律「今恥ずかしいこと考えなかったか?」
澪「何言ってるんだ、殴るぞ?」
律「冷たいのは勘弁だ」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 19:21:15.00 ID:HpVh9/C50
-
澪「そういえば旅行の件はどうなった?」
律「ああ、卒業式とかあるから早めがいいよな」
澪「というか早くしないと雪なくなるぞ」
律「……そうだな、早くしないとな」
澪「決まったら教えて」
律「ああ、必ずメール……はできないのか」
澪「うん、だから来て報告してくれ」
律「分かった、必ず言いにくるよ」
澪「……きっかけきっかけ」
律「ん?」
澪「ゆ、ゆきかけゆきかけ! 新しい技!」
律「意味分からん」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 19:32:32.90 ID:HpVh9/C50
-
澪「キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI~♪」
律「おっす澪」
澪「ひゃう!」
律「何だよ変な声出して」
澪「キコエテナイキコエテナイ……」
律「歌の練習ぐらいで恥ずかしがるなよ」
澪「雪ぱーんち!」ポフッ
律「うわっ! 冷たっ!」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 19:44:20.73 ID:HpVh9/C50
-
律「件のスキーだけど」
澪「うん」
律「今日行くことに決まりました」
澪「なんと唐突な!」
律「と言う訳でみなさんご入場~」
唯「久しぶり~」
梓「ご無沙汰です」
紬「準備はできてるわ」
憂「お姉ちゃんが心配で……」
和「唯が心配で……」
純「みんなが行くと言うので」
澪「後ろの動機がなんともいえない」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 19:56:10.60 ID:HpVh9/C50
-
紬「じゃあ澪ちゃんはこのトラックに乗ってね」
澪「トラックの生もの運ぶところで搬送される経験なんてなかなかできないな」
律「一人で寂しいかもしれないけど、ちょっと我慢しろよ」
澪「そのくらい全然大丈夫だよ」
律「そうか、それは良かった」
唯「じゃあいこっか」
憂「うん!」
梓「では雪山で」 -
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 20:12:56.91 ID:HpVh9/C50
-
律「冬だ―!」
唯「雪だ―!」
律「滑るぞー!」
梓「はしゃぎ過ぎです」
紬「澪ちゃんが運ばれてくるまで我慢よー」
純「スキーとか初めて!」
憂「私が教えてあげるね」
和「あのトラック、澪のよね」
紬「本当だ」 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 20:24:15.38 ID:HpVh9/C50
-
澪「みんな先についてたのか」
律「おうよ、一足お先に」
唯「結局スキーの準備に手間取ってたからあんまり待たなかったけどね」
澪「それは良かった」
和「で、澪はスキーできるの?」
澪「ああ、板付けなくても雪の上なら自由に滑れるんだ」ススー
純「わぁ、便利!」
憂「純ちゃん板外れてるよー」 -
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 20:38:27.16 ID:HpVh9/C50
-
唯「ひゃー」ススー
紬「しゃらんら~」ススー
和「じゃあ私麓まで行くね」ススー
律「あいつら上手すぎだろ」
憂「私とお姉ちゃんはよく旅行で行ってましたから」
純「憂羨ましいー」
梓「全くだよ」
澪「私達は私達で滑ろうか」
律「ああ」 -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 20:50:24.61 ID:HpVh9/C50
-
唯「ちょっかっこー!」ススー
紬「私も!」ススー
和「私は普通に滑るわね」
澪「もっと姿勢をまっすぐにして」
律「うぬぬ」
純「ぐはぁ!」ステーン
憂「初めは転んで慣れるしかないよね」
梓「純は転び過ぎだけどね」 -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 21:01:10.70 ID:HpVh9/C50
-
澪「なんだか楽しいな」
律「ん?」
澪「みんな一緒になって雪遊び、まさに青春じゃないか」
律「あれ、風が強くなってきたかな」
澪「寒くないって」
律「あはは、ごめんごめん」
澪「……春、か」
律「ん?」
澪「あ、ああ、遥か彼方までこの想い届けってな感じで」
律「意味分からん」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 21:13:35.88 ID:HpVh9/C50
-
唯「スキーと言えばカレーだよね!」
律「いや、ラーメンだろ!」
唯「ビギナーのくせに!」グヌヌ
律「子供舌のくせに!」グヌヌ
和「じゃあ私うどんにするね」
梓「全く……子供ですか!」
紬「澪ちゃん、暖かいものしか無くてごめんね」
澪「あ、ああ、私は……お腹減ってないから!」
律「むしろ滑ってて増えたんじゃないのー?」ニマニマ
澪「太ってない!」 -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 21:27:39.24 ID:HpVh9/C50
-
律「あれ? あれってさわちゃんじゃね?」
澪「本当だ」
律「ははは、八の字だ!」
澪「人のこと言えないだろ」
律「でも意外だな、さわちゃんならもっとぐぉんぐぉん速度出してるイメージが」
澪「私はスノボー派だと思ってた」
律「わかるわかる」
澪「あ、転んだ」
律「その勢いで雪だるまになれば面白かったのに」
澪「律は酷いことを言う」 -
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 21:43:20.75 ID:HpVh9/C50
-
澪「……」
律「どうした、澪」
澪「ごろごろー」
律「!?」
澪「……」チラッ
律「お前はもう雪だるまだし」
澪「やっぱりダメか」 -
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 21:54:15.30 ID:HpVh9/C50
-
憂「純ちゃん大分上手くなったね!」スイー
純「ふふーん、私はやればできる子だからね」スイー
梓「どの口が言うか」スイー
律「なぁ澪」
澪「ん?」
律「来て良かったか?」
澪「ああ、良かった」
律「そうか、それなら良かった」
澪「うん、大分大きくなったし」
律「雪の話かよ」 -
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 22:08:29.67 ID:HpVh9/C50
-
紬「じゃあまたねー」ブロロロー
唯「はぁ、スキーすると汗かいちゃうよねー」
憂「帰ったら一緒にお風呂だね、一緒に♪」
唯「うん!」
純「ああ、疲れた……普段使わない筋肉使ったわ」
梓「ぷっ……純ババ臭い」
純「笑うなぁ!」
和「じゃあ私先に帰るね」 -
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 22:23:43.27 ID:HpVh9/C50
-
澪「律、今日はありがとうな」
律「なんだよ改まって、だいたいそれはみんなに言ってくれよな」
澪「じゃあ律から伝えてくれ」
律「何だよそれ、私達いつだって会えるだろ?」
澪「……ああ、そうだけどさ、何だろ……恥ずかしいから」
律「ああそうか、じゃあみんなには恥ずかしがり屋の澪がみんなに
ありがとう、またスキー行こうな、って言ってたって伝えるよ」
澪「そこまで言ってないだろ」
律「いいじゃんいいじゃん、編集としてさ」
澪「殴るよ?」
律「冷たいのはやめて」
澪「雪ぱーんち」ポフッ
律「やめてって言ったのに!」 -
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 22:34:27.84 ID:HpVh9/C50
-
律「おっす澪」
澪「おっす律」
律「最近暖かいけど体は大丈夫か?」
澪「ああ、大分雪山で大きくなったからな」
律「見るからにお腹が大きくなったようで」
澪「雪ぱーんち」ポフッ
律「ごめんなさい冷たいです」 -
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 22:47:27.85 ID:HpVh9/C50
-
澪「お腹と言えば」
律「?」
澪「外国では雪だるまは3段がスタンダードらしい」
律「どこからそんな話になる」
澪「腹、3段腹、3段みたいな」
律「複雑だな」
澪「私も3段が良いな」
律「何でだ?」
澪「3段あればボンキュッボンになれる」
律「元々そうだった人に言われたくはない」
澪「そうだ、律も雪だるまになろうよ、そうすれば……」
律「それは暗に私がまな板だって言いたいのかい澪さん」 -
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 22:56:21.90 ID:HpVh9/C50
-
澪「もし3段になったら会話も英語だな」
律「私英語聞いただけで発狂するよ」
澪「あー、アイアムスノーマン」
律「きょええええええええええ!」
澪「!」
律「発狂した」
澪「あー、びっくりした」
律「へへへ」 -
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 23:04:34.55 ID:HpVh9/C50
-
律「そういえば英語だと雪だるまってスノーマンなのか」
澪「そうだな」
律「女の雪だるまは前例がないのか」
澪「今の時代男だろうが女だろうが名前は統一するもんだ」
律「男女平等社会?」
澪「うん、よくわからないけど」
律「じゃあスノーミオでいいや」
澪「名前じゃん」
律「名前だな」
澪「日本語にしたら」
律「ゆきみおだな」 -
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 23:21:35.20 ID:HpVh9/C50
-
澪「そういえば一生のうちで言ってみたい台詞があるんだ」
律「なんだい言ってごらんなさい」
澪「さよならなのだ」
律「うわぁ縁起悪い」
澪「この台詞は勇敢な雪だるまによるカッコいい台詞なんだぞ」
律「実際は言ってないんだけどな」
澪「え、そうなの?」
律「だから澪も言わなくていいのだ」
澪「そうか、じゃあ言わないのだ」 -
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 23:31:43.45 ID:HpVh9/C50
-
澪「じゃあこんなのはどうかな」
律「今度は何だ」
澪「ぼくのことをおぼえててくれてありがとう」
澪「ぼく、きみがむかしすきだったおんなのこのなまえしってるよ」
律「誰に対して言ってるんだ」
澪「一応律に、他人の好きだった女の子の名前とか知らないし」
律「私のは知ってるって言うのか」
澪「言わせんな恥ずかしい」
律「一応言っておくけど好きな女の子とかいないからな」
澪「がーん……」
律「?」 -
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 23:42:30.53 ID:HpVh9/C50
-
澪「あ、そろそろ暗くなるぞ」
律「おお、悪いな心配かけて」
澪「いや、私は律と話す時間は長いほうがいいと思ってるから」
律「にくいこと言ってくれるじゃないの」
澪「一人だと寂しいしヒマ」
律「おいおい」ボスッ
澪「雪バリアー」
律「なんの、雪クロスカウンター」ボスッ
澪「雪バリアーが破られた!」
律「冷たっ」 -
- 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/20(日) 23:57:21.51 ID:HpVh9/C50
-
澪「……もうすぐは~るですね~♪」
澪「……」
澪「暖かいなぁ」
澪「眠くなってきた」
澪「何だっけこういうの」
澪「春はあけぼの?」
澪「……」
澪「あ、春眠暁を覚えずか」
澪「……」 -
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/21(月) 00:05:41.91 ID:FHymJXOj0
-
律「ふぅ、今日はいっそう暖かいなぁ」
律「あ、雪融けかかってら」
律「……!」
律「澪!」 -
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/21(月) 00:18:59.13 ID:FHymJXOj0
-
澪「……」
律「おい澪、大丈夫か」
澪「……」
律「まさか死んだりとかしてないよな」
澪「……」
律「おい!」
澪「……ん、寝てた」
律「驚かすなよな……」
澪「どうした律、目が赤いぞ」
律「花粉症だよ!」
澪「もうそんな時期かぁ……」
おわり -
- 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/21(月) 00:26:05.26 ID:FHymJXOj0
-
全体的に投下が遅くてすみませんでした
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/21(月) 00:26:53.52 ID:RsCX8ysO0
-
おつおつ
雪とけたのか…?
すごく好きな空気感だった
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/21(月) 00:29:23.34 ID:y1M6j8200
-
乙うい - 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/21(月) 00:29:56.42 ID:+dxCwSspO
-
おつ
▲ Close
| けいおん!!SS
| 18:00
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.20 Sun
≫ 続きを読む
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 21:09:31.54 ID:8b8q7oXbO
-
律「えーそれでは、学祭ライブのボーカルをだれにするか、なんだけど……」
澪「はい!」
律「なんだ、澪」
澪「わたしにやらせてください!」
唯「……!?」
紬「……!!」
律「……マジすか?」
澪「マジです!」ふんすっ -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 21:14:30.35 ID:8b8q7oXbO
-
紬「澪ちゃん、むりしなくてもいいのよ?」あせあせ
唯「……ん。わたしがやってもいいから……」
澪「いや、ぜったいわたしがうたう!」めらめら
律「だっておまえ、カラオケですらいやがってたくせに……」
澪「……みんな、このうただけは、わたしにまかせてほしい」
唯「澪ちゃん……」
澪「これにはとくべつな思いがこめられてるんだ。だから……」
律「澪……わかったよ」 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 21:20:14.34 ID:8b8q7oXbO
-
律「んじゃー、ボーカルは澪でけってーい!」
澪「律、ありがとう」
唯(……澪ちゃん、なんかもえてる)
唯(……あたりまえだよね。軽音部さいしょのライブなんだから)
唯(わたしも、じぶんにしかできないことをがんばらなくちゃ!)ぐっ
唯(……でも)
唯(わたしにしかできないことって、なんだろう。うーん……)
律「唯、澪にほれなおした?」によによ
唯「そんなわけないでしょ」ぷいっ -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 21:28:04.37 ID:8b8q7oXbO
-
紬「あのー」
律「はい、どったのムギ?」
紬「ライブの衣装について、なんですけど……」
澪「せいふくじゃないの?」
紬「父の経営するおみせから、こういうのかりてきたんだけど……」ひょい
律「……おお、ヒラヒラ」
澪「そ、そんなのきて、演奏するの?」がくがく
律「とりあえず試着してもらおうぜ、唯に」にたり
唯「ほえ?」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 21:31:54.23 ID:8b8q7oXbO
-
数分後!
唯「~~~~~」ぷるぷる
律「んふふ、すっごくにあってますわよ唯ちゅわん」うぷぷ
紬「かわいいわぁ、唯ちゃん!」にこにこ
澪「……ゅぃ」
唯「……あ、あに?」がうー
澪「かっわいいいよぉぉおおおお!」だーいぶ
唯「わああぁあ!?」びっくぅ -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 21:36:13.10 ID:8b8q7oXbO
-
澪「ゆーい、んー」すりすり
唯「は、はにゃして……じゃなくて、はなして!」ぺちぺち
澪「やーだ!律、カメラカメラ!」
律「おうよ!まーかせとけ!」
唯「~~~~~!!!!」ばたばた
澪「唯、ほらわらって!カメラのほうむいて!」
唯「……う、う……」
澪「んー?」
唯「うなー!」どぅん
澪「ほああああ!?」ぽてっ
紬「衝撃波!?」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 21:40:02.83 ID:8b8q7oXbO
-
唯「わたしぜったいきないからね!」うがー
律「どーしてさ」
唯「こんなはずかしいのきて、演奏なんかできないもん!」
律「なあゆいー」
唯「いや!」ぷい
澪「ゆーい」
唯「いや!」ぷい
律「ラーメンだけじゃ?」
唯「やだ!」
律「餃子もつけなきゃ?」
唯「やだ!」
澪「すごい拒否反応……」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 21:44:36.00 ID:8b8q7oXbO
-
紬「……えっと、わたしはすごくかわいいとおもったんだけど……」おずおず
唯「うっ」
紬「……ごめんなさいね、やっぱりかえしてくるわね」ぐすっ
唯「ぁ……」
紬「……くすん」
唯「……」ぎゅ
紬「唯、ちゃん?」ぐすっ
唯「……やっぱり、きてみるよ」てれてれ
紬「……ありがとう、うふふ」にこー
律(ムギが泣きおとし……)
澪(おそろしい子) -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 21:54:55.59 ID:8b8q7oXbO
-
澪「ゆいー、こっちむいてー」
唯「てい」べし
澪「あてっ」ひりひり
唯「とっていいなんていってないもん」つんっ
律「そーだよなー。撮影料をもらうけんりがあるよなー」
澪「……しかたないな、唯」
唯「ん?」
澪「……」ぎゅー
唯「!?」
澪「撮影料、たしかにはらったよ」
唯「~~~~~!!!!」べしべしべしべし
澪「いたいいたいー」 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:03:09.13 ID:8b8q7oXbO
-
律「きょうはそろそろかえろーぜ」
澪「唯、いっしょにいこ」
唯「……んん。さきにかえってて」
紬「どうして?」
律「……ははーん」
唯「な、なに?」
律「唯さては、澪の体操ふくをくんかくんかしたり、縦笛なめた」
唯「……っ!」ぼこっ
律「ガハァ!」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:05:49.57 ID:8b8q7oXbO
-
唯「もー!もー!」
律「す……すみましぇん」けほけほ
紬「もう、りっちゃんたら」
澪「こんなにかわいい唯が、そんなことするはずないだろ」なでなで
唯「……」ぷい
澪「えっ?」 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:08:37.26 ID:8b8q7oXbO
-
唯「じ、じゃー。またあしたねー」とてとてとて
律「ほれ澪、かえっぞー」
澪「……んー」
紬「どうしたの?」
澪「ちょっと、わすれものしちゃった。さきいってて」
律「やれやれ」
澪(……唯) -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:11:24.98 ID:8b8q7oXbO
-
部室前!
澪(なにしてんのかな、唯のやつ)こそこそ
澪(そーっと、そーっと……)
澪(……あ) -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:14:17.48 ID:8b8q7oXbO
-
唯「♪~~~」じゃかじゃか
唯「♪~~~」じゃんじゃん
唯「……はあ」
唯「……んん」ふるふる
唯「……」
澪(……唯?) -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:19:50.91 ID:8b8q7oXbO
-
翌日!
澪「♪キミを見てると、いつもハートド」
律「みーお!」ひょこっ
澪「ほあっ!?……な、なんだよ律」
律「ボーカルのれんしゅー?はりきってんな!」
澪「え?ああ……」
律「どったの?おねーさんに相談してみ?」うりうり
澪「おまえの体系のどこがおねーさんだ」
律「その発言はひどい!」おろろーん -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:23:53.29 ID:8b8q7oXbO
-
澪「……きのう、唯がさ」
律「うんうん」こくこく
澪「のこってれんしゅーしてたんだ。ひとりで」
律「ほうほう」こくこく
澪「だから、わたしもいてもたってもいられなくなって」
律「なるほどなー」
澪「……唯、だいじょうぶかな?」
律「なにが?」
澪「なんか、なやんでるようにみえたからさ」
律「そうかあ?」
澪「唯……」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:33:20.79 ID:8b8q7oXbO
-
学祭当日!
澪「ついにこの日がきた」
澪「……というのに、部室にだれもいないのはどういうわけだ!」ぷんぷん
「いらっしゃい、やすいよやすいよー」
澪「この声……」
唯「はい、おじょうちゃん。焼きそば一人前」
澪「ちょっと、唯。学祭まえだしれんしゅ」
唯「あ、澪ちゃん。……たべてく?」てれり
澪「たべてくー!」 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:38:26.26 ID:8b8q7oXbO
-
唯「はい、焼きそば一人前」
澪「……」ぷるぷる
唯「澪ちゃん、かおにやけてて気持ちわるい」ぷいっ
澪「……え、そ、そうかな」によによ
唯「たべないの?」
澪「たべるたべる!」
唯「……」じー
澪「……おいしい!」
唯「~~~~~」ぱああぁぁあ -
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:40:58.91 ID:8b8q7oXbO
-
澪「んー、ほんとにおいしいな」
唯「……ん」ひょい
澪「え?あーん」ぱくっ
唯「~~~」てれてれ
澪「もっとくれる?」んぐんぐ
唯「……甘えんぼ」ひょい
澪「あーん」ぱくっ
唯「~~~~~」どきどき
モブ「ゆいー、しごとしてー」 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:45:31.21 ID:8b8q7oXbO
-
唯「ごめんごめん」
澪「唯もあーんして」
唯「ぃーや」つーん
澪「つめたいのー」
モブ「唯は秋山さん本人をいただくもんねー」によによ
唯「~~~~~!!!!」ばしばしばしばし
モブ「あだだだだ!?」
澪「唯、ヘラでたたいちゃダメだよ!」あせあせ -
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:47:42.16 ID:8b8q7oXbO
-
「ありがとございましたー」
澪「むふふー、お腹いっぱい」ほこほこ
澪「……あれ?」
澪「わたし、なにしにきたんだっけ?」きょとん
澪「……はっ!れんしゅー!」 -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:54:11.35 ID:8b8q7oXbO
-
律「はいどうぞー」
澪「ちょっと、律!」
律「おー澪、いそいでどったの?」
澪「わたしたちライブだろ?本番まえに、ちゃんとれんしゅーしておこうよ」
律「あーごめんな、当番おわったらすぐいくから」ぺこり
澪「ムギは?」
律「こんなか」
【まよいのもりのお化けやしき】
澪「……」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 22:57:25.27 ID:8b8q7oXbO
-
お化けやしき内!
澪「……む、ムギー。どこー?」
ギャアアアア!
澪「ひぃっ!む、むぎぃ……」うるうる
紬「澪ちゃーん」
澪「あ、ムギ。よかっ」
紬「ばあー」
澪「ほあああああ!?」 -
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:01:22.23 ID:8b8q7oXbO
-
そのころ……
和「ゆーい」
唯「あー、和ちゃん」ぎゅう
和「ライブのれんしゅーしたいでしょ?そろそろいっといで」
唯「えーでも、まだ当番が……」
和「いいっていいって」
唯「でも、しごとなげだすのはちょっと……」
ほああああ!
唯「澪ちゃんの悲鳴だ!ちょっといってくるね!あとよろしく!」とてとてとて
和「……」 -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:04:07.82 ID:8b8q7oXbO
-
紬「澪ちゃん、わたしわたし!」
澪「いやああ、みえないきこえないみえないきこえないー!」がくがく
唯「てりゃあああ!」
澪「ゆ、唯!?」
唯「澪ちゃんいじめるなー!ていてい!」ばしばしばしばし
紬「いたいいたいー!」
客「……なにごと?」 -
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:06:54.16 ID:8b8q7oXbO
-
数分後……
唯「ごめんなさい」へんにゃり
律「まったくー、おきゃくさんビビってたぞー」
澪「まあまあ」
唯「……ぜんぶ澪ちゃんのせいだからね」ぷぅ
澪「唯、わたしのためにかけつけてくれて、ありがとう」にこっ
唯「つーん!」 -
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:15:16.78 ID:8b8q7oXbO
-
しばらくして……
律「おわったぜー!」
紬「おわったー」
唯「りっちゃーん、ムギちゃーん」とてとてとて
律「おう、唯もしごとかたづいたか!」
唯「ん。たっぷりれんしゅーしようね」
紬「あら?唯ちゃんなんだかうれしそう」
律「澪といっしょのれんしゅー、そんなにうれしいか」
唯「ちがうもん」
律「んー?」によによ
唯「ち が う も ん っ ! ! 」
紬「ぴぅっ!」びくっ -
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:18:49.86 ID:8b8q7oXbO
-
紬「りっちゃんと澪ちゃん、おさななじみなのよね?」
律「そだぜー。小学校からの腐れ縁さ」
唯「……うらやましい」ぼそり
紬「え?」
唯「あんでもない」ぷい
律「……あれ?幼稚園からだっけ?あれ?」
紬「おさななじみじゃなかったの?」
唯「……わたしなら、わすれないのに」ぼそり
律「んー?」によによ
唯「あんでもないっ!」ぷーい -
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:22:23.02 ID:8b8q7oXbO
-
ガチャ
紬「こーんにちはー」
澪「ほあっ!?……なーんだ、みんなか」
唯「澪ちゃんおまた」
澪「もう、おそいぞっ!」ぎゅう
唯「にゃ、やだっ!はなして!」べしべし
澪「やーだ。んー」ハグハグ
律「……」 -
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:25:05.51 ID:8b8q7oXbO
-
紬「じゃあ、わたしと唯ちゃんで機材はこぶわね」
唯「いってきまー」
律「いってらー」
ガチャバタン
律「……なあ澪、さっきなにしてたん?」
澪「……手のひらに馬かいて、のんでた」
律「馬じゃなくて、人だぞー」
澪「りぃいいいつぅぅううう!」がばっ
律「おわっ!?な、なんじゃい!?」 -
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:30:24.33 ID:8b8q7oXbO
-
澪「もうやだー!わたしとボーカルかわってー!」しくしく
律「じゃあ、ドラムどうすんだよ!」
澪「わたしがやるから!ドラムもベースもわたしがやるから!」あうあう
律「ぎゃくにみてみたいわ!」
澪「りーつぅー!りーつぅー!」ぐぐぐ
律「えーい、しっかりせい!そんなんじゃ唯に幻滅されるぞ!」ぐぐぐ
澪「うぅ……」 -
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:33:13.77 ID:8b8q7oXbO
-
♪
唯『澪ちゃーんおわかれだよー』
澪『唯!?』
唯『澪ちゃんうたいたくないんだよね?だからさよならー』
澪『まって!わたしちゃんとやるから!』
唯『わたしモーリタニアいくんだー。ハローグッバイー』
澪『やだぁ!唯まって!わたし言いたいことがあるから!やだああぁ……』 -
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:37:32.81 ID:8b8q7oXbO
-
♪
澪「……き、きめた!わたしちゃんとうたうよ!」
律「それでいーんだよ。まったく……あんなはずかしい歌詞、わたしにうたわせようだなんて」
澪「わ、わるかったな!」ついっ
律「……しっかりやれよ」
澪「……」
律「この曲に、おまえの誰かさんへの想いをこめたんだろ?」
澪「……しってたのか」
律「バレバレ」
澪「むー」ぷう
律「おまえがうたわなくて、どうすんだよ。……な」
澪「……うん。ありがと」 -
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:42:02.02 ID:8b8q7oXbO
-
唯「んしょ、んしょ」
唯「機材、おもい……」へな
紬「♪しゃらんらしゃらんらー」
唯(……ムギちゃん、あせひとつかかずに!)
紬「……ゆーいちゃん」
唯「な、なに?」
紬「このおしごとが終わったら、ちょっとおはなししましょ」
唯「?……ん。わかった」 -
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:45:42.34 ID:8b8q7oXbO
-
紬「……ふう、おしまい」
唯「それでムギちゃん、おはなしってなに?」
紬「唯ちゃん、なやみがあるでしょ?」
唯「え?……な、ないよ!?」あせあせ
紬「ほんとかしらー?」にこにこ
唯「……ぅ」
紬「はなしてみて?」
唯「……りっちゃんや澪ちゃんには、いわないでね」
紬「いわないいわない」 -
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:51:04.50 ID:8b8q7oXbO
-
唯「……わたし、さいきんある子にこまってて」
紬「うんうん」
唯「その子はやだっていっても抱きついてくるし、いくらいってもベタベタするし、ほんとにこまった子なんだ」
紬「あらあら」
唯「……でも」
紬「でも?」
唯「でもね、ほんとはいやじゃないの。とってもうれしいの。その子がわらうと、いつも元気になれるの」
紬「そっか」
唯「……なのに」
紬「なのに?」 -
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 23:57:31.72 ID:8b8q7oXbO
-
唯「わたし、その子にひどいことばっかりして、いいたいことがいえなくて……」
紬「唯ちゃん?」
唯「このままずっと、この気持ちがいえなかったらっておもうと、なんだか情けなくて……」ポロッ
紬「あっ……」
唯「……ぐすっ……なくなんて、おかしいよね……」ポロポロ
紬「……だいじょうぶよ。唯ちゃんは情けなくなんかない」
唯「……んん」ふるふる -
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:03:10.02 ID:qZQGszZAO
-
紬「だって唯ちゃん、その子のためにずっとがんばってきたもの。その子をよろこばせるために、一生懸命にやってきたじゃない」
唯「そんなこと……」
紬「さっきもその子をたすけるために、わざわざお化けやしきにかけつけてきたんでしょ?」
唯「……あれは、ただのかんちがいだもん」
紬「かんちがいするほど、その子を心配したのよね?さけび声をきいて、たすけにいったのよね?」
唯「……そ、だけど」
紬「唯ちゃんには、それだけの勇気があるのよ」 -
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:09:01.49 ID:qZQGszZAO
-
唯「ゆうき……」
紬「その勇気を、こんどは想いをつたえるためにつかうのよ!」
唯「……んー」
紬「その子も、唯ちゃんが想いをつたえてくれるのをまってるはずよ」
唯「……ん。わかった、がんばる」
紬「えらいわ、唯ちゃん!」なでなで
唯「か、カンタンなことだもんっ」つんっ
紬「さあさあ、まずはライブを成功させましょう!」
唯「……ムギちゃん」
紬「はい?」
唯「……ありがとね」 -
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:12:34.74 ID:qZQGszZAO
-
そして、本番直前……
澪「いよいよ、だな」
紬「ええ」
律「みんなー、舞台袖で100円ひろったぜー!」
澪「おまえはもっと緊張しろ!」べしっ
唯「……りっちゃん」
律「んー?」ひりひり
唯「やっぱり、このふくで演奏するの、止めよう……」
律「ぷっ」
唯「あ、あに?」がうー -
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:14:57.02 ID:qZQGszZAO
-
律「まーだそんなこと気にしてたのか?」
唯「はずかしいものは、はずかしいもん」ぷい
澪「だいじょうぶ、すっごくかわいいよ!」
唯「もー!もー!」
澪「ゆーい」
唯「つーん」
澪「……」ぎゅ -
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:18:09.39 ID:qZQGszZAO
-
唯「な、なに……?」
澪「わたし、しってるから。唯がたくさんれんしゅーしてたの」
唯「あ……」
澪「のぞいちゃった。ごめんね」
唯「……もう」
澪「唯なら、ぜったいにだいじょうぶ」
唯「……」
澪「ね?」にこっ
唯「……ん」ぽひゅー -
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:23:07.68 ID:qZQGszZAO
-
澪「さあ、いくぞ!みんな!」
律「おう!」
紬「おー」
唯「……澪ちゃんっ!」
澪「んー?」
唯「わたし、澪ちゃんに伝えなきゃいけないことが……」
「次は、軽音楽部による、バンド演奏です」
唯「……あとでね」 -
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:32:48.42 ID:qZQGszZAO
-
憂(お姉ちゃん、皆さん……)
憂(がんばって!)
律「1、2、3、4!」
澪「♪キミを見てるといつもハートDOKI☆DOKI」
澪「揺れる思いはマシュマロみたいにふわ☆ふわ」 -
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:35:13.00 ID:qZQGszZAO
-
澪「♪いつもがんばる」
唯「……いつもがんばる」
律(……お)
澪「君の横顔」
唯「君の横顔」
澪「ずっと見てても気づかないよね」
澪唯「夢の中なら二人の距離縮められるのにな」 -
- 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:37:45.38 ID:qZQGszZAO
-
澪唯「あぁ カミサマお願い二人だけのDream Timeください☆」
澪「お気に入りのうさちゃん抱いて今夜もオヤスミ♪」
澪唯「ふわふわ時間」
澪唯「ふわふわ時間」
澪唯「ふわふわ……」 -
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:41:54.07 ID:qZQGszZAO
-
わああああああ!!
澪「みんなー!ありがとー!」
ひゅーひゅー!
和「ささ、時間おしてるからはけてはけて」ひそひそ
律「うし、撤収!」
唯「……」
澪「唯?」
唯「あのー、みなさん。すこしおじかんをいただけますか?」 -
- 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:53:26.54 ID:qZQGszZAO
-
唯「……わたし、この軽音部にはいるまえは、いちども部活なんかしたことない子でした」
唯「いまわたしがここにたっているのは、みんなわたしの友だちのおかげなんです」
唯「特に、あるひとりの女の子は、いつもわたしをたすけてくれたし、笑顔をたくさんくれました」
唯「……でもわたし、みんなになんにもお返しできなくて、むしろひどいことばっかりして」
唯「たたいたことはなんどもあったけど、言うべきことはいちども言ったことがなくて」
唯「……だから、この場で言わせてくださいっ!」
唯「りっちゃんにムギちゃん、ありがとう!そして」
唯「澪ちゃーん!だいすきだよーっ!」 -
- 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 00:57:25.94 ID:qZQGszZAO
-
澪「……へ?あえ?」
紬「まあ……」
憂「わああ……」
ひゅーひゅー!ぴゅー!
澪「あ……あうぅ……!」ぱたーむ
律「みおーっ!?」
唯「あ、あれ?」 -
- 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 01:02:49.36 ID:qZQGszZAO
-
翌日……
律「えー諸君!きのうはおつかれさま!」
唯紬「わーい!」
律「ムギのキーボード、すごくよかったぞ!」
紬「よかったわぁ」
律「唯は初ライブにしては、じょーできだったぞ!」
唯「ありがとー!」
律「澪のボーカルも、すっごくよかったぜ!」
紬「もうファンクラブができてたわねぇ。……ゆいみおファンクラブ、ですって」
律「……とうの本人は、再起不能だけどな」
澪「モウ……オモテアルケナイ……」 -
- 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 01:07:37.84 ID:qZQGszZAO
-
唯「澪ちゃん……きのうの、おこってる?」おずおず
澪「……ゆい」ぎろり
唯「へ……うわっ!」
澪「きのうはよくもやってくれたな、このこのー!」うりうり
唯「わっ……は、はにゃして!」
澪「だーめ!もうぜったいにはなさないからな!」すりすりすり
唯「もー!やめてよぅ」にこにこ
澪「ゆーいー」
唯「つーん!」
THE END -
- 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 01:09:40.28 ID:XRVVlB1/0
-
おつーん
また書いてね!
- 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 01:14:22.82 ID:qZQGszZAO
-
これでおしまい。
読んでくださった方はありがとう。
こんなの唯と澪じゃねえ!って方はごめんなさい。
これでいちおう完結です。
彼女たちがどんなクリスマスやバレンタインをすごしたのか、梓加入後はどうなるのか。
それはご想像におまかせします。
次は唯憂にチャレンジするつもりです。その時はよろしくお願いします。
- 95 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 01:16:34.89 ID:GSVOEJ97O
-
乙ーん!
あんたのSSみたいのを書くのが俺の目標
可愛くキャラを動かしたいよ
- 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/19(土) 01:39:21.26 ID:ma6s1RLrO
-
後半よかった
乙ーん
関連記事
澪「ゆーい」唯「つーん」 - 澪「ゆいとすごすなつやすみ!」唯「つーん」
- 澪「つーん」唯「えっ」
▲ Close
| けいおん!!SS
| 18:00
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.18 Fri
≫ 続きを読む
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 00:15:19.93 ID:wDvOoJ+80
-
唯「うーん……困ったなあ」
憂「どうしたの?お姉ちゃん」
唯「うんとね、最近憂と全然しゃべってないなあって思ってさ」
憂「お姉ちゃん最近部活に精をだしてるもんね」
唯「部活も大事だけど……憂としゃべらないとネ!」
憂「えへへ、じゃあ何お話しよっか?」
唯「何があるかな……?」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 00:19:46.15 ID:wDvOoJ+80
-
憂「うーん、お姉ちゃん部活は楽しい?」
唯「そりゃもちろん!」
憂「どんなところが?」
唯「ムギちゃんのお茶が美味しい!あずにゃん可愛い!澪ちゃん優しい!りっちゃん面白いし!」
憂「ふふ……お姉ちゃん楽しんでるね」
唯「うん!部活が楽しくてしょうがないよ」
唯「憂も入ればよかったのに」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 00:22:47.53 ID:wDvOoJ+80
-
憂「えへへ、いいの」ニコ
唯「うーん」
憂「それでそれで、あずさちゃんは部活中どうかな??」
唯「あずにゃん?あずにゃんはね、お菓子美味しそうに食べてるよ~」
憂「あははっ、梓ちゃんも食べてるんだ」
唯「練習しましょう!なんて言ってるけど、あずにゃんもお菓子に目がないんだよねぇ」フフ -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 00:27:41.41 ID:wDvOoJ+80
-
憂「梓ちゃん、バナナ好きなんだよ~」
唯「知ってる知ってる。お菓子にバナナケーキとか出ると、目が変わるもん」
憂「梓ちゃんもお菓子には甘いね」
唯「あずにゃん今日もね柔らかかったんだよ!」
憂「お姉ちゃん抱きつくの大好きだもんね」
唯「あずにゃん可愛いからね~」
憂「ふふ……わたしは?」ジー -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 00:34:41.36 ID:wDvOoJ+80
-
唯「憂も可愛いよ!」ダキッ ギューーー
憂「えへへ~」ニコ
唯「うふふ、こんな感じでね、抱きついたらあずにゃん、顔真っ赤でさ
ふぉおおぉおぉ……可愛い……!!って思っちゃって」
憂「梓ちゃん、口じゃああ言ってるけど、なんだかんだで満更でもないんだよね」
唯「そうなんだ?!じゃあ明日もっと抱きついてみよっと
あずにゃん嬉しがるかなァ。あ、また『ニャッ!』とか言っちゃったりするかも」
憂「にゃッ!とか言っちゃうの??」
唯「言うよー、後ろからね、そーっと抱きついたり、不意打ちするとね
よくニャッ!って言うんだよー。もーホントにネコさんみたいだよ」
唯「抱きついた後ね、『な、何するんですか!』とかこれまた顔を真っ赤にしてるからね……
だからまた、かわいーーー!って抱きついちゃう!」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 00:39:25.17 ID:wDvOoJ+80
-
憂「へ~へ~……こんどわたしも抱きついてみよう!
梓ちゃん言ってくれるかな……」
唯「言うまで何度も抱きついちゃえ!」
憂「ふふっ。そうしちゃおう。
梓ちゃんったら、教室じゃ割りとクールに振舞ってたりするからね
梓ちゃんのそんな声……聞いて見たいなあ」ウーン
唯「なんなら、今度部活見学しにこればいいのに。
演奏も出来て一石二鳥だよ!」
憂「えへへ、考えとこうかな」ニコ -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 00:46:47.91 ID:wDvOoJ+80
-
唯「あーー、あずにゃんで思い出したけどね
あずにゃんって抱きつくといい匂いするんだよ!
ほんのりシャンプーの香りだし」
憂「ああ……梓ちゃん髪の毛長いからね、わたしも抱きつかなくても匂いが漂ってくるよ」
唯「髪の毛にね、顔をうずめてスリスリしちゃいたい!」
憂「お姉ちゃん、わたし梓ちゃんほどないけど、髪の毛スリスリしていいよ~」ニコ
唯「おぉ!ホントに??」
憂「もっちろん!」
唯「よいしょっと」ズリズリ
憂「ふふっ」ジー
唯「えーいっ!」ギュー…スリスリ
唯「すりすり~~」
憂「えへへ……どうかな?気持ちいい??」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 00:51:26.57 ID:wDvOoJ+80
-
唯「うおぉぉぉっ!髪の毛がスベスベで気持ちイイ!
イイ匂いする!憂すごいよ!!」
憂「さっきお風呂入ったもんね。リンスもバッチリ」
唯「これは……たまらない!」
憂「お姉ちゃん大げさだよ」クスクス
唯「う、憂もわたしでやってみてよ」ホイ
憂「えーっと、それじゃあ」…スリスリ
唯「ふへへ、こそばゆい、ふふっ」
憂「あ~お姉ちゃんの匂い……」
唯「わたしの匂い?!」
憂「いつもの匂いだよ。お姉ちゃん変わらないね、匂いも」
唯「えへへ~そっかなぁ」テレ
憂「照れるお姉ちゃん可愛い」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 00:57:44.12 ID:wDvOoJ+80
-
唯「ふふ……ゴホン。えーそれでね、あずにゃんお菓子をモリモリ食べるわけだけど」
憂「口いっぱいにほおばる梓ちゃん想像しちゃった」フフッ
唯「そう!あずにゃん、ほっぺた膨らんでるの。もうぷくーって感じで
ほっぺたをつっつきたいくらいなの!
憂、想像してみてあずにゃんのほっぺたが膨らむところを……」
憂「んん……」ポワワワン……
梓『もぐもぐ……そんなにがっついてないよ!見ないで!』モグモグ
憂「わぁ、可愛い」
唯「ね?ね?そんなに好きなのかバナナが!って言いたい。
こんどバナナ丸ごとあげるからおうちにおいでって言いたい」
憂「大胆な誘拐だね。おうちに入れたら猫じゃらしで遊ぶのがいいかもね」
唯「うんうん。首下コチョコチョしよっかな
あっ、ネコ耳つけないとね」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:01:17.07 ID:wDvOoJ+80
-
憂「あぁ……梓ちゃんのネコ耳見たかったなぁ」
唯「憂は見たことなかったっけ」
憂「うん、お姉ちゃんの会話で付けたことは知ってたけど、実際に見たことはないの
梓ちゃん恥ずかしがって付けてくれないし、もー……梓ちゃんったら恥ずかしがりやさんだね」
唯「よし、こんど部活中に装着して写メ撮っちゃおう!
そしたら憂に送ってあげるね」
憂「わぁーい!ありがとう!」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:06:59.10 ID:wDvOoJ+80
-
唯「さあ、今のうちに想像してみて、あずにゃんのネコ耳姿を」
憂「うんうん」ウーン
唯「あずにゃん、最初の時、手を顔まで上げて、本物のネコさんのようにニャーって言ったんだ
さあ、それを力いっぱい想像するんだよ、憂!!」
憂「ウン!するよ!いっぱいしちゃう!」ムムム…
梓『……だからネコさんじゃないって言ってるニャ!』ニャー
憂「わあ……これまた可愛い」
唯「それからだよ、わたしがあずにゃんに夢中になったのは。
そしてあだ名の誕生だね。あずさ+ネコであずにゃん!これは決まったね」
憂「ふふ」
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:12:29.08 ID:wDvOoJ+80
-
唯「けど、不思議なことにわたし意外“あずにゃん”と呼ぶ人が居ないのは何故だろうね
結構……いや、かなりカワイイし、ぴったりなあだ名だと思うんだけどなあ」
唯「憂もそう思わない??」
憂「ん~可愛いけどね、お姉ちゃんが言うことで梓ちゃんのあだ名がより際立つんだよ
お姉ちゃん意外が言うとあずにゃんの魅力が失われるんだと思う
だからお姉ちゃん意外だれも言わないんじゃないかな」ウン!
唯「ホー……そんな理由が……
こりゃあずにゃんのコトもっといっぱい呼ばないとね
あずにゃんあずにゃん!!っていいまくろう!」
憂「梓ちゃん喜ぶよ!いっぱいにね」
唯「よーしいっぱい抱きついて、いっぱい呼んであげよう!」 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:14:31.01 ID:wDvOoJ+80
-
憂「お姉ちゃん眠くなった?あくび出てるよ」
唯「んー少し?でもまだまだ平気!」
憂「お姉ちゃんひざまくらしてあげる。こっちおいでー」
唯「わーい!」ゴロン
唯「おおイイ匂い……いや、イイ香り!!イヤ、イイ匂い!!」
憂「ん?」
唯「えへへ~」
憂「笑うお姉ちゃん可愛い!」 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:20:36.13 ID:wDvOoJ+80
-
唯「あずにゃんってね、ギターうまいんだよ」
憂「うん、前一度セッションしたんだ。簡単なのだったけどね」
唯「ムム、わたしが居ない時だな」
憂「えへへ、寂しかったから、梓ちゃんと純ちゃんが泊まりに来てくれたの
楽しかったよ~。ご飯いっぱい食べたりバッティングセンター行ったり
とんちゃんにごはんあげに行ったりね」
唯「……楽しそう」
憂「それでね、純ちゃんったらね、ドーナツをいっぱい持って来てくれたんだけどね
全部一口だけ食べちゃったの。残りは梓ちゃんとわたしで食べたんだ」
唯「純ちゃんかあ……どことなくわたしと同じにおいがする……
一度じっくり話し合う必要がありそうだね」 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:26:25.31 ID:wDvOoJ+80
-
唯「あずにゃんとツインギターになってから、演奏の幅が広がったからね
本当にあずにゃんが入ってきてくれて嬉しかったんだ」
憂「うん、あの頃のお姉ちゃん。輝いてたもんね
キラキラと眩しかったよ。もう直視できない!って言いたいくらい
でも、今も変わらず笑顔が眩しいけどね」
唯「笑顔を絶やさない平沢唯です!」
憂「お姉ちゃんの笑顔とってもステキだよ!」
唯「いやぁ、照れますね」フフ
憂「ふふふ」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:33:47.62 ID:wDvOoJ+80
-
憂「そういえば他の先輩方はどうなの?」
唯「どうって?」
憂「部活中は、ってこと」
唯「う~ん、クラスも一緒だからなあ
相変わらずりっちゃんと一緒にふざけて、澪ちゃんが怒って、ムギちゃんがなだめる感じだね
変わらないよ。いーっつも一緒にいて楽しいし」
唯「朝学校に着いたら予鈴なるまで適当におしゃべりして
授業中はノートとってわからないところを和ちゃんに聞いて
お昼ご飯をわたしの机で食べて、その後もまたまたおしゃべりして
そのままのテンションで部活へ、ゴー!!」
唯「部活でも、おしゃべりしながらティータイムなんだよ~
もう毎日楽しくて仕方ないよ~」
憂「お姉ちゃん……幸せそうだね。よかったね、そんなに楽しく学校生活過ごせて」
憂「わたし、嬉しいなあ」ウルウル -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:39:05.55 ID:wDvOoJ+80
-
唯「ういが泣く事ないよ~」ナデナデ
憂「お姉ちゃんが幸せだとね、わたしも嬉しさで胸がいっぱいになるから
お姉ちゃんこの高校に入って本当によかったなぁって、思えてね」
唯「う~ん、憂にそこまで慕ってもらえると、こっちも感激だね!」
憂「いい先輩方でホントによかったね」
唯「うん!みんな大好きだもん!」
唯「明日も会いたい、明後日も会いたい。もうずーっと会いたいね
いつまでもティータイムできるようにってね」
憂「だいじょうぶだよ。お姉ちゃんがそんなにも皆さんのコトが好きなら
ずーっとティータイムできるよ、絶対に」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:45:31.98 ID:wDvOoJ+80
-
唯「そうだそうだ!みんなが好きだからずっとティータイムするぞおおおおぉぉ!」
憂「ふふっ、がんばれお姉ちゃん!」
唯「もち!」
憂「他の先輩方とも、もっとお話してみたいなあ」
唯「憂はあまりしゃべってなかったね、そういえば」
憂「うん。クリスマスの時とか話たりしたんだけどね
もっといっぱいお話したいなあって」
唯「みんなイイよ~楽しいよ。優しいよ
ムギちゃんの美味しいお茶飲みながらのトークは絶品だね」 -
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:52:03.97 ID:wDvOoJ+80
-
憂「紬さんのお茶、美味しかったなぁ」
唯「ムギちゃんが入れるとねす、ごく美味しいんだ
わたしが同じように入れてもあんなに美味しくならないの
ムギちゃんすごいよ!」
憂「紬さんポワポワしてて可愛いね」
唯「おおぉう。憂はそこに気がついたかい」
憂「う、うん」
唯「ムギちゃんはおっとりぽわぽわ
すなわち……とても可愛い!」
憂「おぉ~」パチパチ
唯「まつげ長い!」
憂「おぉ~」パチパチ
唯「髪の毛がわたしと同じくせっ毛だね
同じ仲間が居てよかったーー」
憂「うんうん、よかったねぇ」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 01:57:31.24 ID:wDvOoJ+80
-
唯「今も未発見の魅力が出るムギちゃんでした」
憂「紬さんすごい!」
唯「澪ちゃんもすごいよ
アレだよ、ベースウマイ!でも、すごい恥ずかしがりや」
憂「澪さんって聞くと……あの、ファンクラブを思い出すね」
唯「それぐらい澪ちゃんの人気はうなぎのぼりなのです」
憂「澪さん格好いいよね、キレイな、長い髪の毛だし」
唯「さらっさらだよ
手から滑り落ちるくらいさらっさら!すんごい!」
憂「こんど一度さわらせてもらいたい……」 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 02:07:34.26 ID:wDvOoJ+80
-
唯「りっちゃんのオデコにさわるとね、ちょっと怒られるよ」
憂「それは……イヤなんじゃないかな。オデコさわられるのは」
唯「えーーチャームポイントなのに、さわらないと損だよ」
憂「オデコだしてるけど、さわるもんなのかなぁ」
唯「りっちゃんのオデコ可愛いもんスベスベ~」フフッ
憂「前髪長そうだね」
唯「顔、隠せるくらい長い!もう、オバケみたい!!」
憂「オバケ……」フルフル
唯「りっちゃん……夜、寝るとき夜な夜なその辺を徘徊しだして
カチューシャがないカチューシャがない……って寝言言うんだよ……!」
唯「そして、通行人が、『こんな夜中にどうしたんだい?』と聞くと……」
憂「ごくり……」
唯「振り向きながら、お前がカチューシャ取ったせいだ!!!!って言うんだ。ギャーーーー!!」
憂「ひゃうぅっ……!」
唯「どう怖かった?怖かった??」ウフフ
憂「お、お姉ちゃんの大声にビックリしたよ……」フー… -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 02:13:10.44 ID:wDvOoJ+80
-
唯「うーん、怖くなかったかぁ」
憂「怪談はもっと人数多い時がいいね。わたしは参加したくないけど……」
唯「えーー、楽しいのにぃ」ブー
憂「でも、皆さん、いい人で楽しそうで、お姉ちゃんにぴったりな人たちだね」
唯「おぉー、相性バッチリだよ」
憂「ふふ、お姉ちゃん……けいおん部入って。良かったね!」
唯「おーー!もちろん!けいおん部さいこーー!
ムギちゃん澪ちゃんりっちゃんあずにゃんさいこーー!」 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 02:17:30.62 ID:wDvOoJ+80
-
憂「お姉ちゃんさいこー!」
唯「むむ、憂さいこー!!」
憂「えへへ」テレ
唯「ふふふ」ナデナデ
憂「なでなで気持ちいい……」
唯「おーよしよし」ナデナデ
憂「ふふ……」ニコニコ -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 02:24:14.38 ID:wDvOoJ+80
-
唯「そうだ、明日学校終わったらみんな誘っておうちでパーティしよっ!
金曜だし、そのままお泊りできる!!」
憂「あ、いいねそれ。美味しい料理いっぱい作らなきゃ……!」
唯「わたしも作るぜ!」
憂「お姉ちゃん……」
唯「ん~?」
憂「ありがとう!」
唯「ふふ、おおう!」グー
唯「ぜひ、マシュマロ豆乳鍋を完成させねば……!」
憂「わぁ、腕が鳴るね!」
唯「ふんふん~チョコカレー鍋もいいけど~マシュマロ豆乳鍋もいいんだよ~~……」
憂「今からとっても楽しみだなぁ」キラキラ -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 02:31:45.41 ID:wDvOoJ+80
-
唯「うん……うん。たーのしみぃぃ……」
憂「アレ作って、あの料理も試したいなぁ、新作のお味も気になる……!」
唯「うーいーうーいー……」
憂「ん?どうしたの?ねむいの?」
唯「いーいーういーいー……」
憂「はいはい、ベッドで寝ようね」
唯「うん、一緒にねよ……?」
憂「うん!」
唯「ひざまくらしてもらっから、憂と一緒じゃないとねられないよ……」
憂「……甘えん坊さん」
唯「えへへ……」テレ -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 02:35:56.92 ID:wDvOoJ+80
-
――唯ベッド
唯「はぁ~これでやっと安眠できるよ」ギュウイーー
憂「あんまり力入れると、わたしが眠れなくなるよ」
唯「ふぁ~い」
憂「素直素直」ナデナデ
唯「ふふん!」
憂「あんまり毛布持ってかないでね」フフ
唯「えへへ、わかってるよぉ」
憂「あやしい」
唯「憂がうたがうよぉ~」ウルウル
憂「冗談だよお姉ちゃん」エヘ -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 02:40:51.85 ID:wDvOoJ+80
-
唯「憂、けいおん部。楽しいよ」
憂「うん。わかってるよ」
唯「憂もはいりなよー」
憂「考えとくね」ニコ
唯「もう……そうやって誤魔化す……」
唯「でも、そんな憂が、可愛い!!」
憂「えへへ~……お姉ちゃんだって」
おしまい -
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 02:49:21.95 ID:aEg33W4c0
-
あったかあったか。
乙!
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 02:56:08.68 ID:FJX7LNjx0
-
もう寝ようと思ってたのにあったかあったかスレに迷い込んでしまったようだ
乙
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/18(金) 03:03:48.44 ID:Wd/BnIU80
-
これは・・・いいな
唯も憂もいい子や
▲ Close
| けいおん!!SS
| 06:00
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.17 Thu
≫ 続きを読む
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 03:11:19.41 ID:FtTz88cf0
-
回り道をして部室に行くのなんて初めてだった。
放課後なんだからすぐ部室に行けばいいのにわざと遠回りしてしまう。
今日は特別な日だからしょうがないけれど、もどかしいな。
本当はすぐ唯ちゃんに会いに行きたいのに、足が、胸のどきどきがいじわるする。
わざと二階で立ち止まってみたり、窓の外の枯れ枝に止まった小鳥を目で追ってみたり。
りっちゃんたちはまだ掃除当番だけど、もう唯ちゃんは待ってるに違いない。
でも胸のどきどきが私をうまく部室に連れていってくれない。
どうしよう?
私は握り締めた小さな袋に問いかける。
大丈夫、だよね? 大丈夫だよ……何度も練習して、おいしく作れるようになったんだもの。 ……本当に?
和「――さっきからどうしたのよ」
紬「え?! ……うん、なんでもないよ。いま軽音部行くところ」 -
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 03:16:56.46 ID:FtTz88cf0
-
和「そんなに驚かなくてもいいのに……」
見られちゃった。
和ちゃんはちょっとあきれた、ふしぎそうな目で私を見てる。じいっと。
なんだかどぎまぎしちゃって、逃げるみたいに階段をのぼる。
ちょっとつんのめりそうになっちゃう。
そんなことばかりしてるから、もう手の甲が冷えてきてしまいそう。
でも。手が冷えたら、もしかしたら唯ちゃんにあっためてもらえるかも……。
なんて、それはちょっとよくばりすぎかな。
和「唯はもう行ってるわよ?」
紬「うん、私もすぐ行くよ」
ちょっとあせって音楽室への階段に向かう。
ばれなかったかな? 和ちゃん、読めないところあるからこわいな……。 -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 03:21:41.01 ID:FtTz88cf0
-
なんだかたどたどしい私の足は、やっと部室に連れていってくれた。
部室のドアを開けようとする。ドアノブをにぎる。指の隙間に冷たさが染みこむ。
胸のどきどきが聴こえるほど大きくなる。
……うまくいかない。
初めてこの部室に入った時みたいに、ドアを開けるだけで緊張してしまう。
こっそり深呼吸をして、ドアをおそるおそる開けてみる。
するとちょうどギー太くんを取り出した唯ちゃんが向こう側にいた。
唯ちゃんはとってもかわいくて、あったかくって、だけどときどき別人のようにかっこよく見える。
万華鏡のようにきらきらと姿を変える唯ちゃんは、実は私のあこがれの人。
唯ちゃんがくれたホットミルクのように温かい気持ちは、もう私の心からあふれ出してしまいそうだった。
伝わればいいな。伝わなくてもいいかな。でも、伝わってほしいな。
ぼんやり思いながら、ギターをつまびき始めた唯ちゃんにしばらく見とれちゃった。 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 03:27:12.72 ID:FtTz88cf0
-
唯「……あ、ムギちゃん」
どきん。
ふいにふわっと笑顔を向けられてしまう。
ひときわ大きく高鳴って、背中を押されたみたいに部室に入ってしまった。
唯「なんだあ、聞いてたんだ」
紬「ごめんね……あんまりきれいだから、盗みぎきしちゃった」
唯ちゃんはにこにこと私を見つめる。
幸せだったけど……手の中の袋が、また不安を呼んできてしまった。
ぎゅっとにぎる手に汗がにじんで熱がこもってしまう。 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 03:33:12.72 ID:FtTz88cf0
-
袋の中身はマドレーヌ。
でも、いつものもらいもののお菓子じゃない。
じつは自分で焼いた、特製のマドレーヌなのです。
気に入ってくれるか、とっても不安。
唯ちゃん、喜んでくれるかなあ?
紬「……ねえねえ」
唯「んー?」
私は袋の中のマドレーヌを取り出そうとする。
一人で食べるにはちょっと多すぎる量なのは、みんなの分も作ってきたから。
だって唯ちゃんのためだけなんて、りっちゃんたちがかわいそうだもの。
うそだ。
本当は、唯ちゃんのために作ったのをばれないようにするため。
でも、まずは一番に唯ちゃんに食べて欲しかったんだ。わがままだな、私。 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 03:39:49.39 ID:FtTz88cf0
-
よし、言おう。唯ちゃんに食べてもらうんだ。
そのためにがんばって何度も練習したんだから。
喜んでくれるかな。くれるよ。うん、だから勇気を出して私!
紬「唯ちゃん、じつはね――」
唯「あ、りっちゃん!」
勇気をふりしぼって、一番形がよくできたマドレーヌに手が触れたとき。
ちょうどりっちゃんたちが入ってきてしまった。
ええっ、どうしよう……考えてなかった展開にどきどきしてしまう。
どうしよう、唯ちゃんに渡そうかな?
だけど唯ちゃんだけに渡して、変に思われるとよくないし、
律「おー唯、ムギ。待たせたなっ」
唯「もう、おなかぺこぺこだよ!」
澪「まったく、お前らはお茶飲みに来てるのか」
あー……タイミング逃しちゃった。
手ににじんだ汗が急に冷えていくのが感じる。
にぎりしめた袋が少し重くなった気がした。 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 03:45:42.70 ID:FtTz88cf0
-
梓「――ムギ先輩?」
紬「あ、ごめんね! ちょっとぼうっとしちゃって……」
いつの間にか来ていた梓ちゃんに呼びかけられて、びっくりしちゃった。
いろいろ動転してて気づかなかった。
梓ちゃんの少し心配そうな顔が目に映る。ごめんなさい。
律「まったくさあ、唯じゃないんだから」
唯「えー、りっちゃんどういう意味さっ」
律「古典の授業で熟睡してただろ!」
澪「律、お前は世界史と数Ⅱの二時間だ」
けらけらと笑いあうりっちゃんたち。
その中で楽しそうな唯ちゃんのほほえみ。
いつも通りの軽音部で、つかえていた心もほっこりしてしまう。
だけど……今日はちょっとだけ、りっちゃんがうらやましいかも。 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 03:50:50.81 ID:FtTz88cf0
-
紬「みんな、お茶が入りましたよお!」
みんなのおかげでちょっと元気が出てきた。
考えてみたら、唯ちゃんだけじゃなくてみんなが食べてくれるんだ。
いつものお菓子ほどおいしくないと思うけど……それでも、気に入ってくれるはず。
律「お、わりいな! そんでムギさん、今日のお菓子は――」
澪「食い意地はりすぎだ!」
梓「でも昨日のチーズケーキはおいしかったですよね」
唯「あれ食べたいなー」
梓「唯先輩は私の分まで食べたじゃないですかっ」
みんなのカップにお茶を注ぎながら、楽しそうな声を聞きながら。
冬でもあったかい太陽の光に少し冷えた手を暖めながら。
――その時ふと、いいことが浮かんじゃった。
そうだ。
これ、私が作ったってだまっててみよっかな?
気づかないかな。でも……唯ちゃんなら気づいてくれるかもしれない。
だって「ムギちゃんのお菓子が食べてみたい」って前に言ったの、唯ちゃんなんだもの。 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 03:59:28.99 ID:FtTz88cf0
-
紬「……ねえみんな、今日はちょっと違ったお菓子を持ってきたの」
どきどきしながら話を切り出す。
って、ダメだよ。「ちょっと違った」なんて言ったらばれちゃうって。
言葉の裏を読むのはミステリの基本。あくまで私は、唯ちゃんにマドレーヌで気づいてもらうんだから。
澪「おお、どんなお菓子?」
紬「あ、えっとね……今度のは自家製っていうか、手作り風、みたいな?」
ついついあせって変なことを言ってしまう。
いけないいけない。
律「澪だって食い意地はってるじゃーん」
澪「と、特別なお菓子だから気になったんだ!」
あれ。もしかして私、自分でハードル上げちゃった……?!
どうしよう、これでもしおいしくないって言われちゃったら。
急に不安の熱が胸の中に広がりだす。
唯「楽しみだねえ、ムギちゃんのお菓子はいつもおいしいもん!」
唯ちゃんがいつもみたいに笑ってくれる。
少し落ち着いたけど、やっぱり不安だな……。 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 04:05:44.14 ID:FtTz88cf0
-
でも、いつまでも悩んでちゃもっとだめだよ。
私は自分に言い聞かせる。
絶対おいしいって言ってくれるはず。
お抱えシェフの方に無理を言って、作り方を伝授してもらったんだもの。
紬「この……マドレーヌなんてどうかなあ!」
あ、声がすこしひっくり返っちゃった。
見た目くずれてないよね? いい匂いしてるよね?
この時間が近づくごとに強く高鳴ってった胸のどきどきが、いま一番強く響いてる。
思わず目をつぶってしまいそうになる。
唯ちゃんが気に入ってくれますように――
唯「……わあ、おいしそう!」
そんな私の不安を吹き飛ばすように、唯ちゃんの飴玉のような声が聴こえた。
ふぅ……ちょっと落ち着く。
って、ダメだよ。まだ食べてないんだから!
梓「なんかいつもよりおいしそうですね!」
律「ムギ、食べていいか? いいよな!」
私がこっくりうなづくと、唯ちゃんたちがいっせいに手を伸ばした。
神様、おいしくできていますように……! -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 04:17:28.88 ID:FtTz88cf0
-
唯「……ムギちゃん、これおいしい!」
聞こえた声におそるおそる目を開いた。
そしたら……いつもみたいに、口をほころばせて笑う唯ちゃんがそこにいた。 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 04:18:21.92 ID:FtTz88cf0
-
律「やっぱ甘いものは別腹だよなー!」
梓「あ、もう一ついただいていいですか?」
唯「あずにゃん、それ私の!」
みんなが口々においしいと言って食べてくれる。
いつもの軽音部みたいに、次々と手を伸ばしてくれる。
それだけでなんだか認めてもらったような気がして、あったかい気持ちでいっぱいになった。
それに……唯ちゃんが私のお菓子を食べて、笑ってくれる。
いつも家のお菓子を持ってくる時もそうだけど、今日は特別まぶしく感じた。 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 04:22:22.10 ID:FtTz88cf0
-
梓「唯先輩は昨日たべましたー」
澪「お前ら子供か……あ、ムギ。もう一個いいかな?」
紬「うん、いいよ。どんどん食べてね」
律「澪だって食べてるじゃんかよう」
でも、しばらくしてふと気づく。気づいてしまう。
心の奥が、まだまだなんだかもどかしかった。
唯ちゃんはいつも通りの笑顔をくれる。
けど……本当はもっと喜んでほしいんだ。
いつも通りじゃやだ。
もっとおいしいって言ってほしい。
私の作ったものだから特別なんだって、そう思っててほしい。
……欲張りすぎだよ、私。
唯「ムギちゃん、たべないの?」
紬「あ、うん……今日はちょっとおなかいっぱいだから」
それとなくもう一個、唯ちゃんに勧めてみた。
でも「ムギちゃんが食べなよ」って返してくれる。
唯ちゃん、やさしいな。
私は欲張りなのに。 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 04:34:12.60 ID:FtTz88cf0
-
食べ終わってから、その日もみんなで練習した。
マドレーヌの最後の一口をかじったとき、ふんわり甘いはずの生地がなぜかぱさついた気がした。
錯覚っていうのかな。すぐに甘さがすぐ届いたけれど、変な苦味が口の中に残った気がした。
口直しの紅茶の色も、少しくすんで見えてしまう。
どうして、わがままなんだろう。
どうして、よくばりなんだろう。
子どもっぽい自分はいやだった。
唯ちゃんだってそんな人はいやに決まってるのに。
律「じゃあそろそろ帰るか!」
紬「うん……そうだね」
今日のお菓子もおいしかった。
みんなそう言ってくれたのが、かえってつらくなってしまう。
今日「も」じゃダメなんだって言ったら、絶対わがままなのに。 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 04:46:23.81 ID:FtTz88cf0
-
帰り道。
梓ちゃんと別れたあと、りっちゃんと澪ちゃんは寄るところがあると言って先に帰ってしまった。
そそくさと離れるりっちゃんがどこかにやにやして見えたのは、なんでだったんだろう?
そうして、唯ちゃんとふたりきり。
並んで歩くと道路に伸びた影が重なる。
足元の影みたいに、唯ちゃんにもっともっと触れてみたいな。
そんなことを考えながら、わざと影が重なるように歩いてみたりして。
唯「ねえムギちゃん」
紬「なあに?」
唯「マドレーヌ、ありがとう」
うれしいはずのその話なのに、どこか冷たいものを心に落としてしまう。
ダメだよ。唯ちゃんがおいしいって言ってくれたんだから。……いつも通り。
だけど、その後に続いた言葉はいつもと違った。
唯「ムギちゃんの作ったマドレーヌ、とっても甘くてふんわりしてたよ」 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 04:54:49.04 ID:FtTz88cf0
-
え……?
考えてもなかった通り雨みたいな言葉が急にふってわいて、少し息がつまる。
またさっきみたいに、胸の奥がとくんとくんって高鳴る。
え、えっ……それじゃあ、唯ちゃんは、
紬「……気づいてたの?」
やだなあ、なんて唯ちゃんはぷふーっと笑う。
夕陽に照らされた横顔がすてきだったけど、そんなどころじゃなかった。
どきどきどき。次の言葉をさがす余裕なんてなかった。
唯「わかるよー。だって、ムギちゃんがあんなにうれしそうだったんだもん」
そっか……見られてたんだ。
とたんに恥ずかしくなって、うつむいてしまう。
唯「それにね」
でも、唯ちゃんは言ってくれた。
唯「食べたとき、ムギちゃんみたいな味がしたんだあ。だから絶対手作りだ! って思ったの」 -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 05:02:51.74 ID:FtTz88cf0
-
私みたいな味……?
どういうことだろう。私、たべられちゃうのかな?
変な想像が頭をぐるぐる。って、いけないいけない。
唯「あのマドレーヌね、甘くて、ふんわりしてて、ほっこりしてたんだ」
紬「うん……がんばったもの」
唯「えへへ。それでね、ムギちゃんのやわらかさとか、きれいな髪とか、やさしいとことか、いろいろ思い出したの!」
唯ちゃんは何かを見つけた子どもみたいにはしゃいで言ってくれる。
いつのまにか、一人で考え込むのがばかみたいに思えちゃった。
……やっぱり、唯ちゃんの笑顔は魔法だな。
唯「ありがとうね、ムギちゃん。作ってくれるって、覚えててくれたんだよね」
紬「うん……忘れるわけないもの」
すると唯ちゃんは私の手をぎゅっとにぎって、こう言ってくれた。
唯「私……また、ムギちゃんの手作りお菓子が食べたいな」
わたあめが溶けるみたいにあったかくてふんわりした声が、私の胸の奥に響いた。
やっと、最後につっかえてた物が溶け出した気がした。
泣きそうなぐらいほほえみが浮かんできちゃう。変な笑顔になりそうでちょっと恥ずかしいな。
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 05:10:55.57 ID:FtTz88cf0
-
それから駅まで、私たちは手をつないで歩いた。
ふっと身体が軽くなったみたいで、スキップみたいに足がはずむ。
うれしくてうれしくて、どうにかなっちゃいそう。
……だけど、やっぱり私はよくばりだった。
紬「ねえねえ」
唯「なあに?」
でも私はもうこわくない。
だって、唯ちゃんが分かってくれたから。
ぜんぶお見通しで、なのにあんな風に笑ってくれたから。
紬「こんどね、……二人でいっしょに作ってみようよ」
言えた。私、ちゃんと唯ちゃんを誘えた!
唯「うん! 一緒に作って、食べようね」
こんな私のわがままに、唯ちゃんは笑顔でそう返してくれた。
もうちょっとだけ。あとちょっと、そばにいたいな。
私のよくばりは止まらなくなりそう。心からあふれてしまいそう。
だけど……受け入れてくれそうな予感がしたんだ。
それから私たちは駅までの道をちょっとだけ回り道して向かった。
夕陽が沈みきるまで、手の温もりを感じてたかった。
だって今日は、特別な日になったんだもの。
おわり。 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 05:15:55.21 ID:ZQKPzUXS0
-
おつおつ
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 05:16:44.10 ID:FtTz88cf0
-
読んでくれた人ありがとう
ムギちゃんの可愛さはこわごわがんばってるとこだなって改めて思った
次は澪が作文を読まれるか、唯が自転車を立ちこぎするか、律が唯に振り回される話にする
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 05:21:35.55 ID:rHFvjH8JO
-
早朝からいいものを読ませてもらいました乙 -
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 13:42:50.66 ID:pq0uXHY60
-
唯紬は人生
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/17(木) 15:45:23.70 ID:3Tn1sfRE0
-
乙
マドレーヌ食べたくなってきた -
▲ Close
| けいおん!!SS
| 21:00
| comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.16 Wed
≫ 続きを読む
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 20:54:40.25 ID:Z+oLWhjSO
-
唯『澪ちゃんだーいすき!』すりすり
澪『わたしも唯がだーいすき!』なでなで
唯『澪ちゃん分ほきゅー!』ぎゅう
澪『わあ、くすぐったいよぉ』によによ
唯『あはははは』
澪『あははははは』
♪
澪「……あははー」むにゃむにゃ
律「……こいつ、どんなゆめ見てるんだろ?」
紬「しあわせそうね」 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:00:23.88 ID:Z+oLWhjSO
-
唯「あいたー!」
律「どった?」
唯「指のかわ、むけちゃった……」あうー
律「うわあ、いたいたしい」
澪「唯、だいじょうぶか?わたしが今すぐ手あてしてあげるから」がくがくがく
律「ひざがわらってるぞ」
澪「いまいくぞー」たじたじ
律「とおざかってる、とおざかってる」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:04:57.49 ID:Z+oLWhjSO
-
澪「ほら、バンソーコー」
唯「……ん。ありがと」てれてれ
澪「れんしゅーしてるうちに、だんだん指先かたくなってくるよ。ほら」
唯「……おお」ぷにぷに
澪「ね?」
唯「……」ぷにぷに
澪「……」
唯「~~~」ぷにぷに
澪「あのー」 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:06:40.95 ID:Z+oLWhjSO
-
唯「~~~~~」ぷにぷに
澪「……」によによ
唯「……はっ!」
澪「おやー?」によによ
唯「……う、うなー!」がぶー
澪「あだー!?」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:09:14.06 ID:Z+oLWhjSO
-
澪「ゆ、ゆび……」しくしく
律「あーっ!わたしも手のマメがつぶれちゃったー!」
澪「ひいっ!?」
律「ほらー」ひょい
澪「いやっ!」がくがく
律「ほらほらー!」ひょい
澪「やぁあっ!?」ぷるぷる
唯「……えいっ」ぺしっ
律「あたっ」
唯「澪ちゃんいじめないで!」
律「おまえには言われたくなかった!」ひりひり -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:12:45.64 ID:Z+oLWhjSO
-
澪「さっきも言ったけど、れんしゅーしてるうちにどんどん指先かたくなってくよ」
唯「はーい」
律「ゆいー。かわがむけたらかたくなるもの、なーんだ?」
唯「!?」
律「なーんだ?」によによ
唯「~~~~~」もんもん -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:17:47.79 ID:Z+oLWhjSO
-
澪「ミカンだろ。かわむいて放置したら、かたくなってるからな」
律「ちぇっ、正解」
澪「唯はなんだと思ったの?」
唯「ていっ」ぺしっ
澪「なぜっ」
唯「つーん!」ぷいっ
律「むふふ……おや?」
紬「……」もじもじ -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:19:57.33 ID:Z+oLWhjSO
-
律「どったの、ムギ?」
紬「あ……えっちな話してるのかとおもって、入りづらくて」てれてれ
律「耳年増が、ここにもひとり」 -
-
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:23:47.42 ID:Z+oLWhjSO
-
澪「それでムギ、講堂の使用届は?」
紬「あ、それなんだけどね、軽音部が正式な部とみとめられてないから、ことわられちゃった」
律「そっか……って」
澪「えええええー!?」
唯「な、なんで?どうして?」おろおろ
律「くっそー!こいつはきっと、生徒会のいんぼ」
澪「……なあ律。部活の申請用紙だした?」
律「あ」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:27:22.06 ID:Z+oLWhjSO
-
澪「やっぱりおまえのせいか!」うにうに
律「ご、ごめんなひゃい!らって、ムギのおかしおいひくて!」
唯「……そうなんだ」
律「唯?」
唯「そ う な ん だ ? 」
律「ず、ずみまじぇん!」
紬「ぴいいぃい!」ぷるぷる
澪「なんでムギがびびるの?」 -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:30:31.69 ID:Z+oLWhjSO
-
律「……かきおわりました」めそめそ
澪「よし、わたしが提出してくる」
唯「……」ぎゅ
澪「なに?」
唯「わたしも、いっしょにいっていい?」
澪「もちろん。いっしょにいこ」にこっ
唯「……ん」ぴこぴこ
律「唯、わたしもいっしょにいく」
紬「わ、わたしも!」
唯「あ……」へんにゃり -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:32:54.87 ID:Z+oLWhjSO
-
せいとかいしつ!
和「こんにちは、唯」
唯「あ~!和ちゃん!」ぎゅう
澪「ゆいー、わたしにもぎゅうー」
唯「ぃゃ」つーん
澪「……ちぇ」
律「ほれ澪、用紙用紙」
澪「おまえが提出しろ!」ぷいっ -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:34:41.53 ID:Z+oLWhjSO
-
和「はい、たしかに受けとったわ」
唯「和ちゃん、せーとかいの役員さんだったんだね」
和「そうよ」
律「しらなかったのか」
唯「うん」
律「おまえら、ホントに幼なじみ?」 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:37:18.20 ID:Z+oLWhjSO
-
和「いいのよ。唯はひとつのことに集中すると、ほかのことは全部わすれちゃう子だから」
紬「ひとつのこと?」
和「いまはひとりの女の子に夢中なのよね?」
唯「ノ、ノリョカヒャン……」しゅー
律「ほうほう」によによ
唯「あ、あに?」がうー -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:41:39.31 ID:Z+oLWhjSO
-
紬「ゆ、唯ちゃん!」
唯「なに?」
紬「わたしの今日のおひるごはん、なんだったかわかる!?」
唯「え?えっと……」
紬「わたしのおうちが何階建てか、わかるわよね!」
唯「えっと、えっと……」おろおろ
紬「おふろでどこから洗うか、わかるかしら!」
唯「……ごめんね」
紬「……くすん」
唯「!?」
紬「唯ちゃんはわたしなんかどうでもいいんだ、うえぇーん!」ポロポロ
律「ムギ、わたしたちも答えられないぞー」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:45:28.90 ID:Z+oLWhjSO
-
律「みんなでカラオケいこーぜ!」どーん
澪「やぶから棒に」
紬「わたし、カラオケっていってみたい!」きらきら
律「おー、いこうぜいこうぜ!」
澪「わ、わたしはいかないからな!」わたわた
律「どーしてさ」
澪「みんなのまえでうたうの、はずかしいもん……」
唯「……」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:50:12.32 ID:Z+oLWhjSO
-
律「しょーがないな。唯はくるよな?」
唯「……澪ちゃんがいっしょじゃないと、やだ」
澪「……唯」
唯「わたし、澪ちゃんのうたごえ、ききた……はっ!」
澪「ゆいぃ……!」
唯「わーわー、いまのぜんぶうそ!」ぱたぱた
澪「ありがとー!うれしいよ!」ぎゅう
唯「は、はなして!」ぺちぺち
澪「きめた!わたしもいっしょにいく!」
律「これだもんな」 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:52:00.43 ID:Z+oLWhjSO
-
澪「んふふー、唯とカラオケー」にこにこ
唯「あ、そうだ。和ちゃんもさそっていい?」
澪「えっ」
律「お?いいぜ、もちろん」
澪「……」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:54:53.16 ID:Z+oLWhjSO
-
澪(和もいっしょか……)
澪(唯、和にはなんのためらいもなくだきつくんだよな)
澪(わたしには、してくれないのに)
澪(……いけないいけない。これじゃわたし、やなやつになっちゃう)ぶんぶん
律「みおー、どったの?」
澪「なんでもないやい」ぷいっ -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 21:59:51.34 ID:Z+oLWhjSO
-
とうじつ!
憂「おねーちゃーん。そろそろ出発のじかんじゃない?」
唯「……」こりこり
憂「なにしてんの?」
唯「耳をできるだけ、きれいにしておいた方がいいかな、って」
憂「カラオケなのに?」
唯「澪ちゃんの歌だもん」こりこり
憂「?」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 22:03:15.76 ID:Z+oLWhjSO
-
唯「おまたせー」
澪「おそいぞー!ゆいー!」ぎゅう
唯「は、はにゃして!」べしべし
和「ごめんね、唯が出るのおそかったから」
澪「えっ」
律「どった?」
澪(和と唯、いっしょにきたんだ……)
澪(……いーな) -
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 22:05:54.52 ID:Z+oLWhjSO
-
律「ここはドリンクが、タダなんだ」
紬「すごいすごい!ジュースがバーってでてくる!」きらきら
澪「唯はなにのむの?」
唯「ん。オレンジ」
澪「じゃあ、わたしもそれにしよ」
唯「……どうして?」
澪「唯といっしょが、うれしいから」
唯「~~~~~」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 22:09:16.15 ID:Z+oLWhjSO
-
律「ここがわたしたちの部屋だぞ」
紬「すごい!くらくてせまい!」にこにこ
和「カラオケなんて、お父さんときて以来ね」
唯「……」もじもじ
澪「唯、どうしたの?」
唯「ちょっとおトイレ」とてとてとて
澪「そっか、なるべく早くもどってきてね」
唯「?」 -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 22:12:11.34 ID:Z+oLWhjSO
-
すうふんご!
唯「ただいまー」
紬「おかえりなさいー」
澪「はいこれ、ジュース。のんで?」
唯「ん?……ありがと」こくこく
澪「んふふー、ひっかかった!」
唯「!?」
澪「それわたしのだよっ!やったー、唯と間接チューだ!」
唯「~~~~~!!!」べしべしべし
澪「あたっ、いたたた」
唯「つーん!」ぷいっ -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 22:56:06.87 ID:Z+oLWhjSO
-
律「唯ほら、タンバリン」
唯「?」
律「たたいてみて!」
唯「……こう?」ぺしぺし
和「ほらほら、ようちえんのカスタネットみたいに」
唯「……うん、たん」
和「そうそう」
唯「うんたん、うんたん」ぺしぺし
澪「!!!??」 -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 22:59:15.50 ID:Z+oLWhjSO
-
唯「♪うんたん♪うんたん」ぺしぺし
澪「……」
唯「♪うんたた、うんたっ!」
澪「……んた、うんた」
唯「♪たたんた、うんたっ!」
澪「♪うんた、うんた」
唯「♪うんたん♪うんたん」
澪「♪うんたん♪うんたん」
律「……おお」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:01:55.24 ID:Z+oLWhjSO
-
唯「♪たんたた……」
澪「♪うんたっ!」
ぱちぱちぱち
唯「!?」
紬「唯ちゃんも澪ちゃんも、すごいすごーい」きらきら
和「むかしとった杵柄、ね」
律「いきぴったりだったぜー、お二人さん」
澪「……へへー」にこにこ
唯「~~~~~!」ぽしゅー -
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:12:50.65 ID:Z+oLWhjSO
-
唯「はずかしい……」へんにゃり
澪「だいじょうぶだよ、唯」なでなで
唯「澪ちゃんまでいっしょになっちゃって、ばかみたい」ぷい
紬「唯ちゃん、ごめんなさいね。のせたわたしたちもわるいの」おろおろ
澪「……よーし、律!マイクパス!」
律「ほいさっ!」
澪「♪Please don't say "You are lazy"」
唯「!?」 -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:15:50.85 ID:Z+oLWhjSO
-
澪「♪だってほんとうはcrazy」
唯「……!!」ぱああああ
澪「♪白鳥たちはそう、見えないとこでバタ足するんです」
唯「……」とろーん
和「澪、歌がうまいわね」
律「唯が軽くトリップしてるぜ……」 -
- 52 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:18:25.10 ID:Z+oLWhjSO
-
澪「♪だからたまに、休憩しちゃうんですっ!」
紬「……すごいわ、澪ちゃん!」
澪「……ふぅ、ありがと」
律「これならライブのボーカルは、澪にまかせられるな!」
澪「ええっ!?それはムリだよ!」
唯「……」とてとてとて
澪「ん?」
唯「……」ぎゅううう
澪「ほああああ!?」 -
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:24:21.09 ID:Z+oLWhjSO
-
唯「……えへ」すりすりすり
澪「こ、こら!はなせー!」どぎまぎ
律「あー、こりゃあ酔ってますな」
和「雰囲気で酔える人がいるんだから、うたごえで酔う人がいてもおかしくないわよね」
唯「みーおーちゃー」べたべた
澪「はーなーせー」ドキドキ
紬「いつもとぎゃくね」 -
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:28:39.38 ID:Z+oLWhjSO
-
和「次、わたしいいかしら」
紬「どうぞどうぞー」
律「おお、こゆびたててマイクもってる!なんかかっこいい!」
唯「んふふー」ぎりぎり
澪「ぶくぶく」
和「ボエーーーーーー!!!!!」
唯「……」
澪「……」
律「……」
紬「……」 -
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:31:24.78 ID:Z+oLWhjSO
-
しばらくして……
和「……どうだったかしら?」
紬「……ぁぅぁぅ」
唯「……よかったとおもうよ!」にこー
律「酔いざましにはなったな」
澪「たすかったよ」けほけほ
和「あら、うれしいわ。ありがとう」 -
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:42:09.80 ID:Z+oLWhjSO
-
律「つぎ、唯のばんだぞー」
唯「この曲うたうの!」にこにこ
紬「あれ?これデュエット曲ね」
澪「!!」ぴこっ
唯「そっかー、じゃあ」
澪「わたしわたし!」ぴこぴこ
唯「和ちゃん、いっしょにうたお!」ぎゅう
和「え?い、いいけど……」
澪「……ちぇ」 -
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:44:39.35 ID:Z+oLWhjSO
-
唯「わたし飲みものとってくる」
澪「あ、わたしもいっしょにい」
唯「澪ちゃん、コップかして」ひょい
澪「あ……」
唯「いってきまー」とてとてとて
律「いってらー」
澪「……なんだょぅ」 -
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:48:46.70 ID:Z+oLWhjSO
-
すうじかんご……
紬「きょうはたのしかったわあ」
律「またこような!」
唯「和ちゃんもいっしょだよー」ぎゅう
和「はいはい」
澪「ゆいー、わたしにもぎゅうー」
唯「えい」ぺし
澪「……いたい」
和「こら、唯」
唯「いーの」つーん
澪「……」 -
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:51:28.15 ID:Z+oLWhjSO
-
澪(なんだよう、唯のやつ)
澪(和にばっかりいちゃいちゃして)
澪(なつはあんなに、わたしにこだわってたくせに……)
澪(もう、あきちゃったのかな)
澪「……むすっ」
唯「?」 -
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 23:58:35.51 ID:Z+oLWhjSO
-
よくじつ!
ピンポーン
憂「はーい」
憂「こんなじかんにだれかな?」がちゃ
澪「おはよう、唯いる?」
憂「あ、澪さん。おねーちゃんなら和さんといっしょに、さきにいきましたよ」
澪「……そっか、ありがと」
憂「あの、よかったらわたしといっしょにいきませんか?」
澪「いや、いいよ。またね」とたとた
ガチャバタン
憂「……」うるうる -
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:01:35.22 ID:B7b7/F1rO
-
唯「でね、それでねー」
和「そうなんだ」
澪「ゆーいー」
唯「あ、澪ちゃ……わわっ」
澪「いっしょに学校いこーよー」
唯「にゃ……やだよっ!」わたわた
澪「そういうなよ。ゆーい、んー」すりすり
和「あらあら。わたし、さきにいくね」
唯「あー」
澪「んー」ごろごろ -
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:09:52.00 ID:B7b7/F1rO
-
きょうしつ!
唯「和ちゃん、おはよー」
和「おはよう唯。澪もあらためておはよう」
澪「へへー、おはよう」べたべた
唯「は、はにゃして!」ぺちぺち
和「ふたりとも、あしたは気をつけて。おおきな台風がくるみたいだから」
唯「澪ちゃんクラスちがうでしょ!」ぐぐぐ
澪「まだだいじょーぶだよ」ぐぐぐ
和「きいちゃいないわね」 -
- 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:14:15.61 ID:B7b7/F1rO
-
唯「和ちゃーん、勉強おしえてー」
澪「わたしがおしえてあげるよ!」ずいっ
唯「和ちゃんがいーの」ぷいっ
澪「んなこといってー、また追試になっちゃうぞ?」
モブ「え?唯って追試になったの?」
モブ「追試がゆるされるのって、小学校までだよねー。キャハハハ」
唯「……」カアァ
澪「あ、ごめ……」
唯「ふんっ」ついっ -
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:21:27.35 ID:B7b7/F1rO
-
おひる!
唯「んふふー、おひるおひるー」にこにこ
和「唯、お客さんよ」
唯「お客さん?……あっ」
澪「ゆっいー!たまにはみんなでいっしょにたべようよ!」ぱたぱた
唯「澪ちゃ……」
澪「律とムギが、部室でまってるぞ!ほら、いこいこ」ぐいぐい
唯「澪ちゃん、きょうはわたし、和ちゃんと……」
和「いいじゃない。いってらっしゃいよ」
唯「あ……」 -
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:24:08.52 ID:B7b7/F1rO
-
部室!
ガチャ
澪「唯つれてきたぞー」にこにこ
紬「あら、いらっしゃい」
律「めずらしいなあ、澪がなにかを主催するなんて。なあ唯」
唯「そ、だね」へんにゃり
律「?」 -
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:30:12.54 ID:B7b7/F1rO
-
紬「澪ちゃんの卵焼き、おいしそうね」
澪「ありがと!でも、唯のから揚げの方がおいしそうだよ。みてみて」
律「あれ?唯、あんまりハシがすすんでないぞ」
唯「……ん。和ちゃんと、いっしょにたべたかったな、って」
ガタッ
澪「……あっそ」 -
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:36:08.99 ID:B7b7/F1rO
-
律「みお?」
澪「けっきょく唯は、わたしより和のほうがいーんだよな。よくわかったよ」
唯「澪ちゃん!?」
澪「わるかったな、ふたりっきりの楽しいじかんをジャマして!」
紬「み、澪ちゃんどうしたの?おちついて?」おろおろ
唯「澪ちゃん、わたしそういうつもりじゃ……」
澪「なにさなにさ、合宿のときなんか、勝手にヘンなカンちがいしておこったくせに!」
唯「!!」
澪「もういいよーだ!唯なんか知らないから!お幸せに!」
ガチャバタン!
紬「……ほらみてー、マンボウ」ぷくぷく -
- 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:39:08.43 ID:B7b7/F1rO
-
律「……」
唯「……」
律「……なあ唯」
唯「……あ、あに?」でろり
律「澪はいま、ちょいと調子わるいから。ゆるしてあげてくれ、な?」
唯「……ちがうよ」
律「なにが?」
唯「わたしが、ゆるしてもらわなくちゃ……」めそ
紬「マンボウよー、だれかみてー」ぷくぷく -
- 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:44:49.38 ID:B7b7/F1rO
-
放課後……
澪「……こんにちは」
唯「あ、澪ちゃ」
澪「つーん」
唯「うぅ……」
律「……」
紬(ヒラメの方がいいかしら?) -
- 89 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:48:04.73 ID:B7b7/F1rO
-
唯(どうしよう……澪ちゃんおこってるよ……)
唯「澪ちゃん、あのね」
澪「ぷいっ」
唯「えっと……」
澪「つんっ」
唯「あうぅ……」へんにゃり -
- 91 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:53:02.75 ID:B7b7/F1rO
-
唯(澪ちゃんおこってるから、きょうはひとりでれんしゅーしないと……)
唯(……)
唯(ここ、どうすればいいんだろ……)
唯「んー、んー」
澪「……」うずうず
律「……なあ澪」
澪「んー?」
律「もうゆるしてやってくれよ……かわいそうだよ」
澪「……ぃゃ」ぷい -
- 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 00:57:22.38 ID:B7b7/F1rO
-
紬「お茶にしましょ。ね?」にこにこ
唯「……わーい、ありがと」げっそり
律(もうやつれてる……)
澪「……」はらはら
唯「……おいしいなー」
紬「あ、唯ちゃん!カップ!」
唯「ほえ?」
カチャッ だばー
唯「あ、あちちっ!」 -
- 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 01:02:30.45 ID:B7b7/F1rO
-
澪「ぁっ!」
紬「唯ちゃん、だいじょうぶ!?」
唯「うぅ……」じわー
澪「ゆいっ、なかないで!ほら、わたしがふいてあげるから!」ふきふき
律「お……」
唯「……みお、ちゃん?」
澪「……あっ」
唯「ありが」
澪「ごめん、きょうはさきにかえる」ついっ
唯「あ……」
澪「バイバイ」 -
- 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 01:05:26.22 ID:B7b7/F1rO
-
ガチャバタン!
紬「……」
唯「……」
律「……あのばか」
唯「……どうしよう」
紬「唯ちゃん……」ぽむぽむ
唯「このまま、ずうっと澪ちゃんと口きけないままだったら……」じわー -
- 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 01:08:09.92 ID:B7b7/F1rO
-
♪
澪『ゆいーおわかれだよー』
唯『澪ちゃん!?』
澪『唯はわたしなんかきらいだもんな、だからさよなら』
唯『まって!わたし澪ちゃんきらいなんかじゃないよ!』
澪『わたし長万部いくんだー。だから永久にグッバイー』
唯『やだあ!澪ちゃんまって!はなしをきいてよぉ!やだああぁぁぁ……』 -
- 101 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 01:14:13.19 ID:B7b7/F1rO
-
♪
唯「う゛う゛う゛う゛う゛~」ボロボロ
紬「唯ちゃん!?」
唯「澪ぢゃんおぢゃまんべいっじゃやだああぁ!う゛う゛う゛う゛う゛~」ボロボロ
律「あー、よしよし。あいつはどこにもいかないぞ」なでこなでこ
唯「ひっく……ひっく……」ぷるぷる
紬「唯ちゃん、ほら!マンボ」
律「それ、もういいよ」
紬「……」しゅん -
- 103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 01:20:37.07 ID:B7b7/F1rO
-
唯「……っく、ぐすっ……」
律「おちついたか?」さすさす
唯「……りっちゃん、ムギちゃん」ぐすっ
律「んー?」
唯「わたし、あしたあやまりたい。なんとかして、澪ちゃんにあやまりたい……」
律「そうだな、なかなおりしような」にこっ
唯「……ん」にこ
律「お、わらったわらった」にしし
紬(そうね、それがいちばんね。でも……)
紬(おてんきが、ちょっと心配ね……) -
- 132 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 09:23:46.80 ID:B7b7/F1rO
-
よくじつ……
唯「……」
ざああー
律『……まあほら、だいじょうぶだよ。なかなおりが、いちにちずれただけだから』
唯「……むー」へんにゃり
律『せっかく休校になったんだから、なかなおりの方法かんがえるのはどうよ?』
唯「……ん。そうしよう、かな」
律『あるいはいちにち、澪のことわすれてパーッとあそぶとか』
唯「むり」
律『ほえ?』
唯「澪ちゃんわすれるなんて、むり」
律『もしもーし、よくきこえなかった』
唯「なんでもない」ぷい -
- 133 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 09:30:02.47 ID:B7b7/F1rO
-
律『んじゃ、まったなー』
唯「……りっちゃ」
律『んー?』
唯「……でんわ、ありがと」
律『どういたしま……そこだ!旋風裂斬!』
唯「……なにしてんの?」
律『めざすは打倒・憂ちゃんナコだぜ!』
唯「ゲーム……」じと -
- 134 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 09:31:56.85 ID:B7b7/F1rO
-
ガチャン
唯「さて、と……」
ガラララ、ピシャーン!
唯「うなー!」びくぅ
唯「ぁぅう……憂まだかえってこないのかなぁ」ぷるぷる -
- 136 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 09:37:48.40 ID:B7b7/F1rO
-
ガチャ
唯「!!」ぴここん
憂「ふうー、すっかりぬれちゃった」
唯「おかえりーういー!」ぎゅう
憂「ただいま、お姉ちゃん!アイスたべる?」なでこなでこ
唯「ん。……いま、気分じゃないの」
憂「そっか……あ、さっきね。澪さんにあったんだよ」
唯「!?」ぴこっ -
- 137 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 09:43:59.03 ID:B7b7/F1rO
-
憂「学校にわすれものとりにいくんだって」
唯「……それで?」ぴこぴこ
憂「んーと、そのときは買いもののまえだったから、あめふってなかったんだよね……」
唯「……」うずうず
憂「澪さん、カサもってなかったんだけど……だいじょうぶかな?」
ガタッ
唯「ういー!ちょっとおむかえいってくるね!」ばびゅーん
憂「はやっ!?」 -
- 139 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 09:48:21.18 ID:B7b7/F1rO
-
唯「カサ……いっぽんでいいかな」
唯「……」
♪
唯「澪ちゃん澪ちゃん、おむかえだよー」
澪「お、じゃあ相合いガサだな!」
唯「!?」
澪「さあ、いきましょうか。わたしの唯姫」
♪
唯「……にほんもってこ」どきどき -
- 140 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 09:52:21.17 ID:B7b7/F1rO
-
ざああ……
唯「……よし」ぴちゃぴちゃ
唯「これをきっかけに、澪ちゃんとなかなおりする!」きっ
唯「それで、それで……」ぴちゃぴちゃ
♪
澪「ゆいー!」ぎゅう
唯「は、はにゃして!」ぺしぺし
♪
唯「……って、これじゃいつもどおりじゃん」てれてれ -
- 141 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 09:56:18.02 ID:B7b7/F1rO
-
びゅーう
唯「……それにしても、ちょっと風、つよすぎないかな」よろよろ
びゅーびゅー
唯「あらら、あらら」くるくる
ベキベキベキッ!
唯「あー、骨おれちゃった!……っとと」
唯「うわあっ!」
べちゃっ -
- 142 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 09:57:52.85 ID:B7b7/F1rO
-
唯「ぁぅぅ、ころんだ……」
車「ぷっぷー」
ずがばしゃー
唯「……」ぽたぽたぽた
車「ぷー」 -
- 143 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:06:13.98 ID:B7b7/F1rO
-
そのころ……
澪「あーあ、まいったなー」ぽたぽた
澪「ママのいうとおり、カサもっていけばよかった……」
澪「はやくかえんないと、カゼひいちゃう……っくち」
澪「……唯、いまごろなにしてんのかな……ん?」
唯「……」とぼとぼ
澪「ゆいー!?」 -
- 145 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:13:00.92 ID:B7b7/F1rO
-
唯「……みお、ちゃ……」
澪「なにしてんだよ、びしょぬれじゃんか……」ふきふき
唯「……」
澪「カサもささないで……って、にほん?」
唯「……う、うぅ……」ぐじゅ -
- 146 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:15:23.66 ID:B7b7/F1rO
-
澪「ゆい……?」
唯「うっ……うっ……」ポロポロ
澪「……わたしのうち、きて」
唯「……うえっ……ひっく……」
ガラガラ、ドシャーン
唯「うなー!?」ぎゅー
澪「ほああああ!?」 -
- 147 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:22:19.45 ID:B7b7/F1rO
-
みおんち!
澪「ただいまー」
澪ママ「おかえりなさい……あら、その子は?」
唯「……ひらさわ、ゆい……です」ひっく
澪ママ「ああ、澪のお気に入りの女の子ね」
唯「!?」
澪ママ「娘から、さんざんあなたのこときかされましたよ。とってもかわいい子がいるって」にこにこ
唯「……もー」ひっく -
- 148 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:24:57.09 ID:B7b7/F1rO
-
澪ママ「ふたりとも、シャワーあびてきがえてらっしゃい」
澪「はーい。唯、わたしのふくだけど、きてくれる?」
唯「!?」ひっく
澪「さてと、さきにおトイレいこっと」
唯「……」ひっく -
- 150 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:38:52.22 ID:B7b7/F1rO
-
唯(澪ちゃんシャツ……)
唯「……」ぎゅ
唯「……」ぽふ
唯「……」ぽふぽふ
唯「……すー」
唯「……はー」
唯「……」ぎゅー -
- 151 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:40:46.82 ID:B7b7/F1rO
-
澪「おまたせー」
唯「!?」
澪「なんだ、まだぬいでなかったのか……ん?」
唯「ていっ!」べしっ
澪「あだっ!?」
唯「~~~~~~~!!!!!!」べしべしべしべしべし
澪「あたっ!いたいいたい!やめろぉ!」 -
- 152 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:43:36.97 ID:B7b7/F1rO
-
澪「なぞにひどい目にあった」よろよろ
唯「つーん!」ひっく
澪「……ん?唯、しゃっくり?」
唯「……ん」ひっく
澪「しゃっくりとめるには……」
ピシャーン!
唯「うなー!」ぎゅう
澪「びっくりさせる、だよな」
唯「コワイコワイコワイ」がくがく -
- 153 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:46:51.60 ID:B7b7/F1rO
-
澪「さ、おふろはいろ?」
唯「……やだ」ぷい
澪「どうして?」
唯「……はずか、しい……から」カアァ
澪「合宿でいっしょにはいっただろー」なでなで
唯「いま合宿じゃないもん」つんっ
澪「……そっか、唯はわたしがきらいなんだよな……」
唯「……」ぎゅ
澪「ん?」
唯「……やっぱりはいる」 -
- 154 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:49:07.15 ID:B7b7/F1rO
-
おふろば!
澪「……」
唯「……」
澪「……シャワーあきましたよ」
唯「……ん」
澪「カベのほうむいてたら、おはなしできないよう」
唯「……ぃぃ」 -
- 155 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:51:51.70 ID:B7b7/F1rO
-
澪「……ゅぃ」
唯「……ん」わしゃわしゃ
澪「……その、あとでわたしのへや、きて?はなしたいことがあるから……」
唯「わかっ……た!?」
澪「お?」
唯「たー!たー!」ばたばた
澪「唯、どうしたの?」
唯「シャンプー目にはいったー!もー!」 -
- 157 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 10:57:49.38 ID:B7b7/F1rO
-
澪「ほら、わたしがあらってあげるから」さらさら
唯「……ありがと」
澪「はい、おわり」しゃわー
唯「んー」
澪「目、あけていいよ?」
唯「……ん」ぱちっ
ばいーん
唯「!?」
澪「?」ばいーん
唯「う、うなー!」べちべちべちべちべち
澪「あだだだだ!?」
唯「~~~~~」だくだくだくだく
澪「ほああああ!?鼻血鼻血ー!」 -
- 158 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 11:01:42.24 ID:B7b7/F1rO
-
しばらくして、澪のおへや!
唯「……」どきどき
ガチャ
唯「!!」びくっ
澪「ゆいー、あったかいココアもってきたよー」
唯「……ん、ありがと」ばくばく
澪「どうして、こっちみてくれないの?」
唯「……っぱい」
澪「え?」
唯「あんでもない」ぷいっ -
- 159 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 11:03:42.16 ID:B7b7/F1rO
-
澪「……」
唯「……」
澪「……ゆ」
唯「……み」
澪「あ、さきどうぞ」
唯「いえいえ、おさきどうぞ!」
澪「……じ、じゃあわたしから!」
唯「……ん」
澪「……えっと、こないだは、ごめん」
唯「えっ」 -
- 160 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 11:06:57.63 ID:B7b7/F1rO
-
澪「わたし、和にちょっとヤキモチやいちゃって。唯が和となかよくしてるの見るのがいやで、つい……」
唯「……ううん、わたしがわるいのっ!わたしが澪ちゃんにつめたくしたからっ!」
澪「ちがうよ、わるいのわたしだよっ!」
唯「ちがーう、わたし!」
澪「……」
唯「……」 -
- 162 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 11:12:54.92 ID:B7b7/F1rO
-
澪「……唯」
唯「……はい」
澪「まえに、わたしは唯がいちばんっていったでしょ?」
唯「……ん」こくこく
澪「しょうじきにこたえてね。唯はわたしのこと、どうおもってるの?」
唯「えう……」
澪「……」じー
唯「……たしも」
澪「うん」
唯「……たしも、澪ちゃんがいちばんだから……」 -
- 164 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 11:20:48.67 ID:B7b7/F1rO
-
澪「ほんと?」
唯「……ほんと……はっ!うそうそ、やっぱりうそ!」
澪「え?うそなの?」
唯「ちがうちがう、そうじゃなくて……う、うなー!」ばたばた
澪「お、おちついて……」
唯「……らかった」
澪「え?」
唯「きのう、澪ちゃんにさけられて、すっごくつらかった。かなしかった……」 -
- 165 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 11:23:01.42 ID:B7b7/F1rO
-
澪「唯……」
唯「わたし、澪ちゃんのやさしさに何度もたすけられたし、いっつもえがお、もらってたのに……」
唯「だ、だ、だから……」ぽろ
唯「もういたずらしても抱きついてきてもおこらないから……つーんてしないでよぅ……」ぽろぽろ -
- 166 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 11:26:20.96 ID:B7b7/F1rO
-
澪「……っ!」ぎゅっ
唯「ひっく……ひっく……」
澪「唯、ありがとう……ごめんね。ほんとにほんとに、ごべんね」ぐすっ
唯「澪ちゃん、ないてるの?」ぽろぽろ
澪「……ちがうよ、あせだよ……」ふきふき
唯「……澪ちゃん、こどもみたい」にこ
澪「唯だって、こどもじゃんか……」にこ
唯「……えへへ」
澪「……ふふっ」
澪ママ「うんうん」 -
- 167 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 11:28:13.00 ID:B7b7/F1rO
-
唯「……あめ、あがったね」
澪「ああ……これから、とってもいいてんきになるよ」
唯「……ね、澪ちゃん」
澪「んー?」
唯「もすこし、このままでいたい……」ぎゅ
澪「……わたしも」ぎゅ -
- 170 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 11:39:08.71 ID:B7b7/F1rO
-
ごじつ!
澪「学祭でえんそうするきょくの、歌詞ができました!」
唯「わーい、みせてみせて!」
澪「それはできません!」
唯「えーっ」
紬「澪ちゃん、わたしもみたいわぁ」
澪「いや、やっぱりはずかしいし……」
唯「澪ちゃーん」
澪「だめー!だめー!」ぱたぱた
律「あーっ!秘蔵の唯のヌード写真がおちちゃった!」
澪「えっ」
律「えい」ばっ
澪「!!」 -
- 172 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 11:41:38.77 ID:B7b7/F1rO
-
律「……こ、こいつは……」
紬「どれどれ?」
律「からだが、かゆ……いっ!?」
唯「り っ ち ゃ ん ? 」ごごごごご
澪「歯ァ、くいしばれ……」ゴゴゴゴゴ
律「ひぃーっ!おたすけー!!」 -
- 174 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 12:04:54.99 ID:B7b7/F1rO
-
澪「……ふう。また、つまらぬものを……」ぱんぱん
律「……」ぴくぴく
唯「……」じー
澪「はっ!」
唯「澪ちゃん、」
澪「ゆ、ゆいぃ!よんじゃったのか!?」
唯「澪ちゃん、あのね」
澪「あー、やっぱりだめだよな、こんなの!あははは……」
唯「すっごくよかったよ!」
澪「えっ?」 -
- 175 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 12:08:26.21 ID:B7b7/F1rO
-
唯「わたしはきにいったよ、この歌詞!」
澪「……ほんと?」
唯「ほんとほんと!」ぎゅっ
澪「あ、手……」
紬「よかったわね、澪ちゃん」
澪「……ゆ」
唯「んー?」
澪「ゆいいいい!ありがとおおお!」ハグハグハグハグ
唯「うわっ!」 -
- 176 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 12:10:54.50 ID:B7b7/F1rO
-
澪「ゆーいー、んー」すりすり
唯「は、はにゃして!」ぺちぺちぺち
澪「あた、あたたっ」
唯「ちょうしにのっちゃだめー!」
澪「……もうおこんないって言ったのに、うそつき」ひりひり
唯「つーん!」
おしまい -
- 180 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 12:17:36.73 ID:B7b7/F1rO
-
おわりです
規制等の関係で、前回から1ヶ月以上もブランクがあいてしまいました
さんざんお待たせして、本当にごめんね
そしてスレ提供してくださった方と、支援してくださった方に、ありがとう -
- 183 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 12:29:23.72 ID:B7b7/F1rO
-
NGシーン
唯「ぁぅぅ、ころんだ……」
車「ぷっぷー」
キキィーッ ドーン
唯「……」ぽたぽたぽた
車「ぷー」 -
- 185 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 12:34:21.56 ID:8VYC3U3tO
-
>>1
にやにやがとまらなかった
乙!
また楽しみにしてる
- 190 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 13:23:14.39 ID:+ckXsUL90
-
乙乙
- 191 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 14:00:54.64 ID:rXTrTft40
-
ぐっじょぶぐっじょぶぐっじょぶ
- 128 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/16(水) 08:33:13.04 ID:2zyKFUFM0
-
澪「ゆーい」唯「つーん」
澪「ゆいとすごすなつやすみ!」唯「つーん」
に続いての三作目・・・かな?
▲ Close
| けいおん!!SS
| 18:00
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.15 Tue
≫ 続きを読む
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:01:28.16 ID:s36Yvz2N0
-
唯「わぁ美味しい! あずにゃん天才!」
梓「そんな大袈裟な…」
紬「でもホントに美味しいよ」
梓「そうですかね……?」
今日は2月14日。
即ちバレンタインデーです。
大学入試を終えてその報告に学校に来た4人の先輩達が、部室で私が作ったチョコレートケーキを食べています。
気恥ずかしさや先輩達が卒業することの寂しさなど、色々な想いが渦巻いて結局放課後になるまで渡せませんでした。
でもティータイムのお茶請けになったので、結果的には今の今まで渡せなくてかえって良かったのかもしれません。 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:09:54.76 ID:s36Yvz2N0
-
律「なあ梓、チョコケーキってことはコレってやっぱバレンタインの」
律先輩がからかうような口調で言いました。
でも……。
梓「残念ながらハズレですね。これは日頃の感謝の気持ちです」
律「へぇ~感謝ねぇ」
梓「なのでバレンタインのチョコレートはそれとは別に作ってきました」
私は4つの小さな包みを、それぞれ先輩達に渡しました。
少しの緊張を胸に秘めて……。 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:18:43.86 ID:s36Yvz2N0
-
律「ケーキだけじゃなくてチョコまでくれるなんて大盤振る舞いだな」
唯「あずにゃん太っ腹~」
梓「小さくて申し訳ないんですけど…。あ、あとそのチョコは家に帰るまで開けないで下さい」
唯「え~今食べたいよ~」
包みを開けようとしている唯先輩が動きを止めてそう言いました。
唯先輩には悪いけど今ここで開封されるわけにはいきません。 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:27:43.98 ID:s36Yvz2N0
-
律「唯、せめて先にケーキを食べ終わってからにしろよ」
澪「でも何で家に帰るまで開けちゃダメなんだ?」
梓「あ、あの……チョコレートのほうは受験お疲れ様、の気持ちを込めて作りました」
梓「なので家でくつろいでる時にでも食べてくれたらなぁと思いまして」
嘘ではありません。
でも本心は別にあったりします。
しかし自分で言っておいて何ですが、こんな理由が抑止力になるのでしょうか?
正直不安で仕方ありませんが、ある理由で今開けられると少し困ります。 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:38:13.34 ID:s36Yvz2N0
-
澪「まあここで両方とも食べて太りでもしたら嫌だし、家でいただくよ。ありがとな梓」
律「家でのんびりしながら食うほうが太りそうだけどな」
澪「うう、言われてみればそんな気も……」
紬「いくら食べても太らない唯ちゃんが羨ましいわ……」
梓「というわけですので、それは家で食べて下さいね」
唯「うーん残念だなぁ」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:48:56.55 ID:s36Yvz2N0
-
――――
―――
――
梓「待ち合わせの時間まであと1時間か。さすがに早く来すぎたかな」
今日は待ちに待った日曜日。
憧れのあの人とお出かけする日です。
でも楽しみすぎて、気付けばこんなに早く待ち合わせ場所に来てしまいました。
梓「うぅ寒っ! カイロでも使おうかな」
独り言を言いながら両手をすり合わせていると、
ムギュッ
などという擬音が聞こえたような……?
気が付けば私の両手は温かい何かに包まれていました。 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:58:00.12 ID:s36Yvz2N0
-
紬「どう? 私の手、温かいでしょ?」
梓「ムギ先輩!」
私の手を包んでいたのはムギ先輩の手、しかも手袋越しなのに凄く温かい……。
それにしてもいつの間に目の前に来たのでしょうか?
紬「おはよう梓ちゃん。随分早いのね」
梓「ムギ先輩こそ、まだ時間まで1時間近くありますよ」
紬「梓ちゃんと遊ぶのが楽しみすぎていてもたってもいられなくなって……早く来ちゃったの♪」
梓「わ、私も同じです!」
今言ったことのせいで顔が赤くなりそうになっています。
それでも言わずにはいられませんでした。 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:09:00.37 ID:s36Yvz2N0
-
梓「そ、それより今日は私に付き合ってもらっちゃってすいません。そしてありがとうございます」
紬「ううん。大学受験も終わったし、私も梓ちゃんに誘ってもらって嬉しかったから。しかもあんな楽しい方法で、ね」
梓「自分ではどうかなと思ってたんですが。手紙なんて古典的かなぁと」
紬「そんなことないわ。バレンタインデーでチョコレートと一緒に手紙なんてとてもロマンチックだと思うの!」
梓「は、恥ずかしいです……」
そう、これがバレンタインデーの日、部室でチョコを開けられてはマズい理由です。
私はあのチョコにそれぞれ簡潔な内容の手紙を添えて先輩達に渡しました。
卒業式のときは本格的に手紙を書いて渡そうかな、なんて思ってたりもしてますが……。 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:19:41.43 ID:s36Yvz2N0
-
あの場でみんなに開けられたら律先輩あたりにからかわれること請け合いでしょう。
下手をすると音読とかされたりして……。
何より、万が一ムギ先輩に書いた手紙の内容が漏れたらそれこそ大変です。
それにムギ先輩には一人きりのときにゆっくり手紙を読んで欲しかったから。
そしてムギ先輩の、大好きなムギ先輩のチョコに添えた手紙にはこう書きました。
二人きりで会いたい、二人きりで遊びに行きたい、そして大事な話がある、と。 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:53:51.65 ID:s36Yvz2N0
-
梓「でもまさか返事が手紙で返ってくるとは思いませんでした」
紬「ビックリしたかしら?」
梓「ええとても」
紬「良かった~。前に驚かそうとしたときは眠っちゃって失敗しちゃったけど、今度は大成功ね!」
なんとムギ先輩は、返事を私と同じように手紙でくれたのです。
バレンタインデーの翌日、放課後下駄箱を空けたらムギ先輩からの手紙が入っていました。
この日は3年生は特に登校しなければいけない日でもなく、また軽音部で集まる日でもない……。
わざわざ返事の手紙を下駄箱に入れるために、私を驚かせるために学校に来たということなのでしょう。
私はムギ先輩の誠意と律儀さと、ほんの少しのイタズラ心に胸を打たれました。 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 02:04:39.05 ID:s36Yvz2N0
-
紬「さあ、まずはどこに行くのかしら?」
梓「取りあえずお昼にしませんか? まだ若干時間は早いですけどお腹空きました」
紬「そうね、そうしましょう」
ムギ先輩はおっとりぽわぽわ、いつもの調子のようです。
『大事な話』のことなんか気にもしてないのだろうか、何てことを考えてしまう自分が少し嫌。
私のほうは楽しみと、そして『大事な話』をした後の結果に対する恐れによる緊張により、普段の自分が若干崩れつつあります。
それでも二人きりのお出かけを存分に楽しもうと思います。
そうじゃないともったいないですからね。 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 02:16:14.24 ID:s36Yvz2N0
-
紬「梓ちゃん! これ、これとっても美味しいの!」
梓「お、落ち着いて下さいムギ先輩」
まるで子供のようなはしゃぎよう。
でもムギ先輩の子供っぽい面も、私の大好きなムギ先輩の1つです。
その子供っぽさが出ているときは、律先輩とつるんではしゃいだりするので多少迷惑を被る時があったりもしますが。
梓「でもお口に合って良かったです」
紬「私、好き嫌いはないほうだから」
紬「それにね……」
ムギ先輩が微笑みながら私を見ています。
……正直、たまりません。
紬「梓ちゃんと一緒にお食事をしているから余計に美味しく感じるのよきっと」
梓「…っ!」
きっと今の私の顔はタコのように真っ赤になっているでしょう。 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 02:28:10.37 ID:s36Yvz2N0
-
紬「うーん、お腹一杯になったわ」
ムギ先輩、私の倍くらい食べたような気が……。
普段のお昼のお弁当も凄い量だって先輩達が言っていたのをふと思い出しました。
紬「ちょっと食べ過ぎちゃったかな。余計なお肉が付かなければいいんだけど……」
梓「こういうときは唯先輩が羨ましくなりますよね」
紬「ホントね~。でも今日はこれから梓ちゃんと楽しく遊ぶんですもの。たくさん食べて力をつけないと」
梓「くすっ、そうですね。それではそろそろ出ましょうか」
紬「出ましょう出ましょう~♪」
気が付けば私の緊張は綺麗さっぱり消え去っていました。 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 02:39:35.22 ID:s36Yvz2N0
-
それから私達はあっちこっち遊び歩きました。
私が行きたかったレコード屋や楽器屋などに付き合ってもらったり、またはムギ先輩が行きたいところに行ったりと。
ムギ先輩に連れて行かれた場所は意外な所ばかりでした。
ゲームセンターはともかく、まさか駄菓子屋に連れて行ってもらえるとは夢にも思ってなかったので。
聞けば駄菓子屋は前に律先輩にエスコートしてもらった場所だそうです。
凄く楽しそうに駄菓子を買い漁るムギ先輩を見てると、微笑ましいと同時に僅かな嫉妬を律先輩に感じてしまうことは内緒……。
あと妙に駄菓子が美味しかったのも追い討ちになったり。
そして幸せな時間はあっという間に過ぎていきました。 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 02:53:27.69 ID:s36Yvz2N0
-
梓「日が大分傾いてきましたね」
紬「楽しい時間がもうすぐ終わるのだと思うと寂しくなるね」
そうしみじみと言うムギ先輩。
……そろそろ頃合でしょうか。
私は真剣な声を出して次のセリフを言いました。
梓「ムギ先輩、最後に私と一緒に行って欲しい場所があります」
紬「……分かったわ」
ムギ先輩が引き締まったような表情を見せています。
『大事な話』をそこでするということを察してくれたのでしょう。
普段通りのムギ先輩のように見えていても、『大事な話』を意識してくれていた、そのことを嬉しく思いました。 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 03:03:34.50 ID:s36Yvz2N0
-
梓「ムギ先輩、大丈夫ですか?」
紬「大丈夫よ、心配しないで梓ちゃん」
心配しないでというのは無理な相談です。
今歩いている道は塗装されてない、足場の悪い道。
大きな公園の林の奥の方へと向かう道を歩いているのだから心配は尽きません。
若干上り坂にもなっていて、慣れてないと少々キツいコースかも。
最も私も相当久しぶりにここに来たので慣れているわけではないのですが。
でも……
梓「まあわりと余裕そうですねムギ先輩」
紬「お昼ご飯をたくさん食べておいて良かったわ~。足は少し疲れたけれど」
紬「いいダイエットになるかもしれないと思うとどんどん歩みが速くなるの」
紬「わわっ! ちょっと待って下さいよ~」
まさか私のほうが置いていかれるとは、さすがムギ先輩。 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 03:14:11.94 ID:s36Yvz2N0
-
やがて林を抜けると、ようやく目的地に辿り着きました。
梓「ここがムギ先輩と一緒に来たかった場所です」
紬「……綺麗な丘ね」
梓「ここは障害物無く地平線が見える丘なんです。両親から教えてもらったお気に入りの場所です」
梓「私も来るのは久しぶりですね。小さい頃はよく来てましたけど」
紬「近くにこんな綺麗な場所があるなんて思ってもみなかったわ。梓ちゃん! 連れて来てくれてありがとう!!」
梓「そう言っていただけると私も嬉しいです」
ムギ先輩が喜んでくれて何よりだと思います。
そしてとうとう言うときが来ました。 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 03:24:12.18 ID:s36Yvz2N0
-
梓「ムギ先輩、聞いて欲しいことがあります」
紬「……聞くわ。何かしら?」
梓「この丘には、2つの言い伝えがあるんです」
いきなり言い伝えと言われて、ムギ先輩は一瞬戸惑ったような表情を浮かべました。
でもすぐいつもの素敵な笑みを返してくれました。
紬「ふふふっ、2つなんて何だか贅沢なのね」
梓「私もそう思います。それでその言い伝えというのは……」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 03:35:00.34 ID:s36Yvz2N0
-
梓「今最も感謝している人を連れて来ると、その人が幸せになれるというもの」
梓「そしてもう一つは、愛してる人に告白すると必ず幸せになれるというものです」
ムギ先輩は真っ直ぐこっちを見ながら微笑んでくれています。
話しながらも思わず見惚れてしまうような表情です。
紬「まぁ、素敵な言い伝えね。こういうのが好きそうな澪ちゃんに教えてあげたいくらい」
梓「まあ後者はありがちな言い伝えなのであまり新鮮味はないかもです」 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 03:46:45.42 ID:s36Yvz2N0
-
紬「それで、梓ちゃんはどっちの言い伝えを頼って私を連れて来たのかな?」
さっきよりやや表情を締めてそう訊いてくるムギ先輩。
私の心臓はもうバクバクで破裂してしまいそう。
梓「どっちだと……思いますか?」
紬「私は梓ちゃんの口から聞きたい」
やはり私から言わなければならない。
まあどっちかなんて言うまでもないです。
だから私は正直に答えます。 -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 03:56:50.59 ID:s36Yvz2N0
-
梓「両方に決まってるじゃないですか」
紬「りょう……ほう?」
梓「そうです! ムギ先輩には感謝してもし足りません!」
梓「毎日美味しいお茶を淹れてくれて、私が練習練習とうるさく言っても優しく間を取り持ってくれて、いつも素敵な笑顔を見せてくれる」
梓「そして何よりもバンドの楽しさを、放課後ティータイムの素晴らしさを教えてくれたのはムギ先輩です!!」
紬「私が……? でも私も段々練習をサボってはしゃぐようになっていって、むしろ梓ちゃんや澪ちゃんに迷惑をかけてると申し訳なく思ってるくらいなのに……」
ああ、やっぱりこの人はそう考えていたんですね。
表面上は嬉々としてはしゃいでいるように見えても、やはり基本は優しくて気配りができるのがムギ先輩なんです。 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 04:21:53.52 ID:s36Yvz2N0
-
梓「ムギ先輩はサボってなんかいませんよ」
梓「前に澪先輩が言っていました。お茶を飲んでダラダラしてる時間もきっと必要なんだ、と」
紬「澪ちゃんが……」
梓「初めて聞いたときは正直ピンときませんでした。でも徐々に分かっていったんです」
梓「私達はみんなでいるのが楽しいんだと。演奏するにしてもお茶するにしても、全てひっくるめて楽しいんだと」
梓「そしてそんな中でムギ先輩は、その『楽しい』を一生懸命維持してくれています」
梓「お茶を淹れてくれたり、私と先輩方の間を取り持ってバランスを取ってくれたり、時には真面目に、時にははしゃいでと、縦横無尽です」
梓「そのお陰で私は自然に皆さんの中に溶け込むことができました。全ての要素が放課後ティータイムなんだと理解することができました」
梓「ムギ先輩が見守ってくれたからです。本当に感謝しています」
息もつかずに一気に言ったため少し疲れました。
でもまだ言いたいことは残っています。
ここで疲れるわけにはいきません。 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 04:31:32.70 ID:s36Yvz2N0
-
紬「……ありがとう、梓ちゃん。私、今とても嬉しいの。そんなふうに言ってくれて凄く幸せよ」
梓「まだもう一つ、言いたいことがあります。聞いてください」
紬「うん」
梓「私はムギ先輩が好きです」
梓「大人なようで子供っぽいところ。なのに肝心なところは大人で、いつも素敵な笑顔を見せてくれる」
梓「見ていて、そして一緒にいて心から楽しいと、幸せだと思えるあなたのことが大好きです」
梓「これが私が一番言いたかったことです。聞いてくれてありがとうございました」 -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 04:38:34.93 ID:s36Yvz2N0
-
言い終わったとき、私の目は潤んでいたことでしょう。
ムギ先輩の目も潤んでいました。
ムギ先輩は何の言葉も発しません。
私もこれ以上言葉を紡ぐことができません。
そしてしばしの沈黙の後、私達の影がゆっくりと重なるのでした。 -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 04:52:41.59 ID:s36Yvz2N0
-
もうすっかり日が暮れましたが、私達はまだ丘で寄り添っています。
梓「ムギ先輩」
紬「なあに梓ちゃん」
梓「幸せに、なれましたか?」
紬「これが答えよ」ムギュゥゥ
ムギ先輩、とてもいいにおいです。
少しクラクラしてきました。
紬「言い伝え、効果抜群ね。やっぱり澪ちゃんに教えてあげようかしら」
梓「澪先輩がどういう反応を示すかは分かりませんが、私は昔から言い伝えは本当だと思ってました」
紬「どうして?」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 04:54:26.60 ID:s36Yvz2N0
-
梓「私が生まれて、今ここでこうして存在していること。それが何よりの証拠ですから」
紬「それって、まさか梓ちゃんのご両親もここで……?」
梓「そういうことです。でも恋愛事で両親を頼るような形になって、私って情けないですよね」
紬「そんなことないわ。でもロマンチストではあると思うの」
梓「そうですか? 澪先輩の歌詞、いや澪先輩とムギ先輩の作った歌の影響かもしれませんね」
梓「ねえムギ先輩、もっと私に影響を与えて下さい。もっと私の中に入ってきて下さい。そして……」
梓「もっともっと色々なムギ先輩を見せて下さい」
終わり -
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 04:55:58.46 ID:s36Yvz2N0
-
地の文下手杉ワロタ
特に後半からセリフも含めて何を書いてるのか自分でもサッパリorz
gdgdでスマン
見てくれた人ありがとう -
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 08:32:13.56 ID:GOHby6NZ0
-
安心のむぎゅう
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 08:38:38.42 ID:c38cx65V0
-
乙
梓健気だな
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 11:42:12.63 ID:/QfUZAyU0
-
乙
ムギも梓も可愛かったよ -
▲ Close
| けいおん!!SS
| 21:00
| comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.15 Tue
≫ 続きを読む
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 20:34:14.47 ID:oQxiWT9K0
-
梓「と、言う訳で憂にチョコ作りを教えて貰う為に平沢家にやってきました」
純「誰に言ってんの、梓?」
梓「何事にも説明は必要でしょ。純が気にする事じゃないけど」
純「よくわかんないけど、チャイム鳴らすよ」ピンポーン
憂「お待たせ~。用意できてるよ」
梓「お邪魔します」
純「お邪魔しまーす」 -
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 20:40:23.01 ID:oQxiWT9K0
-
憂「どうぞどうぞ」
純「さぁ、どんなの作ろうかなー」
梓「純はジャズ研の先輩に作るんだっけ?」
純「うん。梓もそうでしょ?」
梓「そうだよ」
純「私も澪先輩に作ろうっかなー」
梓「なっ!? 純はジャズ研だけで手一杯でしょ」
純「実際そうなんだよね。余ったら作る事にするよ」
憂「材料は十分あるから大丈夫だよ」 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 20:45:25.01 ID:oQxiWT9K0
-
梓「問題は時間だよね。月曜がバレンタインじゃなければ余裕あったんだけど」
純「日曜になってから教えにもらいにきたのがまずかったなぁ」
梓「毎度毎度、泥縄だよね」
純「いやそれ程でもないよ」
梓「褒めてないよ……」
憂「それじゃあどういうの作ろうか?」
純「普通のでいいんじゃないの? 凝ったの作ろうにもタイムアップじゃ切ないし」
梓「まぁそうだけど……やっぱり先輩方は高校最後なんだしさ、豪華なの作ってあげたいじゃん」
憂「ならどういうのがいいのかな。ケーキとか?」
梓「それは去年やったから……うーん」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 20:51:48.54 ID:oQxiWT9K0
-
純「あ、アレいいんじゃない。あのお酒入ってる奴!」
梓「お酒入ってる奴?」
憂「チョコレートボンボン?」
純「そう、それそれ! たまーに食べると美味しいよね」
梓「なるほど、結構いいかも。なんか大人っぽいし」
純「でしょ。あ、でもお酒ってある?」
憂「確かお父さんのウイスキーがあったと思うけど」
梓「勝手に使って大丈夫なの?」
憂「ちょっと電話して聞いてみてくるね。梓ちゃん達は下準備しておいて」
梓「じゃあとりあえずチョコ刻んでおこうか」
純「オッケー」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 20:56:43.80 ID:oQxiWT9K0
-
梓「これも結構……疲れる作業だよね」
純「まぁ、これしないと先に進めないから仕方ないねー」
憂「聞いてきたよー。残り少ないから、全部使っていいって」
純「お、やったね。それじゃあチョコレートボンボンに決定!」
梓「憂、作れるの?」
憂「うん、大丈夫だよ」 -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:02:31.62 ID:oQxiWT9K0
-
梓「チョコは刻み終わったけど」
憂「何か問題あった?」
梓「ウイスキーってどうやって流し込むんだろうって」
純「固めたチョコを半分に割って、くり抜いて入れるとか」
梓「そんな事したら崩れると思う」
純「じゃあパチンコ玉みたいなのをチョコで包んでさ、後で取り出して流し込めばいいんじゃないかな」
梓「パチンコ玉出すときに壊れちゃうよ」
純「じゃあじゃあ、えーっと……えっと……」
憂「あのー……もう準備できてるよ?」
純「ああ、もうちょっと粘りたかった!」
梓「ああ、もう少し遊びたかった」
純「遊ばれてた!?」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:07:48.34 ID:oQxiWT9K0
-
梓「それでどうやって入れるの?」
憂「この小さい醤油入れと楊枝を使うの」
梓「それってお弁当とかによく入ってる醤油入れ?」
憂「うん。これにお水を入れて反対向きに楊枝を刺して……冷凍庫で凍らす、と」
梓「なーるほど」
純「え、それでどうなんの?」
憂「えっと――」
梓「はぁ、純は本当鈍いんだから」
純「むっ。何だと、このチンチクリンが!」
梓「なな、身長は関係ないでしょ!」 -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:12:24.12 ID:oQxiWT9K0
-
憂「えっと、話していいかな?」
梓「あ、ごめん憂」
憂「この水が凍ったら、この醤油入れ型の氷ができるよね」
純「うん」
憂「そしたら底をカッターで切り落としてから取り出して、氷をチョコでコーティングするの」
純「氷はどうなんの?」
梓「その為の楊枝だよね」
憂「そう。何か台に刺して、冷蔵庫に入れておけば氷が溶けて」
純「なるほど! 楊枝の穴があいたチョコができるんだ」
梓「それでその穴からウイスキーを入れて完成だね」
憂「そういうこと~」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:17:27.77 ID:oQxiWT9K0
-
純「なんだ、結構簡単にできちゃうんだ」
梓「だね。これなら問題なく作れそう」
憂「それじゃあ必要な分だけ凍らせちゃおうか」
梓「私は先輩方の分だけでいいかな。純は……多っ!」
純「え? だって自分でも食べてみたいじゃん」
梓「気持ちは分かるけど……そんなに時間に余裕あるかな」
憂「チョコの量は大丈夫だからいけるんじゃない?」
梓「憂が言うなら大丈夫なんだろうけど」
純「そんじゃ入れまーす」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:22:20.21 ID:oQxiWT9K0
-
憂「後の作業はこれが凍った後だね」
純「あれ、じゃあ今は氷が出来るまで待つしかないってこと?」
憂「そうなっちゃうね」
梓「どうしようか?」
純「うーん……あ、今日は唯先輩っていないの?」
憂「今日は澪さんの家に集まって勉強会って言ってたよ」
純「それならさ、この前読んだ漫画の続きを見せてもらっていいかな?」
憂「大丈夫だと思うよ」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:28:49.52 ID:oQxiWT9K0
-
梓「純……」
純「何? 別にいいじゃん、待ってるだけなんて耐えらんないわ」
憂「また散らかってると思うから、私も一緒に探すよ」
純「ありがとう。梓はどうする?」
梓「私はここにいるよ。飾り付けとか考えておく」
憂「じゃあまた後でね」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:33:51.78 ID:oQxiWT9K0
-
梓「――さて、ああ言ってはみたものの」
梓「チョコ渡すだけなんだから、特に飾らなくても箱に入れておけばいいか」
梓「純にああ言った以上、すぐにあっちに合流するのも癪だなぁ」
梓「どうしようかな」
梓「あ、メール……唯先輩からだ」
梓「何々……『あずにゃん、憂に聞いたけど今日ウチに来てるの? 夜まで待って一緒に晩御飯食べようよ~』」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:40:22.40 ID:oQxiWT9K0
-
梓「……勉強会中だよね……?」
梓「まぁ、『確約はできませんけど、帰る前に戻ってきたら考えます』……と。これでいいかな」ピッ
梓「唯先輩達、ちゃんと勉強してるのかな?」
梓「また怒鳴ってる澪先輩の顔が目に浮かぶよ」
梓「このチョコ、皆さん喜んでくれるかな」
梓「どういう反応してくれるだろうか」
梓「まずはいやしそうな律先輩かな――」 -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:45:21.35 ID:oQxiWT9K0
-
梓「――はい、律先輩。チョコレートです」
律「お、なんだ梓。やっと先輩を敬う気になったのか?」
梓「何言ってるんですか。今日は2月14日ですよ」
律「ああバレンタインかー。すっかり忘れてたわ」
梓「これが女子高生の言動ですか……」
律「まあまあ、いいじゃん。別に渡す相手もいないんだしさ」
梓「律先輩がいいならそれでいいですけど」
律「そういう事。それじゃあ遠慮なくいただきまーす」
梓「どうぞどうぞ」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:50:32.51 ID:oQxiWT9K0
-
律「むぐむぐ……」
梓「どうですか?」
律「うん、結構美味いよ。ありがとな、梓」ニコッ
梓「……!」
律「うん? どしたー」
梓「なっ、何でもありません! こっち見ないで下さい」
律「ちょっ、何だそりゃ!」
梓「何でもありませんってばー!――」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:55:16.61 ID:oQxiWT9K0
-
梓「――という風に」
梓「普段は大雑把でがさつで粗野な感じだけど」
梓「こう、ひょんな事で笑顔を見せられると……中々いいね!」
梓「さ、更に他の人も考えてみようかな」
梓「次はムギ先輩で――」 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 21:59:28.92 ID:oQxiWT9K0
-
梓「――はい、ムギ先輩。チョコレートです」
紬「わ~、これってバレンタインのチョコレートかしら? ありがとう、梓ちゃん」
梓「ムギ先輩のお菓子に比べたら、全然大した物ではないですけど……一応手作りです」
紬「梓ちゃん」
梓「はい」
紬「大した物じゃないなんて、全然そんなことないわ」
梓「え……」 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 22:05:40.85 ID:oQxiWT9K0
-
紬「梓ちゃんが心を込めて作ってくれたチョコはお金で買える物じゃないの」
紬「美味しいお菓子は一杯あるけど、どれかを選べっていうなら私は断然梓ちゃんのチョコを選ぶわ」
梓「ムギ先輩…………えいっ!」ギュー
紬「ほわあぁぁぁ……あ、梓ちゃん?」
梓「……何も言わずに、しばらくこのまま抱きつかせて下さい」
紬「う、うん」
梓「……ふうっ、すみませんでした。いきなり抱きついちゃって」
紬「ううん、いいの。少し驚いちゃったけど」
梓「あ、あの! ありがとう……です。私のチョコにこんな風に言ってもらえると思ってなかったもので」
紬「それに関しては本心。やっぱり手作りに勝るものはないわね」 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 22:12:24.48 ID:oQxiWT9K0
-
梓「ふふっ、そうですね。どうぞ召し上がって下さい」
紬「じゃあいただきます……うん、美味しいわ」
梓「本当ですか?」
紬「本当。梓ちゃんの味がしたもん」
梓「ふふ、それってどういう意味ですか?」
紬「え? えっと、あれ? 私にもよくわかんない」
梓「ぷっ、ふふふっ」
紬「うふふふ」
梓「あはははは――」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 22:22:41.61 ID:oQxiWT9K0
-
梓「――おおおぉ……」
梓「これは……よろしいです……」
梓「いつも笑顔でおっとりぽわぽわのムギ先輩に、真顔であんな台詞言われたら」
梓「そりゃあ私だって感極まって抱きついちゃうよ」
梓「ムギ先輩ってすっごく柔らかくて、いい匂いするんだよねぇ……」
梓「……はっ、いけないいけない」
梓「それじゃ今度は澪先輩かな」
梓「ええっと――」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 22:26:17.64 ID:oQxiWT9K0
-
梓「――澪先輩、チョコレートです!」
澪「今日はバレンタインだっけ。ありがとう、梓」
梓「こちらこそです。拙いですけど、一応手作りなんです」
澪「そうなのか? なんか畏まっちゃうな」
梓「そんな大仰なものじゃありませんよ」
澪「いや、大事に食べさせてもらうよ」
梓「澪先輩……! あ、それにしても」
澪「うん?」
梓「私以外にも結構チョコもらってるみたいですね」
澪「ああ、これ……例のファンクラブの子達からもらってさ」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 22:31:09.79 ID:oQxiWT9K0
-
梓「はぁ……凄い量ですね」
澪「こっちもゆっくり食べさせてもらうよ。ああ、部活の時にでもみんなで食べようか」
梓「いいんですか?」
澪「私一人じゃちょっとキツいし……太ると嫌だし」
梓「あ、すみません!」
澪「いいんだ……気を付けて食べれば……」
梓「み、澪先輩……」
澪「でも梓からのチョコは皆にはあげないよ」
梓「えっ」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 22:35:11.43 ID:oQxiWT9K0
-
澪「独り占めさせてもらう。大事な後輩からの贈り物なんだし」
梓「……!」
澪「何か迷惑だったかな?」
梓「そ、そんな事ないです! 逆です、凄い嬉しいです!」
澪「うん、私も嬉しいよ」
梓「澪先輩……! 一生付いていきます!!」ガシッ
澪「え!? そ、そこまではどうかと……」
梓「いいえ、この手は離しません! せめて今だけでも……」
澪「梓……」
梓「澪先輩……――」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 22:40:49.12 ID:oQxiWT9K0
-
梓「――お、おおおぅ」
梓「イエス、イエス、イエス!」
梓「そして二人はめくるめくファンタジーの世界に……うっ」
梓「しまった、鼻血が……」
梓「……失礼」
梓「やはり澪先輩は素晴らしい方です」
梓「尊敬です。感服です。心酔しちゃいます」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 22:45:46.00 ID:oQxiWT9K0
-
梓「いつもクールでかっこいい澪先輩が」
梓「チョコを渡した時に少し焦り出して」
梓「落ち着いた後に、それでも顔は赤いままで」
梓「照れ笑いを浮かべたままお礼を言ってくれる」
梓「このシチュエーションにやられない人って、この地球上に存在するのかな」
梓「澪先輩が人気爆発でモテちゃう理由もよくわかるよね」
梓「まぁ、誰にも澪先輩は渡さないけどね」
梓「……ゴホン、それじゃ最後に唯先輩は――」 -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 22:50:19.65 ID:oQxiWT9K0
-
梓「――唯先輩、チョ」
唯「この匂い! もしかしてあずにゃん、チョコレート作ってきてくれたの~!?」
梓「あ、ああ、はい、そうです……一応手作りで」
唯「あずにゃんのチョコ! しかも手作り!」
梓「よくわかりましたね?」
唯「顔に書いてあるよ~。あずにゃんは表情に出やすいんだもん」
梓「そ、そんな事ないですよ」
唯「それよりも、これ! 食べていいのかな?」 -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 22:55:56.15 ID:oQxiWT9K0
-
梓「あ、はいどうぞ。憂に比べたら全然な出来ですけど」
唯「そんな事ないよ~。あずにゃんの作ってくれたものなら最高のごちそうだよ~」
梓「そこまで褒められると気持ち悪いです……」
唯「それじゃあいっただっきま~す!」
梓「ど、どうですか?」
唯「うん、すっごく美味しいよ! こりゃ、あずにゃんは将来パティシエだね!」
梓「それじゃ男の人ですよ。女の人はパティシエールです」
唯「へぇ~、そうなんだ。あずにゃん物知りだね」
梓「一応お菓子職人って言う意味合いみたいなんで、どっちでもいいみたいですけど」
唯「勉強になったよ」 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:00:32.29 ID:oQxiWT9K0
-
梓「って、そんな事はどうでもいいですよ。それよりも、褒めていただいてありがとうございます」
唯「いえいえ、こちらこそ。美味しいチョコだったよ~」
梓「お口に合ったようで何よりです」
唯「じゃあ早く部室行こう! 多分ムギちゃんもチョコ用意して待ってるんじゃないかな!」
梓「今チョコ食べたのにまだ欲しいんですか?」
唯「今のはあずにゃんのチョコだもん。ムギちゃんからも欲しいし……それに」
梓「それに?」 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:06:17.89 ID:oQxiWT9K0
-
唯「あずにゃんがチョコ食べてないから。私があずにゃんに手渡しするよ~」
梓「唯先輩……ふふっ」
唯「ふぇ? 何で笑うの?」
梓「手渡しされてもそれは唯先輩のチョコじゃなくて、ムギ先輩のじゃないですか」
唯「えぇ~? 一旦私の手に渡るから私のチョコだよ~」
梓「違うと思いますよ」
唯「細かい事は言いっこなしで! とりあえず行こうよ!」
梓「はい!――」 -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:10:29.65 ID:oQxiWT9K0
-
梓「――はああぁ……これも素敵関係……」
梓「いつもダラダラして練習しなくて、お菓子ばっかり食べてて」
梓「いまだに楽譜をろくに読めなくて、ギターのメンテナンスも疎かだし」
梓「すぐに抱きついてきたり、おかしな事ばっかりする唯先輩だけど」
梓「いつも明るくて、その笑顔に何度も励まされたし」
梓「時折、ズバっと確信めいた事言うから……」
梓「そういう時に、何かこう……ひ、惹かれる時もある……かな」
純「へぇ、そうなんだ」
梓「そうなんだよ……って、純!? いつの間に!」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:15:17.51 ID:oQxiWT9K0
-
純「一人で何かつぶやき出した辺りかな? まずはいやしそうな~、の辺り」
梓「殆ど最初!」
憂「ありがとう、あずさちゃん!」
梓「な、何が……?」
憂「お姉ちゃんの事、そんなにわかってくれているなんて。私もお姉ちゃんも喜んでると思うよ!」
梓「あ、あああ……い、今のは忘れて!」 -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:20:23.00 ID:oQxiWT9K0
-
憂「そんなぁ。律さん達の事も凄くよく言ってたし、私感動しちゃった」
純「うんうん。やっぱ軽音部の絆は強固だよ」
梓「ううううぅぅぅぅ…………さ、さっきのは全部無し! 私は何も言ってない!!」
憂「あはは、そうだね」
純「そういう事にしておくよ。ほら、水が凍ったからチョコに付けよう」
憂「その後は氷を溶かして、空洞にスポイトでお酒入れて完成だよ」
梓「くっそ~……」 -
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:25:17.92 ID:oQxiWT9K0
-
憂「あれ?」
梓「どうしたの?」
憂「うーん……思っていたよりお酒の量が少ないみたい。足りないかも」
梓「えぇ!? でも、チョコに使う量なんてたかが知れてるんじゃ」
純「それは!」
梓「うわ、びっくりした!」
純「それは、私が目一杯チョコを作ったからです!」
憂「威張って言う事じゃないよ、純ちゃん……」 -
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:30:21.20 ID:oQxiWT9K0
-
梓「はぁ……憂、他にお酒は残ってないの」
憂「一応ビンはあったけど、ラベルが剥がされてて何のお酒かわからないの」
純「でも、どう見ても酒瓶だし。これでいいっしょ」
梓「そんなに言うなら純がそっち使いなよ」
純「残念でしたー。私の分は既に確保してあるの」
梓「い、いつの間に……せこい」
純「いつの間にっていうか、あんたが妄想してた時なんだけどね……」
梓「うっ……わ、わかったよ、足りなくなったらそっち使うよ」
憂「ごめんね、梓ちゃん」
梓「憂は悪くないよ。それにギリギリ何とかなりそうな感じだし」
憂「うん」 -
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:36:14.10 ID:oQxiWT9K0
-
梓「――そしてこれが完成したチョコレートです!」
唯「おお~」
律「美味そうじゃん!」
澪「チョコレートボンボンか。これって難しいんじゃないのか?」
梓「いえ、憂に簡単に作る方法教えてもらったので。問題なくできました」
唯「ということは、家に帰ったら憂にも貰えるんだ~」
紬「それじゃあ私、お茶淹れるわね」
梓「あ、ムギ先輩、今日は私が淹れますよ!」
紬「え? 私は別に構わないんだけど……」 -
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:41:35.91 ID:oQxiWT9K0
-
梓「今日は特別な日なんですから、たまには後輩の顔を立てさせて下さい」
紬「梓ちゃん……そうね、それならお言葉に甘えさせてもらおうかしら」
梓「はい! では淹れてきますから、先に食べていて下さい」
唯「お酒が入ってて大人の味だね! 美味しい~」
澪「もう食べ終わってるし……」
律「うん、結構いけてるじゃん。梓もやるなー」
紬「上品な甘さね~」
澪「それじゃあ私も……あれ、電話が鳴ってる? ちょっと失礼」 -
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:45:12.98 ID:oQxiWT9K0
-
梓(皆さんに喜んでもらってよかった。作ってよかったなぁ)コポコポ
梓「ん、憂から電話? どうしたんだろ」チャッ
梓「もしもし、憂?」
憂『梓ちゃん? 大変だよ!』
梓「ちょ、ちょっと落ち着いてよ!? 何があったの」
憂『ご、ごめんね。えっと、梓ちゃんのチョコ、一つだけお酒足りなくて別なの使ったよね』
梓「う、うん」
憂『あの中身、デスソースっていって、ハバネロ盛り沢山のソースだったみたい!』
梓「え、えぇー!?」 -
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:50:41.02 ID:oQxiWT9K0
-
憂『まだ食べてないんだったら、一度中身を確かめた方がいいよ』
梓「う、うん。わかった、ありがとう」
憂『うん、それじゃあ』ガチャ
梓「なんてこったい」
梓「早く食べるのを止めなきゃ! っていうか、そもそも何で酒瓶にソース入れてるの……気付かない私達もあれだけどさ」
梓「それよりも急げ!」
梓「み、皆さん! ちょっと、そのチョコ食べるの止めて下さい!」
唯「ふぇ?」 -
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:54:37.84 ID:oQxiWT9K0
-
律「止めろと言われても」
紬「もう澪ちゃんの分しか残ってないけど……」
梓「え!? だ、大丈夫でしたか?」
律「何がだ?」
紬「とっても美味しいチョコだったわぁ」
唯「うんうん。あずにゃんは将来パティシエだね!」
紬「唯ちゃん、それだと男の人よ」
律「女はパティシエールって言うんだぜ。ま、どっちでもいいみたいだけど」
唯「へぇ~、二人とも詳しいね! りっちゃんが知ってるのは意外過ぎだけど」
律「知ってて悪かったな!」 -
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:59:35.64 ID:oQxiWT9K0
-
梓(この分なら本当に大丈夫そうだ。という事は残りの1個が例のチョコ?)
梓(異様な雰囲気を醸し出してる……間違いない!)
梓「そ、そのチョコは――」
澪「いやあ、失礼」ガチャ
梓(ひいいぃぃぃぃぃぃ!!)
律「おー、澪。誰からだったんだ?」
澪「ああ、マ……ごほん、お母さんからだ。大した用事じゃなかったよ」
唯「それじゃあ澪ちゃんも早くチョコ食べなよ」
紬「とっても美味しかったわよ」
澪「うん、それじゃあいただき――」
梓「ダ、ダメええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」ドガッシャアアァン!! -
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:06:23.78 ID:Z2kmFsp50
-
澪「うわ! あ、梓!?」
唯「ああ、チョコが!」
律「ドアの方に吹っ飛んでいった!」
さわ子「やっほ~、皆今日はバレンタインよ。チョコ用意してある?」ガチャ
梓「先生!」
さわ子「うん? なぁに、これ」ヒョイ
紬「それ、梓ちゃんの手作りのチョコレートなんです」
梓「そ、それは!」
さわ子「まぁ、そうなの~! それじゃあ遠慮なくいただきまーす!」パク
澪「わ、私のチョコが……」
梓「あああああああああああああああ!!」 -
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:11:34.16 ID:Z2kmFsp50
-
さわ子「あら、美味し…………」
唯「とまった」
律「さ、さわちゃん?」
さわ子「…………」サー
澪「な、なんか顔色悪くないか?」
梓「わ、私! 用事を思い出したんで、これで失礼します!」ガチャバタン!
紬「あ、梓ちゃん!?」
さわ子「――――――――!!!!」ビリビリビリビリ
唯「ちょ、超音波!」 -
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:16:30.33 ID:Z2kmFsp50
-
梓(振り返るな梓! 一瞬でも立ち止まれば地獄だぞ!)
梓(振り返――うん?)チラッ
さわ子「あ”す”さ”ち”ゃ”~~~~ん”!!!」
梓「うわあああぁぁぁぁぁぁぁああっぁぁぁ…………」
梓(薄れゆく意識の中、私の眼には……)
梓(楽しそうにティータイムを続ける私達の姿が浮かんでいました……)
梓(あはは……あはは……あはは……)
おしまい! -
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:18:40.27 ID:/6BFjiyX0
-
え・・・?ガチレズタイムは?
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:32:04.28 ID:Z2kmFsp50
-
読んでくれた、支援くれた方、等しくありがとう
最初に誤爆とか色々あってどうなるかわからなかったけど、何とか完了できました
日付は変わっちゃったけどバレンタインSSできてよかったです
じゃあまたどこかで
>>75
期待を裏切ってごめんね
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:21:07.86 ID:iERlmQKV0
-
乙ー
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:27:21.33 ID:09qssnTI0
-
おつ!! -
▲ Close
| けいおん!!SS
| 18:00
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.15 Tue
≫ 続きを読む
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:07:47.10 ID:YZA7oPIp0
-
明日は私が桜ヶ丘に入学して二度目のバレンタインです!。
お姉ちゃんと一緒に暮らせる時間も、いよいよ残り少なくなってきました。
お姉ちゃんと過ごせる時間。当たり前のようにこんな日々がずっと続くと思っていたけど、それは違う。
気づかせてくれたのはお姉ちゃんの歌でした。
だからこそ、今の幸せな時間は大切に過ごしたい。
寂しさは隠し切れないけど、今年はお姉ちゃんにありったけの感謝の気持ちをこめてチョコレートケーキを作りたいと思います。
これがお姉ちゃんと過ごせる最後のバレンタインだから・・・ -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:12:41.80 ID:YZA7oPIp0
-
学校!
梓「憂、おはよう」
憂「おはよう梓ちゃん」
梓「ねえ、今年も一緒にバレンタインのお菓子作らない?やっぱり一人じゃ不安で・・・」
憂「梓ちゃんなら大丈夫だと思うけど・・・二人で作る方が楽しいし、一緒に作ろっか」
梓「良かった!じゃあ部活終わったら連絡するね」
憂「うん♪」
純「ちわーっすお二人さん」
憂「純ちゃんおはよう!今日梓ちゃんとバレンタインのお菓子作るんだけど、一緒に作らない?」 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:21:45.67 ID:YZA7oPIp0
-
純「うーん今年は買って済ませようと思ってるし私はいいや。二人のは明日食べさせてね~」
梓「もう、純ったら・・・」
純(実は自分で作るつもりなんだけど今回は自分の力だけでつくりたいし、
なにより澪先輩の分も作るんだから梓と一緒なんて無理!ライバル同士なんだから!)
音楽室!
律「さーて今日はそろそろ帰るかー」
澪「そうだな。今日はどっか寄り道する?」
梓「あ、今日憂と買い物行くんで私先に失礼します」
唯「え~憂とお出かけ?私も行こっかな~」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:32:12.52 ID:YZA7oPIp0
-
梓「結構ですっ!それでは失礼します。勉強頑張って下さい!」バタッ
律「なんだー梓のやつ。なんか隠してんのかー?」
紬「・・・うふふ」
スーパー!
梓「おまたせ!」
憂「早かったね♪じゃあ材料買おっか!」
梓「うん!」
紬「あらあら梓ちゃんに憂ちゃん♪」
梓「えっムギ先輩!?」 -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:39:11.55 ID:YZA7oPIp0
-
憂「こんにちは紬さん!」
紬「ねぇ、今から二人でバレンタイン用のお菓子作るんでしょう?」
梓「な、なんでそれを・・・」
紬「うふふ、やっぱりそうなのね。もし良かったら私の家で作らない?いろんなお菓子を作れる材料があるわよ?」
憂「そんな、悪いですよ」
紬「そんなの気にしなくていいのよ。それに憂ちゃんの家で作ると唯ちゃんに見つかっちゃうでしょ?」
梓「そういえば去年唯先輩に見つかったんだった・・・じゃあお邪魔させてもらおうかな。憂もそれでいい?」
憂「うーん、お気持ちはすごく嬉しいんですけど、お姉ちゃんの晩御飯作る時間が・・・」
紬「それなら私が唯ちゃん達とお食事してくるわ。心配しないで♪」
憂「え?じゃあ紬さんのお家は・・・」
紬「梓ちゃんが場所知ってるし案内してもらって♪キッチン使ってもらうように斉藤に言っておくから自由に使っていいわよ」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:49:50.88 ID:YZA7oPIp0
-
梓「すいません、何から何まで・・・」
紬「いいのよ。このことは他の3人には言わないから安心して。それじゃ頑張ってね」
憂「ありがとうございます!」
梓「それじゃムギ先輩、また明日」
紬さんの提案で、私たちは紬さんの家でお菓子を作らせてもらうことになりました。
それにしてもなんで私たちがここに来るって分かったんだろう?お菓子作ることも知ってたし・・・
相変わらず紬さんはミステリアスなところがありますが、とっても優しい人なのは間違いないし今日は甘えさせてもらうことにします。
紬「うふふ、梓ちゃんを尾行した甲斐があったわ。あんな様子を見ればバレンタインだってことぐらいすぐ分かるわよ」
「もしもし斉藤、これから私のお友達がそっちに行くから、家に入れてあげて。それとお菓子に使えそうな材料をあらかた集めてあげておいてね」
斉藤『しかしお嬢様、お友達とはいえ、当家の台所を琴吹家関係者以外の方に使わせるなど今までに無かったこと。
どのような事情にございますか?』
紬「その友達はね、明日のバレンタインのために全力でお菓子を作りたいみたい。余計なお節介だとは思うけど、そんな友達のために
少しでも力を貸してあげたいの。」
斉藤『畏まりました。しかしお嬢様はどちらに?お友達と帰宅なされないのですか?』
紬「貰うものの中身を見ちゃったら貰った時の感動が薄れちゃうでしょ!」
斉藤『これはこれは私としたことが無粋なことを。では失礼致します』ガチャ
紬「あとは・・・もしもし唯ちゃん、これから一緒にお食事しない?」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:06:26.88 ID:UIHWnMln0
-
琴吹家!
梓「ここがムギ先輩の家だよ」
憂「うわあ、お姉ちゃんに聞いてたけどすごくおっきいねー」
梓「もう屋敷って感じだよね・・・とりあえず」ピンポーン
斉藤「中野様と平沢様でございますか?」
憂「あ、はい。紬さんに家使っていいって言ってもらって・・・」
斉藤「お嬢様から伺っております。どうぞお入りください」ガチャ
梓憂「し、失礼します」
梓「すごい・・・本当にいろんな材料がある」
憂「これだけあればほとんどのお菓子が作れちゃうよ・・・なんかやっぱり気が引けるね」
梓「まあでもムギ先輩は遠慮しないでって言ってたし、とりあえず作っちゃお」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:16:04.09 ID:UIHWnMln0
-
憂「そうだね。梓ちゃんは今年も軽音部のみなさんにあげるの?」
梓「うん。あと純にもね。憂は?」
憂「去年はお姉ちゃんと隣のおばあちゃんにしかあげれなかったし、今年は私も軽音部のみなさんにもあげようかな。私もよくしてもらってたから」
梓「そっか。じゃああげる人は大体一緒だね!」
憂「そうだね。あとでお互いの食べ合いっこしよっか♪」
梓「うん!」
お菓子作り開始!
梓「憂、その特大ケーキって軽音部全員で分ける分?」
憂「え?これはお姉ちゃんの分だよ?」
梓「それ一人分!?どれだけ食べさせるのよ・・・」
憂「えへへ。やっぱりお姉ちゃんは私にとっては特別だから」
梓「まあそうかもね。私にとっては軽音部の4人全員が特別な存在なんだけど」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:29:03.86 ID:UIHWnMln0
-
憂「そっか♪梓ちゃんって本当にお姉ちゃん達のこと大好きなんだね!」
梓「うぅ、別にそういうわけじゃ///全然練習しないのは相変わらずだし、ティータイムばっかりだし・・・でも」
憂「うんうん」
梓「みんなで紅茶飲んで、お菓子食べて、ちょっと練習して、でも学祭では大盛り上がりして・・・そんな日々ももうすぐ終わるんだよね」
憂「・・・」
梓「やっぱり・・・寂しいよ・・・今日は悲しい事考えずに感謝の気持ちだけ込めてお菓子作るって決めてたのに・・・」
だんだんと梓ちゃんの表情は悲しくなり、声のトーンも下がっていきます。
あれだけ5人の絆が強かったのだから、当然梓ちゃんは別れるのが辛いのでしょう。
もしかしたら、お姉ちゃんと別れる私以上に・・・
憂「梓ちゃん・・・」
こんな時、お姉ちゃんなら迷わずに梓ちゃんのことを抱きしめてあげるんだろうけど・・・
私はお姉ちゃんの代わりにはなれません。
私はお菓子作りを一旦中断して、梓ちゃんの近くに寄って頭を撫でてあげました。こんなことで気が紛れるとは思わないけど、私に出来るのはこれぐらいだから。 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:34:32.50 ID:UIHWnMln0
-
梓「ありがとう、憂・・」
梓ちゃんはそう言って立ち尽くしています。いつもなら子供扱いしないで!とか言いそうなのに。
でも梓ちゃんには元気を出して欲しい。別れるのが辛いなら、尚更今を大切にして欲しい。
憂「梓ちゃん、お姉ちゃん達が卒業するのはとっても寂しいと思う。でも、だからこそ
みんなと過ごせる時間は大切に過ごそうよ。」
梓「・・・・・・」
憂「それでも悲しまないでなんていうのは無理だろうけど・・・せめてそれ以上にお姉ちゃん達との時間を楽しんで。当たり前だと思ってた日常は当たり前のことなんかじゃなくて、
実はとっても幸せなことなんだよ。だから今は幸せな時間を大切に過ごそうよ」
梓「それ、唯先輩の・・・憂の為に歌った歌・・・」
憂「そう。私もね、お姉ちゃんと過ごす日常が当たり前だと思ってたの。でもそうじゃない。今がとても大切で、幸せな時間なんだって。それを気付かせてくれたのが、お姉ちゃんの歌だった」
梓(そっか・・・唯先輩は大学に合格したら一人暮らし・・・憂は一人になっちゃうんだ)
(憂だって寂しいはずなのに・・・私だけこんなにいじけちゃって・・・)
梓「そうだね憂。先輩達が卒業しちゃうのは辛いけど・・・先輩と過ごせる時間を大切にするよ!だからこのお菓子も精一杯作る!」
憂「うん♪良かった、梓ちゃん元気になってくれて。私も仕上げに入ろうかな」
梓ちゃんは張り切って作業を再開しました。先輩4人のために精一杯作る姿はとても素敵です。
お姉ちゃんの分だけ特別扱いしちゃってる私がちょっと情けなくなります・・・ -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:40:59.25 ID:UIHWnMln0
-
お菓子作り終了!
梓「出来たっ!今年はシフォンケーキだよ!」
憂「私はチョコケーキだよ~♪」
梓「それじゃ、一切れ分交換しよ!」
憂「うん!去年と違って今年は梓ちゃん全部自分で作ったもんね!」
梓「ムギ先輩が材料どころかレシピまで用意してくれてたから・・・」
憂「私も普段買えないような高い材料一杯使わせてもらっちゃった。ちゃんとお礼言わないとね」
梓「そうだね。それじゃ・・・」
梓憂「いただきまーす!」
憂「おいしい!すごいよ梓ちゃん!梓ちゃんきっと料理上手だよ!」
梓「憂のも相変わらずおいしいよ!これがいっぱい食べれる唯先輩がうらやましい!」
憂「えへへ、良かった」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:46:27.66 ID:UIHWnMln0
-
憂「さて、食べ終えたし、台所の片付けしよっか♪」
梓「そうだね。」
紬「ただいま~」
斉藤「お帰りなさいませお嬢様」
梓「あっムギ先輩お邪魔してます!」
憂「お帰りなさい。いま片付けますから・・・」
紬「あらあらいいわよそんなの。家の人にやってもらうから気にしないで♪」
梓「そんな・・・わざわざ場所かして頂いた上に材料までいっぱい使わせてもらって・・・
流石に悪いですよ」
紬「ううん。二人には出来るだけ良い環境で作ってもらいたかったの。梓ちゃんも憂ちゃんも、
このバレンタインには必死になってくれるだろうって思ってたから。だから悔いが残らないように、
私にも出来ることをしてあげたかったの。
それで二人が最高のお菓子を作れたのなら、私はそれでいいのよ♪」
憂「そこまで考えて頂いて・・・」
紬「さあ、外も暗くなってきたし、そろそろお帰りなさい。唯ちゃんももう家に着いてるはずよ」
梓「はい!ムギ先輩、今日は本当にありがとうございました!」
憂「ありがとうございました。明日部室に持って行きますね♪」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:51:34.03 ID:UIHWnMln0
-
紬「どういたしまして。それじゃ二人とも気をつけてね♪」
帰り道!
梓「憂、さっきはありがとう」
憂「ううん。私は大したことしてないよ。」
梓「そんなことないよ。憂の言葉がなかったら、最後まで悲しい思いのままシフォンケーキを作ってたと思う。そんなのじゃおいしくなるわけないし」
憂「先輩達のために頑張ってる梓ちゃん格好良かったよ!お姉ちゃんの分だけ多くしちゃうような私なんかより全然・・・」
梓「もう、何言ってるの憂!憂は唯先輩とずっと一緒に過ごしてきたんだから特別で当たり前でしょ!それに唯先輩は憂のためにあんな良い歌作ってくれたんだから。そんな人のために作るお菓子ってすごく素敵だと思うよ!」
憂「そうかな。そうだと嬉しいな」
梓「っていうか、唯先輩以外じゃあんな量食べれないだろうしね・・・」
憂「そうだね・・・あはは・・・」
梓「んじゃ私こっちだから」
憂「うん!また明日ね!」
梓「気をつけてね!バイバイ!」 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:57:25.73 ID:UIHWnMln0
-
平沢家!
憂「ただいまー」
唯「ういー遅いよ~~。一緒にアイス食べようと思って我慢してたんだから!」プンプン
憂「ごめんね。それじゃアイス取ってくるから、待ってて♪」
唯「ね~~今日は二本食べさせてよ~~~~」ゴロゴロ
憂「めっ!」
唯「うぅ~~」シュン
私の帰りを待っててくれたのはとっても嬉しいけど、お姉ちゃんのお腹のことを考えると
二本は食べさせられません。シュンとしてるお姉ちゃんを見るとちょっと悲しい気持ちになるますが・・・
梓ちゃんにはああ言ったけど、やっぱりお姉ちゃんと離れるのは寂しい。
そのことを考えると、やっぱり悲しくなります。でも、お姉ちゃんに心配はかけられない。
残り少ない時間をいっぱい笑ってすごせるように、お姉ちゃんにも笑っていて欲しいから。 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:02:58.05 ID:UIHWnMln0
-
2月14日!
唯「ういー出発するよー」
憂「うん♪」
唯「あ~今年も楽しみだな~憂のお菓子~~~♪」
憂「晩御飯食べたら渡すから、楽しみにしておいてね!」
唯「りょうかいです!」
がっこう!
憂「梓ちゃんおはよう」
梓「おはよう憂、昨日はありがとね」
憂「ううん、私も一緒に作れて楽しかったよ!」
梓「そっか・・・なら良かった。んじゃ放課後に渡しに行くから一緒に行こっか」
憂「うん!」 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:08:17.97 ID:UIHWnMln0
-
純「おはよーっす!二人ともちゃんと作れたの?」
憂「純ちゃんおはよう。今年の梓ちゃんのシフォンケーキすっごく美味しいよ~♪」
梓「ちょっと、変にハードル上げないでよ・・・///」
純「ふーん。実は私もあの後手作りしたんだけどね!」
梓「え、それじゃ一緒に作ればよかったのに」
純「ふっふっふ。今回は一人で作ることに意義があったのだよ!いつまでも憂の手を借りて作るわけにはいかないもんね!」
憂「それはいいけど・・・昨日紬さんが家と材料貸してくれたから」
純「え!?つまりタダ!?なけなしのお小遣いで材料買ったのに・・・」
梓「今度ご飯奢るからさ!・・・機嫌直してよ」
純「あータダ飯楽しみだなー」
梓「なんなのよもう!あんまりからかわないでよ純!」
憂(梓ちゃん、元気そうでよかった♪) -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:11:29.37 ID:UIHWnMln0
-
放課後!
梓「憂、音楽室行こ!」
憂「うん!」
梓「うぅ、やっぱりちょっと緊張するよ・・・」
憂「大丈夫、去年と同じように渡せばいんだよ。先輩たちきっと喜ぶよ!」
梓「うん・・・そうだといいな」
憂「着いたね」
梓「うん・・・それじゃ」ガチャ
梓「こんにちはー」
憂「失礼します」
律「おっす梓ー!あれ、憂ちゃんも?」
唯「どうしたの憂?」
憂「えっと・・・ほら、梓ちゃん、先に」
梓「えっ・・・分かった」 -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:13:21.01 ID:UIHWnMln0
-
梓「あの・・・今日バレンタインだし・・・今までの感謝をこめて作ったので、受け取って下さい!」
澪「本当?嬉しいよ梓!」
紬「あらあら素敵~(よく言えたわね、梓ちゃん!)」
唯「あずにゃんのお菓子ー!楽しみだなー♪」
律「今までの感謝かー、梓もすっかりあたしたちの空気に馴染んでたもんなー」
梓「馴染んでないです!・・・って言いたいけど・・・私、この5人でやれて良かったです・・・だからこれはせめてもの気持ちで・・・」
律「あーごめんごめん、そんなからかう気はなかったんだ。本当にありがとう梓。ありがたく受け取るよ!」
澪「ありがとう梓。私たちも梓には感謝してるよ」
紬「嬉しいわ梓ちゃん。今日ちょうどお菓子持って来てないし今食べちゃいましょう♪」
唯「わーいあずにゃんのおお菓子ーー!ありがとう、あずにゃん」
梓「はい・・・!」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:18:50.69 ID:UIHWnMln0
-
梓ちゃん、ちゃんと気持ち伝わってよかったね!
憂「あの、私も実はみなさんに作ってきたので、よかったらどうぞ!」
律「え、私たちにも?ごめんね、いつも何かとしてもらってばっかりで」
憂「いえ!私軽音部でもないのにいろいろお世話になったので・・・」
澪「そんな、お世話になったのはこっちの方だよ・・・いつもいつもなにかと軽音部支えてくれてたし」
唯「軽音部にあずにゃんも連れて来てくれたしね!!」
梓「いいとこなんだから抱きつかないで下さい!!」
紬「それにしても今年はいろんな人から貰えるわね。さっきも純ちゃんって子から貰ったし」
梓「え!?そうなんですか?」
澪「うん。昼休みにうちの教室に来てね。梓より先に渡しちゃったー!とか言って喜んでたよ」
梓「もう、純ったら・・・」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:23:42.95 ID:UIHWnMln0
-
律「それでさー、純ちゃんのチョコ、澪のだけ特大なんだぜ?相変わらず澪しゃんはモテモテすねー」
澪「うるさい馬鹿律!」ゴン
律「いてて・・・とりあえず憂ちゃん、ありがとう!絶対ホワイトデーには返すから!」
紬「本当にありがとう。軽音部じゃなくても憂ちゃんは大切なお友達よ♪」
澪「ああ。唯の歌じゃないけど、憂ちゃんにはもらってばっかりだよ。今度家事とか手伝わせてね!」
憂「はい!喜んでもらえてよかったです!」
律「ところで憂ちゃん、大本命の唯の分はどうしたの?」
唯「私のは晩御飯の後用に家に置いてあるんだよ!特大だよ~♪」
紬(本命は最後に取っておくってとこかしらね)
律「羨ましいなあおい!せめてちゃんとお返ししろよ!」
唯「うちでは毎年憂がバレンタインで私がホワイトデー担当なの!」
澪「ちゃんとしたもの返せてるんだろうな・・・」 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:27:41.89 ID:UIHWnMln0
-
憂「じゃあ私はこれで失礼します!お姉ちゃん、あんまり遅くならないでね」
唯「あいあいさー!」
梓「憂、また明日ね!」
憂「うん!それじゃみなさん、さようなら!」
澪「憂ちゃんも一緒に食べていけばよかったのに・・・」
梓(憂・・・気を使ってくれたのかな?私は憂が一緒でもよかったのに)
唯「箱オープン!おお、今年はシフォンケーキですか!」
澪「いい匂いだな。見た目もすごく美味しそう!」
律「どれどれ・・・おーこれは美味い!梓腕上げたな!!」
唯「りっちゃんずるいー!私が一口目食べたかったのに!はむっ・・・うまーーーい!!」
紬「本当に美味しいわ!すごいわ梓ちゃん!」
紬(このシフォンケーキ、作るの難しいのによく頑張ったわね。必要な材料も多いし、用意してあげた甲斐があったわ♪)
澪「・・・すごく美味しいよ!ありがとう梓!」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:29:08.54 ID:UIHWnMln0
-
どうやら私の気持ちは伝わったみたい。みんな喜んでくれて良かった・・・!
私たちはそのまま私のシフォンケーキと憂のチョコケーキを食べながらティータイムを満喫した。
当たり前のようにずっと続くように思えて、そうじゃない、すごく幸せな時間。
多分憂も、同じことを思っているんだろう。
憂、私を元気づけてくれてありがとう。でも人の心配ばかりしてないで、ちゃんと唯先輩との時間を楽しんでね!
平沢家!
唯「ふう、あずにゃんがあんまり楽しそうに話するから盛り上がっちゃって帰るの遅くなっちゃった。ただいまー」
憂「おかえりお姉ちゃん!」
唯「ごめんね遅くなっちゃって。今着替えてくるよ」
憂「いいよ。晩御飯出来てるから、着替えたら来てね」
晩御飯!
唯憂「いただきます!」
唯「おいしー!けど今日はちょっと量が控えめですなー」
憂「だって今日はお姉ちゃん梓ちゃんや純ちゃんのお菓子食べただろうし、
私のも食べて欲しいから・・・」
唯「憂の料理はどれだけあっても食べられるし憂のお菓子は別腹だよ~」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:40:41.17 ID:UIHWnMln0
-
憂「ありがとお姉ちゃん!」
唯「ごちそうさま。美味しかったよー!」
憂「お粗末様でした♪んじゃ持ってくるね」
唯「うん!」
--------------
憂「よっこいしょ・・・お姉ちゃんおまたせ」
唯「うわーおっきい!中身は・・・おーチョコケーキ!なんかいつもにも増して豪華な感じだね!」
憂「だって今日は、お姉ちゃんと一緒の家で過ごせる最後のバレンタインだから」
唯「えっ・・・」
憂「お姉ちゃんに今までの感謝と、これからもよろしくって気持ちを込めて作ったんだよ」
唯「・・・」
憂「お姉ちゃん、私が風邪ひいた時に歌作ってくれたよね?」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:48:36.49 ID:UIHWnMln0
-
唯「うん。今まで当たり前のように憂のこと頼ってたけど、それは当たり前なんかじゃなくって、
憂がずっと私のこと考えてくれてるからだって気付いて・・・だから憂に感謝の気持ちを伝えたくてあと歌を書いたんだよ」
憂「私もあの歌のおかげで気付いたことがあるの。お姉ちゃんが私を頼りにしてくれる日常は当たり前なんかじゃない。
すごく幸せな時間だったんだって。でも今は寂しくない・・・わけじゃないけど、残りの時間は大切に使えると思う。
お姉ちゃんの歌が気付かせてくれたから。だから今は悲しくないよ」
唯「・・・憂、今の日常が幸せなんだから、残りの時間をめいいっぱい楽しみたいっていう気持ちは分かったよ。
憂が幸せを感じられるなら私も幸せだからね。」
憂「うん・・・」
唯「でも憂、大切に過ごさなきゃいけないのは私が一人暮らし始めるまでだけじゃない。
それから先もずっとだよ」
憂「・・・」
お姉ちゃんに言われて気付きました。私は梓ちゃんにも自分にも「今を大切にしよう」と言い聞かせるばかりで、その後のことは考えないようにしていたのです。
私が表情を曇らせていると、お姉ちゃんが私の手を握って話始めました。
お姉ちゃんの手、あったかいなあ・・・
唯「一緒に暮らせなくても、憂は私のこと忘れないよね?私も憂のこと忘れることなんてあるわけない。
メールや電話はいつだって出来るし、憂が会いたいならすぐ戻ってくるよ。憂にはこれから先もずっと笑っていて欲しいの。
だから私が大学生になってからも毎日楽しまないと駄目!」
憂「お姉ちゃん・・・」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:50:24.22 ID:UIHWnMln0
-
憂「お姉ちゃん・・・」
唯「私も憂と別れて暮らすのは寂しいけどね。一緒に暮らせる今を楽しみたいっていう気持ちはもちろん私も同じだけど、
離れて暮らしても憂と連絡取り合って、久しぶりに再開して、また演奏聴いてもらって・・・そんな日常が楽しくないわけないよ!」
憂「そうかもしれないけど・・・私自信ないよ・・・毎日お姉ちゃん起こして、一緒に御飯食べて、一緒に登校して、
お姉ちゃんの帰り待ちながら家事こなして、たまに一緒に寝て・・・そんなことが出来ない生活を楽しめる自信がないよ・・・」
気がつくと少し自分が涙目になっていました。梓ちゃんにあんなこと言ったのに、情けないなぁ私・・・
そんなことを考えると余計に悲しくなってきましたが、急に体が温かくなりました。
私の一番好きなぬくもり・・・・
唯「憂・・・」ギュウ
唯「憂、寂しいならすぐに私に連絡してくれればいい。会いたいならそう言ってくれればいい。だからちゃんと未来のことも前向きに考えようよ。
きっと憂なら絶対幸せに過ごせるよ」
唯「それと憂、相談相手は私だけじゃないでしょ?憂のこと考えてるのは私だけじゃないよ」
憂「それって・・・梓ちゃんと純ちゃんのこと?」
唯「そうだよ。あずにゃん、言ってたよ。昨日は憂のおかげで元気が出て来た。私も憂の
力になりたいって。憂のことだから、「あずにゃんも寂しいだろうから、自分の寂しいなんて気持ちを相談するのは悪い」とか思ってるでしょ。」
憂「うん・・・梓ちゃん、もしかしたら私よりも寂しい思いするだろうから・・・」
唯「なら尚更だよ。お互いの悩み打ち明けて、共有出来れば気持ちも軽くなるんじゃないかな。私も寂しいなんて思ったら澪ちゃん達にすぐ相談と思う。それと純ちゃんはきっと憂とあずにゃんを元気づけてくれるよ。純ちゃんはとっても元気っ子だからね」
憂「そうだね・・・」 -
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:55:10.63 ID:UIHWnMln0
-
唯「でも良かったよ。憂がU&Iからそんなにいろいろ考えてくれて、それで少なくとも今は前向きになってくれたんなら」
憂「だってお姉ちゃんが私のこと歌にしてくれるなんて考えてもみなかったんだもん」
唯「でも私まだあの歌通りにお返しできてないよ。合格発表のあとは憂のために料理頑張るよ!」
憂「(ちょっと心配だけど・・・)ありがとう、お姉ちゃん!一緒に料理しようね!」
唯「うん!それじゃあケーキ頂いて、お風呂入って寝よう!今日は一緒に寝ようね、憂!」
憂「うん!ありがとうねお姉ちゃん!」
唯「さっきからありがとうしか言ってないよういー」
憂「だってお姉ちゃんが優しいんだもん!」
唯「だってお姉ちゃんですから!」フンス
その晩私たちは一緒に寝ました。お姉ちゃんはすぐに眠りについたようです。
もうちょっとお話したかったけど、これからもずっとお話出来るんだからいいよね。
お姉ちゃんと過ごす最後のバレンタイン。
私はそう思っていましたが、全然そんなことはなさそうです。
離れて暮らしてても、私たちはずっと一緒なんだって思えるようになったから。
来年はどんなお菓子を作ろうかなあ・・・
おわり -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:58:33.64 ID:hFGy1HFw0
-
おつ!!
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 01:59:44.50 ID:UIHWnMln0
-
初SSのため文章幼稚で申し訳ありませんでした。
支援その他の書き込みが致命的に少なかったので今度は頑張ろうと思います。
読んで下さった方、ありがとうございました。
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 02:06:42.83 ID:1UnsCcou0
-
乙!
これで初めてか
やるねぇ
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 02:14:00.73 ID:l+rIKsy10
-
よかったよ、乙
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 02:38:09.24 ID:Kh6xaUZF0
-
乙です
次も期待してます
▲ Close
| けいおん!!SS
| 12:00
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.15 Tue
≫ 続きを読む
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:19:20.00 ID:yuayTIDw0
-
「せーんせいっ!」
「……あら、もう来たの?」
「つれない言い方だよぉ」
「言ってた時間より1時間も早いじゃない」
「待ちきれなくて……エヘヘ」
「まったく、しょうがないわね」 -
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:23:09.43 ID:yuayTIDw0
-
「それにしても、この雪にはびっくりしたよ!」
「こんなに積もるとは思わなかったわね」
「子供なら大はしゃぎで駆け回るところだよ」
「そうね」
「ねえねえ、あとで校庭に雪だるま作らない?」
「やめときなさい」 -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:27:04.62 ID:yuayTIDw0
-
「今日はまだたくさん仕事あるの?」
「あと30分くらいかかるから、部室でも覗いてきたら?」
「後輩達は頑張っておるかね」
「とりあえずティータイムは伝統になってるわね」
「それは多分さわちゃんのせいじゃないかな」
「否定できないわ」 -
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:31:10.44 ID:yuayTIDw0
-
「あ、メール。りっちゃんからだ。せんせいによろしくだって」
「……みんなは元気にしてる?」
「うん、それなりに忙しいけど、みんな相変わらずだよ」
「まさかあんたたちがプロデビューしちゃうなんてね」
「私もびっくりだよ。人生なにが起きるか分からないもんだね」
「他人事みたいな言い方ねえ」
「相変わらず、あずにゃんに練習しろって怒られるよ」
「練習しなさいよ」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:35:36.62 ID:yuayTIDw0
-
「ねえねえ、この紙袋なあに?」
「ああ、生徒から貰ったチョコレートよ」
「うひゃぁ!大人気だねえ、せんせい」
「……生徒に慕われるのは嬉しいことね」
「じゃあ、私からのチョコはいらないかなぁ」
「ニヤニヤするのやめなさい」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:38:57.58 ID:yuayTIDw0
-
「お仕事お疲れ様でした!」
「それじゃ、部室行く?みんな喜ぶわよ」
「そうだね、3年の子は卒業しちゃうし、顔見てこよう」
「毎年後輩の学園祭ライブを見に来るなんて、ほんとマメね」
「ここが私たちの音楽の原点だからね!」
「そうね」 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:42:26.82 ID:yuayTIDw0
-
「ねー、せんせい」
「……なあに?」
「どうしてこの学校の先生になろうと思ったの?」
「そうね……。地元っていうこともあるけど」
「ふーん」
「ああ、もうひとつ」
「んー?」
「あの校庭の桜が好きだから、かしらね」 -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:46:44.50 ID:yuayTIDw0
-
「あ、これ、来週出る新譜」
「貰っていいの?」
「もちろんだよ!早く聴いて欲しいもん」
「ありがとう、今夜早速聴かせてもらうわ」
「ライブも決まったから、今度チケット送ります!」
「楽しみにしてるわ」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:50:18.40 ID:yuayTIDw0
-
ユイサン,アリガトウゴザイマシタ!!
「こちらこそ、お茶ごちそうさまー。受験がんばってね」
ソレジャシツレイシマス!
「気をつけて帰るのよ」
「あの子たちから見たら、私ももう大人なんだねえ」
「大人だし、尊敬するOGね」
「なんだかくすぐったい気持ちだねえ」
「私から見れば、まだまだ子供だけどね」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:54:35.06 ID:yuayTIDw0
-
「今日はね、憂が豆乳鍋を作ってくれるんだよ!」
「あら、いいわね」
「ね、一緒に食べようよ?」
「私も行っていいの?」
「当たり前だよ!むしろ断るなんて許さないよ!」
「じゃあお邪魔するわ。戴き物の日本酒、持って行こうかしら」
「おお~いいね~。しっぽり雪見酒だねえ」
「ちょっと舐めただけで寝ちゃう子が何言ってるの」 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/14(月) 23:58:15.73 ID:yuayTIDw0
-
「今日は車?」
「この雪だから、歩いてきたわ」
「じゃあ、久し振りに一緒に下校だね!」
「そうね」
「何年振りだっけ」
「5年振り、ね」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:01:32.02 ID:xNuKgJce0
-
「高校卒業して、もうそんなに経つんだねえ」
「ほんと、あっという間ね」
「私たちが付き合い始めて、もうそんなに経つんだねえ」
「……学校でさらっとそういうこと言うの、やめなさい」
「えへへ、ごめーん」
「まったく」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:03:49.87 ID:xNuKgJce0
-
「思い出すなあ。卒業式の日、私が告白して」
「まだ続けるの?」
「私、あの時が人生で一番緊張したよ」
「そう」
「OKくれたとき、ほんとに嬉しかった」
「……そう」
「まさか両思いだったなんて思いもしなかったんだもん」
「そうなんだ、じゃあ私職員室行くね」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:07:25.72 ID:xNuKgJce0
-
「ちょっ、待っ!せんせい!おいてかないで!」
「……ねえ」
「なに?」
「そのせんせいっていうの、もうやめて?」
「えー、なんで?だってせんせいだもん」
「恥ずかしいのよ、唯にそう呼ばれるの」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:10:46.37 ID:xNuKgJce0
-
マナベセンセイ、サヨウナラ
「あ、はい、さようなら。雪道気をつけてね」
「まなべせんせい、人気者ぉ」
「……やっぱり今日行くのやめようかしら」
「あっちょっ、今のなしなし!憂も楽しみに待ってるから!」
「そうね。憂に逢いに行けばいいのよね」
「ひどいよ和ちゃん」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:13:44.40 ID:xNuKgJce0
-
「まあでも、まだ唯からチョコもらってないし、行ってあげるわ」
「えへへ~」
「じゃ、帰りましょうか」
「ねえ、和ちゃん。帰り道手繋いでいい?」
「いいわけないでしょ」
「ちぇーっ」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:17:52.88 ID:xNuKgJce0
-
「ねえ、和ちゃん」
「なあに?」
「和ちゃんがこの学校の先生になってくれて、私嬉しかったんだ」
「どうして?」
「んー、うまく言えないんだけど……」
「……」
「ここには、いろんな宝物が詰まってるから、かな」
「……そうね」 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:20:47.75 ID:xNuKgJce0
-
「うう、寒いねえ」
「日陰歩かないように気をつけなさい」
「わっ、ととっ、ひぃっ」
「……腕、組んでいいわよ」
「えっ、いいの?」
「今にも転びそうで見てられないわ」
「……えへへ、ありがとう」 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:22:46.04 ID:xNuKgJce0
-
「まったく、いつまでたっても手の掛かる子ね」
「ねえ、和ちゃん」
「なあに?」
「大好き」
「…………まったく、あんたって子は」
おしまい -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/15(火) 00:39:04.99 ID:abXjQG0J0
-
乙 -
▲ Close
| けいおん!!SS
| 03:00
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.12 Sat
≫ 続きを読む
- 6 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:43:37.46 ID:TT811Ri+0
-
唯なんて嫌い。
唯なんて大嫌い。
ほんとむかつく。
私は、唯なんて大嫌い。
田井中律は、平沢唯なんて大嫌いだ。 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:46:23.48 ID:TT811Ri+0
-
唯「澪ちゃん、りっちゃん、おはよう!」
澪「おはよう唯」
律「……おー」
登校中、私と澪を見つけると、元気に声をかけてくる。
必ず澪を先に呼ぶ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:47:45.06 ID:TT811Ri+0
-
唯「りっちゃん、どうしたの?」
律「ん? なーんでもないよ」
澪「本当だ、律元気ないな」
普段鈍いくせにすぐに人の異変に気がつく。
今日は澪よりも早い。
唯のくせに。
むかつく。
唯なんて大嫌い -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:50:14.45 ID:TT811Ri+0
-
唯「だいじょうぶー?」
律「だからなんでもないって」
唯「ほーんと?」
律「ほんと」
唯「ふうん」
いいながら私の腕にまとわりつく。
いくら食べても太らないっていってたけど。
柔らかい感触が伝わってくる。
気持ちいい。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:53:10.39 ID:TT811Ri+0
-
律「はなれろよ」
唯「やーだ」
律「恥ずかしいから」
唯「だめだめ」
ぺたぺた触ってくる。
離れない。
人が見てるのに。
仲いいね、って声が聞こえてくる。
違うし。うざったいし。
唯なんて大嫌い。 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 22:57:06.03 ID:TT811Ri+0
-
澪「唯、人目もあるし、そろそろ」
唯「そっか、そうだね」
律「そうだよ」
私から離れる。
あっさりと。もう飽きた、と言わんばかりに。
腕が寒い。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:01:36.67 ID:TT811Ri+0
-
唯「じゃあ、次は澪ちゃん」
澪「え? こらこら!」
澪の大きな胸に飛び込む。
唯「柔らかい、えへへ」
澪「だ、だめだぁ!!」
へらへらにやけている。
これ以上ないってくらいに嬉しそうな顔で。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:05:51.67 ID:TT811Ri+0
-
唯「いたいよぉ……」
澪「当たり前だろ。ゲンコツだ!」
律「そうだ。自業自得」
ようやく澪から離れた。
ぶたれた頭を押さえている。
名残惜しそうに澪の胸をちらちら見ている。
私のときはあっさりしてたのに。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:09:49.19 ID:TT811Ri+0
-
唯「いたいいたい」
澪「うう、ごめん」
律「だから自業自得だっつうの」
唯「むう、りっちゃあん」
涙目を私に向ける。
うるうるきらきらしている。
もえもえきゅん。って違う。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:12:59.65 ID:TT811Ri+0
-
唯「ようやく学校に着いた!」
律「遅くなったのは、唯のせいだけどな」
澪「確かに」
唯「でも、たくさん二人といられて、嬉しかったよ」
……。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:16:57.92 ID:TT811Ri+0
-
澪「うっ! わぁあ!」
律「お、すごい量のラブレター」
唯「よく下駄箱にそれだけ詰められるね。……おっと?」
律「どうした?」
唯「ううん」
うつむいて、何か隠している。
少し頬が赤い。
らしくない。
隠しごとするなんて。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:18:12.99 ID:TT811Ri+0
-
律「とりゃ!」
唯「うわっ」
律「どれどれ? ……え」
可愛い便箋。
澪の下駄箱に入っているのとおんなじような。
なんで隠すんだ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:19:46.53 ID:TT811Ri+0
-
澪「唯も、もらっているじゃないか」
唯「なんか、最近よくもらうんだあ」
律「ふん」
眉をハの字にしていても、
口元はしっかりにやついている。
へらへらしている。
むかつく。
唯なんて大嫌い -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:21:31.99 ID:TT811Ri+0
-
紬「あら、三人ともおはよう」
澪「おはよう」
律「おっす、ムギ」
唯「おはよう! ムギちゃん」
紬「わっ! 唯ちゃん」
唯「あったかあったか」
体温が高いムギに抱きつく。
ほっとしたような顔。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:36:14.47 ID:TT811Ri+0
-
唯「ムギちゃんあったかいね」
紬「唯ちゃんもね」
離れない。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 43 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:38:00.32 ID:TT811Ri+0
-
澪「そんなにムギはあったかいのか?」
唯「あったかいよ。りっちゃんは冷たいけど」
律「悪かったな」
唯「とくに、おでこのあたりが」
律「わっ」
丁寧に私のおでこをさする。
じんわりと熱が帯びる。
唯「だから、私があっためてあげるね」
あったかあったか。
……。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:39:48.49 ID:TT811Ri+0
-
唯「……」
授業中。
薄目になっている。
それから目をつぶり、次第にこくこくと首が揺れる。
幸せそうな寝顔。
私はじっとそれを見ている。
「田井中さん、集中して」
唯のせい。
唯なんて大嫌い。 -
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:41:12.97 ID:TT811Ri+0
-
紬「唯ちゃん、次教室移動よ」
唯「ううう、ごめん、まだ準備していなくて」
ばたばたとしている。
そうとう焦っているらしい。
澪「律、唯の準備手伝ってあげているのか」
紬「りっちゃん、やさしいわね」
自然に手が動いただけ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:42:53.06 ID:TT811Ri+0
-
唯「先に行ってていいよ」
紬「え、でも」
唯「悪いし」
澪「じゃあ、行くよ。早く来るんだぞ」
ばたばた。
ごそごそ。
ようやく準備が整った。
唯「りっちゃん、待っててくれたの?」
ちょっと壁に寄りかかってただけ。
律「……別に」
唯「……えへへ、ありがとう」
あったかい笑み。
……。
倍むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:44:20.03 ID:TT811Ri+0
-
唯「ありがとね」
律「ほら、さっさといくぞ」
唯「りっちゃんって面倒見いいなあ」
律「そうかよ」
唯「りっちゃんのそういうとこ、好きだなあ」
……。
唯なんて大嫌い。
嫌い、だし。 -
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:47:08.97 ID:TT811Ri+0
-
唯「わ、わわわ」
姫子「唯、そこはこうやるんだよ」
唯「あー、そっかあ」
理科室の実験。
隣の姫子に、いろいろと助けてもらっている。
いつもそう。
唯「姫ちゃん、面倒見いいなあ」
姫子「そんなことないよ?」
唯「姫ちゃんのそういうとこ、好きだよお」
デジャブ。
やっぱり、
唯なんて大嫌い。 -
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:49:56.66 ID:TT811Ri+0
-
和「唯、昔からああいう子なの」
実験道具を片づけに、私の席の近くまで来た和に肩を叩かれた。
律「え? いや、和が何言いたいのか分かんないけど」
和「みんなのことが好きなのよね」
律「え、あの、だから」
和「唯ってば、小学校のときにもね」
小一時間、私の知らない唯の話が続いた。
思わず聞き入ってしまった。
別に。
唯なんて、大嫌いだし。 -
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:51:29.84 ID:TT811Ri+0
-
律「へえ、そうなんだ」
和「そうなのよ、それで唯……」
唯「和ちゃーん!」
和にしがみついてきた。
唯「ここが、分からないのです!」
和「もう、しょうがないわね」
唯「和ちゃん、頼りになるなあ」
またデジャブ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:52:47.25 ID:TT811Ri+0
-
紬「唯ちゃんのお弁当、相変わらずおいしそうね」
澪「憂ちゃんの手作りだもんな」
律「いいよなー、私も食べたい」
唯「じゃあ、食べる?」
律「おう。あーん……」
フォークじゃなく、弁当箱ごと渡される。
唯「あ、一口だけだよう」
……。
ばか。
唯なんて大嫌い。 -
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:54:11.23 ID:TT811Ri+0
-
唯「なんで、りっちゃん食べないの?」
私は答えない。
唯「私食べるの遅くなっちゃうよお」
答えないし。
唯「そうだ! はい、あーん」
フォークをおかずに突き刺し、私の口元へ。
律「……あーん」
むかつく。
やっぱり、
唯なんて大嫌い。 -
- 60 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:56:01.01 ID:TT811Ri+0
-
結構人が見ていた。
恥ずかしい。
紬「りっちゃんのもおいしそうね」
澪「今日は、自分で作ったんだっけ?」
律「そうだぞ、えっへん」
唯「そうなの? じゃあ、一口ちょうだい。あーん」
人が見てるっつうの。
唯「おねがいだよう」
……。
律「……ほら、口開けろ」
小鳥みたいだ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 23:57:16.32 ID:TT811Ri+0
-
紬「唯ちゃん、部活行こう?」
机に突っ伏したまま。
澪「唯、ほら起きろ」
寝息をたてたまま。
しょうがない。
律「唯、部活にいっくぞー!」
……起きなかった。
紬「声じゃ起きないみたい……」
精一杯呼んだのに。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:22:30.51 ID:pF5Or6Xn0
-
梓「何してるんですか先輩方」
紬「あ、梓ちゃん」
澪「唯が起きないんだ」
梓「もう唯先輩ってば……ほら、起きてください」
動かない。
律「ほら、私達がいくら呼んでも起きなかったんだから…」
そのとき、かすかに身じろぎした。
澪「あ、聞こえたのかな」
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:25:46.80 ID:pF5Or6Xn0
-
梓「でも、あの一回きりでしたね」
律「もので釣るか?」
澪「まさか。それで起きるとは……」
紬「唯ちゃん、ケーキあるわよ」
唯「……んんぅ、ふわぁ、おはよう」
梓「起きましたね」
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 75 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:27:27.53 ID:pF5Or6Xn0
-
澪「練習するぞ」
律「まだいいじゃん」
梓「だめです。今日こそ」
もう少し休みたいのに。
二人の勢いに負けそう。
唯「もう少しだけ休もう?」
目があった。
笑みを向けられる。
お見通し、みたいな。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:29:49.21 ID:pF5Or6Xn0
-
今日のケーキは二種類。
ショートケーキが二個と、チョコケーキが三個。
私はショートケーキ。
でも、チョコケーキも食べたかったな。
ちぇ。
唯「りっちゃん、半分こしようね」
唯のはチョコケーキ。
……。
唯なんて大嫌い。 -
- 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:31:26.12 ID:pF5Or6Xn0
-
唯「りっちゃん、口にクリーム付いてるよ」
律「え、どこ」
唯が指で私の口元をぬぐう。
指はそのまま、唯の口の中へ。
唯「おいしいね」
む……かつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:33:46.21 ID:pF5Or6Xn0
-
梓「先輩、ここはこうです」
唯「こう?」
梓「違います」
手とり足とり。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:35:18.56 ID:pF5Or6Xn0
-
梓「そう、そうですよ!」
唯「ありがとあずにゃん!」
梓「わっ! 抱きつかないでくださいぃ…」
むかつく。
倍むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:37:07.72 ID:pF5Or6Xn0
-
澪「じゃあ、私達はここで」
律「じゃあな」
紬「また明日ね」
梓「さようなら」
唯「ばいばい、澪ちゃん、りっちゃん」
また澪が先。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 87 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:39:01.75 ID:pF5Or6Xn0
-
ふと振り向いた。
唯が、こっちを見ていた。
にっこりと手を振られる。
澪も、ムギも、梓も気づいていない。
私と唯だけ。
律「……」
私も、手を振る。
唯なんて大嫌い。
嫌い、だからな。 -
- 88 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:41:06.22 ID:pF5Or6Xn0
-
澪「最近律、おかしくないか?」
律「なにがだよ?」
澪「なんか、唯に対して」
ふと、澪が訊いてきた。
律「ああ。だって、私唯のこと嫌いだもん」
澪「えっ!?」
むかつくし。
見てると、いらいらするし。
柔らかいしにこにこするし。
私のこと分かってるって感じだし。
律「唯なんて大嫌い」
澪「……にやけながらいわれても、全く説得力無いな」
なにいってんだよ。
私は、唯なんて大嫌いだ。 -
- 90 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:43:18.98 ID:pF5Or6Xn0
-
合宿になると、いつも二人ではしゃいだ。
唯「りっちゃん!」
律「ゆーい!」
呼べば子犬のように寄ってきて。
呼ばれて振り向いたら笑ってる。
むかついた。 -
- 92 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:45:50.17 ID:pF5Or6Xn0
-
二年のときの文化祭。
唯は、遅れてやってきた。
目に涙をためて、皆に謝っていた。
らしくもない。
さっさと泣きやまないから。
いつものふわふわした笑顔を見せてくれないから。
むかついた。
律「みんな、唯のことが大好きだよ」
ほら、早く泣きやめ。
唯が普段どおりじゃないと、
胸がしくしくした。
むかついた。 -
- 93 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:47:13.00 ID:pF5Or6Xn0
-
私が、ドラムは嫌だと投げ出したとき。
唯「一人で悩んじゃやだ!」
私のために必死になっている姿に
む、むかついたし。 -
- 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:48:22.80 ID:pF5Or6Xn0
-
梅雨の日。
唯のワイシャツのボタン付けをしてやった。
唯「もったいなくて着れないよお」
手放しで喜んでいた。
頬が熱くなった。
むかついた。 -
- 97 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:50:23.48 ID:pF5Or6Xn0
-
最後の文化祭。
気がつけば、唯と私の手がつながっていた。
ぎゅっとにぎり合った。
泣きそうなくらいに安心した。
あったかかった。
むかついた。 -
- 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:52:31.02 ID:pF5Or6Xn0
-
そうだよ。
こんなにむかついたんだから。
私は唯なんて大嫌いだ。 -
- 103 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:55:05.27 ID:pF5Or6Xn0
-
今日は、唯に会わなかった。
唯と登校できなかった。
いつもより寒い。
風邪ひくだろ。
むかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 104 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:56:42.91 ID:pF5Or6Xn0
-
律「私、唯のこと嫌いなんだ」
紬「えっ?」
開口一番、ムギに宣言した。
気が合うし。
じゃれているときの体温とかちょうどいいし。
律「唯なんて大嫌い」
紬「りっちゃん、そんなに教室のドアをちろちろ見なくても、唯ちゃんならすぐ来るわよ」
律「なんで知ってんの」
紬「さっき、メールが来たの」
……。
律「唯なんて大嫌いだ」
紬「説得力無いわよ、りっちゃん」 -
- 105 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 00:58:08.60 ID:pF5Or6Xn0
-
律「私、唯のこと嫌いなんだ」
和「はいはい。それでも唯は、皆のことが好きな子よ」
皆からいじられてるし。
それを見てると、むかむかするし。
律「唯なんて大嫌い」
和「じゃあ、唯の机を撫でるのをやめなさい」 -
- 107 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:01:14.87 ID:pF5Or6Xn0
-
唯「りっちゃん。あのね、聞こえちゃったんだけど」
休み時間。
結局、朝は遅刻すれすれでやってきた唯が、私の席まで来た。
唯「りっちゃん、私のこと嫌いなの?」
悲しそうに。
涙目で、うるうるきらきらしている。
……。
ばか。
唯なんて大……。 -
- 108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:03:29.75 ID:pF5Or6Xn0
-
律「……とりあえず、今日部室に来い」
唯「えっ?」
律「いいから」
唯「……うん」
眉をハの字にして、
不安でいっぱいの表情をしている。
そんな顔するなんて。
……。
ばーか。 -
- 109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:06:11.98 ID:pF5Or6Xn0
-
放課後。
唯「澪ちゃんたち、まだきていなくてよかったね」
約束通り、唯は部室に来ていた。
澪たちには、今日は部活は休みと伝えておいた。
律「そうだな。まだきていない」
唯「うん」
人の異変にはすぐ気付くのに。
こういう嘘には鈍い。
むかつく。
気づかないのか。
気づいてよ。 -
- 110 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:08:19.24 ID:pF5Or6Xn0
-
唯「あの、りっちゃん、それで」
律「うん」
唯「えーっと……」
瞳を潤ませて、
もじもじしている。
可愛い。
むかつく。 -
- 111 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:10:37.29 ID:pF5Or6Xn0
-
律「……唯」
唯「う、ん」
律「今から、思っていることと反対のこというから」
唯「? ……うん」
律「私、唯のこと嫌いなんだ」 -
- 112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:13:07.95 ID:pF5Or6Xn0
-
唯「……え?」
律「唯なんて大嫌い」
唯「え? え?」
慌てふためいている。
必死で頭を整理しているんだろう。
うん。
やっぱりむかつく。
唯なんて大嫌い。 -
- 113 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:15:22.30 ID:pF5Or6Xn0
-
少しして、冷静になった唯。
花が咲いたように笑った。
む、むかつく。
唯「私は、ひねくれりっちゃんとは違って、そのまま言うね」
一呼吸置いて。
唯「りっちゃんが大好き」
今までで一番、あったかい笑顔。
とことんむかつく。 -
- 114 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:16:59.05 ID:pF5Or6Xn0
-
律「唯なんて大嫌い」
唯「りっちゃんなんて、大好き」
言い合いながら、部室を出た。
いつの間にか、私と唯の手はしっかりとつながっていた。 -
- 116 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:19:29.06 ID:pF5Or6Xn0
-
むかつく。
唯なんて。
唯なんて……。
唯に聞こえないように、こっそり呟いた。
――唯、大好き。
おわり -
- 118 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:21:59.73 ID:pF5Or6Xn0
-
これで終わりです。
読んでくださった方、ありがとうございました!
原作と違うところがあったらすみません……
とりあえず、唯律・律唯もっと増えろ
駄文失礼いたしました。
- 119 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:27:27.48 ID:OC68ScYBO
-
乙
- 121 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:31:15.00 ID:go1/wNJC0
-
このりっちゃんは可愛い
超乙!!
- 124 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/12(土) 01:36:44.41 ID:+mZr0PriO
-
乙
りっちゃんも唯も可愛いなー -
▲ Close
| けいおん!!SS
| 21:00
| comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.11 Fri
≫ 続きを読む
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:49:12.38 ID:dV8+GrZF0
-
一応これの続編的な物なので、先に読むと二人が恋人になった経緯が分かると思います。
時事系列ちょっと変かも知れませんorz
読まなくてもあんまり影響ないとは思います。
澪「家出少女」
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 20:59:48.93 ID:dV8+GrZF0
-
紬「お茶にしましょう」
唯「うん」
梓「あ、私手伝いますよ」
紬「今日は苺ショートとモンブランの2種類あるわよ」
律「私モンブラン」
梓「唯先輩はどれにします?」
唯「私もモンブランで」 -
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:01:14.15 ID:dV8+GrZF0
-
梓「澪はどれにする?」
澪「じゃ、苺ショート」
紬(あれ?今澪って?)
唯(呼び捨て?)
梓「はいどうぞ、澪先輩」
澪「ありがとう梓」
紬(今度は澪先輩。聞き違いかしら)
唯(澪ちゃんも何も言わないし聞き間違いだよね) -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:04:05.10 ID:dV8+GrZF0
-
~次の日
澪「他に誰もいないみたいだな」
梓「じゃあ私達で貸し切りだね」
昼休み、良い天気だから私と澪は一緒にお弁当を持って屋上へ来た。
澪「全く、昨日はみんなの前で澪って呼ぶからビックリしたぞ」
梓「ごめん、澪。ついうっかり」 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:06:13.11 ID:dV8+GrZF0
-
澪「…澪先輩じゃなくて澪って呼んでくれないか?」
梓「…え?」
澪の口から出てきたその言葉に、梓は一瞬戸惑う。
澪「私と二人きりのとき位、私のこと「澪」って呼んでほしいんだ」
梓「…は、はい……」
呼び捨てで呼ぶ。それだけのことなのに、梓はひどく緊張してしまった。 -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:09:50.48 ID:dV8+GrZF0
-
梓「…み、澪」
澪「ふふ、嬉しい」
澪「それと、出来るだけ敬語も止めてほしいな」
梓「ど、努力します」
澪「努力するよ、だろ?」
梓「努力するよ澪」
そんな会話をしたのが先月。 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:11:35.42 ID:dV8+GrZF0
-
梓「みんなにはいつまで隠すの?」
澪「べ、別に隠してるわけじゃないんだ。言い出すタイミングがその…」
梓「そうだよね」
まあ確かに軽音部のみんなに説明するの大変そうだしね 。
…私達が恋人になった事 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:13:49.06 ID:dV8+GrZF0
-
梓「私は、憂と純には話したよ」
澪「えっ?そうなのか」
梓「うん」
澪「で、何て言ってた?」
梓「うーんと」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:15:04.21 ID:dV8+GrZF0
-
憂「澪さんと梓ちゃんが?」
梓「うん///」
憂「おめでとう、前から澪さんの事好きだったんだもんね。」
梓「ありがとう」
憂「これでお姉ちゃんは私だけの…」
梓「?」
憂「あ、何でもないよ」 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:17:46.70 ID:dV8+GrZF0
-
純「まさか梓に澪先輩を取られるだなんて」
梓「ごめんね」
純「ふんだ、良いもん。澪先輩が私の憧れのベーシストってのには変わりないんだから」
梓「純も良い人見つけなよ」
純「どっかに居ないかなー、良い人」
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:19:34.12 ID:dV8+GrZF0
-
梓「って感じ」
澪「ふーん。結構好意的なんだな」
梓「だから、軽音部のみんなに話しても大丈夫だと思うよ」
澪「そうだけど、もうちょっとだけ時間をくれ」
梓「うん、それよりお弁当食べよ」
澪「そうだな」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:21:19.11 ID:dV8+GrZF0
-
梓「はい澪、あ~ん」
澪「照れくさいな///パク…もぐもぐ」
梓「どう?頑張って作ってみたんだけど…」
澪「…まあまあだな」
梓「ええ?!」
澪「嘘だよ、美味しいよ」
梓「澪、ひどいー」
澪「ふふ、ごめんな」
端から見たらバカップルに見えるんだろうか?
でも良いんだそれでも。幸せだから。 -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:24:59.94 ID:dV8+GrZF0
-
軽音部のみんなには、まだ秘密。
でも、そうするとこんな事も起こるわけで
唯「あずにゃーん」
ダキッ
梓「ひゃっ。や、止めて下さいよ」
唯「えへへ」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:28:01.25 ID:dV8+GrZF0
-
唯「あずにゃん分を補給~」
スリスリ
うう、澪の方を見るのが怖い。怒ってるかな?
ちらりと様子を伺う。
うわー、般若のような顔でこっち睨んでるよ。
不自然に唯先輩を拒絶するわけにもいかず、あずにゃん分?を補給させてしまった。 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:30:55.90 ID:dV8+GrZF0
-
澪「全く、唯に抱きつかれて、されるがままなんて」
梓「あれ?もしかして澪、嫉妬してる?」
澪「ち、違う。そんなのじゃない」
梓「じゃあ、私が澪に抱きつくね」
澪「え?」
ダキッ -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:33:17.82 ID:dV8+GrZF0
-
梓「澪~」
澪「うひゃっ」
梓「澪分を補給~」
スリスリ
澪(うう、こんな筈じゃ///)
梓「機嫌直った?」
澪「も、元から、機嫌悪くしてないからな」
意地っ張りなんだから。 -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:38:26.38 ID:dV8+GrZF0
-
今日は、澪の家で勉強会。私の勉強を見てもらう。
寒いからコタツの温もりが気持ちいい。
澪「ふふふ、梓がそうやってコタツに入ってると本当に猫みたいだな。可愛い」
梓「そう?」
澪「唯があずにゃんって呼びたくなるのも分かるよ」
梓「澪もコタツ入ると猫みたいだよ、澪にゃん」 -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:40:49.99 ID:dV8+GrZF0
-
梓の可愛い冗談がちょっぴり悔しかったので、梓の後ろに回り込み、背中越しに梓を抱きしめ
梓の喉をごろごろと撫でてあげた。
澪「生意気な子猫はこうしてくれる」
澪「よーしよし、可愛いなゴロゴロ」
梓「にゃっ」
すると梓はくるりと振り返り、私のほっぺに顔をすり寄せてきた。 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 21:44:57.21 ID:dV8+GrZF0
-
梓「にゃー」
すりすり
澪「わわっ」
梓「ペロペロ」
梓は澪の首筋を舐め上げた。
澪「にゃあっ」
梓「あれ?にゃあって、やっぱり澪の方が猫みたいだね」
澪「///」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:05:35.03 ID:dV8+GrZF0
-
順調かと思えた澪との交際だが、私には一つ悩みがあった。
憂「澪さんがキスしてくれない?」
梓「…うん」
純「一回も?」
梓「正確に言えば、一回寝ぼけてしてくれたけど、それだけ」 -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:09:25.57 ID:dV8+GrZF0
-
憂「梓ちゃんからは?」
梓「んと、告白した時に勢いでしたけどそれっきり」
純「澪先輩、奥手っぽいからね。梓からすれば良いじゃん」
梓「澪からして欲しいんだよ」
憂「そう言う雰囲気にもっていけば良いんじゃない?」
梓「抱きついてみたり、ペロペロしたりしてるんだけど中々…」
純「ペロペロ?」
梓「あ、何でもない///」
- 38 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:12:28.39 ID:dV8+GrZF0
-
純「あ、そうだ。もうすぐバレンタインでしょ?」
梓「うん」
純「自分にリボン巻いて、チョコと私を受け取って下さいって」
梓「純、真剣に話してるんだけど?」
純「いやいやいや、冗談じゃなくてその位しないと」
憂「澪さん鈍そうだもんね」 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:15:10.99 ID:dV8+GrZF0
-
梓「で、でもさすがにそれは…」
憂「澪さんをその気にさせる服着てみたりとか」
純「良いね、コスプレ」
梓「あの、お二人さん?」
憂「澪さんどういうのが好きなんだろ?」
梓「うーん、あっそう言えば…」 -
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:17:38.67 ID:dV8+GrZF0
-
~バレンタイン当日
軽音部のみんなには、チョコレートケーキを作り、食べてもらった。
みんな美味しいと言って食べてくれたが、澪に美味しいと言われたのが何よりだった。
澪は、ファンクラブの人達から山のようにチョコを貰っていた。
今更だが、凄い人気者だ。
嫉妬はしなかった。だって澪は私のだから。 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:21:16.35 ID:dV8+GrZF0
-
夕方、澪の自宅を訪れる。特別に作ったチョコとプレゼントを渡す為。
梓「はい、澪だけ特別に作ったチョコだよ」
澪「ありがとう、私からも梓に」
梓「ありがとう」
お互いチョコを交換し合い、食べる。 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:25:30.77 ID:dV8+GrZF0
-
梓「澪のチョコ美味しい」
澪「梓のも、甘さが絶妙だな」
などとお互い絶賛しあっていると
梓「実は、もう一個プレゼントがあるんだ」
澪「え?何々?」
梓「ちょ、ちょっと待ってて」
そう言うと梓はバッグを抱え部屋を出て行った。
澪「?」 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:30:59.27 ID:dV8+GrZF0
-
ガチャリ
しばらくすると梓は部屋に入ってきた。
そこには部屋を出る前と変わりない梓が…と思ったが少し様子が違った。
猫耳を付けた梓が立っていた。
突然のことに澪は、しばし声が出なかった。
そしてぽつりと呟いた。
澪「猫耳…?」 -
- 47 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:34:23.66 ID:dV8+GrZF0
-
梓「憂と純が、この格好をすれば澪が喜ぶんじゃないかって///」
恥ずかしげに梓は言う。
澪「へ?」
梓「この前コタツに入ってる私を見て猫みたいで可愛いって言ってたから」
澪「それで、わざわざ猫耳を?付けるの嫌がってたのに」
梓「…うん、澪の喜ぶ顔が見たくって///」
か、可愛い。
澪は思わず声に出してしまいそうになった。
鼓動が速くなり、顔が熱くなっていった。 -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:36:14.68 ID:dV8+GrZF0
-
梓「ど、どう?」
澪「と、とても可愛いよ、梓」
好きな人に目の前で言われて、梓は少し照れくさそうに笑った。
その照れる姿に澪の理性が吹っ飛ぶ。
そして次の瞬間、澪の体は勝手に動いていた。
澪が梓の体をぎゅっと抱きしめた。 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:41:39.95 ID:dV8+GrZF0
-
澪「梓!」
梓「み、澪?」
そして梓がするように頬をすり寄せてきた。
いつもクールな澪からしたら想像できない行動だ。
澪「そう言えば、私からきちんとするのは初めてだな」
そういうと、澪の手が梓の首元に伸びた。その手が梓の顔を澪の口元に持っていく。 -
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:45:05.11 ID:dV8+GrZF0
-
梓「んんんんっっ…」
澪はゆっくりと舌を絡めていった。
すると梓の頭はだんだんぼーっとしてきた。
ゆっくりと時間をかけたキスは梓の思考を奪っていった。
キスが終わると、梓は体中の力が抜けて倒れこんでしまった。
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:47:41.73 ID:dV8+GrZF0
-
澪「甘いな、梓の唇は」
それは多分、さっき食べたチョコのせいだよ澪。
澪が膝立ちし、梓を見下ろす。
澪「梓、プレゼントありがとう」
そう言うと梓に覆い被さった。
憂、純このプレゼントは効果ありすぎだよ。キスどころかその先まで…… -
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:50:31.34 ID:dV8+GrZF0
-
~お風呂場
梓「背中、流そっか?」
澪「え?恥ずかしい///」
梓「今更、さっきはもっと恥ずかしい事したのに」
澪「じゃ、じゃあお願いするかな」
澪は、どもりながら答える。 -
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:51:51.53 ID:dV8+GrZF0
-
さっきは理性が吹っ飛んでしまっていたが、我に返るとやはり恥ずかしい。
梓「うふ、澪ってば照れちゃって」
お互いの身体を洗いっこし、湯船に身体を沈める二人。
湯船は狭いため、二人の身体はピッタリと密着している。
梓「澪の肌、柔らかくて気持ち良い…」
澪「もう、恥ずかしいよ、梓…」 -
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:53:57.34 ID:dV8+GrZF0
-
梓は、澪の首筋にキスをする。
澪「ん、駄目だよ梓…さっきかいた汗を流しに来たのに…」
梓「澪ったら、そんなに汗掻いちゃうほど興奮してたんだ」
澪「…!」
梓の突っ込みを受け、澪は真っ赤になる。
梓「ここでさっきの続きをしようか」
そう言うと、梓は即座に澪の唇を奪った。 -
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:55:33.53 ID:dV8+GrZF0
-
いきなりのキスに驚く澪だったが、すぐに受け入れた。
優しくて、少し感情的なキスが澪を翻弄する。
澪「うっ…ふう」
しばらくして唇が離れお互い見つめ合う。
梓「澪、可愛いよ」
澪「梓の意地悪」
そう言いながらも澪の顔は笑顔だった。 -
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 22:57:25.78 ID:dV8+GrZF0
-
梓「本当に今日言うの?」
澪「ああ、決心が付いた」
唯「話って何?」
律「何だ改まって?」
紬「何かしら?」
澪「じ、実は…あのその…」 -
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 23:00:57.06 ID:dV8+GrZF0
-
肝心な所で口ごもる澪を見かねて
梓「実は、私と澪は恋人同士になったんです」
梓が恋人宣言をする。
澪「ああ、私が言おうとしたのに…」
唯「ええ~っ本当に!?」
紬「まあまあまあ!」 -
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 23:04:31.48 ID:dV8+GrZF0
-
澪「あれ、律は驚かないんだな?一番驚くと思ってたのに」
律「実は私は知ってたのさ」
梓「ええ?何で?まさか憂や純が喋るとは…」
律「ふっふっふっ、律っちゃん情報網を甘く見るな」
律「エリ(瀧エリ)から二人が映画館デートしてたってのを聞いてたんだ」
澪「エリ…口止め料のコーラ返せ…」
律「頑張って隠そうとしてる二人が可愛くて、見守ってた」
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 23:10:03.32 ID:dV8+GrZF0
-
梓「うわ、律先輩にはバレバレだったんですね///」
澪「一体何のために隠してたんだ…」
律「ところで澪、澪の口からも聞かせてくれないか?」
澪「何をだ?」
律「梓との交際宣言」
澪「わ、分かったよ」
ごほん
澪「秋山澪は、中野梓を愛しています。世界の中の誰よりも」
何でタッチ?
全員が突っ込みを入れたくなったが梓は嬉しそうに微笑んだ。
お終い
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 23:15:10.15 ID:3HCM3NyG0
-
おつおつ
和むわー
- 69 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/10(木) 23:21:49.00 ID:haOkynjg0
-
乙!みおあずはやっぱ最高だす
- 77 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/11(金) 00:11:39.14 ID:Kui6UlaKO
-
タッチにワロタwww
甘々な澪梓珍しいね、良かったよ -
▲ Close
| けいおん!!SS
| 01:00
| comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑
≫ EDIT
2011.02.10 Thu
≫ 続きを読む
- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:36:33.43 ID:06MmlFCO0
-
紬「お茶淹れたわよ~」
唯「やった~!」
律「待ってました!」
澪「全く…。今日は飲んだら練習するからな」
梓「ホントですよ、もう」
紬「まあまあまあまあ。とりあえず一息つきましょう」
紬「はい、梓ちゃん」
梓「どうも。ありがとうございます」
紬「みんなもどうぞ~」 -
- 2 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:37:24.49 ID:06MmlFCO0
-
律「ふっふっふー」
唯「ふっふっふ~」
梓「…なんですか二人して」
唯「いや~。嬉しそうだな~ってね」
律「なんだかんだ言っても楽しみですものねー」
梓「そりゃそうでしょう。せっかく淹れてもらってますし」
梓「ムギ先輩のお茶は美味しいですから」
梓「でも。私はこの後ちゃんと練習しますので」
唯「ああん、あずにゃんのいけず~!」
律「いけずー!」
澪「もう。少しは梓を見習えよ」 -
- 4 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:38:19.71 ID:06MmlFCO0
-
いつもと変わらない軽音部の風景。
知らない人が見たら何をしているのかと思うでしょう?
実際私も初めはそう思いましたから。
いわゆるティータイムです。
お茶を飲んで、お菓子を食べて。みんなでおしゃべりして。
繰り返しますが、私たちは軽音部です。
練習ですか? ええ、しますよ。
……率先してお茶を楽しんでいる約二名様がやる気を出した時くらいは。
別に非難しているわけではありません。私だってお茶は楽しみです。
それに、この空気といいますか、これが私たちのやり方なんです。
ティータイムは私たちにとって、とっても大事な時間で。
だから、私も。紅茶を淹れてあげたいなって。
いつからか、そう思ってたんです。 -
- 5 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:39:17.76 ID:06MmlFCO0
-
澪「ごちそうさま」
唯「今日もムギちゃんのお茶は美味しいね~!」
紬「ふふ。ありがとう。喜んでもらえて私も嬉しいわ」
紬「じゃあ片付けしちゃうわね~」
梓「お手伝いしますよ。ムギ先輩」
紬「あら。ありがとう」
唯「おっ!あずにゃんえらいね~」
律「梓は本当にできた子や」
澪「お前らもたまには手伝ってやれよ」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:40:22.60 ID:06MmlFCO0
-
澪「二人とも、私も手伝うよ」
梓「お気になさらず。澪先輩もゆっくりしてて下さい」
澪「梓にだけやらせるのも悪いよ」
梓「私もいつも手伝ってるわけじゃないですし」
梓「今日は後輩の顔を立てると思ってください」
梓「次の機会には、澪先輩にお願いしますよ」
澪「…そうか?そこまでいうなら、今日はお願い」
澪「梓はいい子だな」
ふっと頭に暖かい感触。
ちょっと大きくて、弦楽器をいじる人間特有の硬さを感じる手。
澪先輩の手が、私の頭を優しく撫でてくれます。
梓「…えへへ」
澪「よしよし」
紬「あらあら素敵♪」 -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:41:19.22 ID:06MmlFCO0
-
紬「紅茶の淹れ方?」
梓「はい。教えていただきたいなと思って」
お手伝いをしながら、ムギ先輩に聞いてみました。
紬「紅茶に興味があったなんて嬉しいわ~」
梓「いつも美味しくいただいてますから。ありがとうございます」
紬「いいのよ~。気にしなくて」
とは言っても、ムギ先輩の持ってくるものは高級品だ。
家で飲むような安物の紅茶とは、なんというかすべてが違います。
お礼の一つでも言いたくなるものです。
梓「できたら、私も淹れてみたいなって」
紬「まあ!じゃあ今度、みんなで紅茶淹れてみよっか?」
梓「あ、えと。できたら二人でやりたいんですけど……」 -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:42:20.07 ID:06MmlFCO0
-
紬「あらあら。うふふふ」
梓「…どうしたんですか?」
紬「いいわよ~。じゃあ皆にはナイショで」
紬「時間があるときに、二人で練習しましょうか」
変な勘違いをされている気がする。
いや、この笑みはきっとしていますね。
主に乙女の妄想的な意味で。
紬「梓ちゃんのお相手はだれなのかしら~」
梓「…そういうのじゃないですよ」
梓「きっと、ムギ先輩の考えてるのとは、ちょっと違うと思います」
紬「ふふ。じゃあそういう事にしておきましょうか」
嬉しそうな先輩を見てると何だか変に否定するのも悪い気がします。
……私もムギ先輩には甘いものです。 -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:43:22.00 ID:06MmlFCO0
-
――――
それから、私たちは二人になれるときに、密かに特訓を始めました。
紬「それじゃあ始めるわよ」
梓「はい!先生!」
紬「あら、先生だなんて。…ちょっといいわね~」
ぽわぽわ~。なんて効果音が実に似合います。
妄想モードに入ってしまわれました。
まあ、邪魔するのも悪いですし、可愛いのでしばらく見ていましょう。
紬「…はっ。いけないいけない」
梓「おかえりなさい。先生」
紬「…こほん」
紬「一口に淹れ方っていっても、茶葉によって適している方法も違うの」
梓「部室にもけっこういっぱいありますよね」
紬「うん。だからよく使う何種類かの淹れ方を教えるね」 -
- 11 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:44:14.34 ID:06MmlFCO0
-
紬「じゃあ、最初はこの茶葉からいきましょうか」
紬「これは唯ちゃんが好きなやつね」
梓「やっぱり皆さん好みがあるんですね」
紬「ええ。まあ、聞いたわけじゃないんだけどね」
紬「これを飲んでる時が一番嬉しそうかな~って」
流石というかなんというか。
まずはこういった気配りが大事なのかもしれません。
梓「勉強になります」
紬「あらあら。まだ初めてないわよ?」
梓「いえ。大事なことを教えてもらったような気がします」 -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:45:10.81 ID:06MmlFCO0
-
紬「これはミルクティーにすると美味しいの」
紬「唯ちゃんに入れてあげるのは、砂糖をちょっとだけ多めに」
梓「…なんというか、イメージにぴったりですね」
紬「そうね。優しくて温かい唯ちゃんにぴったりかも」
紬「その人の性格も出るのかしら?」
梓「どうなんでしょうかね?」
本格的な紅茶は淹れる手順もけっこう色々あって。
恥ずかしながら、今まで適当に淹れてた私では知らないことも多かったです。
慣れた手つきでてきぱきとこなしていくムギ先輩。
なんだか魔法みたいだなぁって。
ふと、そんなふうに思いました。 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:46:01.71 ID:06MmlFCO0
-
ほとんどムギ先輩にやってもらいましたが
なんとか初めての一杯が出来上がりました。
甘そうないい香りがします。
紬「これで唯ちゃんも大喜びよ!」
梓「でも、まだまだ一人できちんとはできそうにないですから」
紬「じゃあこれからも練習あるのみね」
梓「はい。またお願いします!」
紬「淹れてあげるの楽しみね~。ふふふ…」
ムギ先輩はまた何だか上機嫌です。…妄想してますね?
紬「やっぱりゆいあずはいいわよね~」
梓「…なにいってるんですか」
紬「いいのいいの」 -
- 14 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:46:48.65 ID:06MmlFCO0
-
紬「いっつもくっついてるじゃない」
梓「唯先輩が勝手に抱きついてくるだけですよ」
紬「でもすっごく嬉しそうよ?」
梓「まあそりゃ、嫌じゃないですけど…」
梓「そんなに傍から見て嬉しそうにしてますか?」
紬「ええ。とっても!」
梓「目標はポーカーフェイスになること。にします」
紬「恥ずかしがらなくてもいいのに」
紬「でも、唯ちゃんはいいな~」
梓「どうしたんですかいきなり」
梓「…もしかして、ムギ先輩もあんな風にしたいんですか?」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:47:39.26 ID:06MmlFCO0
-
紬「えへへ。実は」
梓「もう…暑苦しいだけですよ?」
紬「いいじゃない。スキンシップ。とってもいいわよ!」
紬「肌を触れ合わせるのって、親愛の証だと思うの」
梓「そんな大げさな…。まあ、仲がいい証拠だとは思いますけど」
紬「でしょ! だからもっとみんなとスキンシップしたいんだけどな」
梓「していいと思いますよ?ムギ先輩なら誰も嫌がったりしませんって」
紬「そうかしら…?」
梓「はい。私だったら嫌がりませんよ。絶対」
紬「あらあら!ほんとに?」
なんだろう。いますっごく恥ずかしいことを、サラッといった気がします。 -
- 17 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:48:30.83 ID:06MmlFCO0
-
梓「ええ。だから、その」
梓「抱きしめたくなったら、ご自由にどうぞ」
って、これ冷静に考えたらすっごい恥ずかしいこと言ってるよね!?
紬「ふっふっふ~」
紬「あ~ずにゃ~ん!」
梓「にゃああ!?」
早速抱きつかれました。
なんといいましょうか。あったかくて。柔らかくて。
優しそうないい匂いがしました。
紬「ふふ。梓ちゃんすごく抱き心地がいい」
梓「抱き心地…ですか。そんなにいいですか?」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:49:55.85 ID:06MmlFCO0
-
紬「ええ。とっても!」
紬「唯ちゃんがいつも抱きついてるのも分かるわ~」
梓「…そうですか。ありがとうございます」
私も、抱かれ心地が良くて、すごく気持ちいいですよ。
……なんて言葉が出かかりましたが。
その瞬間すごく恥ずかしくなったのでやめておきました。
そのかわりに…
梓「私なんかでよければ、これからも」
梓「その、お好きなようにどうぞ」 -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:50:40.40 ID:06MmlFCO0
-
紬「ありがとう。梓ちゃん」
ぎゅっと。少しだけ抱き寄せられます。
子供みたいに嬉しそうな顔をしてるムギ先輩。
それにつられて、私も自然と笑顔になります。
…この笑顔が見れるなら、安いもんです。
唯先輩とは、感触も、匂いも、違ったけれど。
優しくて、暖かくて、どこか似ているような。
二人とも、そんな人だからでしょうか?
似たもの同士なのかなぁって。
朧気に、そんなことを考えていました。 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:51:25.24 ID:06MmlFCO0
-
紬「唯ちゃんは誰にでもこんな風にできて、ちょっと羨ましい」
梓「あの人にはもう少し遠慮というものを学んで欲しいです」
紬「いいじゃない。あれが唯ちゃんらしさよ」
梓「まあ、そうですけど。誰かれ構わず抱きついたりは…」
梓「…なに笑ってるですか?」
紬「梓ちゃん、ヤキモチ?」
梓「…!!そんなんじゃないです!」
紬「照れなくてもいいのに~」
梓「そんなんじゃないんですってばぁ!」
こんな変なところまで、ちょっと似ているみたいです -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:52:22.92 ID:06MmlFCO0
-
――――
紬「じゃあ今日はこれね」
梓「これ私もけっこう好きですよ」
紬「これはりっちゃんが好きなやつね」
梓「へぇ。律先輩はこれなんですか」
紬「あら、ちょっと意外そうね」
梓「言っちゃ悪いですが、律先輩のイメージじゃなかったです」
紬「そう?わたしはりっちゃんらしいかな~って思ったけど」
梓「珍しく意見の相違が出ましたね」
紬「…ふふ。それにしても」
梓「??」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:53:17.28 ID:06MmlFCO0
-
紬「梓ちゃんはりっちゃんには割と遠慮がないというか」
紬「気兼ねなく接してるよね」
梓「そうでしょうか? …まあ、言われてみるとそうかも知れません」
梓「変に気を使ったりとかは、ない気がしますね」
紬「そこがりっちゃんのすごいところよね~」
梓「…そうですね」
梓「気を使わせないようにしようって、そういう風に気を配ってくれてるというか」
梓「そういう人なんだなってのは、何となく分かってきました」
紬「そうね~。だからかしら」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:54:04.27 ID:06MmlFCO0
-
紬「りっちゃんはいいなーって。思う時があるの」
梓「ムギ先輩が……ですか?」
紬「私は、そういう風にするのが得意じゃないみたいで」
紬「梓ちゃんだってそうでしょう?」
梓「え…?」
紬「りっちゃんに対するみたいに、私と接しようとは思わないでしょ?」
梓「あ……。その。まあ、確かにそうですね」
紬「誰にでもくだけて接してもらえる。そういう空気を作り出せる」
紬「そういう優しさって、いいなぁって」
紬「私には、難しいかな…って。たまに思っちゃうから」
言いたいことは分かります。律先輩はそういう人で。
ムギ先輩は、そういう関係に憧れみたいなのを持ってるみたいです。
でも、だからって。寂しそうな顔しないでください。 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:54:52.85 ID:06MmlFCO0
-
梓「いいんじゃないでしょうか。違ってても」
紬「…梓ちゃん?」
梓「律先輩は律先輩。ムギ先輩はムギ先輩で」
梓「ただ、優しさのカタチが違うだけなんですよ」
梓「優しさであることに変わりはありません。ちゃんとみんな分かってるはずです」
梓「それはどっちが良い悪いとかじゃないんだって、私は思います」
梓「お二人とも、私にとっては優しくて、いい先輩ですから」
梓「他の皆さんだって!接し方が違ったとしても」
梓「ちゃんとムギ先輩に心を許してるはずですよ!」
私だってそうです。皆さんだってそうに決まってます。
梓「だから、ムギ先輩は今まで通りでいいと思います」
梓「無理して変わったりしても、それは。ムギ先輩じゃなくなっちゃいます」
私はそんなの、なんか嫌です。 -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:55:48.12 ID:06MmlFCO0
-
紬「…あ~ずにゃ~ん」
梓「にゃ!?」
また抱きつかれてしまいました。
あったかいです。あと、やっぱり気持ちいいかもしれません。
…自分で思ってる以上にこういうの好きなんでしょうか?
紬「優しいのね、ほんと」
梓「そんなことないです。分かったような気になって」
梓「生意気なこと言ってるだけですよ。きっと」
紬「それでも、ありがとう」 -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:56:38.74 ID:06MmlFCO0
-
梓「…私でよければ、何でも話してください」
梓「聞くくらいなら。出来ますので」
梓「あ、それと。抱きつきもサービスしますよ」
紬「あずにゃんは優しいね。いいこいいこ」
梓「もう…。ほんとに唯先輩みたいですね」
その日に淹れた紅茶は、飲み慣れた中の一つ。
さっぱりしてて、爽やかな香り。
きっと、誰の口にも合うような、そんな紅茶。
なんとなく、律先輩っぽいかなって。
初めて、そんなふうに思いました。 -
- 27 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:57:27.32 ID:06MmlFCO0
-
……
紬「うーん。そうねぇ…」
梓「どうしたんですか?」
紬「りつあず!とかはどうかしら?」
梓「…はい?」
紬「いいコンビだと思うんだけど?」
梓「はあ? …なんと答えたらいいんでしょうか?」
紬「ああ!あずりつ!の方がいいのかな」
梓「そういう意味じゃないです…」
ムギ先輩がそういう趣味があるみたいってのは聞いてましたけど。
やたら引っ張りますね。
律先輩と、私。そんなにいいものなんでしょうか? -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:58:23.39 ID:06MmlFCO0
-
――――
紬「じゃ~ん。今日はこれです」
梓「これは…澪先輩の好きなやつ、ですか?」
紬「すごい!よく分かったわね~」
梓「まだ、何となくでしたけど」
梓「前に言われたので、見てました。そしたら。多分これかなって」
梓「美味しそうにしてましたね。確かに」
紬「まあまあ!すごいじゃない」
それが自然にできるムギ先輩のほうがもっとすごいと思いますけど。 -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 11:59:16.47 ID:06MmlFCO0
-
紬「じゃあここで問題。どんな風にして飲むのが好きでしょう?」
梓「ストレートで。…って、澪先輩をよく知らない人なら答えそうです」
紬「澪ちゃん大人っぽくてカッコイイから、イメージはあるわね」
梓「正解はお砂糖たっぷりですね。この間もたくさん入れてました」
梓「澪先輩は甘いのが好きです。多分軽音部の中で一番」
紬「正解で~す。だから、お砂糖入れても風味があんまり変わらないこれ」
梓「なるほど。勉強になります」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:00:17.59 ID:06MmlFCO0
-
紬「だいぶ手馴れてきたわね」
梓「そうですか?ありがとうございます」
紬「そうだ。もう一つ。紅茶を入れるときに大事なことがあったの」
梓「他にも、何かあったんですか?」
紬「そうね。これは私の勝手な持論で。味が変わるものじゃないけれど」
梓「…聞きたいです。ぜひ、聞かせてください」
ムギ先輩は、ちょっとだけ、恥ずかしそうに。
でもしっかりと言ってくれました。
紬「淹れてあげる相手への思いを込めること」
紬「どうしたら相手が喜んでくれるのかな、って。考えてあげること」 -
- 33 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:01:10.47 ID:06MmlFCO0
-
紬「紅茶だけじゃないけどね」
紬「なんに対してもね。そういう風に考えるようにしようかなって」
紬「それで相手が笑ってくれたら。とっても素敵だと思うの」
紬「その笑顔が、私をあったかくしてくれるから」
うん。実にムギ先輩らしいです。
やっぱりこの人は、こういう優しさが似合うような。
そんな気がします。
紬「…ごめんね。なんか、カッコつけたこと言っちゃって」
梓「そんなことないです!とってもムギ先輩らしくて、素敵でしたよ」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:02:06.19 ID:06MmlFCO0
-
梓「そういえば、ムギ先輩と澪先輩は仲いいですよね」
紬「ありがとう。そう言ってもらえると嬉しいな」
紬「お話しする時間が一番長いからかしらね」
梓「曲はほとんどお二人で作ってますしね」
紬「そうね~。そのおかげもあって、昔からいろんな話もしてるし」
梓「澪先輩も何だかムギ先輩を頼りにしてるみたいですしね」
紬「そうかしら。だったら嬉しいわ」
紬「澪ちゃんはいつもしっかりしてるから、私も助けられてるし」
梓「他二名の先輩方にももう少ししっかりして欲しいものです」 -
- 35 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:03:18.95 ID:06MmlFCO0
-
紬「でもね、澪ちゃんもほんとはもっとはしゃぎたいんじゃないかって」
紬「そんな風に思うこともあるの」
梓「何となく分かります。合宿の時とかそうですから」
梓「スイッチ入ると途端にはしゃぎますよね」
紬「ふふ。そうね。梓ちゃんは、そんな澪ちゃんは嫌?」
梓「まさか。普段しっかりしてますし、そういう時くらいは楽しまないと」
紬「梓ちゃんもそんな感じだものねえ~」
梓「…何だかお恥ずかしいです。普段練習ってばっかり言ってるのに…」
紬「いいじゃない。可愛いわよ」
梓「可愛い、ですか」 -
- 36 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:04:10.16 ID:06MmlFCO0
-
紬「澪ちゃんは真面目でしっかりしてるから」
紬「自分がそういう立場でいることで、バランスを取ろうとしてる」
紬「そういう所もあると思うの」
紬「私も皆といると、楽しすぎてついつい羽目を外しちゃうから」
紬「だから澪ちゃんばっかりにそういう役目を押し付けてないかって」
紬「梓ちゃんにも、ね。私は楽しみ優先にしちゃうことあるから」
紬「嫌だなぁって、思うこともあるでしょう?」
…まったく。この人は。
そんなこと心配してたなんて。 -
- 39 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:05:10.45 ID:06MmlFCO0
-
梓「ハッキリ言いますけど。ありませんよ。そんなこと」
紬「…え?」
梓「私もそうですし、澪先輩だってそうです」
梓「私たちは普段から練習練習って言うことが多くて」
梓「ムギ先輩がそんな心配をするのも分かりますけど…」
梓「でも、そんなことで嫌だなんて思いません」
梓「唯先輩や律先輩にだってそうです。別に嫌いだとか思いませんから」
梓「まあ、もうちょっと真面目にして欲しいとは思ってますけど」
梓「なんというか。否定的な意味じゃなく、もう諦めました」
梓「こうするのが私たちらしいんだ、って」
梓「だから安心してください」 -
- 41 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:06:06.91 ID:06MmlFCO0
-
梓「澪先輩も言ってましたよ」
梓「私は真面目すぎて融通がきかないこともあるから」
梓「ムギ先輩はそういう自分と他の二人をうまく取り持ってくれて」
梓「軽音部のバランスを取ってくれてるんだって」
梓「そういう所、すごく感謝してるんだって」
紬「澪ちゃんがそんなことを?」
梓「恥ずかしがり屋ですから。面と向かっては言いづらいんでしょう」
梓「付き合いの短い私のほうが、逆に言いやすいんでしょうか」
紬「…えへへ。なんか嬉しいな。そんな風に思ってもらえてると」 -
- 42 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:07:02.28 ID:06MmlFCO0
-
梓「澪先輩も、ちゃんと分かってますよ」
梓「もちろん、私も。 いつもありがとうございます」
紬「いえいえ。こちらこそ」
梓「なんかいいですね。お二人の関係」
紬「そうかしら?」
梓「ええ。なんか落ち着いてて。大人っぽいっていうか」
梓「私は好きですよ。そういう信頼関係」
そうこうしているうちに、お茶も出来上がったようです。
とっても甘いのに、その引き締まった風味は崩れない。
これはきっと、澪先輩の好きな味だ。 -
- 44 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:07:56.19 ID:06MmlFCO0
-
……
紬「澪ちゃんは不思議な人よね」
梓「不思議…ですか」
紬「一番大人っぽいのに、それでいて一番子どもっぽい所とか」
梓「あー。確かに。中身を知ったらビックリするタイプですね」
紬「でも、とっても魅力的だと思うわ」
梓「そうですね。素敵な人だと思いますよ」
紬「梓ちゃんは澪ちゃん大好きだものね~」
梓「大好きって…。まあ、真面目な人ですし」
梓「美人ですし、可愛いところとかも含めて、その」
梓「好きではありますよ」 -
- 45 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:08:59.39 ID:06MmlFCO0
-
紬「梓ちゃんと澪ちゃんて似てるし、姉妹みたいで可愛いわよね」
梓「そりゃ、たまに似てるって言われますけど」
梓「私は澪先輩ほど美人じゃないですし」
紬「梓ちゃんだってとっても可愛いのに」
梓「そうですか…?というか、あんまり可愛い可愛い言わないでください」
紬「どうして?」
梓「……恥ずかしいです」
紬「ふふ。そんなところもそっくりなのに」
紬「似たもの姉妹の、みおあず!ってのも素敵…」
梓「またですか…」
この人はなぜおおっぴらに妄想するんでしょうか?
嫌ではないですが…なんかくすぐったいです。 -
- 46 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:09:44.51 ID:06MmlFCO0
-
――――
紬「はい。それでは今日の講義を始めます!」
梓「ぱちぱちぱち」
紬「梓ちゃんもだいぶ上手くなってきたわね~」
梓「ありがとうございます。せんせい」
紬「ふふ。それじゃあ、今日はどれにしようかしら?」
梓「あの、今日は教えて欲しいのがあるんですけど…」
紬「あらあら!いいわよ~。どれかしら?」
紬「梓ちゃんの好きなやつ? それも分かるのよ~」
ちょっと子供っぽく自慢気なムギ先輩が可愛いです。
でも、ごめんなさい。今日のはそれじゃないんです。
梓「今日は、これにしませんか?」 -
- 48 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:10:32.21 ID:06MmlFCO0
-
私は茶葉の缶の中から一つを取り出します。
紬「え?これでいいの」
梓「はい。これでいいと思います」
紬「梓ちゃんの好みも分かってると思ったんだけど…」
沈んでしまいました。違うんです。そうじゃないんですよ~!
梓「いえ。これは私のじゃなくて…」
梓「これ、ムギ先輩の好きなやつですよね?」
あ、ちょっと驚いてる。意外に分かりやすいんだよね。
ころころ表情が変わるのは、可愛いと思います。
紬「言ってなかったと思うんだけど」
梓「はい。言ってませんね。でも」
梓「このお茶飲んでる時が、なんというか、一番幸せそうに見えたので」
梓「だぶん、そうなんじゃないかな、と」 -
- 49 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:11:33.26 ID:06MmlFCO0
-
自分で言っておいてなんだけど、ちょっと恥ずかしくなってきた。
紬「…ふふ。そうね。正解」
梓「教えてくれても良かったのに」
紬「自分のこととなると、何だか恥ずかしくなっちゃって」
相変わらず、変なところで控えめな人です。
…そんなところもなんだか可愛いです。思っていてもちょっと言えませんが。
私が恥ずかしいので。
紬「それに、押し付けがましくないかしら?」
梓「全然そんなことないですよ!」
梓「ムギ先輩にそんなこと言われたら、私なんてもう…」
梓「中野梓の半分は図々しさで出来ています。とか言わないといけないですよ!」
紬「ふふ…。あははは!梓ちゃん面白い!」
梓「もう!けっこう真面目に言ったんですよ!」
梓「…まあ、そういうことですよ」 -
- 50 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:12:24.42 ID:06MmlFCO0
-
紬「梓ちゃんはすごいわね」
梓「まだまだムギ先輩には及びません」
紬「謙遜しなくてもいいのに~」
謙遜なんかじゃないです。
そういう所でこの先輩にはかなわないと思います。
紬「そうね。それじゃあ今日はこれで」
梓「はい。よろしくお願いします」
それはとっても上品な香りがして。
でもとっても飲みやすくて。
やっぱり、ムギ先輩みたいかなって。
そんなふうに思いました。 -
- 51 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:13:10.33 ID:06MmlFCO0
-
梓「あの…ムギ先輩。ちょっとお聞きしたいんですけど」
紬「あら。なにかしら?」
聞いていいのかな?とも思ったけど。
ムギ先輩は全く隠したりする気がないみたいだし。
なんでか、そんな話ばっかりになるので。
…ちょっと。ちょっとだけ。気になっただけなんですよ?
梓「ムギ先輩って、その。……女の人が好きなんですか?」
紬「あら。そういうお話?」
梓「あ!すいません!突然変なコト言ったりして」
梓「嫌だったらいいんです。すいません…!」
紬「まあまあ落ち着いて。別に気にもしないし。大丈夫よ」 -
- 53 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:14:23.50 ID:06MmlFCO0
-
紬「それにね!コイバナっていうのかしら?」
紬「そういうのしてみたかったし!」
梓「はぁ、それなら。まあよかったですけど…」
これが一般的な女子高生が話すような類のものかどうかは。
ちょっと疑問符が付くところですけど。
紬「梓ちゃんこそ大丈夫?そういうお話でも」
そういうってのは、やっぱり女の子同士ってのについてのことなんだろう。
梓「私は、まあ。大丈夫といいますか」
梓「よく分からない。って言ったほうが正しいですかね」
紬「普通はそうだと思うわよ」
梓「別にそれで差別したりとか、そういう気もないんですけど」
梓「純粋に、どんなこと思ってるのかなって言う興味ですかねぇ…」 -
- 54 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:15:26.76 ID:06MmlFCO0
-
紬「そうね。せっかくだし、今日はそういうお話してみる?」
梓「はい。ムギ先輩がよければ。お願いします」
紬「まさかお願いしますって言われる日が来るとは思ってなかったわ」
梓「私もお願いする日が来るとは思ってませんでしたよ」
……
紬「うーん。なんて答えたらいいのかしら」
紬「女の子同士が仲良くしてるのを観るのは好きね~」
紬「何だかとっても素敵じゃない?」
梓「そういうものなんですかね?」
紬「これは感覚だし。分からない人には分からないんじゃないかしら」
紬「どんなものを可愛いと思うかって人によって違うでしょ?」
紬「その延長線みたいなものだと思うから」
梓「はぁ。なるほど」
紬「無理に理解しようとしなくてもいいと思うけどね。私は」 -
- 55 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:16:22.49 ID:06MmlFCO0
-
梓「でも…観てるだけでいいんですか?」
梓「なんといいますか、その、先輩自身は…」
紬「私は女の子が好きなのかってことかしら」
梓「…はい。あの、ほんとに聞いて大丈夫ですか?」
紬「いいわよ。大丈夫」
紬「実はね、よくわからないの」
梓「はい?」
意外、といえば意外な答えが帰ってきました。
いままで、そういう、百合って言うんでしたっけ?
そういう嗜好の人達というのは、その人自身もそうなんだろうと。
そんなふうに思っていたので。
紬「というよりも、まだちゃんと人を好きになったことがないから…」
紬「恋をしたことがないのよ」 -
- 56 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:17:24.17 ID:06MmlFCO0
-
紬「だから、どうなのかしらね?」
紬「私自身、同性愛に対して偏見を持ってるわけじゃないから」
紬「もしかしたら女の子を好きになるのかもしれないし」
紬「普通に、って言い方はあんまり好きじゃないけど…」
紬「男の人に恋をするのかもしれないし」
紬「そういうわけで。よくわかんない。かな」
梓「なるほど…」
紬「変な言い方だけど、好きになった人が好きな人なのよ」
紬「人として、惹かれるものがあるかどうかが大事で」
紬「性別で見てるわけじゃないって言うか、そんな感じ」
梓「ちょっと難しいですけど、何となく分かります」
紬「まあ。こういう考えは変わってるし。マイノリティだってのも分かるんだけどね」 -
- 57 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:18:07.91 ID:06MmlFCO0
-
紬「ごめんね。恋も知らないお子様の話じゃ、面白くなかったでしょ?」
梓「いえ!とんでもない。 こちらこそ変に突っ込んだこと聞いちゃって」
梓「ためになった。って言っていいんでしょうか?」
紬「ええ。こんな話でよければ」
紬「でも…。やっぱり、変だって思ったりしない?」
梓「最初に言いましたよ。それで差別とかするつもりはないって」
梓「私にはまだ、よく分からない世界ではありますけど…」
梓「でも。私そういう所で人を変に扱ったり卑下したりするのは好きじゃないです」
梓「だから。分からなくても。それで変だなんて言ったりしません」 -
- 58 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:19:01.82 ID:06MmlFCO0
-
紬「そう言ってもらえると私も気が楽だわ。ありがとう」
梓「いえいえ。…というか先輩ってあんまりそういうの隠そうとしないですよね」
紬「思い切ってそれなりにオープンにしておいたほうがいいのよ」
梓「そういうもんなんですかね?」
紬「ええ。それに、軽音部のみんなに変に隠し事とかしたくないし」
紬「みんななら、大丈夫かなって。なんとなくだけど、そう思ってるから」
梓「そうですね。みなさん、そんなこと気にする人じゃ無さそうですし」
梓「あ、私もそうですから。ご安心を」
紬「ふふ。ありがとう」
梓「…でも、私と他の先輩方で妄想するのはちょっと」
紬「嫌?」
梓「……というよりは、はずかしいので。すっごく」 -
- 59 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:19:51.97 ID:06MmlFCO0
-
紬「え~。そんなぁ」
梓「そんなぁ。じゃないです!もう」
紬「梓ちゃんもみんなも可愛いからとってもいいのに!」
梓「力説されましても…」
私はやっぱりそういう事考えたことはないし。
ましてや、先輩方の誰かとなんて…
紬「そういう梓ちゃんは好きな人とかいないの?」
梓「うぇぇ?!私ですか!?」
紬「そう。梓ちゃん! 誰かに恋してないのかな~!」
梓「…残念ながら、私もそういうのには疎い方でして」
梓「今のところは、そういう人はいないですかね…」 -
- 61 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:20:41.42 ID:06MmlFCO0
-
紬「なぁんだ。残念」
ムギ先輩は意外にこういう話に興味があるのかな?
ほんとに残念そうだし、さっきから妙に食いつきがいいというか。
よくよく考えたら、私たちってそういう浮ついた話が全くないなぁ…
紬「唯ちゃんとかは?」
梓「だからそんなんじゃないですってば」
紬「じゃありっちゃん!」
梓「…考えたこともなかったです」
紬「澪ちゃんともお似合いだと思うの!」
梓「まあ澪先輩はカッコイイとか思いますけど、そういう気はないです」
紬「はぁ…残念」
梓「落ち込まないでください。なんかこっちが悪いみたいです…」
でも、もし。もしもだよ。
私が先輩の誰かとそういう事になったんら…… -
- 62 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:21:42.82 ID:06MmlFCO0
-
…………
……………………
はっとして我に戻ったときには
私はムギ先輩に押し倒されていました。
目の前にムギ先輩の顔があります。
大きな眼に整った顔立ち。
晴れた日の空のような、澄んだ蒼の瞳。
その特徴的な眉でさえ、この人にとっては魅力を引き出すアクセントだ。
柔らかい曲線を描く、この人の優しさを体現したようなブロンドの髪が
挿し込む夕日を浴びてきらきらと輝いている。
雪みたい、と例えたくなるような白くて綺麗な肌。
それによって強調される、桜色をした柔らかそうなピンクの唇。
私は視界に入るその全てに心を奪われていて。
目を反らすことが出来ません。
…いや、なぜそんなことをする必要が有るのでしょうか?
こんなに美しいものから、目を反らす必要なんて、ありません。 -
- 63 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:22:26.30 ID:06MmlFCO0
-
「梓ちゃん」
私の名前。それを発しただけで。
その音が、私の耳に届いただけで。
心臓が、どくんどくんと跳ね上がる。
顔も体も、ビックリするくらい熱い。
でも、なんでだろう。それは全く不快じゃなくて。
むしろとっても心地いい。
「今の梓ちゃん、とっても可愛いわ」
「ムギ、せんぱい…?」
そっと。ガラス細工でも触るかのように。
私の頬に手を添えてくる先輩。
あったかくて、柔らかいその手が優しく頬を撫でて。
さらに私の動悸を早めます。
「食べちゃいたいくらい」 -
- 64 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:23:18.58 ID:06MmlFCO0
-
「いいわよね? …あずさ」
「あ…」
私の名前。「あずさ」って。呼んでくれた。
もうだめだ。
私の中、もうこの人でいっぱいだ。
他のこと、考えられない。
「……はい。いいですよ。ムギ先輩」
「だめよ。梓」
「二人の時は、紬、って。そう呼びなさい」
「はい。……つ、つむぎ」
「ふふ。よろしい」
近づいてくる顔。
心を満たすような、紬のいい匂い。
そして、そのまま。私たちの唇が……
……………………
………… -
- 65 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:24:05.90 ID:06MmlFCO0
-
「……さちゃん?」
「…ずさちゃん?」
梓「ほへ?」
紬「梓ちゃん?」
……
梓「!!? うわぁぁぁ!?」
紬「うひゃあ!?」
びっくりしました。いきなり先輩の顔が真正面にありました。
さらにびっくりしたのは、……その。
あんな妄想をしていた直後だったので。 -
- 66 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:24:59.38 ID:06MmlFCO0
-
梓「ああああ!?あの、すいません!大丈夫ですか!?」
紬「え? 私はなんともないんだけど」
紬「梓ちゃんの方こそ大丈夫?急にぼーっとしちゃって…」
梓「はい!なんでもないんです!大丈夫ですじょ!」
紬「じょ?」
噛んだ。恥ずかしい。帰りたい。
紬「…ふふふっ。あはははは!」
梓「……/// も、もう!そんなに笑わないでください!」
梓「私だって恥ずかしいんですから!」
紬「ははっ。…ふー。ごめんごめん」
紬「でも、大丈夫そうでよかったわ」 -
- 67 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:25:55.84 ID:06MmlFCO0
-
梓「すいません。ほんとに…」
紬「いいのいいの。ちょっと疲れちゃった?」
梓「あー、いえ。そういうわけでは。ほんとに大丈夫ですから」
あんな話をしたからでしょうか?
……まさか、自分がこんな妄想をしてしまう日が来るとは
夢にも思ってませんでしたよ。
そりゃ、ムギ先輩は綺麗ですし。
当然、その。嫌いなわけなくて。……す、好き、ですけど。
でもでも!それはそういう好きじゃなくてですね!
あくまで!人として!先輩としてですから!
紬「梓ちゃん?顔赤いよ?ほんとに…」
梓「あああ!はい!大丈夫ですよ!ほらほら!」
だめだ!もう考えるのはよそう。
ああ、先輩でこんなことを考えてしまうなんて…
お父さん、お母さん。梓はいけない子なんでしょうか…? -
- 68 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:27:05.31 ID:06MmlFCO0
-
――――
――――――――
紬「梓ちゃん、ティータイムは好き?」
いつだったか、ふと。そんなことを尋ねられました。
梓「どうしたんですか、急に」
紬「うん。ちょっと、ね。」
紬「梓ちゃんが入ってきたときのこと、思い出してて」
梓「ああ、あの時の…」
そう、この軽音部に入ったばかりの頃。
私はそのゆるい空気に何故か馴染めなくて。
『ティーセットは全部撤去すべきです!!』
『あ…』
『それだけはかんべんしてぇ!!』
『なんで先生が言うんですか!?』 -
- 70 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:27:56.38 ID:06MmlFCO0
-
今となっては、懐かしいと、そう言ってもいい記憶。
あれからそんなに季節はたってはいないけど。
何故だか、随分と昔のような、不思議な気分でした。
それはきっと。私が変わったから。
そう感じるんだと、思います。
梓「あの時はなんといいますか…すいませんでした。ほんとに」
紬「ううん。いいの。私たちこそ、あの時は悪いことしたかなぁって」
紬「真面目に音楽がしたい人が来て、ああだったらと思うと」
紬「やっぱり、そうなっちゃうかなって」
梓「まぁ、それはそうなんですけど…」
実際、私がそうでしたからね。
なにやってるんだろう。この人達って。 -
- 71 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:29:07.32 ID:06MmlFCO0
-
でも、今は違う。
梓「…質問の答えですけど」
あの頃の私が見たらびっくりしそうだね。
梓「大好きですよ。ティータイム」
それはとっても素敵な時間で。
梓「それがなかったらきっと」
私たちに、必要なもの。
私の大好きな、この軽音部に、必要なものだから。
梓「私たちは、私たちじゃないと思うので」 -
- 72 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:30:00.54 ID:06MmlFCO0
-
梓「…なんて。ちょっとカッコつけちゃいましたね」
梓「…って。にゃ…」
そう言うやいなや。ふわっとした感触に包まれます。
…ほんと、最近この人には抱きつかれてばかりです。
紬「梓ちゃんにそう言ってもらえるなんて」
紬「私、すごく嬉しいよ」
梓「私は、思ったままを言ってるだけですので」
紬「だから嬉しいの。ありがとう」
梓「お礼なんて言わないでください」
梓「それを言わなくちゃいけないのは、私の方です」 -
- 73 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:30:50.51 ID:06MmlFCO0
-
…ああ、きっとそうだ。
どうして、紅茶を淹れてあげたいって思ったのか。
分かった気がしました。
きっと、この人に。淹れてあげたかったから。
私たちを支えてくれてるこの人に。
暖かくて優しいこの人に。
素敵な時間を創ってくれてるこの人に。
誰よりもその時間を大切にしているこの人に。
私も何かしてあげたいって。
ありがとうございますって。伝えたかったからだ。
――――――――
―――― -
- 74 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:31:50.88 ID:06MmlFCO0
-
――――
「はい。それじゃあ今日はこれで。みなさん、さようなら」
ちょっとだけ早く終るHR。
僅かな時間だけど。それでも浮き足立つクラスメイトたち。
…そうだ。今なら私が一番乗りだ。
そろそろ、いい頃合かな。私もだいぶうまくなったと思う。
そう思うと居ても立ってもいられなくなって。
純「あーずさ!今日も軽音部に…」
先生が出ていくのとほぼ同時に教室を抜け出します。
純「行くんですね分かります」
憂「梓ちゃん何だか最近楽しそうだよね~」
純「まあ前から軽音部大好きっ子ではあったけどさ」 -
- 76 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:33:09.06 ID:06MmlFCO0
-
純「なんだろう。この声すらかけてもらえない疎外感」
憂「純ちゃん寂しい?」
純「よくわからん。梓が楽しそうなのはいいんだけどさー」
憂「わたしもー。最近の梓ちゃんなんか嬉しそう」
純「…恋でもしてるのか?」
純「それで私たちなんか眼中に無いってのか!そうなんだね!?」
憂「それはどうか分からないけど…」
憂「…純ちゃん寂しい?」
純「あーもう!寂しいよちくしょー!」
純「もっと私らにもかまえ!」
憂「まあまあ。今日はジャズ研ないんでしょ?一緒に帰ろ?」
純「私の味方は憂だけだ~!」 -
- 78 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:34:27.78 ID:06MmlFCO0
-
…………
がちゃ
紬「あら、梓ちゃん一人?」
梓「こんにちは。ムギ先輩。今日は私が一番みたいですね」
紬「まぁ。いい香りね」
梓「すみません。勝手に使っちゃって」
紬「好きに使ってねって言ったでしょ?大丈夫よ」
梓「ありがとうございます。それなりに練習もできたので」
梓「今日は私が淹れてみようかな…って」
紬「まあまあ!楽しみね~!」
紬「梓ちゃんも上手に淹れられるようになったし」
紬「きっとみんなビックリするわよ」
梓「そうですかね。……喜んでもらえるでしょうか?」
紬「大丈夫よ。私が保証するわ」 -
- 79 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:35:32.86 ID:06MmlFCO0
-
そう言ってもらえるなら、大丈夫でしょうか。
何だか安心しました。
紬「でも、この紅茶…」
梓「はい。ムギ先輩の好きなやつですよ?」
紬「…最初に淹れるの、それで良かったの?」
梓「いいんですよ。なに言ってるんですか」
梓「もちろん、先輩方みんなに淹れてあげたいですけど」
でもやっぱり。あなただったと思うから。
喜んでもらいたいって、そう思ったから。
梓「ムギ先輩に淹れてあげたいって思ったのがきっかけだったんです」
梓「だから一番最初に、ムギ先輩に。好きな紅茶を淹れてあげようって」
梓「そう決めてましたので」 -
- 80 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:36:31.29 ID:06MmlFCO0
-
今までの時間を思い出しながら。
手順は間違えないよう、ゆっくりと。丁寧に。
それと、一番大事なこと。
淹れてあげる相手への思いを込めて。
……よし。できた。
この紅茶を一番美味しく淹れるには。
ううん。正確には、この人が一番喜んでくれるには、ですね。
梓「…お口にあうか分かりませんが」
紬「とんでもない。私が一番側で見てきたんだもの」
紬「梓ちゃんの腕前はちゃんと分かってるつもりよ」
紬「…いい香りね」
とても似合った上品な仕草で。香りを楽しんだ後。
そっと一口。口に運んで。
紬「…これ」 -
- 81 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:37:18.73 ID:06MmlFCO0
-
ふふ。やりました。
本日二度目ですね。驚いていただけたようです。
喜んでもいただけてたら、なおのこと嬉しいですけど。
梓「ストレートが一般的みたいですけど」
梓「風味を崩さない程度に、少しだけ砂糖を」
梓「それが、ムギ先輩のお気に入り。ですよね?」
紬「…大正解」
紬「おいしいわ。…本当に」
紬「今まで飲んだことのある紅茶の中で一番よ」
梓「大げさですよ。私なんてまだまだです」
紬「そんなことない」 -
- 82 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:38:09.26 ID:06MmlFCO0
-
その蒼い瞳でまっすぐ見つめられて。
その顔は本当に嬉しそうにはにかんでいて。
紬「本当に。美味しかったから。嬉しかったから」
紬「だから。ありがとう。梓ちゃん」
ムギ先輩の言ってたこと。分かった気がします。
それだけで、私も本当に嬉しくなる。
こころがほっとあったかくなる。
梓「喜んでいただけて、私もとっても嬉しいです!」
あなたにそんな気持ちになって欲しくて。頑張りましたから!
梓「ムギ先輩への、感謝の気持ちなんです」
梓「いつも素敵な時間をくれるムギ先輩に」
梓「私たちを支えてくれてるムギ先輩に」
梓「私からの、ありがとう。です!」
ちょっと驚いて、でもそれから。
満面の笑みを見せてくれます。それにつられて、私も。
とびっきりの笑顔をお返しするんです。 -
- 83 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:39:06.05 ID:06MmlFCO0
-
梓「それに、色々教えていただきましたし」
梓「ムギ先輩とたくさんお話できて。とっても楽しかったです」
紬「それは私も。梓ちゃんのこといっぱい知れた。嬉しかった」
梓「…でもずるいですよ。こんなに素敵なこと、一人占めしてたなんて」
紬「ふふ。ごめんなさい。でもこれからは、梓ちゃんも淹れてあげられるね」
梓「はい!でも、やっぱりまだまだですし」
あの時間がなくなるのが、なぜだかちょっと寂しくて。
もっと。仲良くなれたら。なんて。そんなことを思ったから。
梓「まだ、私の好きな紅茶、淹れ方教えてもらってませんし」
だからもうちょっとだけ、あの時間を。
梓「だから、もっと教えてください」
おいしい紅茶の、淹れ方を
紬「ええ。喜んで!」 -
- 84 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:39:48.42 ID:06MmlFCO0
-
ガチャ
唯「こんちゃ~」
律「遅れてごめんよー」
澪「まったくこいつらは……」
紬「あらみんな。いらっしゃ~い」
梓「みなさんお疲れ様です」
律「おや、またまた珍しい組み合わせ」
唯「最近仲がいいですな~おふたりさん」
律「ねー!怪しいですわよねー」
唯「ね~!これはもしや…」
梓「はいはい。馬鹿やってないで座ったらどうです」
唯・律「バッサリきたー!?」 -
- 85 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:40:32.40 ID:06MmlFCO0
-
澪「…あれ、それ。もしかして、梓が?」
紬「ええ!今日は梓ちゃんがみんなに紅茶、淹れてくれるって」
梓「はい。まだまだムギ先輩にはおよびませんが」
梓「皆さんに飲んでいただけたらな、と思いまして」
唯「おお~!あずにゃんすご~い!」
律「梓がねぇ!すごいじゃん!」
澪「わざわざ淹れてくれたのか。ありがとう」 -
- 86 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 12:41:20.06 ID:06MmlFCO0
-
澪「へぇ…。すごくいい香り」
唯「美味しそうな匂いだねぇ~」
紬「梓ちゃんは私なんかよりずっと上手なのよ~」
梓「もう!ムギ先輩!ハードル上げないでくださいよ」
唯「ご褒美になでなでしてあげよう」
梓「終わったらにしてください。すぐ用意しますので」
律「しっかしどうしたんだ?急に色気づいちゃってー」
梓「律先輩もたまには色気づいたらどうですか?」
律「なかのぉー!そんなこというのはこの口かー!!」 -
- 94 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 13:01:18.62 ID:06MmlFCO0
-
梓「いひゃいいひゃい!」
澪「こら律!邪魔しちゃ駄目だろ」
唯「そうだよりっちゃん!おとなしく待ってなさい」
律「唯にはなんか言われたくねーぞ!」
唯「へへ。あずにゃんの淹れてくれる紅茶楽しみ~」
律「でも梓が紅茶淹れられるとはなー」
梓「すごく失礼なこと言われてる気がします」
律「いやいや。本格的なのって難しいんじゃないかなーって思ってさ」
紬「ちょっと練習すれば誰でもできるから、りっちゃんもどう?」
律「いや、私はいかに美味しく飲めるかを突き詰めたい!」 -
- 96 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 13:02:11.50 ID:06MmlFCO0
-
梓「そのためには淹れ方も知っといたほうがいいですよ」
律「いやいや、違うんだよ梓くん」
律「私は出されたものをいかに美味しそうに飲めるかを追求する!」
澪「またこいつは。何いってんだか」
唯「そうだよりっちゃん。つくる人のことを知るのは大事だよ!」
律「その割にはなにもする気がない唯には言われたかない」
唯「ムギちゃんやあずにゃんのお茶なら美味しいに決まってるから大丈夫!」
澪「こっちはこっちで…まったく」 -
- 98 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 13:03:18.53 ID:06MmlFCO0
-
紬「ふふふ。みんな今日も仲良しね~」
梓「…まったく、もう」
なんて言いながらも、きっと私の顔は笑っていて。
さて。それじゃあ皆さんに、紅茶を入れてあげなくちゃ。
今日は、ムギ先輩の好きなこの紅茶。
次はどうしよう?
甘くて美味しいミルクティー?すっきりとしたあの紅茶?
お砂糖たっぷりの、あの紅茶にしようかな?
…あ、そうだ!今度憂と純にもご馳走しよう。
きっとふたりとも驚くよ!
それでみんなが笑顔になったら、きっと私も。とっても幸せ。
おしまい -
- 99 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 13:05:03.80 ID:CGMv4iCnO
-
乙
寒い日にほんわかできる温かい話でよかった!
- 100 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 13:05:14.62 ID:7eraXiel0
-
おつおつ
優しくて良い話だ
- 108 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 13:08:55.15 ID:06MmlFCO0
-
おしまいです。読んでくれた人ありがとう!
終わり付近でさる食らったりして、申し訳なかった。
突っ込んだ紅茶の淹れ方のお話を期待した人はごめんなさい。
自分には紅茶の知識が殆どありません。
それをきっかけに仲良くしてる二人を書きたかっただけです。
ムギの百合属性の加減は難しいですね。
そこら辺について自分の勝手な考えもちょっと入れてしまったので。
気分を害した人がいたらごめんね。
十六茶飲みながらまた別の話でも考えます。
- 109 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 13:11:43.42 ID:qhkfwdM+0
-
乙!
ムギと梓の会話が良い
みんなのキャラの解釈や百合についての考え方なんかも納得させられた
- 112 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/02/09(水) 13:23:43.86 ID:khGSPsd00
-
ただひたすらに乙 -
▲ Close
| けいおん!!SS
| 21:00
| comments:1 | trackbacks:0 | TOP↑