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2011.01.17 Mon
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- 1 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:03:03.51 ID:b4FDC+Zc0
-
梓「……どうしよう」
梓「外側から鍵かけられて開けられない……」
梓「ついうとうとしちゃって、寝たのが間違いだったなぁ……」
梓「放課後だから誰もいないし……」
梓「……軽音部にも行けないなぁ……」
梓「! あ、そうだ、携帯!」
梓「鞄の中にあるはず………………、ない」
梓「ああ……家に忘れてきたんだった」 -
- 3 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:03:50.32 ID:b4FDC+Zc0
-
梓「……誰か来るまで待ってるしかないなぁ」
梓「……………………」
梓「……………………」
梓「…………誰も来ない」
梓「……………………」
ガララッ
梓「あ! 誰か来た!」 -
- 7 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:05:46.01 ID:b4FDC+Zc0
-
女子A「それで何? 相談って」
女子B「…………あの、実は」
梓「………………あの、すいません!」
女子A「何なのよ。早く言ってくれない?」
梓(聞こえてないのかなぁ…………)
女子B「…………私、妊娠しちゃって……」
女子A「嘘!?」
梓(声かけづらくなってきた……) -
- 8 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:06:40.91 ID:b4FDC+Zc0
-
女子B「…………本当。もう、一月半行ってるって」
女子A「……でも、あんた彼氏なんかいたっけ?」
女子B「…………ごめんね。隠してて」
梓(………………あー、心底どうでもいい)
梓(でも、シリアスな空気になってるし、関わりたくないし…………)
梓(…………まぁいいや。他の人に助けを頼もう) -
- 9 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:07:25.34 ID:b4FDC+Zc0
-
五分後……
女子B「ありがとう…………私、少し元気が出たよ」
女子A「そう……よかったわ」
女子B「私、頑張ってお母さん説得するよ」
女子A「うん、きっと、お母さんもあなたの強い意志を見せればわかってくれるはずよ」
梓(…………ああ、やっと終わった)
梓(…………足音が遠ざかって行く……教室を出て行った、かな?)
梓(…………それにしても、暇だ…………)
梓(………………唯先輩たち、心配してるかな?)
梓(…………早くここから出て軽音部に行かないと…………) -
- 10 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:08:13.62 ID:b4FDC+Zc0
-
梓(……あれ、今日は確か金曜日…………)
梓(…………明日からは休日。と、いうことは…………?)
梓(…………今日出ないとヤバい! あー! さっきの人たちに出してもらうんだった!)
梓(…………いや、後悔してももう遅い……。次来た人に開けてもらおう)
女子C「ほら、早く来てよ!」
女子D「あ、先輩、そんなに強く引っ張らないでください……」
梓(…………誰か、来た?) -
- 12 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:09:00.61 ID:b4FDC+Zc0
-
女子D「…………あの、何ですか? 話って」
女子C「…………あのさ、あんたに伝えとこうと思ってね」
女子D「……はい」
梓(う、また声かけづらい雰囲気に…………)
梓(構うもんか! 早くここを出なきゃ!)
女子C「わたし、あんたの彼氏と寝たから」
女子D「………………はい?」
梓「あの、出して下s 女子C「だからぁ! あんたの彼氏寝取ったから!」 -
- 13 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:09:47.00 ID:b4FDC+Zc0
-
女子D「………………何言ってるんですか? 先輩」
女子C「あんたセックス下手なんだって? 言ってたよ、あいつ」
女子D「…………はぁ?」
女子C「あいつさ、あんたが鬱陶しくてたまらないんだって。あんたに別れてほしいって言ってるよ。いつもね」
女子D「…………ちょっと、何を言ってるか分かりませんね」
梓「……あの! ここのカギを開けt 女子C「とにかく! あんたはあいつと別れろって言ってるんだよ!」
女子D「………………冗談でしょう?」
女子C「冗談なもんか。私たちはもう肉体関係もあるんだ。証拠だってあるよ? ほら。私とあいつのハメ撮り画像」
女子D「……………………そん、な」 -
- 15 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:10:39.73 ID:b4FDC+Zc0
-
女子C「あいつとはさ、私、体の相性も合うみたいなんだよね。いやー、いい男だわ顔も身体も」
女子D「………………何がしたいんです? 先輩」
女子C「あんたの彼氏を奪っただけだよ。それ以外の何物でもないね」
梓「あの、話を聞いt 女子D「ふざけるなぁっ!!」
女子C「おっと、逆ギレ? いいから早く別れてよ。正式に付き合えないじゃん」
女子D「…………何で、何で?」
女子C「ま、言いたいことは伝えたから。数日中に別れてよね」
梓(…………あ、一人教室を出て行ったのかな? よし、今なら開けてもらえる――)
梓「あの、すいません、ここをあk 女子D「――っ、あああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」 -
- 16 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:11:25.74 ID:b4FDC+Zc0
-
女子D「…………赦さない、あのビッチ」
梓「あの、ここを開けて!」
梓「………………」
梓「もう、どっか行っちゃったかな…………」
梓「………………また開けてもらえなかった…………」
梓「…………次こそ、ここから出よう」
梓「大丈夫、まだ出る機会はある……」 -
- 18 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:12:27.22 ID:b4FDC+Zc0
-
数十分後……
?「おーい、梓―。どこだ?」
梓(…………私を呼ぶ声?)
prrrr prrrr
?「あ、律? そっちの方にはいたか?」
?「……そっか、一階にはいない、か」
?「…………まったく、困ったもんだよな。休むかどうかも言わないで部活に来ないなんて」
?「でもまぁ、学校には来てるらしいから、まだ校舎のどこかにいるんだろうけどさ」
?「サボり? ないない。梓が一言も無しにサボるなんてありえないだろ」
?「…………ああ、わかってるって。見つけたら連絡するから」
梓(携帯か何かで話してる?) -
- 19 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:13:21.39 ID:b4FDC+Zc0
-
?「じゃあ、私は二年生の教室をしらみつぶしに探すよ。ああ、うん。大丈夫だって」
梓(……あ、この声! 澪先輩!)
澪「…………さて、まずは二年一組から、か」
梓(――来る! ここから出れる!)
澪「梓、いるか?」
梓(来たあああああああああああああああああああああああああ!!!)
梓「澪先輩! ここです! ここにいます!」
澪「!」
澪「そ、そ、そ、そ、掃除用具箱が…………喋った!?」 -
- 20 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:14:16.37 ID:b4FDC+Zc0
-
梓「! 違います! 澪先輩! 私です! 梓です!」
澪「あああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!喋ってるううううううううううううううう!!!!」
梓「私が喋ってるんです!!」
澪「ミエナイキコエナイミエナイキコエナイミエナイキコエナイ………………」
梓(………………教室を出て行く音……ああ、救いの女神は私を見逃した…………)
梓(いや、澪先輩が来たってことは、唯先輩たちも来るはず!)
梓(落ち着け、唯先輩たちが来てくれる……) -
- 21 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:15:05.76 ID:b4FDC+Zc0
-
数分後
唯「あずにゃんはどこかな~」
梓(来た! 今度こそ出れる!)
唯「この教室にはいないかな?」
梓(ドアを開く音…………よし、チャンス!)
梓「先輩! 私はここに 憂「あ、お姉ちゃんどうしたの?」
唯「あ、憂。実はあずにゃんを探してるんだよ。どこにいるかしらない?」
梓「だからここにいm 憂「梓ちゃんは見てないけど……。もしかしたら、お姉ちゃん達とすれ違ってるんじゃない? もう部室にいたりして」 -
- 22 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:15:51.68 ID:b4FDC+Zc0
-
唯「あ、そっか! そうかもね!」
憂「お姉ちゃん、どれくらい探してるの?」
唯「うーんと、二十分くらい前から探してるよ」
憂「それだけ探しても見つからないってことは、間違いなく部室にいるんだと思うよ」
梓「行かないで! 唯先輩! 待って!」
唯「…………あれ? 何か声聞こえない?」
憂「え、嘘?」
唯「ほら、この教室から」 -
- 23 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:16:37.88 ID:b4FDC+Zc0
-
憂「えっ、……って、ここ私たちの教室」
梓「先輩! 唯先輩!」
唯「ほら、聞こえるよ」
澪「唯! その教室には行かない方がいい!」
唯「澪ちゃん!?」
澪「その教室にはお化けがいるんだ! …………ああ、思い出すだけで恐ろしい」
唯「…………ほ、本当? お化け?」
梓「お化けじゃないです! 梓です!」 -
- 24 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:17:32.41 ID:b4FDC+Zc0
-
唯「実は…………私、さっきから変な声聞こえるんだよ」
澪「それは…………間違いなく幽霊だ! 逃げるぞ唯! いつ襲ってくるかわからん!」
唯「う、うん!」
梓(………………あぁ、また逃した)
梓(澪先輩と唯先輩はもう助けには来ないかな? …………と、なると律先輩かムギ先輩しか)
カツ・・・カツ・・・カツ・・・カツ
梓(…………足音?)
梓(…………律先輩? それとも……)
紬「梓ちゃん? どこにいるの?」
梓(――ムギ先輩!) -
- 25 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:18:17.56 ID:b4FDC+Zc0
-
紬「この教室には……」
梓「ムギ先輩! ここです! ここ!」
紬「…………空耳かしら?」
梓「空耳じゃありません! 梓です!」
紬「…………変ね? 掃除用具箱が喋ってるような…………」
梓「私が喋ってるんです!」
紬「…………ああ、疲れてるのね。私」
梓「ムギ先ぱ………………い……………………」
梓(……………………ムギ先輩の足音が、どんどん離れていく…………) -
- 26 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:19:32.67 ID:b4FDC+Zc0
-
梓(…………頼みの綱は、律先輩しか…………)
数分後
律「梓―、いるかー?」
梓(! …………律先輩の声。だんだん近づいてきてる…………。律先輩を逃したら、土日をここで過ごす羽目になる!)
律「うーん、二年生の教室は澪が探したって言ってたしな。探しても無駄か」
梓(!? え、ちょっと、まさか)
律「こんだけ探してもいないってことは帰ったんだな、きっと。ったく、梓の奴、今度来たらおしおきものだ」
梓(ちょ、ちょっと待って!)
梓「律先輩! 私は! 私はここです!」
律「…………気のせいか? 一瞬名前を呼ばれた気が…………。ま、気のせいだな。部室に戻ろうっと」
梓「律先輩いいい!!」 -
- 28 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:20:17.81 ID:b4FDC+Zc0
-
梓「………………ああ、だめだ。聞こえてない」
梓「サボっちゃったことになるなぁ…………ここから出たら謝ろう」
梓「それにしても………………まさか、嘘でしょ? 土日をここで過ごすなんて」
梓(………………他に頼れる人は………………)
梓(…………純? そうだ、まだ純がいた!)
一時間後
梓(………………誰も来ない…………)
梓(純も来ないだろうなあ………………、ああ、もう頼れる人間がいない…………) -
- 29 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:21:30.86 ID:b4FDC+Zc0
-
梓(…………埃って美味しいのかな?)
梓(食べ物も飲み物もない………………どうやって土日を過ごそう)
梓(いや、一日二日飲まず食わずでも死なないってテレビでやってたから……うん。大丈夫かな)
梓(………………うん。大丈夫)
梓(……………………寂しいなぁ)
梓(……………………お母さんとかも心配するだろうなぁ…………どうしよう)
梓(………………出たい)
梓(………………ここから出たい!) -
- 30 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:22:26.94 ID:b4FDC+Zc0
-
梓「誰か! 誰かいませんか! ここから出してくれませんか!」
梓「廊下通ってる人とか! 誰でもいいんで! 出して下さい!」
梓「……………………」
梓「……………………誰もいないや」
梓「……………………いやだ」
梓「埃は食べたくない! 出して! 誰か!」
梓「誰か……………………外に、だしてください………………」
?「誰か居るの? その中に」
キィ、ガチャ
梓「………………へ?」 -
- 31 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:23:22.45 ID:b4FDC+Zc0
-
和「………………そこで何をやっているの?」
梓「………………え、え、え?」
和「『埃は食べたくない!』っていう叫びが聞こえたから来てみたら…………何しているの?」
梓「あ、あ、開けてくれたんですよね? 和先輩?」
和「? ええ」
梓「あ、ありがとうございます!」
和「…………誰かに苛められてたの? この中に閉じ込められたりとか」
梓「いえ、自業自得です…………ああ、あぁぁあ、助かった……本当にありがとう、ございます」
和「ちょっと梓。泣かないで。唯達は?」
梓「……あ、そうだ! 唯先輩たちに謝ってこないと!」
和「? よくわからないけど、掃除用具箱の中には今後入らないようにしてね」 -
- 32 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:24:07.95 ID:b4FDC+Zc0
-
音楽室
梓「あの、すみません。遅れました」
律「あー! 梓! どこに行ってたんだ!」
唯「あずにゃん! 心配したんだよ? 保健室とかに行ってたの?」
梓「いえ…………いたずらが失敗してしまっただけです」
澪「まぁ、無事で何よりだよ。梓」
梓「あ、はい。心配をかけて本当にごめんなさい…………」 -
- 34 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:24:52.59 ID:b4FDC+Zc0
-
憂「梓ちゃん、純ちゃんのこと知らない?」
梓「あ、憂。いたんだ…………、純? ジャズ研部室じゃないの?」
憂「それが、放課後になって突然行方をくらましたんだよ。ジャズ研部室にもいないし……」
梓「携帯は?」
憂「かけたら、純ちゃんのお母さんが出てきた。家に忘れちゃってるみたい」
梓「ふぅん。…………まぁ、純のことだから心配しなくても大丈夫だと思うよ」
そのころ、女子トイレ内掃除用具箱では……。
純「掃除用具箱に隠れて誰か脅かそうとしたら出られなくなった」 -
終わり -
- 37 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:31:23.73 ID:BxMZlgu60
-
乙
- 40 :以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/01 /16(日) 03:43:31.43 ID:/f4JndDWP
-
乙
嫌いじゃなかったよ -
▲ Close
| けいおん!!SS
| 18:00
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